2012年2月 2日 (木)

奉仕者による愚かな悪行

『本日、忙しい業務を抱えている中、お集まりいただき、ありがとうございます。時間も限られているので、なるべく簡潔にお話ししたいと思います。ご存じかもしれませんが、来る2月12日に、沖縄県宜野湾市長選が予定されています。まだ確定していませんが、2人の候補が立候補する予定です。報道などによると、伊波洋一元宜野湾市長と佐喜真淳沖縄県議です。基地問題については、伊波氏は「県内移設反対、早期閉鎖・返還」を主張しています。佐喜真氏は「現状固定化を断固阻止し、一日も早い危険性の除去と返還・跡地利用計画を強力に推進」するとしています。双方ともに「県外移設」を主張しています。宜野湾市は、米軍普天間飛行場が所在しており、普天間飛行場問題の原点とも言うべき市であります。1996年に橋本龍太郎首相・モンデール駐日米大使会談で合意されて以来、この問題は、15年間以上にわたって日米両政府が取り組んできた重要課題です。日米合意上も、大きくは96年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告から2006年の米軍再編ロードマップに引き継がれています。この間、さまざまな移設案が検討され、最終的に名護市辺野古のV字案が決定されました。その後、09年には政権交代があり、従来の移設案である辺野古のV字案が白紙的に再検討されました。この再検討過程を経て、一昨年5月に辺野古が移設先であることがあらためて日米合意となり、昨年6月には日米安全保障協議委員会(2プラス2)で、仕様の変更を伴ってではありますが、代替施設の形状についてV字案で合意されました。一方、この再検討過程を機に、この問題に対する沖縄県民の見方は厳しさを増し、現在では辺野古案をはじめ県内移設に反対する声が一般的になっています。これに対して、政府はその必要性をパンフレットなどを使って積極的に県や市町村、各種団体などに説明するとともに訓練移転の拡充など一層の基地負担の軽減に取り組むことなどによって県民の理解を得ようと努力しているところです。このような中で、宜野湾市の市長選は、普天間飛行場を抱える自治体の直近の民意が示される場として注目される重要な選挙と考えられます。皆さんは、自らが有権者であるかまたは有権者を親族にお持ちの公務員です。公務員は、国民の権利である選挙権の行使、すなわち投票に積極的であるべきであります。私は職員に「特定の候補者に投票しなさい」と言える立場ではありません。来るべき選挙には棄権を避け、期日前投票を含め、ぜひ投票所に足を運ぶようにしていただきたい。機会があれば、親戚の方々にも投票所に行くようお話ししていただきたい。一方、公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではありません。選挙に際しては、政治的中立性の確保が要求されます。自衛隊法などの関係法令に違反したり、違反していると思われないよう留意をお願いしたい。親戚の方々と接する際にも気を付けていただきたい。以上、まとまりのない話で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。』

これは、防衛省が公表した真部朗沖縄防衛局長の「講話」を再現した文書で、2月2日東京新聞の記事によるものである。真部氏は特定の候補予定者を支持する発言は行っていないが、米軍普天間飛行場移設問題に対する2人の立候補予定者の主張を対比して説明するなど、自民、公明両党が推薦する佐喜真淳県議への支持を言外に促す内容になっている。沖縄防衛局の真部朗局長は、職員に投票を呼びかける「講話」を自身の発案で行ったと語った。沖縄防衛局が本人や親族が在住する職員の名簿を作り局長が自ら「講話」したのは、5日告示の市長選挙を有利にするためなのは明白である。沖縄防衛局という国家機関が選挙に介入し、局長という立場で職員の投票行動に影響を及ぼそうとするのは、投票の自由を保障した憲法や公務員の地位利用を禁止した公職選挙法に違反する重大な犯罪だ。そして、「名護の選挙でもやった」と、2010年1月の名護市長選か、同9月の名護市議選でも行っていたことを明らかにした。だが、毎日新聞には、このような記事が書かれていた。【防衛省関係者によると、過去の沖縄県知事選でも、真部氏とは別の局長が幹部職員に投票を呼びかけたことがあったという。知事選は米軍基地問題が最大の争点で、当時の局長が幹部職員を集めた会議「局議」で「投票に行くように。職員にも言ってほしい」という趣旨の話があった】というのである。また、【関係者は「選挙で職員に投票を呼びかけたことは防衛省も知っているはずだ」と話し、組織的に行われていた可能性を示唆し、2010年11月の沖縄県知事選の際は、当時も局長を務めていた真部氏が職員らに対し「重要な選挙なので選挙権を放棄するようなことはしてほしくない」との趣旨の話をしたことがあった】というのである。この防衛省関係者の証言通りなら公務員の政治的中立性への疑念を招き、防衛省の組織ぐるみの選挙妨害とされかねない大問題だ。国家公務員法違反や公職選挙法違反に問われる可能性がある。防衛省という組織にとっての致命的危機である。真部局長の更迭ではもはや済まない。時間が経てば経つほど悪業が明るみになる。そして、その騒ぎは田中防衛大臣に向けられることになる。ただでさえ不適格だと毎日のように馬鹿にされている田中氏自ら辞任すべきである。衆院予算委員会は3日、真部局長を参考人として招致し、集中審議を行う。防衛省は集中審議終了後、真部氏の更迭を判断する方針だという。下記、沖縄タイムス社説でも記されているように、沖縄における防衛局の自治や選挙への介入は常習化し、国家ぐるみの介入も記憶に新しい。このような悪業は徹底的に調査追及して頂きたいものである。

沖縄タイムス 社説:[宜野湾市長選介入]伏魔殿と化した防衛局
沖縄防衛局の真部朗局長が宜野湾市長選に向け、親族に有権者をもつ職員や同市在住の職員を対象に、庁内で「講話」を開いていたことが明らかになった。名護市の前回選挙でも同様の講話をしていたという。これを受け、田中直紀防衛相は真部局長の処分を検討する方針を表明した。それで済む話だろうか。(中略) 真部局長が特定の候補予定者の名を直接挙げて投票要請することはなかったとしても、普天間問題と絡めて宜野湾市の民意の重要性を唱え、棄権するな、とトップから告げられれば、それが何を意味するのかは「空気を読め」ということだ、と部下は解するだろう。(中略) 沖縄における防衛局の自治や選挙への介入は常習化している。1997年の名護市民投票では現地事務所を構え、ローラー作戦で戸別訪問を展開した。仲井真弘多氏と糸数慶子氏の事実上の一騎打ちとなった2006年の知事選では、当時の佐藤勉局長が仲井真支援を要請するため県内約10社の企業回りに奔走した。国家ぐるみの介入も記憶に新しい。98年の知事選では、自民党の小渕内閣で官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員(当時)が、稲嶺恵一陣営に官房機密費3億円が渡った、と証言している。(中略) 他県の例を一つ挙げる。石川県珠洲(すず)市長選の告示前、市助役が課長らを集め、原発推進派陣営から立候補する元市総務課長への支援を要請したとして公選法違反(公務員の地位利用、事前運動)の疑いで96年7月、石川県警に逮捕されている。同事件の立件は原発行政に冷や水を浴びせるかたちになった。それでも、県警は市民の告発を受けて捜査を遂行し職務を果たした。沖縄県警には、普天間問題という国策への影響を避けるため捜査に消極的だ、と県民の目に映ることのないよう筋を通してもらいたい。▲

東京新聞 筆洗
もう覚えている人は少ないかもしれない。9年前に、合併問題が…
もう覚えている人は少ないかもしれない。9年前に、合併問題が争点となった隣町の町長選挙に介入したとして、北海道釧路市長や助役ら幹部が逮捕される事件があった▼隣町に住む市の職員に対して、釧路市との合併を推進する候補への投票を働き掛けた公職選挙法違反(公務員の地位利用)容疑だ。判決は禁錮1年、執行猶予5年。「私の行為は万死に値する」と市長は公判で謝罪した▼幹部公務員が立場を利用して投票を依頼するのは軽い罪ではない。果たしてこの人には、その認識があったのだろうか。あったが故に「講話」を通じてあうんの呼吸で、投票すべき候補を伝えようとしたのだろうか▼米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選を前に、沖縄防衛局長が同市内に職員の親族がいるか調査を指示したり、市内在住の職員を集めて「講話」をしたりしたことが明らかになった▼防衛省の調査では、局長は候補者2人を紹介した上で、選挙を棄権すべきではないことや、公務員としての中立性や公正性に疑いを持たれないようにすることなどを求めたという▼「講話」を辞書で引くと「講義して説き聞かすこと」とある。「選挙に行きましょう」程度の話なら、沖縄防衛局の面々は、選挙のたびに上司に説かれなければ投票所に足を運ばない人たちということになる。そうだとしたら、そちらの方が問題だ。▲

沖縄タイムス:「あうんの呼吸」投票働き掛け 防衛職員証言
琉球新報 社説:有権者リスト作成 核心見極め厳正処分を
毎日新聞 社説:沖縄防衛局長 選挙介入が常態なのか
東京新聞 社説:防衛局長講話 選挙への「介入」許せぬ

1998年の名護市長選で、沖縄防衛局の前身「那覇防衛施設局」が県内の建設業者に対し、辺野古移設を受け入れた比嘉鉄也元市長の後継者で故岸本建男氏の総決起大会に参加するよう文書を送っていたことが1日、沖縄タイムスによる建設会社元代表の取材で明らかになった。文書には「参加社の出欠を取る」と記され、元代表は「参加しなければ工事を発注させないという意図と感じた」と語り、那覇防衛施設局が工事受注を盾に、特定候補者の支援を誘導していると指摘した。文書は施設局から県建設業協会へ送られ、同協会がファクスで加盟社に転送。当時を知る防衛関係者は「比嘉元市長の意志を無駄にしないためにも勝たなければならなかった。移設容認を示していた業者へ、総決起大会に参加するよう依頼の文書が作られた」と文書作成の経緯を語っている。元代表は2006年の県知事選前、当時の佐藤勉局長の来社についても証言。佐藤局長は事前に連絡なく来社し、「君らもうちの工事を受注しているよね」と話して帰ったという。「知事選前に来社の要件も告げず、帰り際に受注の話を持ち出す。言外に『選挙協力しろ』という意図があった」と受け止めたという。岸本建男氏は、1998年2月8日比嘉名護市長の辞任に伴う選挙で初当選し、翌年12月23日には名護市議会で「普天間飛行場の名護市辺野古沿岸域への移設整備促進決議」が採択された。12月27日には、名護市長が代替施設受け入れを容認するとともに受け入れのための基本条件を提示している。2006年3月27日に亡くなった名護市長の岸本建男氏の市民葬には、政府から麻生太郎外務大臣、額賀福志郎防衛庁長官、山崎拓自民党沖縄振興局長、久間章生自民党総務会長が、県から稲嶺恵一知事ら約4000人が参列している。

経済学者で法政大学大原社会問題研究所教授の五十嵐仁氏のブログに、『沖縄防衛局長の違法行為とマスコミ各紙の報じ方をどう見るか』という記事を書かれているので、一部抜粋して転載します。

【この問題については、もう一つ重要な事実があります。それはマスコミによる報道の問題です。これほどの重要な大問題であるにもかかわらず、昨日の『朝日新聞』朝刊は1面で報ずることをしませんでした。NHK夜7のニュースも、大雪のニュースを15分も流し、この問題を報じたのはその後でした。ニュースバリューを見誤ったと言うべきでしょう。特に、明確な「特落ち」となった『朝日新聞』の記者・編集担当者も、処分されてしかるべきです。もう少し詳しく、この問題についての全国紙6紙の報道ぶりを検証してみましょう。すると、面白いことが分かります。上述のように、最も軽く扱っているのが『朝日新聞』です。1面にも2面にも記事はなく、何と39面の対抗社会面、それも漫画の横に小さな記事が出ているだけです。『朝日』についで軽く扱っているのが『産経新聞』です。1面上部の真ん中に「沖縄防衛局長 更迭も」という記事が申し訳程度に出ています。これに次ぐのが『日本経済新聞』で、記事は1面に出ていますが、場所は上ではなく、左下の方になっています。ただし、関連する記事が2面に出ている点で前の2紙よりマシであり、『朝日』と『産経』は1ヵ所にしか記事が掲載されていないという点で、経済専門紙にさえ劣っていると言わざるを得ません。これらとは違って、『讀賣新聞』『東京新聞』『毎日新聞』の3紙は、1面トップでこの問題を報じています。この点で、『朝日新聞』『産経新聞』『日経新聞』に比べれば、これら3紙の方が数段マシだと言えるでしょう。このうち、記事が2ヵ所に出ているのが『讀賣』と『東京』です。ただし、『讀賣』の記事では、この事実が共産党の赤嶺議員の質問によって明らかになったことには触れず、「31日、明らかになった」としているだけです。いかにも『讀賣』らしい報じ方だと言うべきでしょうか。これらに比べて、この問題を最も大きく扱っているのは『毎日新聞』で、唯一記事が3ヵ所に掲載されています。力の入れようが分かろうというもので、『朝日』は『毎日』に大きく水を空けられたということになります。このような違いはどうして生じたのでしょうか。記者の取材力の違いなのでしょうか。しかし、1ヵ所しか出ていない『朝日』の記者の取材力が、3ヵ所も出ている『毎日』の記者の取材力の三分の一であるとは思われません。その違いは、おそらく意図的なものだったのではないでしょうか。『朝日』は、『産経』などと同様に、この問題が大きくなることを望まず、ことさら小さく、目立たないような形で報じたということではないでしょうか。しかし、昨日の夕刊の1面には大きく出でており、対抗社会面にまで記事があるところを見ると、他社が大きく扱い、問題が拡大したために「これはマズイ」ということで大あわてで後追いの記事を出したことが分かります。民主党はどんどん自民党化し、『朝日新聞』はどんどん『産経』化している。酷いもんですね。】

最高責任者である防衛大臣を筆頭に、この国の防衛政策担当者たちは一体どっちを向いて仕事をしているのだろうか。少なくとも、日米安全保障条約に基づいて日本に駐留する米軍基地の大半を引き受けている沖縄県の人々の方を向いていないのは確かだろう。沖防局長は過去に名護市の選挙でも同様の講話をしていたと認めている。地元には「またか」という声すらある。恒常的に行われているものであり、それは沖防だけの話ではなく、防衛省や大臣、政府にとっての大きな問題である。問題なのは国の政策を地方に無理やり押しつけようとする姿勢でもある。沖防は昨年末にも辺野古移設に向けた環境アセス評価書を未明に沖縄県庁に搬入する異例の対応をとった。野田首相は施政方針演説で「沖縄の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し理解を求める」と語った。県民の目を盗むように移設への地ならしを進めても不信を買うだけだ。旧防衛庁では、かつて情報公開請求者の個人情報をまとめたリストを作って庁内で閲覧した問題が発覚した。裏で動く体質は防衛省全体に言えることだ。進めたい政策があるなら開かれた場で主張すればいい。防衛省は6月にも辺野古の埋め立て申請をし、年内に着工する日程を描いているとされるが、県民の理解は到底得られないだろう。防衛省や日本政府がいくら「沖縄のために基地負担軽減の努力を続けています」と言おうと、こうも沖縄とそこに住む人々を愚弄する言動が続けば、そう疑わざるを得ない。沖縄が怒るのは当然である。沖縄では昨年末以来、2代続けて防衛大臣や沖縄防衛局長による沖縄を軽視し、侮蔑・差別する言動が続く。その度に当事者を更迭・処分しても、沖縄より米国を向いた基地政策を続ける限り、民主党政権が沖縄の信頼を取り戻すのは困難だろう。地元の理解と協力あってこその安保・防衛政策である。普天間問題では政府が辺野古移設へ向けて提出した環境影響評価書を沖縄県の審査会が事実上拒否する答申方針を決めたばかり。これを受けて今月下旬が期限となっている知事意見も厳しいものとなるだろう。普天間移設は鳩山由紀夫元首相が「最低でも県外」を訴えながら政権交代後に自民党の辺野古案に回帰せざるを得なくなり、沖縄県の政府に対する信用は既に失墜している。野田政権は県内移設へのシナリオを見直して、普天間の県外・国外移設を強く求める沖縄の民意に正面から向き合わなければならない。辺野古移設の日米合意に執着するだけでは、信頼を取り戻せるはずがない。

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2012年2月 1日 (水)

歴史は繰り返す

1972年5月15日の本土復帰から今年で40周年を迎える沖縄県。自民党橋本政権が、1996年4月12日「普天間飛行場の全面返還(県内移設)で合意」してから15年。民主党政権に変わっても何ら状況は変わらない。2009年の政権交代と、民主党の「国外、最低でも県外(移設)」という選挙での訴えが、沖縄県民に希望を与え、状況を大きく変えた。だが、今はどうだろうか? 15年もの年月をかけても、何ら解決の糸口さえも見出すことも出来ないのが日本政府である。

歴史は繰り返すのだろうか。東日本大震災や福島第一原発事故を受けて政府が設置した15の対策会議のうち、10の会議で議事録が作成されていなかったことが分かった。それは過去にもあったようだ。1995年の阪神大震災で設置された緊急対策本部や2007年の新潟県中越沖地震の際の会議でも、議事録や要点をまとめた議事概要が作成されていなかったと明らかになった。そして昨日の衆院予算委員会で、沖縄防衛局の真部朗局長が、局職員や選挙権を持つ家族など68人に1月23、24日「講話」を行っていたことが明らかになった。辞書で「講話」を調べてみると、「ある題目について、大勢の人にわかりやすく講義をすること」とある。真部局長は講話の内容について「市長選投票日と立候補予定者を紹介し、宜野湾市は米軍普天間飛行場所在地で、市民の民意が重要であること、公務員として選挙権を行使すべきで、棄権すべきでないこと、公務員の中立性、公正性に疑いを持たれないようにすることなどを述べた」と説明した。良識ある国民であれば彼が何を言いたかったか、わかるだろう。宜野湾市長選(2月5日告示、12日投開票)は元市長のイハ洋一氏と、県議の佐喜真淳氏の一騎打ちの構図だ。イハ氏は革新陣営に身を置き、一貫して県内移設に反対している。一方、佐喜真氏は市長選で県外移設を訴えるが、かつて条件付きで辺野古移設を容認していた人物である。自民党県連が2009年11月に辺野古移設容認から「県外」へと方針転換した際、宜野湾市区選出県議として最後まで抵抗したのが佐喜真氏だ。

2月1日沖縄タイムス:国の暴走 不信頂点「投票依頼以前から」
沖縄防衛局の選挙介入か―。告示まで1週間を切った宜野湾市長選をめぐる防衛局の調査問題で、普天間問題に絡み防衛局への不信を募らせる有権者や選挙の影響を懸念する関係者は「県民の怒りを理解していない」「公平な選挙に水を差す」などと怒りをあらわにし、一斉に反発した。一方、防衛局内では基地に絡む主要選挙では以前から同様の〝介入〟があったとの声も。民主主義を揺るがしかねない国家組織のゆがみも浮き彫りになった。「具体名での投票依頼もある」「上司の働き掛けは以前から」―。現役自衛官や防衛関係者らは31日、沖縄タイムスの取材に対し、上司や上官による特定候補者への投票依頼が恒常的に行われていたと証言した。防衛省の「武官」「文官」の両方で公職選挙法に抵触する働き掛けがあった疑いが浮上している。防衛関係者によると、県知事選や那覇、名護、宜野湾の各市長選など基地問題に関わる主要選挙では、以前から局職員に投票の働き掛けがあったという。局長の指示を受けた担当職員がメールや直接面談などで「業務をスムーズに進めるため、選挙に行くように」「家族にも伝えてほしい」などと促し、具体的な候補者名は出す場合と出さない場合があったという。同関係者は「家族や親族を対象にした『講話』の開催は聞いたことがない。事実なら初めて呼び掛けたのでは」と推察した。また、別の関係者は「過去の選挙でも、真部局長は棄権するなよと言っていた」と振り返る。真部局長は会議の席上で幹部に対し「職員に棄権してはいけないと伝えなさい」と指示。幹部が各部署の職員に伝えていたという。同関係者は「誰々に入れろとは口が裂けても言わない。言ったらまずいというのは局長は分かっているはずだ」と話した。県出身の30代の現役自衛官は「上官がだれだれ(の当選)が危ないから、選挙に行くように、との呼び掛けはある」と証言する。候補者の具体名が出るのは少人数の場合が多く、防衛政策に通じた候補者の支援も呼び掛けられたという。同自衛官は「政治に関心がなくても上司から指示されれば、後で投票に行ったか聞かれるので投票することが多い」と述べ、武官である「制服組」でも働き掛けが日常的に行われている現状を語った。一方、沖縄防衛局の職員は午後5時以降の退庁時、一様に硬い表情で帰路に就いた。50代の男性職員は「聞いた話」として「局長講話は大事な一票なので選挙に行くようにという趣旨のようだ。特定の誰かに投票するようにとは言ってないのでは」と推し量るように語った。防衛局での調査を終えた防衛省職員2人は午後8時35分ごろ、那覇空港出発ロビーに姿を見せた。待ち受けた報道陣から「国会質疑内容の事実関係は」「真部局長は講話をしたのか」などの質問が矢継ぎ早に飛んだが、「まだ調査中ですから」「内容は大臣に報告して、あす正式に衆院予算委員会の理事会に報告されるので、それまではご容赦ください」などと述べるにとどめ、足早に搭乗口に消えた。▲

6月には沖縄県議選、2年後には名護市長選を控え、沖縄の政治状況を少しでも好転させたい政府側にとって、宜野湾市長選で佐喜真氏が当選すれば、そのきっかけになるとの期待がある。このようなことは過去にもあった。これまでも政府は、辺野古新基地を押し付けるため、国家権力を使って不当な介入を繰り返してきた。1997年に新基地建設の是非をめぐり名護市で住民投票が行われた際、住民の自由な意思表明を妨げる新基地賛成票獲得のための運動を展開した。当時の久間章生防衛庁長官は沖縄県出身および同県駐留の自衛隊員約3000人に「隊員諸君へ」と題する文書を送付し、新基地建設の必要性を強調し「ぜひ国民から、この問題への理解・協力が得られるよう尽力願いたい」と賛成票獲得への取り組みを要請した。那覇防衛施設局は、局長を先頭に幹部が連日、「基地賛成派」集会に出席した。200人もの職員が勤務中に市内全戸を訪問し、振興策を満載したパンフレットを見せ、新基地の受け入れを求めた。こうした国家権力総動員の介入にもかかわらず、名護市民は住民投票で基地建設反対の意思を示したのである。民主党も同じ歴史を繰り返すというのか。口先では「沖縄の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し理解を求めながら、沖縄の負担軽減を図る」などと施政方針演説で言いながら、裏ではどんな事でもして辺野古に基地を造ろうとする政府の姿勢に、沖縄県民がどれだけ苦しめられているか…という思いである。トカゲのしっぽ切りのように、また局長の首を切るだけで、歴史は繰り返されるのであろう。民主党はアメリカの要求に応じて、沖縄県民が何を言おうが、とにかく基地を押し付ける。これが野田内閣が今やっていることである。

2月1日琉球新報 社説:防衛局選挙介入 公僕にあるまじき行為
2月12日投開票の宜野湾市長選挙へ向け、沖縄防衛局が同市に在住する職員や選挙権を有する親族を持つ職員の名簿を作成の上、該当する職員に真部朗局長の講話を聞くよう指示していたことが明らかになった。衆院予算委員会で共産党の赤嶺政賢氏が防衛局の人事係が局内各部の庶務担当に送ったメールの内容を「内部告発」として暴露した。告発通りなら公務員の政治的中立性への疑念を招き、防衛局の組織ぐるみの選挙妨害とされかねない大問題だ。国家公務員法違反や公職選挙法違反に問われる可能性がある。田中直紀防衛相は直ちに真相を究明し県民に説明すべきだ。国家公務員法102条1項【政治的行為の制限】では「職員は、政治又は政治的目的のために(中略)選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない」と明記。これを受けて人事院規則は「政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること」など17項目を「政治的行為」として規定し、職員に禁じている。赤嶺氏は「内部告発」を職権を使った「指示、命令」と位置付け、「講話は勤務時間中に庁舎4階の講堂で行われている。国家権力による選挙の自由への不当な介入ではないか」と防衛相を追及した。告発内容は日時、場所、指示内容など具体的で、信ぴょう性が高い。防衛局が市長選挙で一方の当事者に肩入れし、普天間飛行場の名護市辺野古移設を強行する環境整備を画策したのなら、公僕にあるまじき行為であり、民主主義を否定する暴挙というほかない。防衛省はどう釈明するのか。組織ぐるみの選挙介入となれば、現地責任者の真部局長はもとより、防衛相も監督責任を免れない。防衛省への県民の信頼は失墜している。昨年末から田中聡前沖縄防衛局長の暴言、1995年の米兵少女乱暴事件をよく知らないと述べた一川保夫前防衛相、普天間第二小学校の騒音被害を軽視するかのような田中防衛相と、不適切発言が後を絶たない。大多数の県民が普天間の県外・国外移設、撤去を訴えても取り合わない政府の姿勢は罪深い。沖縄は無視しても構わないのか。米国では在沖海兵隊の撤退論が広がるなど変化が起きているのに日米両政府の思考停止ぶりは嘆かわしい。▲

昨年末から田中聡前沖縄防衛局長の暴言、1995年の米兵少女乱暴事件をよく知らないと述べた一川保夫前防衛大臣、普天間第二小学校の騒音被害を軽視するかのような田中防衛大臣と、不適切発言が後を絶たない。田中大臣は、来週にも再度沖縄を訪れ、辺野古を視察するという。大臣は衆参院予算委で、佐藤正久氏が質した「米海兵隊が沖縄に駐留している理由」についてさえ、まともに答えられなかった。山谷えり子氏の「南スーダンのPKOに派遣されている自衛隊の施設部隊がどの国に守られているのか?」という質問に対しては、「まだ決まっていない」と発言。山谷氏の「決まっているはずだ」という追撃を受け、渡辺副大臣が「バングラデシュです」と大臣の答弁を修正した。田中大臣は慌てて、答弁内容を訂正し、謝罪した。これが、野田総理の言う「最強の布陣」なのだろうか? 田中大臣は在沖海兵隊の存在意義について「沖縄で長年活動していただいており、日本の抑止力、アジア太平洋の安全に必要な存在なのは間違いない」とし、普天間移設先を県内とする理由を「地政学的に考えて必要」と述べた。聞き飽きた言葉である。少し言わせてもらえば、彼らが長年活動している場はイラクやアフガニスタンなどの戦場であって沖縄ではない。「抑止力」「地政学的」というならば、キチンと沖縄県民に懇談の場を設け説明すべきである。沖縄県知事との会談でも、「ペーパーを読んで」でなければ話が出来ない防衛大臣が、長年闘い続けられている県民に説明できるとは思わないが…。米週刊誌「タイム」が運営する同誌電子版のブログサイトに「在沖海兵隊・撤退の時?」と題する記事(13日付)が掲載された。記事中で、国防総省系のシンクタンク、アジア太平洋安全保障研究センター(ハワイ)のジェフリー・ホーナング准教授は、個人的見解とした上で、在沖海兵隊の抑止力とされるものについて「対中国ならば第7艦隊だろうし、対北朝鮮なら在韓米軍がそれということになる」と指摘した。

「何のための海兵隊か」と問われれば、答えは一言で「抑止力」。「何に対する抑止力か」と踏み込めば、「北朝鮮の脅威」と「中国の軍拡」。しかし、北朝鮮の脅威とは具体的には何なのか、中国の軍拡が日本にとってどういう危険要因なのかについては、一度たりとも日米間で真面目に議論されたことがなかった。もし台湾が「独立」を宣言した場合には、中国は「武力解放」シナリオを発動せざるを得ず、まずは雨霰とミサイルを降らせて制空権を確保した上で、陸軍師団が大挙して台湾海峡を渡って上陸侵攻することになるが、この場合、米第7艦隊の空母機動部隊は直ちに出撃して海空から台湾軍を支援するだろう。それに対抗できるだけの近代的海軍力を育てるのが中国軍拡の主要な目的である(そうでないと「いざという時には武力解放」という国是が絵空事になるので)。しかしその場合も、海兵隊が飛んでいって陸上戦闘に加わるということはあり得ず、せいぜいが台北からの米人救出くらいが役目だろう。これも海兵隊の沖縄駐留の理由付けとしては貧しい。それにそもそも、台湾の与野党には「台湾は今がすでに事実上、独立している状態であって、何もわざわざ独立を宣言して中国の武力発動を挑発する必要は全くない」という一種の国民的合意が成り立っているので、台湾海峡危機はほとんど起こり得ない。また、スタルダー司令官が言うように「もはや南北の衝突よりも体制崩壊の可能性の方が高い」というのが米軍部の判断であり、それに従って第1線を担う在韓米陸軍が規模を維持している中では、第2線となる海兵隊をどうしても沖縄に維持しなければならない理由は薄れつつある。そうなると、海兵隊の存在意義は別のところに求めなければならず、それで苦し紛れに出てきたのが、北が体制崩壊で混乱状態に陥った時に、恐らくは韓国軍と共同で直ちに乗り込んで核弾頭や核物質が行方不明になったりテロリストの手に渡ったりしないようにこれを確保して持ち帰るというシナリオである。もちろん軍事は、ありとあらゆる可能性を想定してそれに備えるもので、米韓両軍が数多くの可能性の1つとしてそのような作戦を検討対象とするのは理解できないでもないが、これはどちらかと言うと、より練度の高い米陸海軍の特殊部隊の仕事で、海兵隊の役割があるとすれば、突入と脱出に当たって陸上戦闘が避けられない場合にそれを担って特殊部隊を補佐することくらいではないのか。いずれにせよ、それが「最重要任務」と言うなら海兵隊は韓国に駐留すべきであって、沖縄にいなければならない理由とはならない。

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2012年1月31日 (火)

不正を行ってまで日米合意推進

沖縄県宜野湾市長選をめぐり、沖縄防衛局の疑惑が浮上した。共産党の赤嶺政賢氏は31日の衆院予算委員会で、沖縄防衛局が2月12日投開票の沖縄県宜野湾市長選に向け、宜野湾市に職員の親族がいるか調査するよう指示していたと政府側を追及した。赤嶺氏が提示した沖縄防衛局内のメールとされる資料によると、人事係が1月4日、「各部庶務担当者」あてに宜野湾市に住む職員や選挙権がある親族のリストの提出を要請。18日のメールで、23、24両日に真部朗沖縄防衛局長による「講話」を実施するとして、「必ず聴講するよう、別添『聴講者リスト』の職員に通知願います」と庶務担当者に再び要請したというのである。沖縄防衛局長の講話の中身は不明だが、赤嶺氏は「国家権力による選挙の自由への不当な介入ではないか」と追及した。旧防衛庁では2002年、情報公開請求者の身元や活動内容をまとめたリストを作り、庁内で閲覧していたことも発覚している。野田佳彦首相は「まず事実関係を確認させてもらいたい」とし、田中直紀防衛相は「沖縄防衛局としてそういう事実はあってはいけない。事実関係を明確にしたい」と述べた。この問題で防衛省は31日午後、事実関係を調査するため本省課長級職員2人を沖縄に派遣した。

宜野湾市長選に立候補している元市長・伊波洋一氏(無所属、社民党県連、共産党県委、社大党推薦)と県議・佐喜真淳氏(無所属、自民党県連、公明党県本推薦)の両氏ともに普天間飛行場の県内移設に反対する一方で、伊波氏は普天間飛行場問題で米国の識者から在沖海兵隊の撤退や豪州移転が論じられていることに触れ、「オスプレイの配備を許さず、普天間の海兵航空部隊の国外・県外移転を求め、世界一危険な基地を閉鎖・返還したい」と訴えている。佐喜真氏は「県外」移設を主張した上で国内の候補地が浮上した場合は赴いて移設受け入れを求めていく考えを示している。民主党や沖防側からすれば、かつて条件付きで辺野古移設に賛成していた自民県連、公明県本推薦の佐喜真淳氏に当選してもらいたいとの考えがあるのだろう。民主党は何がなんでも米海兵隊のために辺野古に基地を造るつもりのようだ。1998年の沖縄県知事選挙で、現職の大田昌秀氏に対して、沖縄の自民党と経済界は稲嶺恵一氏を擁立し、辺野古移設を最大の焦点に、激しい選挙戦が行われた。その中で、自民党が推した稲嶺恵一氏の陣営に官房機密費が3億円渡されたことが明らかになっている。民主党と沖防は不正を行ってまで沖縄県民を無視して日米合意を推し進めると言うのだろうか。

1月30日沖縄タイムス:[大弦小弦]時折、大音量の音楽を鳴り響かせ…
Photo172154_2時折、大音量の音楽を鳴り響かせながら信号待ちをする車を見かける。乗っている人はいたってご機嫌。しかし、周りにとってはただの騒音でしかない▼古今東西、音をめぐるトラブルは多い。隣家のピアノがうるさい、とかイヤホンから漏れる音が耳障りだ、とか。ときには刃傷沙汰(ざた)となる事件も報道される。音への認識は大小にかかわらず人それぞれであり、とても繊細だ▼東村高江で進められている米軍のヘリパッド移設工事で、沖縄防衛局が拡声器を使って、座り込みを続ける住民に移動を促した。10台ほどを使用したというから、やんばるの森も驚いたろう▼防衛局の対応は、稚拙で滑稽にも思える。しかし、米軍基地周辺では、「爆音」とも称される軍用機のごう音に悩まされる人々がいる。絶え間なく続く音が、肉体的な痛手以上に、不安や不快など精神的な圧迫感をもたらす▼ごう音に苦しむ県民の痛みを認識しているはずの防衛局による今回の大音量の攻撃は、「ここまでやるか」との思いが消えない。県民感情を踏みにじるもので嫌がらせに等しい。住民を敵視するような悪意さえ感じる▼オスプレイの騒音レベルでは、ハワイと沖縄で格差があることも判明した。日本政府は、音に対する鈍感さを自覚し、もっと県民の声に耳を傾けた方がいい。▲

1月30日琉球新報:県議選後、埋め立て申請 辺野古移設
【東京】政府は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う埋め立てについて、6月10日投開票の県議選以降に仲井真弘多県知事に対して公有水面の埋め立て承認申請を行う方針を固めた。検討していた県議選前の申請は見送る。政府は(1)2011年末に県側に提出した環境影響評価書に対して県知事意見が多数付されて補正に当初の見込みよりも長期間を有する可能性がある(2)埋め立て申請が県議選中に批判を浴び、党派を超えた「県外移設」を求める県内世論がさらに強固になり、日米合意実現がさらに遠のく恐れがある―と判断した。米政府は2012会計年度予算から辺野古移設と一体(パッケージ)とされる在日米海兵隊のグアム移転関連経費を全額削除。グアム移転計画の詳細の提出や普天間問題の目に見える進展を示すなど、議会が設定した条件をクリアできなければ13会計年度で予算が復活する可能性は低い。米側でグアム移転費が2年連続で削除された場合、現在の普天間移設とグアム移転を定めた06年の日米合意は事実上死文化する。そうした事態を避けるため、日本政府は「現在の日米合意は少なくとも全体としては沖縄の負担軽減につながる」(野田佳彦首相)と強調し続け、当面は夏までの埋め立て承認申請、年内の承認獲得を目指して手続きを進める方針だ。グアム移転関連予算をめぐっては、春ごろから米政府と議会の協議が本格化する見通し。日本政府は米側の動きに合わせて夏までに埋め立て申請を行い、米側に求められている「具体的な進展」を示す方針。その際にかつて条件付きで辺野古移設に賛成していた自民県連、公明県本などが県議選で過半数を獲得していることも米議会への説得材料の一つとして提示したい考えだ。ただ、県議選では各党とも「県外移設」を掲げる見通しで、仲井真県政が与党多数になっても、仲井真知事が埋め立てを承認する保証は全くない。政府内では、12年度予算案で県側の要望を受け入れて大幅に上積みした沖縄振興予算について、13年度以降も同等額の予算規模を維持することを示唆して仲井真知事に埋め立ての承認を迫る事実上の「リンク論」も検討されている。▲

20120131_0931_8aq5p5gz_r評価書でのオスプレイをめぐる内容について、県環境影響評価審査会では低周波音や高温の排ガスが与える影響、事故の可能性などについて検討が不十分などの指摘があり、方法書のやり直しを求める意見が出ている中で、野田佳彦総理は27日の衆院本会議代表質問で、辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の評価書について、昨年6月に米国防総省が普天間への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備を表明していたことを踏まえ、「評価書にはオスプレイ(配備)について関係法令に基づき適切に反映されている」と語った。また、田中直紀防衛大臣は31日の衆院予算委員会で、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイに関し、自民党の町村信孝氏が「沖縄での騒音実験が必要ではないか」とただしたのに対し、大臣は「必要だと認識している。米側や沖縄県とも協議の上で検討したい」と、本格的な運用に先立ち、騒音を調べるため現地での試験飛行を検討する考えを示した。

1月29日沖縄タイムス 社説:[首相の「負担軽減」]実態とかけ離れ空疎だ
「負担軽減」と逆行する事態が進行しているのに、野田佳彦首相は口を開けば負担軽減と言う。言葉を裏切っていると言わざるを得ない。野田首相は今月24日の施政方針演説でも「日米合意を踏まえ、沖縄の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し理解を求めながら、沖縄の負担軽減を図る」と述べた。これは矛盾した言い方だ。国政選挙から名護市議選に至るまで、あらゆるレベルの選挙で示された沖縄の民意は辺野古移設に反対であり、県外移設を求めている。沖縄の大多数が反対する中で、辺野古移設が沖縄の負担軽減につながると主張するのは独りよがりで、説得力を欠く。「負担軽減を図る」というのであれば、沖縄の現状にじかに触れ、首長や住民から直接話を聴くべきだ。野田首相は就任以来、まだ沖縄を訪れたことがない。官僚の説明をうのみにしては沖縄の基地問題は分からない。辺野古移設に関しては米本国でも上院の有力議員、かつて沖縄問題を手がけた元政府高官、日米関係に造詣の深い研究者らから疑問の声が高まっている。国内では与党的立場で結成したばかりの「新党大地・真民主」も県外移設を掲げている。日米とも潮目が変わる局面にあるというのに、野田首相は相変わらずである。辺野古移設がなぜ負担軽減といえるのか、なぜ辺野古でなければならないのか、の具体的な説明もまったくない。負担軽減という言葉だけがむなしく空回りしているのである。野田首相は衆院本会議の代表質問で「評価書にはMV22オスプレイについて適切に反映されており、関係法令に基づき適切に対応している」と答弁した。防衛省は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の最後の段階の評価書になって初めて垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを記載した。どのような機種が配備されるかがアセスでは最も重要な要素であるにもかかわらず、手続きの最終段階でしか出さないのはアセスの精神に反する。究極の「後出し」だ。評価書を審議している県環境影響評価審査会が第2回会合で公募した市民10人から意見を聴いたのは異例だ。審査会も評価書で大幅な内容変更があったのを看過できないと判断したからに違いない。市民らがアセスのやり直しを要求したのは当然だ。オスプレイ配備に伴うアセスで沖縄差別といえる米国の二重基準が明るみに出ても、日本政府は米国に異を唱えることをしない。ハワイでは米環境保護庁が学校区に配慮して月曜から金曜の午前8時から午後3時まで航空機の騒音を平均45デシベル(静かな事務所)と定めた基準を評価書に反映するよう求めている。普天間飛行場には今秋にも配備されることになっているが、アセスの動きさえない。日本政府は米側に言われた通り右から左に流すだけだ。こんなずさんなアセスで、民意を無視して辺野古移設を進めるのなら日本は独立国家の看板を返上した方がいい。

1月27日沖縄タイムス 社説:[オスプレイ騒音]二重基準の人権無視だ
米軍普天間飛行場へことし後半にも配備されるという垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの騒音基準が、米国内では極めて厳しい規制を受けることが明らかになった。県内では同飛行場移設に伴う環境影響評価(アセスメント)の評価書で初めて騒音レベルの予測が出たが、オスプレイ配備に向けた米本国と沖縄での対応には雲泥の差がある。新たな不平等を生むような配備を許してはいけない。米国内の厳しい規制とは、米ハワイ州・カネオヘベイ海兵隊基地に対する米環境保護庁(EPA)の騒音低減勧告だ。同基地では普天間と同時期にオスプレイを配備するため、アセスの手続きを昨年来進めている。EPAは、オスプレイなど航空機が学校区の上空を飛ぶ際の騒音を55デシベル(静かな乗用車内)としていた海兵隊に待ったを掛け、米連邦航空局の基準を適用し、平均45デシベル(静かな事務所)に抑えるよう勧告していた。月曜から金曜の午前8時から午後3時までという子どもたちが学校で学ぶ時間帯に限ってはいるが、学習環境の確保を優先し、基地の運用を厳しく制限したものだ。一方、県内ではオスプレイの配備時期が迫っても、依然として普天間配備に向けたアセスは実施されていない。ことし初めに防衛省の評価書で明らかになった、オスプレイの辺野古周辺15カ所での騒音予測は、78~47デシベル(固定翼モード)で、最大値は地下鉄の車内に相当する。最小値でもEPAが勧告した水準を上回っている。考えてほしい。わが子の頭上で、けたたましい騒音を立てて学習を妨げても構わないという人はいないはずだ。ハワイでは厳しい制限を設けて子を守り、沖縄での学習環境は脅かす。こうした騒音に対する二重基準(ダブルスタンダード)は、生存権や教育を受ける権利など基本的人権をないがしろにし、県民を愚弄(ぐろう)する以外の何ものでもない。普天間飛行場周辺には、宜野湾市内の小中高校だけでも17校あり、1万人余が今も爆音の中、学んでいる。普天間爆音訴訟で、騒音の違法性が認められてもなお、現状は放置されたまま、何も変わっていない。さらに、オスプレイは、騒音だけでなく、航空機としての安全性さえも疑われている。日米両政府には、危うい機種の配備ありきではなく、「世界一危険」と称される基地周辺の危険性を真っ先に取り除くよう強く求めたい。今回のEPA勧告は、あらためて日米の環境影響評価に対する考え方の違いを浮き彫りにした。人の生活環境を優先して軍事施設の悪影響を回避する米側に対し、日本は施設建設ありきが色濃く、普天間への新機種配備にも手が出せない。辺野古移設に向けて県が専門家から意見を聞くアセス審査会も27日、2回目の会合を開く。防衛省OBの天下り企業が受注したアセス調査の信頼性も含め、日本のアセスのあり方を沖縄から是正する議論を期待したい。▲

1月30日琉球新報 社説:アセス発注 お手盛り批判は免れない
これで公正な調査だったと言えるだろうか。米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の事業を2009~11年度に受注した全ての業者に、防衛省OBが天下っていた。本来、アセスは第三者が客観的な立場で調査すべきものだ。防衛省のOBが天下った会社が、防衛省に不利な結果を出すはずがない、と思うのが普通の受け取め方だろう。しかも実質的な随意契約だ。「お手盛り発注」の批判は免れない。アセスは科学的根拠を欠く記述だらけの代物だったが、発注の公正性の面でも問題が浮き彫りとなった。移設自体、安全性や環境破壊の懸念から中止すべきだが、どうしてもアセスをするなら、少なくとも発注からやり直すべきだ。このアセスの09年度以降の3年間に発注した事業は13。落札率は一つ残らず90%台後半で、うち九つが99%台だ。全国市民オンブズマン連絡会議の定義だと落札率が90%以上なら「談合の疑いあり」である。偶然に99%台で落札するのはそれこそ天文学的確率であろう。天下りと考え合わせれば、「官製談合」と批判されても仕方がない。業者に調査手法を提案させる「公募型プロポーザル」という形式だから落札率が高いのは当然、と行政側は主張するのかもしれない。だが99%台を許容するのならそもそも入札制度はいらない。なぜこの業者の提案を採用したか、なぜ他の業者の提案では駄目なのかも不透明だ。これでは行政の恣意(しい)で選ぶことも可能である。こんな入札がまかり通れば、行政は特定の業者にいくらでも肩入れできる。しかもその業者にOBが天下っているのだから、国家予算を官僚の退職後の身分保障に流用する仕組み、というのに近い。民主党は「官僚支配打破」をうたい文句に09年の総選挙を戦ったのではないか。「予算の無駄遣い」批判を前面に掲げて有権者の審判を仰いだのではないか。それがこのような不透明な発注を是認するのでは、「看板倒れ」も極まれり、である。天下りを軸にした関係が受注業者選定に影響したのではないか。異常な高落札率は、予定価格が業者に漏れた証拠ではないのか。天下りがある以上、公正な調査はできなかったのではないか。国会はこれらの疑問を徹底的に追及してもらいたい。

1月30日しんぶん赤旗:新基地アセス“お手盛り”
防衛天下りさらに2社
防衛省沖縄防衛局が発注した新基地建設(沖縄県名護市辺野古)に向けた環境影響評価(アセスメント)の関連業務を請け負った複数の業者が、防衛省の天下りを受け入れていることが発覚し、アセスの客観性・信頼性が問われている問題で、さらに2社が同様の天下り業者だったことが29日までにわかりました。新たに判明したのは、それぞれ東京に本社がある「日本海洋コンサルタント」と「日本工営」です。防衛省資料の「特別職国家公務員の再就職状況」によれば、2009年退職の北関東防衛局調達部長だったOBが同年に「日本海洋コンサルタント」に常勤顧問として就職(11年12月退職)。「日本工営」には、同じく09年退職の北関東防衛局管理部長だったOBが同年に嘱託として就職しているとしています。沖縄防衛局の公開している09~11年度の入札結果によると、2社は共同で「シュワブ(H21)基本設計業務」「シュワブ(H23)現況調査資料作成業務(その3)」「シュワブ(H23)現況調査資料作成業務」(時期順)の3件を契約。「日本工営」(沖縄事務所)は「シュワブ(H23)防衛施設整備監理業務」を契約しています。4件の業務概要には「普天間飛行場代替施設建設(辺野古新基地建設)事業にかかわる」と明記。入札方式はすべて防衛省側が任意で決定する随意契約やその一種の「プロポーザル」。合計契約額は約2億1500万円です。同2社のほかアセス関連業務の受注企業で判明した防衛省天下り業者は、「いであ」(東京)、「沖縄環境保全研究所」(同県うるま市)、「パスコ」(東京)です。▲

1月30日琉球新報:県民に沖縄返せ 米誌「フォーブス」に論説
米国大手経済誌「フォーブス」は29日までに、「沖縄を沖縄県民に返せ」とのタイトルの論説を掲載した。保守系シンクタンク・ケイトー研究所のダグ・バンドー氏が寄稿した。米国の抱える多額の財政赤字や、他国防衛への介入を減らすべきだとする立場から、沖縄を含め日本にある米軍施設は移転ではなく「撤去」すべきで、普天間基地の辺野古移設案については、米国、日本、沖縄の3者が「誰一人として満足しない」と批判した。(記事の一部抜粋して転載)
 
1月30日沖縄タイムス:「在沖海兵隊撤退を」米4議員が大統領に書簡
【平安名純代・米国特約記者】バーニー・フランク下院議員ら米民主党4議員が連名でオバマ大統領に書簡を送付し、在沖海兵隊の撤退などを要請していたことが28日、分かった。同議員事務所が沖縄タイムスの取材に明らかにした。オバマ政権が大幅な軍事費削減を進める中で海外基地の見直しも想定されており、同議員らの提言は在沖米海兵隊の存続をめぐる議論にも一石を投じそうだ。(記事の一部抜粋して転載)

1月31日沖縄タイムス:「普天間は閉鎖を」元米高官が論文
米政府幹部向けに発行されている専門紙「フェデラル・タイムズ」の電子版は29日付で、元国防副次官のレイモンド・デュボア戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問らの論文を掲載した。この中でデュボア氏らは「普天間の閉鎖と沖縄における海兵隊全体の見直し、数十億ドルに上るグアム移転計画の縮小」などを訴えている。論文では、日本の思いやり予算などのため海外の米軍基地は相対的に安上がりとの主張に対して「兵士や家族への住居、交通の提供、子どもたちへの教育、基地内の安全確保や外国への〝賃料〟の支払い」などのコストが存在すると反論。その上で、これらを外国に支払うより、国内で支出した方が米経済によい影響を与えると強調。さらに、コスト面以上に同盟国との関係を悪くする例として「おそらく最も悪影響が大きく、しばしば反米主義を生んでいる」普天間飛行場を例に挙げ、米国内基地の整理縮小(BRAC)と同様、同飛行場を含む海外基地の閉鎖とグアム計画の縮小や西欧での一段の基地縮小が必要とした。論文はまた、大統領選・議会選を控え超党派の活動がほとんど消えた米政界で、海外基地の整理縮小に取り組む超党派議員の取り組みを、米軍の海外展開を見直して無駄な在外基地を閉鎖し、かつ同盟国との関係を改善する千載一遇の好機とすべきだとしている。普天間移設問題をめぐっては、昨年11月にジョセフ・ナイ元米国務次官補が、米海兵隊の豪州配備は同盟国・日本との関係をこれ以上悪くしないためにも賢明な政策だと指摘。今月は保守系シンクタンクの研究員が、辺野古移設は日米と沖縄いずれにも利益をもたらさないとする論文を経済誌「フォーブス」電子版に発表した。米大統領選・議会選を前に、歳出削減と日本との良好な同盟関係維持の観点から、同飛行場の県内移設を見直すべきとの主張が最近相次いでいる。▲

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この国の原発と安全審査

20111028dd0phj000032000p_size8地球表層の岩石圏は十数枚以上のブロック(プレート)に分かれていて、それぞれ決まった向きにゆっくり動いており、それらの境界に地震・火山活動などの変動が集中する。日本列島は4枚のプレートがせめぎあう変動帯の真っ直中にある。太平洋プレートとフィリピン海プレートは、日本列島が載るプレートの下に無理矢理もぐり込んでおり、境界で大きな地震が間欠的にくり返し発生する。北海道~東北地方の太平洋沿岸で発生した03年十勝沖地震(M8・0)と05年宮城県沖地震(M7・2)や、西日本の沖合で今世紀半ばまでにほぼ確実に起こると予測されているM8級の東海・東南海・南海巨大地震などである。

発電用原子炉施設は想定されるいかなる地震力に対しても、
①止める-原子炉の緊急停止
②冷やす-原子炉停止後の崩壊熱除去
③閉じ込める-放射性物質を格納容器に閉じ込める
という重要な安全機能を保持し、これが大きな事故の誘引とならないよう、十分な耐震性を有していなければならない。想定した最大の地震が発生したときの需要な機器・建物などの複雑な揺れを、信頼性の高い動的解析手法で解析し、原子炉施設の耐震安全性を確認している。これら原子力発電所の安全上重要な施設は、想定されるいかなる地震力に対しても十分な耐震安全性を有することを確認していると、耐震設計の概要には記されている。

原発を新設または増設するとき、事業者(電力会社)は規制庁である原子力安全・保安院(保安院)と原子力安全委員会(安全委)の二重の安全審査を受けるが、そのなかで耐震設計の基本方針が妥当かどうかも審査される。その際の審査の指針として安全委が定めているものに「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(耐震指針)がある。事業者はこれを満たすように耐震設計をおこない、保安院の審査もこれに従うから、耐震指針が日本の原発の耐震安全性の根本的な拠り所になっている。耐震指針は1978年に初めて作られ、81年に一部改訂されて以来、25年間にわたって使われ続けた(旧指針)。その間に地震学と地震工学の大幅な進歩があったから見直しを求める声が強かったが、2006年9月に、ようやく大幅に改訂されたもの(新指針)が定められた。しかし実は、既存の原発が1基も不適格にならないように配慮された感があって、新指針も、日本列島の原発の耐震安全性の確保に多くの問題を残している。

国の原子炉立地審査指針は立地条件として、「大きな事故の誘引となるような(地震や津波などの)事象が過去はもちろん、将来も発生する可能性がないこと、また災害を拡大するような事象も少ないこと」と定める。日本に大地震の恐れがない場所などなく、素直に読めば指針を満たす立地地点を探すことは困難を極めるはずだ。ところが、原発の建設候補地は、立地審査指針に基づく審査より前に決まる仕組みになっている。既存原発の場合、電力会社が候補地に挙げ、地元が建設に同意すると、国の電源開発調整審議会で審議。了承されれば国の電源開発基本計画に盛り込まれ、国策として建設が進められてきた。立地審査指針に基づく審査が行われるのはその後で、建設決定が覆された例はない。運転開始後に活断層が想定以上の長さだったことが判明するなど、自然災害に関する新事実が分かった場合でも、運転が中止された例はない。

1月31日日本経済新聞:東北沖、M8級地震起きやすく 震災で岩板変化
海洋研究開発機構は、東日本大震災の影響で東北沖を震源に従来の想定よりも大規模な地震が起きやすくなったとする分析結果を発表した。地震の規模はこれまで最大でマグニチュード(M)7程度とみられていたが、8級に達して東北沿岸を津波が襲う恐れがあるという。海底地震計の観測データから分かった。米地球物理学連合の学術誌に31日掲載される。海洋機構の尾鼻浩一郎主任研究員らが解析した。東北地方の沖合約300キロメートルの太平洋プレート(岩板)内部で長さ約40キロメートルにわたって断層が動き、M8級の地震を起こす可能性があるという。東日本大震災で断層にかかる力が変化した結果とみている。変化の仕組みはよくわかっていない。昨年3月11日の大震災から40分後、東北地方の約200キロメートル沖にある海底の谷「日本海溝」の東側の太平洋プレート内を震源とするM7・5の余震が発生。その後も地震活動は活発だ。海洋機構はこの海域に20台の海底地震計を設置。昨年4月下旬~7月上旬に約1700回の地震を検知し、このうち50回について断層の動きを解析した。大震災以前は、太平洋プレート内部は深さ約20キロメートルの浅い部分では東西に引っ張り合う力が、約40キロメートルの深い部分では逆に押し合う力が働いていた。引っ張られて断層がずれる正断層型と押される逆断層型の地震が混在しているため、地震の規模もそれほど大きくならないとされていた。ところが大震災後の解析の結果、深い部分も含めて50回の地震のほぼすべてが正断層型だった。1896年に、東日本大震災と同じプレート境界型の「明治三陸地震(M8・2)」が起きた際には、37年後に太平洋プレート内部で「昭和三陸地震(M8・1)」が発生している。津波の解析が専門の佐竹健治・東京大学地震研究所教授は「太平洋プレート内部でM8級の地震が起これば、10メートルほどの高さまで陸地を駆け上がるような津波が来てもおかしくない」と指摘する。「昭和三陸地震では岩手県沿岸が同程度の津波に襲われた」という。▲

東日本大震災の地震により、東北地方に沈み込んでいる太平洋プレート(岩板)の内部で力のかかり方が変化したことを、海洋研究開発機構などのチームが観測で発見し、米科学誌電子版に発表した。東北沖の太平洋遠方で起きる地震は、震災前にはM7級と考えられていたが、余震として起きる地震がM8級になる可能性も出てきたという。チームは昨年4~7月、宮城、福島両県の沖合250キロ以上離れた海域に設置した20台の海底地震計で、太平洋プレートの内部で起きる余震を観測、データを分析した。約1700回の余震のうち、50回分の発生メカニズムを解析したところ、引っ張られる力によってプレート内部の断層がずれる「正断層型」の地震と判明。この型の地震は深さ約40キロのプレート下部でも起きていた。震災前の観測では、正断層型は深さ20キロまでしか起きていなかった。チームは、それより深いプレート下部では圧縮される力がかかっていたが、震災によってプレートにたまっていたひずみが解放されるなどして、引っ張られる力に変わったと判断した。震災前は、プレート内の断層で地震が起きても、力の境目で止まりM7級とされた。しかしプレート全体が引っ張られる力に転じたことで、上部から下部まで一気に断層が動くケースも考えられ、M8級になるという。尾鼻研究員は「プレート内部の地震は研究が進んでいない。十勝沖や房総沖なども調査したい」と話している。

1月28日毎日新聞:連動型巨大地震:痕跡発見 紀伊半島沖の南海トラフで
20120128k0000e040217000p_size5和歌山・紀伊半島沖の南海トラフ沿いで、「連動型巨大地震」を起こす断層を発見したと、東京大大気海洋研究所の朴進午・准教授(海洋地質学)らの研究チームが27日発表した。この断層は、東南海地震の震源域で見つかっている断層の西側に延び、総延長は200キロ以上に及ぶ。チームは東海・東南海・南海の3地震が同時発生したとされる1707年の宝永地震(M8・6)でこの断層が大きく動き、大津波を引き起こしたと推定している。南海トラフでは、古文書に記された被害の状況から連動型巨大地震が起きたと推測されてきたが、連動を裏付ける断層が見つかったのは初めて。チームは1997~2005年、紀伊半島沖で探査船から音波を出して海底下の地質構造を調査した。これまでに、潮岬東側で1944年の東南海地震(M7・9)を起こした断層と、断層が押し合って盛り上がった海底隆起を見つけた。集めたデータを再解析した結果、この海底隆起が潮岬西側の南海地震の震源域まで続いていると分かった。今後、この断層が大きくずれれば、海底隆起が形成される際に海面が押し上げられ、巨大津波が発生する恐れがある。隆起の地下の断層構造を詳しく分析することで、同トラフ沿いの地震や津波の被害をより具体的に想定でき、防災への活用が期待される。朴准教授は「南海トラフの地震の規模は最大でM9・0を想定しているが、発生のメカニズムは分かっていなかった。今回の発見は、津波想定の見直しなどに役立つだろう」と話す。▲

20111228dd0phj000013000p_size8東海沖から九州沖の「南海トラフ」で起きる巨大地震に関し、内閣府の検討会が27日公表した中間とりまとめは、想定する震源域と津波を引き起こす波源域を従来の約2倍に拡大した。検討会座長の阿部勝征・東大名誉教授は記者会見で「(今回震源域を想定した地震は)『巨大西日本地震』と言えるかもしれない。津波などの対策を強化する必要のある地域が出てくるだろう」と説明した。国は、東南海・南海地震で震度6弱以上や大津波が想定される市町村を「防災対策推進地域」に指定し、総合的な防災対策を進めるよう定めている。だが今回の見直しで、この範囲外でも新たに対策が必要な自治体が出てくる可能性は高い。内閣府の検討会が示した南海トラフの巨大地震像は、東海、東南海、南海の3地震に連動する領域として静岡県の富士川河口断層帯と宮崎県沖の日向灘南部などを加えた。しかし、その外側の領域まで連動する可能性を指摘する声もある。その一つが、南海トラフの南西につながる琉球海溝を震源とする地震との連動だ。検討会は、日向灘の南西端にある海山「九州・パラオ海嶺」より南西側は、海底のプレート(岩板)がより厚くなることに着目。プレートの沈み込み方も異なるとして「(琉球海溝まで)同時に動くメカニズムではない」(事務局)と判断し、連動領域の西端を日向灘とした。だが、検討会とは別に、南海トラフの巨大地震について評価を進めている国の地震調査研究推進本部(推本)の委員で、海洋研究開発機構の堀高峰氏(地震学)は「現時点では南海トラフと琉球海溝の地震が連動するか、しないかを判断できる材料が足りない」。琉球海溝の地震が専門の中村衛・琉球大准教授(地震学)は「琉球海溝とつながっている以上、連動する可能性に言及してもいいはずだ」と指摘する。検討会のある委員も「琉球海溝との連動については、海底地殻変動のデータをきちんと取った上で評価すれば良い。自治体から結果を早く出してほしいという声が大きいので中間とりまとめを出したが、それで本当にいいのか、個人的には釈然としない」と語っている。

1月23日日本経済新聞:首都直下地震「4年内に70%の可能性」 東大試算
首都直下地震など、M7クラスが懸念されている南関東での地震について、今後4年以内に発生する確率が約70%に達する可能性があるとの試算を、東京大地震研究所のチームが23日までにまとめた。政府の地震調査研究推進本部はM7クラスの南関東での地震について、過去の地震の発生間隔などから、今後30年以内の発生確率は70%程度としている。研究チームの平田直・東大地震研教授は「発生確率はそもそも非常に高かったが、東日本大震災でより高まった可能性がある」としている。平田教授によると、地震学では経験的に、地震の発生回数はMの大きさに反比例するとされる。Mの数値が1小さくなると回数が10倍になるといわれており、この法則が南関東の地震にも当てはまるとの前提で計算した。東日本大震災以降、南関東でも地震活動が活発化し、M3以上の地震の発生が例年の5倍程度になっている。今後も活発化の傾向が続くとすると、4年以内にM7クラスの地震が発生する確率が70%程度との試算が導かれるという。▲

■東大地震研 広報アウトリーチ室
3月11日以降の首都圏の地震活動の変化について

▼2011年10月28日毎日新聞 (一部抜粋して転載)
この国と原発:第3部・過小評価体質 安全審査、機能せず
ひとたび大事故を起こせば、取り返しのつかない深刻な被害を招くのに、福島第1原発が建設されたのは10メートルを超える巨大津波が襲う場所だった。中部電力浜岡原発は、M8クラスの東海地震の想定震源域の真上にある。四国電力伊方原発の近くにも、M8クラスの巨大地震が懸念される中央構造線の断層帯が走る。原発はなぜ、大地震や津波など危険な災害に見舞われるような場所に建設されてきたのか。国の原子炉立地審査指針は立地条件として、「大きな事故の誘因となるような(地震や津波などの)事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこと」と定める。日本に大地震の恐れがない場所などなく、素直に読めば指針を満たす立地地点を探すことは困難を極めるはずだ。ところが、原発の建設候補地は、立地審査指針に基づく審査より前に決まる仕組みになっている。既存原発の場合、電力会社が候補地に挙げ、地元が建設に同意すると、国の電源開発調整審議会で審議。了承されれば国の電源開発基本計画に盛り込まれ、国策として建設が進められてきた。立地審査指針に基づく審査が行われるのはその後で、建設決定が覆された例はない。運転開始後に活断層が想定以上の長さだったことが判明するなど、自然災害に関する新事実が分かった場合でも、運転が中止された例はない。

◇地震想定 見直し進まず
各地の原発では東日本大震災が起きる前から、「想定外」の揺れを記録する地震が相次いでいた。電力会社は「重要な機器に影響はない」と釈明する一方で、そのつど想定を引き上げるなど後手後手の対応に終始し、経済産業省原子力安全・保安院も追認してきた。女川原発では05年8月に宮城県沖で発生したM7・2の地震で、原発直下の岩盤の揺れの強さが「設計用限界地震動」を上回った。設計用限界地震は旧耐震指針に基づいて設計時に想定する「およそ現実的でない」とされる大地震で、限界地震動を超えた初めての事例だった。耐震指針改定後の07年3月に発生した能登半島地震(M6・9)では、志賀原発2号機でも揺れが限界地震動の2倍近くに達した。その約4カ月後に発生した新潟県中越沖地震でも、柏崎刈羽原発の7基全てで、旧耐震指針下で想定した限界地震動を超えた。直下の岩盤では最大1699ガル(ガルは加速度)に達し、想定の約3・8倍となった。そして東日本大震災では、事故を起こした福島第1原発のほか、女川原発と東海第2原発で、新指針に基づいて想定した最大の揺れを初めて上回る事態となった。女川原発では3月11日の本震(M9・0)だけでなく、宮城県沖を震源とする4月の余震(M7・1)でも揺れが想定を超えた。今や新指針すら妥当性が揺らいでいるが、地震の想定手法の見直しについての具体的議論は始まっていない。

◇耐震 大半は新指針未対応
原発の耐震性は、原子力安全委員会の耐震設計審査指針(耐震指針)に基づいて審査される。耐震指針は06年に改定されたが、既存の商業用原発54基の多くは78年制定の旧耐震指針下で建設が認められており、福島第1原発のように耐震指針のない時代に認可された原発もある。このため経済産業省原子力安全・保安院は電力各社に対し、既存全原発に新指針に基づく安全性再評価(耐震バックチェック)を指示し、現在も継続中だ。新指針は耐震設計で考慮すべき活断層について、従来は過去5万年間に活動した断層としていたのを、過去12万~13万年間に活動した断層まで広げた。新たに古文書や地下構造の再調査が必要になったことに加え、地形の特徴から隠れた活断層を推定する「変動地形学」の手法を取り入れることも求めた。さらに、それらの方法で特定した活断層が動くと地震波がどう伝わり、原発でどんな揺れになるかをコンピューターで再現。原子炉格納容器など機器が壊れないかや、原子炉を安全に止められるかなどを確認する。また、活断層を見つけ損ねた場合に備え、従来はマグニチュード(M)6・5の地震が原発直下で発生しても耐えられる設計を求めていたが、新指針ではM6・8程度に引き上げた。ただ、08年の岩手・宮城内陸地震(M7・2)などは活断層が事前に確認されていない場所で起きており、「新指針でも想定が過小だ」との指摘も出ている。指針改定を受け、電力各社は各原発で想定する揺れの大きさを軒並み引き上げた。周辺の活断層の長さについても、従来より長く見直す例が相次いだ。浜岡原発では大規模な耐震補強が必要となり、中部電力はコストが大幅に増加する可能性が高まったことなどを理由に、1、2号機の廃炉を決めた。ただ、耐震バックチェックは遅れている。電力各社が保安院に提出した評価結果は、地震学や工学の専門家を集めた作業部会の意見を参考に審査。指針改定から5年たつのに、保安院による最終評価が終わったのは柏崎刈羽原発1号機と5~7号機の計4基のみだ。保安院の深野弘行院長は「(審査に)時間がかかりすぎという面で反省している」と保安院の責任を認め、福島第1原発事故以来止まっているバックチェックの審査を早期に再開する考えを示している。また、福島の事故後に「ストレステスト」と呼ばれる新たな安全評価が再稼働の条件として加わった。想定を超えた地震の揺れで機器類はどうなるか、どこまで余裕があり、どの程度の揺れで壊れて深刻な事故に至るのかなどをコンピューター上で検証する。だが、再稼働に必要な結果の基準はいまだ示されていない。▲

■1月18日経済の死角:現代ビジネス [講談社]
地震予知の第一人者・長尾年恭東海大学教授
「首都圏直下型M8」「東海地震M9」はまもなく来るものと覚悟してください

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2012年1月30日 (月)

記録を残さない民主党

菅内閣は3・11の福島第一原発事故以降、東電の情報隠蔽を追認し、放射能事故の対応を誤り続けるという失態を繰り返してきた。その結果、多くの国民が被曝し、約6万人の住民がいまなお自らの土地と家を失ったままでの生活を余儀なくされている。そして、いま日本の歴史上最悪の東日本大震災において大失態が明らかになり、国民に衝撃を与えている。少しでも危険だと受け取られる情報は隠すべし、というのが国の姿勢。国が恐れているのはパニックであり、住民の安全は二の次だということが今回の事故ではっきりした。メディアはあまり報じませんが、全国で「原発反対デモ」が起こっています。これが市民の力。変えるのは私たち一人一人です。

1月28日時事ドットコム:議事録問題で陳謝=枝野経産相
【ダボス時事】枝野幸男経済産業相は28日、訪問先のスイス・ダボスで記者団に対し、東日本大震災に関連した政府の会議で議事録が作成されていなかった問題で、「重要会議では当然、議事要旨が作られているとの思い込みをしていた。事務方に確認や作成指示を徹底しなかったのは大変申し訳ない」と陳謝した。経産相は震災発生時に官房長官を務めていた。▲

閣内に設置された原子力災害対策本部などの重要会議の議事録を作成していなかった。中でも、首相が本部長を務める原子力災害対策本部など3会議では、要点をまとめた議事概要すら未作成だった。危機管理下における公文書管理の重要性を軽視した、ずさん極まりない行為である。原子力災害対策本部は、原発事故対応で司令塔の役割を担ってきた。にもかかわらず、過去23回の会議で作成されたのは議事次第程度の書類だけだったという。3・11後の日本の運命を左右したこれらの重要会議では、事務方の役人が録音・メモを取っており、首相以下の発言は記録されているはずだ。それでいて議事録がない? 原発周辺の避難区域の設定や除染方針、事故収束に向けた工程表などの重要課題は、どのようなプロセスで決められたのか。詳細な議事録がなければ、震災と原発事故をめぐる政府の意思決定過程の検証が困難になる。国際社会はもとより、未来の国民に対して説明責任を放棄することにもなりかねない。議事録をはじめとする公文書は歴史的事実の記録である。民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源でもある。それが国家の最高機密であっても公文書として記録し、後世にしっかりと残していかなければ、将来世代への責任が果たせない。2009年6月に成立した公文書管理法は、「行政機関の長で構成される会議の決定や了解、経緯」に関する文書作成を義務づけている。作成期限の定めや罰則はないものの、法の趣旨に背くことは明白であり、政権にとって都合の悪い情報を隠蔽した疑いを抱かれてもやむをえまい。法は公文書を「歴史的事実の記録」「国民共有の知的資源」と位置づけている。政府の意思決定にあたり、いつの時点でどのような情報が伝わり、それに基づいてどういう議論が交わされて政策が決まったのか。その一連の過程を記録することが重要なのだ。記録は教訓となる。後世の検証でミスがあったと判断されても、そのミスの原因を検討することでより的確な政策を導きだすことができる。民主党は、政策決定過程の透明性を高め、情報公開を進めることを明言してきたはずだが、都合の悪い情報を隠していると国民の不信感を招いているのが現状だ。議事録の未作成は、情報公開の前提となる公文書管理にまで危惧を抱かせた点で極めて重大だ。歴史の検証に耐えうる記録を残すことは、政治家の義務であることを肝に銘じるべきだ。

1月29日毎日新聞 社説:議事録作成せず 怠慢で済まぬ背信行為
東日本大震災に関する政府の重要会議の議事録が軒並み作られていなかったことが分かった。岡田克也副総理によると、「緊急災害対策本部」など10の会議に上り、関係閣僚に再発防止と、来月中をめどに議事概要を作成するよう指示した。野田佳彦首相も国会で遺憾の意を表明したが、「今から作ればいい」では、もちろん済まされない。なぜ、こういうことが起きたのか。公文書管理のイロハを踏みにじった行為の原因について政府は調査と検証を尽くすべきだ。中でも、福島第1原発事故直後に設置された政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったのは深刻だ。当時の菅直人首相を本部長にスタートした対策本部は、事故対応を含め、避難区域の設定など重要事項を決める中枢機関である。その議論や意思決定のプロセスを記録した公文書は、事故検証の基礎資料となるからだ。各省庁の寄りあい所帯だった会議も多かっただろう。だが、地震・津波や原発事故直後の混乱を過ぎた後も、議事録作成の声は上がらなかったのだろうか。昨年4月に公文書管理法が施行された。同法では重要会議の決定やその経緯について文書作成を義務づけている。各省庁には公文書の管理担当者も置かれていたはずだ。実は、担当者のメモなどで議事録に類したものを作成しながら、表に出したくないため内部でこっそり保管していたのではないか。そう勘ぐられても仕方ない。いずれにしろ、公文書の適切な管理に対しての認識が政治家・官僚を問わず甘すぎる。公文書管理法1条は「歴史的事実の記録である公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけている。また、国はそれを現在及び将来の国民に説明する責務があるとする。公文書の管理は、情報公開と併せ、国民の「知る権利」を実質的に担保するものだ。府省全体の公文書管理の司令塔は内閣府である。一連の「議事録未作成」について、内閣府は経緯の調査と併せ、研修などを通じて法の趣旨の徹底を図ってもらいたい。政府は今国会で「秘密保全」のための法案提出を準備している。国にとって特に重要な情報(特別秘密)の漏えいを防ぐことを目的に罰則などを強化する法案だ。だが、これまでの方向性では特別秘密指定を決める権限が行政機関に委ねられるため、情報隠しの「隠れみの」となる疑念が指摘されている。こうした疑念が「故なし」ではないことが今回さらけ出された。政府はそう肝に銘じるべきだ。▲

1月29日最悪シナリオ閲覧「数人」に限定 「混乱恐れて」と細野氏
細野原発事故担当相は29日までに、共同通信のインタビューに応じ、最近まで公開しなかった東京電力福島第1原発事故の「最悪シナリオ」に関し、情報漏えいによる国内の混乱を恐れて、当時の菅直人首相はじめ閲覧を「数人」に限った経緯を明らかにした。その上で「シナリオの内容は現実にあり得ないもの。当時公開していたら、東京から人がいなくなった可能性があった。そうなれば、事故対応は危うかった」と言明。事故対応を優先した結果、菅氏ら政権中枢のごく一部の政治家でしか情報共有を図らなかったと説明した。▲

3・11以後の重大決定の録音やメモは必ずあるはずだ。しかし、それを公表したくないという民主党政権の思いがあるのだろう。当時の首相・官房長官と担当役人を証人喚問すれば、真相は明らかになる。あわてて事後作成を岡田副総理が指示したというが、ありきたりの報告書で片付けようというのであろうか。重大な背信行為である。選挙制度云々よりもはるかに重要な事件である。断じて慣れ合いは許されない。ことは史上空前の原発事件の政府の対応である。21世紀日本と国際社会の、もっとも重要な歴史文書・遺産でもある。録音・メモを詳細に記録しなければならない。断じて隠ぺい・嘘の記述は許されない。政府の情報管理をめぐっては、原発事故の「最悪シナリオ」を記した文書が菅前政権の中枢のみで閲覧され、公文書として扱われずに封印されていた事実も判明している。昨年末に最悪シナリオの一部内容が報じられていなければ、「私的文書」として闇に葬り去られていたかもしれない。当時の政権による最悪シナリオの不透明な取り扱いは、原発事故をめぐる情報操作と批判されてもやむを得ないだろう。政権交代時、民主党は政策決定プロセスの透明性を確保し、情報公開を推進すると訴えて国民の支持を得たことを忘れてはならない。

1月30日時事ドットコム
宮城県も議事録未作成=福島県は一時対応できず-大震災
東日本大震災を受け宮城県が設置した災害対策本部会議で、議事録が作られていなかったことが30日、分かった。議事録をめぐっては、震災関連の政府の重要会議でも未作成だったことが明らかになっている。ただ、県の会議は全て公開されており、危機対策課は「情報公開の点においては問題ない」としている。一方、震災や東京電力福島第1原発事故への対応で開かれた福島県の災害対策本部会議も、震災直後の6日間、議事録を作成していなかった。宮城県の本部会議は村井嘉浩知事を本部長とする最高意思決定機関で、昨年3月11日から10月20日まで計94回開催。初日の11日は1時間半から2時間半おきに1日4回開かれており、危機対策課は「震災発生当初は忙しく、議事録が作れる状況になかった」と話す。県は震災の記録史を作成するため、発言要旨や決定事項について職員が書き留めたメモをまとめ直す方針。ただ、録音や映像には残していないことから、「一言一句を再現するのは難しい」としている。福島県の本部会議は、昨年3月11日から同16日までの計33回分、協議項目を箇条書きした記録は残しているが、議事録は作っていなかった。県は「人員が限られており、議事録の作成まで手が回らなかった」と話している。同17日以降の議事録は作成している。▲

1月30日しんぶん赤旗:主張 議事録作らず
都合悪い議論隠さなかったか
民主党政権が東日本大震災にあたって設置した緊急災害対策本部や原子力災害対策本部などが議事録やその要点をまとめた議事概要を作成せず、対策がどう議論され決定されたのか検証さえ困難になっていることが判明しました。議事録が作成されなかったのは事故直後だけでなく長期にわたっています。公文書管理を担当する岡田克也副総理は議事概要の作成を指示しましたが、いまになってどこまで正確なものが作られるのかその保証はありません。議事録を作らなかったのは都合の悪い議論を隠すためではなかったのかを含め、徹底検証が不可欠です。

震災対策の中枢組織で
長期にわたって議事録が作成されなかったのは、いずれも大震災や東京電力福島原発事故への対応にあたった中枢的な組織です。緊急災害対策本部や原子力災害対策本部は震災直後に首相を本部長に作られたもので、被害状況の把握や被災者の避難などにあたってきました。対策本部のもとで、防災相が責任者になって仮設住宅対策や救援物資の手配にあたったのが被災者生活支援チームです。これらの組織では、議事録も議事概要も作られていませんでした。原発事故にさいして当時の菅直人首相が東電本社に乗り込み、経済産業相が責任者になって立ち上げ事故対応にあたったのが政府・東京電力統合対策室です。ここでは議事概要はあるものの議事録は作られていませんでした。このほかを含め、大震災や原発事故の対応にあたった15の組織のうち10が議事録を作成せず、三つは議事概要も作成していませんでした。議事録がなければ、政府がどのように被害を把握し、住民に避難などを指示したのかも正確にわかりません。原発事故では外部電源が切れ原子炉の冷却ができなくなるという異常事態の中で消防車からの放水や海水の注入などが行われましたが、その過程も検証できません。史上最大級の大災害の中で政府がとった対策が検証できないのは、今後の災害に備えるうえでも重大な損失です。議事録や議事概要は公文書です。公文書の管理についての法律は、公文書は「国民共有の知的資源」であり、行政機関は意思決定の過程を跡付け、検証できるよう文書を作成しなければならないと定めています。もともと議事録など文書で記録されていなければ、国民への情報公開もできません。民主党政権はなぜ法律違反を承知で議事録を作成しなかったのか。事故直後だけならまだしも、長期にわたり多くの組織で議事録が作られなかったのは、災害時の混乱だけでは説明がつきません。議事録を残すことで責任が追及されることを恐れたのではないかなどの疑問を含め、原因と責任が徹底追及されるのは当然です。

民主主義の根幹の問題
ことは民主主義の根幹にかかわる重大問題です。公文書管理法にもとづき議事録が作られていても発言者がふせられているなど不十分な場合が少なくありません。議事録自体が作られないといったことまでまかり通れば、それこそ「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」といった国民無視の暗黒政治になります。議事録不作成の問題をあいまいにせず公文書の管理や公開を徹底させることが不可欠です。▲

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2012年1月27日 (金)

記録を残さない民主党

福島第一原発事故を受け、政府が設置した「原子力災害対策本部」の会議の議事録が、これまで全く作成されていないことが分かった。東日本大震災に対処するために開かれた政府の「緊急災害対策本部」でも、作成されていなかった。

1月27日日本経済新聞:震災10会議で議事録なし ずさんな文書管理

「原子力災害対策本部」は内閣府に設置され、内閣総理大臣が本部長を務め、避難区域の設定や除染対策の方針など原発事故をめぐる重要事項の決定機関である。また、「緊急災害対策本部」は、避難所や仮設住宅、がれき対策など被災者への支援を進めてきた。法第24条により内閣総理大臣が「非常災害が発生した場合において、当該災害の規模その他の状況により当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるとき」に内閣府に臨時に設置する機関であり、本部長は国務大臣である。

このような重要な会議での議事録作成は、公文書管理法で義務付けられている。2011年4月1日に施行(平成22年政令第250号)された公文書等の管理に関する法律。この法律で謳う公文書とは「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」とし、その公文書を「主権者である国民が主体的に利用し得るものであること」を担保する法律である。またこの法律では公文書の作成と保存に関して各省庁共通の規則も定めている。この法律に従い大臣は毎年度内閣総理大臣に管理の状況を報告し、またその内容は公表される。さらに歴史的に重要とされる公文書は国立公文書館に永久保存することとしている。(Wikipedia より)

公文書管理制度 ‐ 内閣府

枝野幸男官房長官(当時)は2011年5月11日の記者会見で、東日本大震災発生直後、原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)の会合など、福島第一原発事故の対応をめぐり開催された会議の議事録がほとんど作成されていないことを明らかにした。枝野は「原子力災害対策本部などについては一定の議事メモは残っているが、危機管理対応で議事録を取る場がほとんどなかったのが実態だ」と述べ、議事録がない部分については「多分、記憶に基づく証言などを求められることになる」と語っていた。

通常、政府が行う公式の会議で議事録を取らないとか、録音や録画をしない会議などというものがあるとは思えない。米国のキッシンジャー元国務長官は、外国の高官と電話で会談した内容をすべて録音していた。その録音を書き起こした記録は、すべてが公文書館に保存され第一級の外交史料となっている。逆に言えば、確認できないようなもの(例えば携帯電話)を米国の大統領は持てない。日本の現状はどうだろう。官邸内の首相の発言やミーティングなどが、すべて録音されているというような話は聞いたことがない。菅首相(当時)が間違い電話をかけたという記事を見たこともあるが、およそ首相が自分で電話をかけるということがあるのだろうか。本来、電話をかけた相手、会話の内容なども官邸が承知をしていなければ物事が円滑に進むまい。最高権力者にとって「私的な会話」というものはほとんど存在しない。福島第一原発の事故発生から、官邸にどのような報告がどこから上がっていたのか、誰がいつどんな議論をしたのか、そしてどのような決断がなされたのか。いかに非常時であっても、こうした記録がなければおかしいのである。

1月23日ゲンダイネット
重大疑惑 犯人は誰だ 官邸「原発対策本部」議事録がない!
民主党政権のデタラメが改めて俎上に上っている。「原子力災害対策本部」の議事録の問題だ。昨年5月に枝野官房長官(当時)が「議事録を取る場がほとんどなかった」と明かしていたが、“ほとんど”ではなく“まったく”作成されていなかったのである。「原子力災害対策本部」は、総理大臣が本部長に就き、全閣僚がメンバーとなって、事故当日の昨年3月11日に設置された。除染の基本方針や避難区域、農作物の出荷制限など、原発事故をめぐる重要な決定をしてきたとされる。ところが、NHKによると、会議の議題を書いた「議事次第」を作っただけ。会議でどんなやりとりがあったかが分かる「議事録」は作っていなかったという。事務局を務めていた原子力安全・保安院の担当者は、NHKの取材に「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と釈明している。しかし、公文書管理法は、政府の意思決定の過程を検証できるようにするために、重要な会議の記録を残すように定めている。議事録ゼロはあり得ないし、あってはならない。自分たちの失策が記録されると困るので残さなかったか、本当はあるのに誰がなにを話したかバレるとマズイので、なかったことにしたのではないか。どう考えても不自然だ。公文書の管理に詳しい名古屋大特任教授の春名幹男氏はこう言う。「議事録を作成しないという重大事を、官僚の一存で決められるとは思えません。民主党は“政治主導”を掲げていたからなおさらです。菅総理か枝野官房長官の指示があったと考えるのが自然。恐らく、情報もなく、微妙な問題なので『フリートークでいきましょう』となったのでしょう。ただ、官僚の習性として個人的にメモを残しているはず。あとで大臣から『あれはどうだったかな?』と聞かれた時、答えられないと困りますからね。3・11以降、官邸がどう動いたのかは、将来、同じ過ちを犯さないためにも、絶対に記録しておくべき。議事録がないのは国民的な損失です」 いったい、誰が「議事録」の作成を止めたのか、会議でなにが話されたのか。官僚の個人的なメモでもなんでもいいからかき集めて、真相を明らかにしないとダメだ。▲

原子力災害対策本部の事務局を務める経済産業省原子力安全・保安院によると、昨年3月11日の設置以来、計23回あった会議では議事次第程度の簡単な書類しか作られなかったという。議事録がなければ、どのような議論を経て、誰がどういう判断を下したのかという意思決定の過程が分からない。重大な危機の後に対応の是非を徹底的に検証し、貴重な教訓を次代へ残す道が閉ざされる形になった。関係者の責任は重い。保安院は「開催が急に決まるなど、事務的に対応が難しかったようだ」と釈明するが、説得力に欠ける。速記などの問題なら録音記録を残し、少々遅れても文書化できたはずだ。情報管理の重要性に対する認識が欠けていたのではないか。政府は担当者のメモなどに基づき、事後的な議事録作成を検討する一方、大震災に関する他の会議についても議事録の有無を調査する。当然の対応だろう。早急に全容と原因を明らかにし、可能な限り意思決定の過程を再現する必要がある。

1月24日日本経済新聞 社説:信頼遠ざける原発情報隠し
福島第1原子力発電所の事故に関連して、政府や東京電力のお粗末な対応ぶりが事故から10カ月もたって相次ぎ明らかになった。情報公開は信頼を培う土台だ。情報隠しが頻発するようでは原子力の信頼回復への道は遠いと言わざるを得ない。事故が起きた時に原子炉の状態を把握する「緊急時対策支援システム」が、停電時には使えない状態で放置されていた。東電は事故から4カ月前の工事で装置を非常用電源から切り離し、再び接続するのを怠っていた。装置が動いていたら、放射性物質の拡散を予測する別のシステム(SPEEDI)にデータを送り、住民避難の判断に役立った可能性もある。東電の危機意識の甘さが改めて浮き彫りになった。原子力安全・保安院は経緯を承知していた。しかし昨年12月に政府の事故調査・検証委員会が公表した中間報告には記載がない。東電や保安院が事故調に対し事実を伏せたととられても仕方がない。重要な事実を見落としたのなら事故調の能力にも疑問符がつく。政府の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)が会合の議事録を作成していなかったこともわかった。録音が残っているのかすら確認できていない。避難の範囲など人命にかかわる重大な判断がどのような議論を経て下されたのかが、国民に知らされないまま闇の中で失われた格好だ。事故対応を正確に検証して教訓を得る道を自ら閉ざした。あってはならない怠慢だ。事務局である保安院は「記者会見で情報公開してきたので問題ない」と弁解するが、それは違う。発表できない都合の悪い事実を隠し通すため記録を残さなかったと疑われても抗弁できまい。記録がないのをいいことに、「あのときの判断はこうだった」とする口裏合わせの文書が政府内で回覧されているとも聞く。情報隠しは信頼回復の妨げになるだけだ。関係者は事態を深刻にとらえ情報公開に努めるべきだ。

1月26日朝日新聞 社説:原発議事録―「検証」阻む政権の怠慢
信じられない。政権の怠慢である。福島第一原発事故に対応する政府の原子力災害対策本部が、昨年末まで計23回開いた会議の議事録をまったく作っていなかったことがわかった。未曽有の危機に際し、どのような情報に基づき、どんな検討を経て、判断したのか。一連の過程を克明に記録しておくことは、振り返って事故を検証し、二度と同じ過ちを繰り返さないために欠かせない作業だ。緊急対応に追われた事故直後だけならまだしも、昨年5月に議事録の不備が明らかになったあとも、今日まで放置してきたとは、どういうことか。自分たちの失策が後で露見しないよう、あえて記録しなかったと勘ぐられても、申し開きできまい。「事故の教訓を国際社会と共有したい」と、首相らが繰り返してきた言葉もむなしく響く。実務的には、対策本部の事務局を務める経済産業省原子力安全・保安院に責任がある。しかし、記録づくりを徹底させなかった政治の側の責任はさらに重い。内閣全体の問題として、深刻に受け止めるべきである。政府や国会の事故調査委員会による検証作業にも、大きな支障となるに違いない。今からでも出席者のメモを集めるなど、できる限り、記録の復元に努めなければならない。原発事故の対策本部だけでなく、東日本大震災の緊急災害対策本部でも、議事録は作られていない疑いが濃厚だという。公文書を残す意義と目的が、政府内で共有されていない実態は、ひどすぎる。昨年4月に施行された公文書管理法は、国の活動の記録を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置づけ、行政機関の職員に公文書の作成を義務づけている。政治家や官僚の誤りを、後からあげつらうのが目的ではない。将来、より適切な判断ができるよう、教訓をくみ取ることが最も重要なのだ。野党時代、民主党は文書管理と情報公開に熱心だったはずだ。それが政権をとったら、この体たらくとは情けない。閣僚同士の議論や政務三役会議の記録を残すことで、政治家が模範を示すべきだ。常に歴史の検証にさらされているという緊張感も生まれるだろう。政治家や官僚の意識改革だけでなく、システムも整えよう。たとえば、首相官邸の主な会議室には録音装置を設けて、原則、すべてのやりとりを記録しておくのが当然だ。▲

1月27日読売新聞 社説:原発事故議事録 「作成せず」は民主党の悪弊だ

1月27日毎日新聞 余録
「官僚組織では仕事が減るにつれ、報告書作成の時…
「官僚組織では仕事が減るにつれ、報告書作成の時間が増え続ける。増えなくなるのは仕事がゼロになり、報告だけに全時間が割けるようになった時だ」。A・ブロック著「21世紀版マーフィーの法則」(アスキー)の「お役所学」からの引用だ▲行政学の教科書をみると、近代の官僚制の特質として「法にのっとった権限による執行」「ピラミッド型組織による上意下達」などとならんで必ず「文書主義」の原則が挙げられている。情実や恣意(しい)にとらわれぬ公正な職務執行を後から検証できるようにするためだ▲だがこの合理的原則も、お役人の手にかかれば文書を増やすのが仕事の目的のような倒錯に陥るのは洋の東西を問わない。おかげで何かの許可を役所に申請する人は煩雑な書類作りと格闘するはめになる。役所のレッドテープ(繁文縟礼=はんぶんじょくれい=)は先日の小欄でも触れた▲ならば、この間の原発事故への政府の対応においてはどれだけの記録の山ができたことか。いや、そんな心配ははなから無用だったという。政府の原子力災害対策本部は、事故発生から昨年末までに行った23回の会議の議事録をまったく作っていなかったというのだ▲記録どころではなかったとの釈明も事故後何カ月もたてば通用しまい。未曽有の原発事故への対応の記録は国民のみならず人類が共有すべき貴重な資産である。文書主義の趣旨を熟知する役人や政治家にして記録を避けたのは、後の検証を恐れたからとしか思えない▲どんな政治家も役人もいつかはその行動の検証を受ける覚悟なしに国民の安全や利益にかかわってはならない。申請書類の煩雑に耐える国民の声だ。▲
 

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2012年1月26日 (木)

愚か者の力による支配

北部訓練場の返還予定地内のヘリパッド6基を高江集落の近くに移設する。訓練場内には既存のヘリパッドは15基もある。なぜ移設が必要なのか説明がない。さらに言えば米海兵隊の沖縄駐留の理由さえ説明せず、乱暴な公共工事で米軍基地建設を進めるやり方はあまりにも非民主的だ。米軍普天間飛行場の県外移転要求は沖縄の民意だ。ヘリパッドの強行建設は、政府が県民同士を闘わせているようにも映る。公共性と必要性に疑義がある工事は即刻やめるべきだ。しかし、日米両政府は住民の反対の声をまったく聞かず、誠意ある説明やきちんとした話し合いも行なわない。それだけでなく、国側は座り込みを「通行妨害」にあたるとして突然住民を裁判で訴えた。そして、2010年12月22日には、裁判中であるにも関わらず、まだ夜も明けきらない早朝6時半、沖縄防衛局が100名もの作業員とともに住民側に予告もなく押しかけ、ヘリパッド建設工事を強行した。住民を無視しなりふりかまわず強行される工事と、基地被害のさらなる押し付け。一体、これのどこが「負担軽減」なのか。高江の人々はいまこの瞬間も、24時間体制でこれらの暴力に抗っている。

1月26日沖縄タイムス:米議員「戦後67年も駐留 信じがたい」
【米ワシントン=クリッシー悦子通信員】「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」訪米団(団長・山内徳信参議院議員)は24日(現地時間)、4班に分かれ議会関係者らへ普天間基地の閉鎖や辺野古への移転反対、ヘリパッド基地建設反対、地位協定改定などを要請した。山内団長らは沖縄から米海兵隊撤退を主張する民主党のバーニー・フランク下院議員を訪問。同議員は「私が以前から沖縄に駐留する米海兵隊の撤退を主張していることはご承知か」と切り出し、「戦後67年もたつのにまだ沖縄にあのように基地が残っているのは信じがたい。日本にあんなに多くの米軍基地は必要ない」と主張。中国の軍事拡大への懸念にも触れたが「海軍も空軍もある。沖縄の米海兵が将来、中国本土に上陸するとは考えられない」などと在沖海兵隊の不要論をあらためて指摘。稲嶺進名護市長の2月訪米時に面談することも了解した。代表団は県議会や市町村議会のほとんどが米軍普天間基地の辺野古移転に反対している状況を伝え、米議会側での協力を求めた。この日は比嘉京子県議らが軍事委員会のマイク・ホフマン下院議員、山内団長らが軍事委員会のジム・マクダーモット下院議員らとも面談した。▲

1月26日琉球新報:「在沖海兵隊は不要」 米与党議員、大統領進言へ
【ワシントン24日松堂秀樹】米民主党の重鎮で、政府にも影響力を持つバーニー・フランク下院議員が、「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」の訪米団長、山内徳信参院議員らと24日午後(日本時間25日午前)面会し、在沖海兵隊は第2次世界大戦の遺物であり不要との認識を示した。フランク氏は本紙の取材に「オバマ大統領にも進言する」と述べ、米政府や議会に在沖海兵隊の撤退を訴える意向を示した。フランク氏は米国の財政赤字解消策の一つとして、米メディアなどで在沖海兵隊不要論を展開している。フランク氏は普天間飛行場の辺野古移設、嘉手納統合案に反対する山内氏に「第2次世界大戦は67年前に終わったのに、なぜまだ海兵隊が沖縄に駐留しているのか。これ以上駐留すべきでない」と強調。日米両政府が在沖海兵隊の必要性の主要因として挙げる“抑止力”については「中国への懸念はあるが、それに対応するのは空軍や海軍。海兵隊が中国に乗り込むことは決してない」と断言した。▲

1月19日沖縄タイムス
米誌タイム記者「海兵隊は沖縄に必要か」
1月6日沖縄タイムス
在日米軍撤退を公約 大統領選の共和党候補

1月26日沖縄タイムス:ハワイのオスプレイに騒音低減勧告
20120126_0918_d0id0vss_r【平安名純代・米国特約記者】米ハワイ州・カネオヘベイ海兵隊基地への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備に伴い、米海軍省がまとめた環境影響評価(アセスメント)の準備書(DEIS)について、米環境保護庁(EPA)が学校区の騒音基準の低減を勧告していたことが25日、分かった。月曜から金曜の午前8時~午後3時までは、航空機の騒音を平均45デシベル(静かな事務所)と定めた米連邦航空局の空港航路改善法の基準を適用し、最終環境影響評価書(FEIS)に反映するよう求めている。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けたアセス評価書では、オスプレイが陸側の滑走路から離陸した場合のピーク騒音レベルを安部集落で地下鉄の車内に近い78・3デシベル、タッチアンドゴー時には国立沖縄工業高等専門学校で64・2デシベルと予測。ハワイの基準と大きく開きがあることが明らかになった。米環境保護庁が付した意見は温室効果ガスの排出量、水資源、空気品質、騒音、固形廃棄物の5項目。準備書ではオスプレイ配備による学校への騒音は平均55デシベル(静かな乗用車内)と記されている。同基地へのオスプレイ配備計画では、2012年から順次配備を始め、18年までに最大24機のMV22とAH1を15機、UH112機の配備を完了する予定。ハワイの海兵隊第3海兵遠征軍(ⅢMEF)に所属する海兵隊員約1000人とその家族1106人が駐留するほか、沖縄に駐留する第31海兵隊遠征隊(31stMEU)が6カ月の訓練を展開する予定なども記されている。準備書は、米国家環境政策法(NEPA)に基づき、提案された計画が環境に与える影響や、計画が実施された場合に回避不可能な環境への悪影響、代替案の提案などを盛り込むもので、最終環境影響評価書の下書き。準備書に記載された内容に対する関係者の意見などを総合的に評価・検討した上で改善策を反映するよう義務付けられている。ハワイでは昨年8月に環境影響評価手続きを開始。地元住民らを対象にした公聴会を5回開いて意見を聴取した。準備書は予定から約半年遅れで昨年11月末に公表された。▲

ハワイと沖縄で、同じ機種の配備に伴う環境評価書で、騒音基準に格差があることが明らかになった。野田総理大臣は、施政方針演説のむすびの言葉で、『私は、大好きな日本を守りたいのです。この美しいふるさとを未来に引き継いでいきたいのです。私は、真に日本のためになることを、どこまでも粘り強く訴え続けます。今年は、日本の正念場です。試練を乗り越えた先に、必ずや「希望と誇りある日本」の光が見えるはずです。この国は、今を生きる私たちだけのものではありません。未来に向かって永遠の時間を生きていく将来の世代もまた、私たちが守るべき「国民」です。この国を築き、守り、繁栄を導いてきた先人たちは、国の行く末に深く思いを寄せてきました。私たちは、長い長い「歴史のたすき」を継ぎ、次の世代へと渡していかなければなりません。』と、このように語った。だが、いま高江では何が行われているのか、彼はわかっているのだろうか?彼の言葉とは裏腹に、防衛省は沖縄の美しい森を伐採して、生活のあらゆる面における幸福と、安全と、健康を害するヘリパット工事を強行しようと、反対住民を恫喝し、排除することに必死である。高江の人々は、子ども達のためにも、この美しい自然を残そうと、ヘリパッドの建設を許さないために、24時間の座り込み行動を続け、建設阻止するまで頑張る決意で闘っている。日本政府は、普天間を辺野古へ、返還予定地のヘリパッドを高江へと、県内移設により沖縄の人々へ基地負担を押し付けようとしている。彼らは負担軽減のためというが、だとしたら環境評価書の押しつけを謝罪し、回収撤回し、もう一度考え直すことだ。私達は、今、何をすべきなのか、一人一人がこの問題に向き合い、考えなければいけない時だと思う。 

1月26日沖縄タイムス:「同じ人間なのに」日米、見ぬふり
20120126_0916_sv2gncwr_r米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備に伴い、日米両国の環境影響評価(アセスメント)の比較から見えた沖縄とハワイの騒音基準の格差。「基地負担軽減」と連呼しながら沖縄への配備を容認する日本政府と、騒音の“二重基準”で県民へ配備を押し付ける米政府に対し、今秋にも配備が迫った米軍普天間飛行場周辺の学校関係者や同基地の移設先に挙げられる北部住民ら、識者も「県民の命と人権の軽視だ」と怒りを隠せない。

【中部・北部】米軍普天間飛行場に隣接し、児童の頭上を頻繁に米軍機が飛び交う宜野湾市の普天間第二小学校は、開校から42年間も爆音と墜落の不安にさらされ続けている。知念春美校長はハワイとの落差に「絶句です。同じ人間が住んでいるのに、ハワイと日本で騒音基準が異なるのはおかしい。本来、学校上空を米軍機が飛んではいけない」と憤った。23日に来県した田中直紀防衛相が第二小について、現状認識の甘さを露呈したばかり。オスプレイの普天間配備に対し、知念校長は「騒音に加えて墜落の危険性が増大し、学校環境がますます過酷になる。配備は絶対反対。政府は私たちの痛みを理解するべきだ」と訴えた。昨年度、人間の耳の限界とされる123・6デシベルが測定された市上大謝名区。大城ちえ子自治会長は「45デシベルという数字が上大謝名では想像できない」と信じられない様子。「米国は基地の運用より、住民生活を優先しているのに、普天間配備を容認する日本政府が情けない。沖縄はどうでもいいと考えられているのか」と言葉を失った。米須清栄副市長は「45デシベルの基準では、普天間では一切飛ぶことができない。この落差は普天間の異常性を示している。なぜ米国は見て見ぬふりをするのか」と疑問を呈した。オスプレイの普天間配備後、代替施設が名護市辺野古に建設された場合は辺野古地域周辺だけでなく、東村高江など飛行ルート周辺の住民にも深刻な影響を与えかねない。東村高江に住む森岡浩二さん(34)は、集落近くの北部訓練場内にヘリパッドが造られた際、高江小学校に通うわが子の成長に影響が出ないか心配。「授業を遮るほどの騒音や振動は普通ではない。米国人には問題だが、沖縄の人は大丈夫という訳がない。オスプレイ配備を許すわけにはいかない」と憤った。名護市の東海岸で3人の子を育てる渡具知武清さん(55)は「沖縄と米国内で環境基準が違うということはおかしい」と憤る。一方で、「基準をこまめに決めても運用は米軍次第で、やりたい放題にされる。妥協せず、辺野古への基地建設に断固反対していく」と力を込めた。▲

1月26日沖縄タイムス:沖縄の人権脅かす格差
「等しく尊重されるべき人権に格差が生じている」。普天間爆音訴訟団の加藤裕弁護団事務局長は、沖縄とハワイとの騒音基準の大きな違いに、人権を脅かす著しい格差があると断言する。ハワイで騒音を平均45デシベルとする基準が勧告されたことについては「実質的には学校周辺で飛行場や航空機の運用を認めないと言っているのに等しい基準だ」との認識を示した。普天間爆音訴訟で、騒音の違法性が認められながらも放置されている人権無視の状態も問題視しながら、米軍機の飛行により学校の授業が中断されている普天間と、静かな事務所内に相当する基準が勧告されたハワイとを比べ「天と地の差だ」と指摘。米国と沖縄で使い分けられる二重基準(ダブルスタンダード)だと批判した。国内外の環境アセスに詳しい島津康男名古屋大学名誉教授は45デシベルという基準について「国土の狭い日本では、新幹線や高速道路など全ての事業ができなくなるほど厳しい基準。そのまま当てはめることができないのが現実」と説明する。一方で厳しい米国の基準に照らせば「住宅が密集する普天間飛行場と違い、アメリカでは広い土地に基地があることが分かる」と、沖縄の米軍基地の異常性を指摘した。また、特定の施設や地域の特性に応じた基準を設けることについて「日本の条例に基づくアセスでは、学校や病院の周辺で航空機騒音に留意するよう求めているが、特別な基準は設けられていない。環境相が特別に意見を言うことが唯一の希望だ」と期待を込めた。▲

1月26日沖縄タイムス:ヘリパッド反対住民に大音量拡声器
20120126_0918_mk1tgc9y_r_3【東】米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事で、沖縄防衛局は25日、移設に反対し出入り口付近で座り込みを続ける住民ら約30人へ移動するよう約10台の拡声器を用いて呼び掛けた。しかし、住民らは移動せず、重機搬入できなかった。住民らによると、多数の拡声器による呼び掛けは初めてで、75デシベル前後の音量があったという。住民らは「やり過ぎ」「ひど過ぎる」と批判している。長時間続く大音量の呼び掛けの中、住民らは耳に栓をして、座り込みを継続。多機能携帯電話の測定機能では、75デシベル前後の数値が絶えず測定され、電車内の騒音に相当する80デシベルを超えることもあったという。「ヘリパッドいらない住民の会」の安次嶺現達さん(53)は「騒音はとてもつらいが、座り込みは効果的。耐え続けて、まずは今月を乗り切りたい」と話した。▲

☆★☆辺野古浜通信 より転載☆★☆
95デシベルを記録!常軌を逸した公務員の暴走です。
現場の安倍さんから:「ご理解くださいと」何度言われても工事を進めることなど理解するわけにはいきません。「理解」という言葉がこれほどまで、濫用され、侮辱的に使われることがあるでしょうか。あのトモダチという言葉が奪われたのと同じことが起こっています。防衛局職員は、昨日新聞記事にそのあまりの非道ぶりが曝されてしまったせいか今日は肉声で叫んでいます。誰がこのような、互いの人間の尊厳を傷つけようとすることを、命令するのでしょうか・・・真部朗(防衛局長)か今日は肉声にもかかわらず、95デシベルを記録! 常軌を逸した公務員の暴走です。

☆★☆やんばる東村 高江の現状 より転載☆★☆
平均80から95db
新聞で報道されたから?わからないけど、今日はトラメガは使わず、座っている周りをぐるりと取り囲んで、直ぐ近くから間断なくナマ声で叫び続けています。喉を壊しちゃうんじゃないかと心配。こんなことを続けさせているのは誰ですか。高江の暮らしも、彼らの生き甲斐も、深刻なほどに損なわれています。早く助けて下さい。今日は80~95db平均を記録。

1月26日WWFジャパン
沖縄市民訪米団を支援し、辺野古アセスの撤回を求める 院内集会
1月21日から28日まで、沖縄市民訪米団(アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会)がワシントンD.C.を訪問します。訪米団は、平和、人権、環境にかかわる市民団体および国会、県議会、市議会議員で構成され、米国の議会議員や報道機関、市民やNGO等へ、普天間基地の県内移設と辺野古新基地建設に反対し、米軍基地の爆音、生活環境と自然環境の破壊、犯罪や事故などの被害に苦しむ沖縄の実態を訴えることを目的としています。一方、政府・防衛省は、昨年末28日未明に、辺野古アセス(普天間飛行場代替施設建設に係わる環境影響評価)の評価書を沖縄県庁の守衛室に無理やり運び込むなど、前代未聞のなりふり構わぬ動きをしています。まさに、アセス法にもとづく手続きを無視し、内容も非科学的で、アセス制度自体を破壊するものとなっています。 私たちは、沖縄市民訪米団の活動を支援するとともに、政府に違法な辺野古アセス評価書の撤回を求めるための院内集会、記者会見を開催します。 ▲

20120126_0921_lfxvvtwa_r辺野古移設に反対する「沖縄意見広告運動」が、「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」の訪米に合わせて、23日から27日まで米ワシントンポスト紙電子版に、普天間飛行場の即時閉鎖と辺野古移設反対を訴える意見広告を出している。普天間飛行場を「世界一危険な米軍基地」と紹介。「愛する者が危険にさらされていたら、あなたは黙っていられますか」とメッセージを掲げ、前回同様「沖縄の海兵隊にお金を使うのではなく、海兵隊を米国に戻し、米国に雇用をつくりだそう」などと訴えている。

1月26日沖縄タイムス:米紙に意見広告「普天間は世界一危険」
「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」(団長・山内徳信参院議員)の訪米に合わせ、米有力紙ワシントンポスト電子版に、米軍普天間飛行場の閉鎖や、名護市辺野古への新基地建設反対などを訴える意見広告が掲載されている。県内外の市民グループが「沖縄意見広告運動」として2年前、普天間の辺野古移設などを盛り込んだ日米共同声明発表を機に始めた取り組みで、今回で3回目。意見広告では「世界一危険な米軍基地『普天間』」との見出しで800家族が普天間周辺の居住に危険な地域に住んでいることや、「戦争より経済再建を」と題して、米上下院議員からも沖縄からの海兵隊撤退論が出され「米国の最大の脅威は国が抱える債務であり、軍事予算を節約し雇用を生み出すためにも、海兵隊を米本国に呼び戻すときだ」などと訴えている。広告は日本時間27日午後1時59分まで掲載。同紙のオピニオン画面から見ることができる。▲

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☆★☆普天間即時閉鎖 辺野古(海・陸)やめろ 海兵隊はいらない☆★☆
沖縄意見広告運動(第二期)
ワシントンポスト紙WEB版に意見広告バナーを掲載します。掲載場所などの詳細は以下をご確認下さい。以下に掲載のバナーから沖縄意見広告としての訴えをまとめた意見広告ページにリンクが貼られます。また、沖縄訪米団 現地報告ページにて、訪米団の現地での活動の様子を、USTREAM中継及びTwitterにて随時配信する予定です。是非ご覧下さい。

■掲載場所
ワシントンポスト オピニオンセクション
ワシントンポスト ワールドセクション
■掲載期間
日本時間:2012年1月23日14:00~2012年1月27日13:59)
アメリカ東部時間:2012年1月23日0:00~2012年1月26日23:59)

◆7000ページもある書類です。以下のページから閲覧・ダウンロードできます。
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書と要約 1/19日付け

1月26日沖縄タイムス 社説:[不可解アセス]国会の場で事実究明を
米軍普天間飛行場移設に伴う環境影響評価(アセスメント)をめぐって、重大な疑問が浮上した。制度の根幹を揺さぶるような、看過できない問題が含まれており、事実関係の徹底調査と公表を求めたい。沖縄防衛局は昨年12月28日、仕事納めの日の午前4時すぎ、夜も明けない真っ暗闇に、アセスの評価書を県庁に搬入した。7000ページに及ぶ大部の評価書は、防衛省が業者に調査を委託したものだ。2009年度から11年度の間に、キャンプ・シュワブ周辺の水域・陸域生物調査など12件の調査業務を独占的に請け負っていたのは、東京に本社を置く「いであ沖縄支社」(那覇市)と、「沖縄環境保全研究所」(うるま市)の2社。12件の落札総額は34億1313万円。アセス調査にこれほど巨額の税金が投入されていたとは驚きだ。常識を超える多額の費用がかかったのは、なぜなのか。これまでに支出したアセス調査経費の総額はいくらなのか。12件の調査のうち8件は、落札率がすべて99%台。12件の平均落札率も99・14%に達した。落札率は、予定価格に対する落札額の割合のことで、「99・97」「99・86」「99・76」という数字は、限りなく予定価格に近い数字だ。しかも、いであ本社には10年に防衛省OBが顧問として再就職し、同社から潜水業務などを請け負った孫請け業者にも、沖縄防衛局OBが再就職しているという。これをどう理解すればいいのか。一般的に言って、落札率が異常に高いと、予定価格が事前に業者にもれたのではないか、という疑いがもたれる。今回のケースは、防衛省OBを顧問として迎えた企業が、高い落札率で落札しているだけに、余計、疑問は膨らむ。「天下りを受け入れた企業に優先的に発注したのではないか」との疑問だ。防衛省には「前科」がある。防衛施設庁(当時)は06年4月、談合罪で起訴された技術審議官、施設調査官を懲戒免職処分にした。歴代の技術審議官は、過去の受注実績やOBの受け入れ数などに基づいて「配分表」を作成し、工事を割り振っていたという。千葉県の航空自衛隊第1補給処では、05年から08年までの間に締結した311件の事務用品契約を洗い出したところ、官製談合の事実がぼろぼろでてきた。疑いが生じれば、晴らす。それが防衛省に求められる説明責任だ。環境影響評価法に基づく環境アセスは、「住民参加」と「情報公開」が大原則である。だが、方法書、準備書、評価書の作成、提出の過程で次々に明らかになったのは、情報隠しというしかない重要情報の「後出し」である。アセスに絡む問題はそれだけではなかった。防衛省OBを顧問として迎えていた業者が、アセス調査を高額落札していたのだ。それでアセスの客観性、公平性、公正性が保てるのか。国会での速やかな事実究明を求めたい。▲

1月26日琉球新報
辺野古アセス、受託全4社に天下り 競争入札なく高落札率
1月25日琉球新報
防衛省OB、アセス業者に天下り 科学的客観性に疑義も
1月25日沖縄タイムス
アセス調査 2社独占 1社に防衛天下り
1月24日沖縄タイムス
アセス業者に防衛省OBが天下り

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2012年1月25日 (水)

「やんばる」の豊かな森と高江住民の生活

最も生物多様性にとって重要な場所の一つである沖縄。その沖縄の中でも更に重要な役割を担う、辺野古・大浦湾・高江に対して、現在、日本政府は何をしようとしているのか。抱え切れないほどの重い荷物を持たされている人に、もっと持ってほしいとお願いしても限界がある。嫌がる人に「仲良くしたいから」と言って押し掛けても、逆効果しか生み出さない。

1月25日沖縄タイムス:高江にらみ合い続く
【東】米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事で、沖縄防衛局は24日も先週に続き機材の搬入を試みたが、移設に反対する住民ら約30人が出入り口付近に座り込み搬入できなかった。住民らは出入り口前に車を止め、横断幕を張って出入り口をふさぎ、裏側に座り込んだ。同局職員らは、横断幕の裏に居て姿の見えない住民らに向けて、移動を求め続けた。午後には住民側弁護団の城間博弁護士が訪れ、現場を確認。城間弁護士は防衛局側に「係争中の事案に関連する工事なので、判決が出るまで工事作業を止めてほしい」と理解を求めた。同局側は「工事の妨害行為を止めるために裁判で争っており、工事を止めるためではない。住民らにゲートを開けてから、抗議するように言ってほしい」と議論は平行線をたどった。同局職員らは午後3時半ごろに撤収した。▲

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住民を無視し、なりふりかまわず強行される工事と、基地被害のさらなる押し付け。一体、これのどこが「負担軽減」なのだろうか。高江の人々はいま、この瞬間も、24時間体制でこれらの暴力に抗っている。高江の「ヘリパッドいらない住民の会」では、この間の動きをつぶさに記録し、インターネット上で公開している。沖縄高江からの悲鳴にも似たような思いを、ぜひ一緒に共有して下さい!

高江でのヘリパッド建設工事を止め、平和で豊かな生活を高江に!

◇◆◇やんばる東村 高江の現状 より転載◇◆◇
120124takae41月25日
今日も…
防衛局、工事車両、既に東村に入っています。
支援をおねがいします。
今日も始まりました。
横断幕の向こうで重機が下ろされる音。
相変わらずの一方的な要求が始まりました。
今朝の県内2紙とQAB
昨日の様子が、タイムス新報で報道されていました。QABも「東村高江ヘリパッド問題 やんばるの森でまたにらみ合い」と報道しています。でも「にらみ合い」というにはほど遠く、一方的に工事の強行を迫られているところです。現場の責任者の言葉からは「沖縄の理解を得る」ような態度はみじんも感じられません。「いいから工事をさせろ」の恫喝だけです。画像は昨日の一日だけの「工事をさせて下さい」を切り取っているけれど、高江にとっては4年半におよぶ「工事をさせろ」の恐喝です。SACO合意の1996年から数えたら、あるいは北部訓練場の1957年から数えたら、いったい、どんな長期にわたる米軍基地の押しつけかと思います。だから「(もうこれ以上)人殺しの島にはしたくない。だから頑張るだけ」と、今日も黙って耐えています。高江の記事は小さく報じられていますが、この記事を取り囲む沢山の大切なニュースが報道されています。ぜひ紙面を見て欲しいと思います。アメリカ、ワシントンDCに沖縄の声を直接届けようとみんな頑張っている様子。辺野古のアセスを独占的に受注してきた業者が防衛省天下り先だった件。普天間では空中給油機が燃料漏れだが、原因も流出量も不明だし場所も教えないという件とか。高江で、辺野古で、なぜこんなに沢山の住民が基地建設工事に反対しているのか、理解しようという気持ちがあれば理由は沢山あるのに、理解しようとしないから、現場でこんなにすれ違ってしまうのかなと思います。今日も、トラメガを使って至近距離から叫ぶ防衛局員の声が、一方的な要求を繰り返しています。

◇◆◇1月25日辺野古浜通信 より転載◇◆◇
住民の至近距離から拡声器5台を使った防衛局の嫌がらせ
防衛局によるの午後の「演技」が始まりました。
今までより拡声器の数が増え全部で5台が一斉に叫び始めます!
話し合いをいっさい排除した一方的、脅迫的な「嘆願」の体をとった嫌がらせと、アリバイ工作です。iPhoneの簡易な騒音計ではかると85から90デシベル…これは立派な犯罪行為です。

高江、座り込みの人が足りません!
ちょっとでも迷っている人は今日は「よし、出かけるぞ」と舵を切って下さい。連日のあまりに酷い状況は、沢山のなかまで一緒に過ごせば、やり過ごすことが出来ると思います。高江のための具体的なサポートを、どうぞどうぞ、宜しくお願いします。

もちろん、抗議の電話、県・政党へのプレッシャーも、大事な支援です。
1)内閣、防衛省、防衛局に抗議をお願いします。
 *沖縄防衛局 098-921-8131
 *防衛省03-5366-3111
 *内閣官房 03-5253-2111
2)県知事、東村村長に工事即時中止・建設反対表明を要請して下さい。
 *沖縄県知事公室 TEL:098-866-2460 FAX:098-869-8979
 *東村役場 TEL:0980-43-2201 FAX:0980-43-2457
3)あなたの応援している、沖縄県議会と市町村の議員・政党に工事即時中止・建設反対決議を採択するよう申し入れてください。

◇◆◇1月24日辺野古浜通信 より転載◇◆◇
みなさん、辺野古アセス『評価書』へ意見を出してください!!
重複している方がたくさんいらっしゃると思いますが、広めてください。メールでの受付もしているようです。7000ページを全部読まなくても、辺野古浜通信のこちら「県庁に放りだされた、環境影響評価書の悲惨な中身」のリストを見て頂くだけでも、十分この「アセス評価書」の悲惨な中身について意見できると思います!どうぞ・・・・・

*******(以下、転送・転載大歓迎!)********
辺野古アセス『評価書』へ意見を出して、沖縄県を励まそう!
名護市辺野古の豊かな海を埋め立てて米軍のための新しい基地をつくる計画。沖縄では、名護市民、名護市長、県議会、県知事も、みんなNOと言っています。にもかかわらず、日米両政府は、むりやりに建設を強行しようとしています。この基地建設が環境にどのような影響を与えるかを調べる「環境アセス」の手続きが、現在、国によっておこなわれています。最終段階の「評価書」には、県知事が意見を述べることになっています。辺野古の環境アセスで国は、建設をむりやり進めるために、とても非科学的な評価書を出し、辺野古の海の自然を過小評価。また、危険な飛行機オスプレイの配備など建設に都合の悪いことを隠し続けてきました。いま、沖縄県は、知事意見を出す前に「評価書」への県民の意見を募集しています。「辺野古への基地建設は絶対だめだ」という県民のたくさんの思いが強い県知事意見として生かされるように、わたしたちの思いを沖縄県に伝えましょう!

★「評価書」への意見を出すには…

1 審査会に意見を出す

(1)アセス審査会での発言希望者は、意見書を15部用意し、1月27日の審査会会場(宜野湾市真志喜・カルチャーリゾートフェストーネ(℡ 098-898-1212))にて、審査会の開催(午前9時半)前に事務局へ提出するか、1月26日(木)午前中まで(必着)に、審査会事務局へ郵送、FAX又はE-mailで提出します。

(2)発言は希望しないが審査会への意見書の提出を希望する方も、1月26日(木)午前中まで(必着)に、審査会事務局へ意見書を提出。提出された意見書は、事務局が各委員に配付します。

2 沖縄県知事に意見を出す

沖縄県環境政策課による住民等の意見の受け付けは、2月3日(金)必着です。
【意見提出先】
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
沖縄県環境政策課環境政策課(環境評価班)あて
FAX:098-866-2308
E-mail:aa025003@pref.okinawa.lg.jp

★意見書の書式:上記のリンク先をひらいてください。
意見書は例えばこんな感じでもOK!
◇環境保全の見地からの意見
※はじめに、意見を述べる分野(大気質、騒音等)を記載してください。
※意見は、日本語により、意見の理由も含めて記載してください。
◇意見を述べる分野: 対象事業の内容
◇意見:現在普天間飛行場 で使われているCH46に変わって、MV22オスプレイが配備 されると「評価書」に書かれています。オスプレイの配備は、1996年段階から日本政府は知っていて隠してきたことは、これまでの報道でも明らかになっています。本来なら、「方法書」からしっかり記載して、環境への影響を調査し、予測、評価すべきものです。このような嘘の「評価書」に対しては、「方法書」からやり直しを求めます。

『評価書』は沖縄防衛局のHPに掲載されています。

★紙媒体で『評価書』をお読みになりたい方は、アセス監視団メンバーの建築家・真喜志好一さんの事務所で読むことができます。電話で確認のうえお越し下さい。(那覇市久米、TEL 098-863-7091)

【おねがい】
みなさんが送った意見書のコピーを、「沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団」にもお送りください。お名前や住所などの個人情報を伏せたうえで、どのような意見がどれくらい集まったのかを集約し、強い知事意見が出されるための働きかけに役立たせていただきます。
★意見書・ハガキのコピーの送り先
沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団(団長・東恩納琢磨)
FAX 098-885-0866
E-mail river@ryukyu.ne.jp

沖縄の北部「ヤンバル」の広大な森を米軍は「北部訓練場」として、対ゲリラ戦の訓練場として使っている。この訓練場は、世界で唯一のジャングル戦のための戦闘訓練施設として、「ジャングル戦闘訓練センター」と名称を変え、相次いで訓練施設が建設されている。米軍北部訓練場は沖縄本島北部のヤンバルの森の中にある。面積78・33平方キロメートル(東京ドームの1675個分)で東村の47・3%、国頭村の52・7%を占めている。海兵隊などによりサバイバル訓練・ヘリコプターを使っての移動宙づり訓練・模擬弾を使っての射撃訓練など戦場さながらの訓練を行っている。辺野古への基地建設と一体となったものであり、海兵隊の最新鋭機「オスプレイ」の配備にも備えたものだ。ヘリパッドが建設されようとする地域は、県民最大の水がめ(本島の生活用水の60%を賄う)である福地ダムをはじめ新川ダム、また近隣には安波ダム、普久武ダム、辺野喜ダムが連綿と連なる貴重な水源地となっている。そしてまた、ヤンバルクイナやノグチゲラなど、ここにしか生息しない貴重な生き物たちが多数生息する、世界遺産にも登録されようとする、大切な、世界にひとつしかない森がここにはある。世界遺産の候補にも上がる自然生態系を損なうとして世界自然保護基金、日本生態学会、国際自然保護連合などが計画の中止や見直しを求めている。北部訓練場は米軍統治時代からの継続使用だが、ヘリも飛び交う戦闘訓練は、そもそもヤンバルの優良な自然にはそぐわない。沖縄島の生活用水の60%を賄っている水源地となっている訓練場内のダムで、投棄されたペイント弾・証明弾などの弾薬類が1万発以上も見つかり、水に対する安全性が疑われたまま。ベトナム戦時にダイオキシンを含む枯れ葉剤が同訓練場内で散布されたとの報道もあった。この沖縄本島にとっても残された唯一の大森林、やんばるの森を基地建設で破壊させてはならない。

那覇ブロッコリー制作パンフレット(336KB)
YANBARU TAKAE

現場に行ける人は応援に!

高江ヘリパッドいらない住民の会
共同代表 宮城勝己 安次嶺現達 伊佐真次
住所 沖縄県国頭郡東村字高江85−12
TEL/FAX 0980−51−2688

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2012年1月24日 (火)

愚の骨頂

就任後初めて沖縄入りした田中直紀防衛大臣が23日、仲井真弘多知事と会談し、「日米合意を踏まえつつ危険性を除去し、沖縄の負担軽減を図ることが内閣の基本姿勢」と、辺野古移設推進をあらためて伝えた。会談では、官僚が書いたと思われるメモを見ながら話す大臣の姿に、「何しに来たんだ?」と、いろいろな思いが湧いた。かつての自民党政権と同様、結局、民主党も人事は年功序列で派閥均衡。民主党が人材不足だったというだけでなく、ベテランもこの程度だということは、政治家全体の劣化を如実に表しているといっていい。やはり国会議員の数は減らしてもいい…そう思う。民主党には官僚をコントロールし、米国と渡り合うだけの気骨と力量のある政治家はいない。安全保障政策に関しては、歴代の外相、防衛相の大半が、省庁の振り付け通りに動くロボットだった。思考を停止し全てを官僚任せにした結果、沖縄への基地一極集中という構造的差別を助長した。問題が起きたときに責任を負うのは政治家であり、糸を引く役人ではない。言いなりになるのは愚の骨頂だ。

1月24日沖縄タイムス:防衛相発言に「少しは勉強を」「発言が軽い」
【宜野湾】「(頭上近くを飛ぶのは)そんなに多いわけじゃないんでしょう?」―。日常的に米軍機が上空を飛行する宜野湾市の普天間第二小学校について23日、米軍普天間飛行場を見渡す嘉数高台に立った田中直紀防衛相が発した軽い一言。「世界一危険」とされる同飛行場に隣接し、開校から42年間も爆音と墜落の不安にさらされ続けている同校の現実とは、あまりにもかけ離れていた。「基地負担の軽減」「沖縄との信頼」と繰り返す政府の“二枚舌”が、またもあらわになった。

田中防衛相はこの日午前、嘉数高台から同飛行場を視察。周辺に住宅が密集する状況について真部朗沖縄防衛局長から説明を受け、普天間第二小や沖縄国際大学の場所を確認した。田中防衛相は同小学校について、「ヘリが(定められた飛行経路から外側に)広がると、すぐ頭上に降りてくるというが、そういうケースはそんなに多いわけじゃないんでしょう? どうなんでしょうか」「そういうケースは結構あるもんなんですかねえ?」などと、特に悪びれた様子もなく真部局長に“素人質問”。同局長は「できるだけそういうことを避けるようにしているが、少し大回りする場合は上空を飛ぶように見えることもある」と説明した。同校は滑走路の北側の端に近く、日常的に輸送機やヘリが離着陸や旋回訓練をする。特に南風の場合、軍用機は北側から高度を落として着陸するため、まるで学校に突っ込んでくるかのように見える。同校の知念春美校長は一昨年7月、文部科学省の学校訪問に備え、試しに校長室から見える飛行状況をメモしてみた。午前10時3分、同8分、同13分…。たった1時間で、大型輸送機のタッチアンドゴーが14回。その間、ヘリも9回着陸したが、あまりにも多すぎて時刻をメモすることさえできなかった。「この子たちがどんな環境で学んでいるか、少しは勉強してから来てほしい。飛行の騒音やエンジン調整音、墜落の危険…。こんな学校は世界のどこにもない」。防衛トップの認識の甘さに胸を痛める。同校の村上ゆかりPTA会長も「発言が軽い。県民がどう思うか考えていない」と無念そう。2010年5月に鳩山由紀夫首相(当時)が同校を訪れた際、村上さんは「墜落事故が起きるかもしれない。子どもたちを守ってください」と訴えた。その言葉は、政府に届かない。

「実態知らない」
宜野湾市の米須清栄副市長は「あまりにも実態を知らない。学校ではパイロットの顔が見えるほど近くを米軍機が飛び、児童や住民は強い不安を抱えている。普天間の危険性除去や移設・返還問題に最も責任のある防衛相がこの程度の認識では、本当に真剣に取り組んでもらえるのかと疑わしくなる」と不信感をあらわにした。▲

通常国会が24日召集され、野田佳彦首相は衆参両院本会議で初の施政方針演説を行った。普天間飛行場移設問題では、『日米同盟は、わが国の外交・安全保障の基軸にとどまらず、アジア太平洋地域、そして世界の安定と繁栄のための公共財です。21世紀にふさわしい同盟関係に深化・発展させていかなければなりません。普天間飛行場の移設問題についても、日米合意を踏まえ、引き続き沖縄の皆さまの声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し理解を求めながら、沖縄の負担軽減を図るために全力で取り組みます』と、名護市辺野古に移設する日米合意を堅持する方針を強調した。また、玄葉光一郎外相の外交演説では、『日米同盟は、日本の外交・安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域と世界の安定と繁栄のための公共財だ。安全保障、経済、文化・人的交流を中心に日米同盟を一層深化・発展させる。在日米軍が、わが国に必要な抑止力の確保に不可欠な役割を担っていることを踏まえ、普天間飛行場の移設については、沖縄の理解を得るべく全力を挙げて取り組む』とした。

野田内閣に代わってから、閣僚による「沖縄詣で」が相次ぎ、県知事との会談が行われているが、話すことは「危険性の除去」と「負担軽減」のために辺野古移設をお願いする、ということだ。多くの閣僚が沖縄を訪問しても、言うことは同じ、それは何も考えていないことの証でもある。日本政府は沖縄にある数多くの問題に対し、議論を尽くしたと言えるのか。会談で田中大臣は、普天間飛行場について「世界一危険な基地であることはあらためて体験した」と語った。辺野古移設に向け「沖縄に厳しい声があることは承知しているが、誠心誠意話し合い、解決の糸口を見つけたい」と県側の理解が得られるよう取り組む考えを強調した。「世界一危険」だと認めたからには、担当大臣として「世界一の危険除去」に真剣に取り組んで頂きたいものである。2003年11月、沖縄県を訪問したラムズフェルド米国防長官が市街地の真ん中にある普天間飛行場を上空から視察した。国防長官は「こんな所で事故が起きない方が不思議だ。代替施設の計画自体、もう死んでいる」と指摘し、1996年12月のSACO最終報告の見直しを国防総省に指示したという。これ以降、普天間は「世界一危険な米軍基地」として、沖縄県外にもよりいっそう強く印象づけられるようになった。アメリカの国防長官ですら「世界一危険な基地」と言わしめた普天間基地の異常な実態と住民の闘い。だが、危険な基地の除去のために、自然を破壊して、反対住民を押し退けてでも、辺野古に新しい基地を造るということで、はたして日本の将来のためには、有意義なことなのだろうか。会談直後の記者団とのやりとりで田中大臣は「国民的な議論もしていただき、日米合意が大前提だが、国民の理解、支援をいただきたい」と語った。この発言に対し仲井真知事は「沖縄の話を日本全体で理解し協力する意味ならありがたいが、ただ辺野古を実現するためにという意味なら、すれ違いだ」と断じた。稲嶺進名護市長は、「(名護市や宜野湾市で)現場の厳しい声を聞かなければ、沖縄に来た意味がない。東京で話したことと何が違うのか」と不快感を示し、「厳しい声を自分で聞かず、現場も知らない。官僚のレクチャーを受けただけで理解したつもりだろうか。それで辺野古移設を言うのは、官僚の書いた作文を読んでいるだけだ」と指摘した。また、2007年の防衛省移行後、防衛相が10代目になることから、「ころころ変わるのでは、普天間問題に真剣に立ち向かい、取り組むこともできるはずがない」と強調した。就任直後の田中氏が辺野古移設を主張することに「辺野古移設ありきで、政治主導と言いながら、官僚の言いなり。これが現実だ。県民に理解を求めると口では言っているが、まったく真実味が伝わらない」と批判している。

1月24日琉球新報 社説:田中防衛相来県 「普天間」固定化の布石か
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に理解を得たい田中直紀防衛相が22~23日に沖縄を訪問した。県民の大多数は県外・国外移設や無条件返還を求めており、今や辺野古への新基地建設は実現不可能だ。防衛相が何度沖縄に足を運んだところで状況は変わらない。それでもなお政府が日米合意に固執するのはなぜか。答えは、昨年9月の野田佳彦首相による初の所信表明にある。首相は「日米合意を踏まえつつ、普天間飛行場の固定化を回避する」と明言した。裏を返せば、日米合意を履行できないときは「普天間」を固定化させることを意味する。政府が描いているのは(1)われわれは日米合意の受け入れを粘り強く沖縄側に求めた(2)しかし仲井真弘多知事をはじめ多くの県民が反対した(3)最大限努力したが、地元が受け入れず、普天間飛行場を固定化せざるを得なくなった―というシナリオではないか。仲井真知事は23日の会談で「日本国内の別の地域に移すのが早い。その方向で取り組んでほしい」と要望した。田中防衛相は「日米合意が前提。誠心誠意話し合い、解決の糸口を見いだしたい」と応じている。知事が再三再四、県外移設を求めても聞く耳を持たないのだから解決の糸口も何もあったものではない。政府が方針を変えないまま閣僚が何度知事に会ったところで議論が平行線をたどるのは最初から分かり切っている。会談は、理解を得る努力をしたという既成事実をつくるために官僚が演出した茶番にすぎない。透けて見えるのは、辺野古移設がご破算になったときの責任を沖縄側に転嫁する狙いだ。昨年暮れの環境影響評価書の未明持ち込みにしても、今回の防衛相来県にしても、固定化を見据えた布石と捉えればつじつまが合う。「世界一危険」と田中防衛相が認める通り、市街地に囲まれた普天間飛行場の周辺住民は今も軍用機墜落の脅威にさらされている。基地を米国に提供している日本政府は、危険を取り除く義務を負う。固定化は責任放棄以外の何物でもない。田中防衛相は沖縄の声に真剣に耳を傾けてほしい。そうすれば、自身が理解を求めるべき相手は沖縄ではなく、野田首相や米政府であることが分かるはずだ。官僚の尻馬に乗って時間をつぶしている場合ではない。▲

日本政府は移設、移設と言うが、本当に普天間基地が必要なのかは、まさに福島原発事故前の原子力発電所と同じく、真剣には検討されてきていない。日米安保を日本の防衛のために維持するとしても、海兵隊はアメリカの都合で日本にいるだけであって、日本国民の安全保障のためにはいらない。普天間基地を使っているのは海兵隊だ。海兵隊は米国の「海外での緊急展開部隊」といえば聞こえは良いが、要は侵略先行部隊である。湾岸戦争やアフガン、イラク戦争などで「活躍」しているが、こんな侵略部隊は日本の防衛にとっては必要ではない。現実的に、沖縄県内に新たな基地をつくることは難しい。これ以上、辺野古にこだわり続けても、進展が見込めないのは明らかだ。野田首相にとっては、実際に移設が実現しなくても、事態の進展に努力する姿勢を米側に示せればいいのかもしれない。県知事が海面埋め立てを拒み、普天間返還が実現しなかったら、その責めは沖縄県側にあると言い逃れできるからだ。だが、これでは何の問題解決にもならない。普天間移設問題の出発点は、飛行場周辺の危険除去と、米軍基地の74%が沖縄に集中する不公平を見直すことだったはずだ。実現できそうもない日米合意に執着すればするほど、解決は遠のく。日米両国は沖縄が納得できる新たな道を探るべきである。

1月24日沖縄タイムス:アセス業者に防衛省OBが天下り
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米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)で、事業主の防衛省が評価書作成の調査を委託した元請け業者と現場で潜水業務を請け負った孫請け業者に、それぞれ防衛省OBが天下り先として再就職していることが23日、沖縄タイムスの調べで分かった。委託業者に同省OBがいることで、環境影響評価をめぐり科学的な客観性や信頼性が疑われかねないとの指摘がある。防衛省から調査を委託された元請け業者は、東京に本社があるA社の沖縄支社(那覇市)と、うるま市に本社のあるB社。両社合わせて計約1億5千万円で契約していた。A社には、2010年3月末で退職した防衛省OBが同年7月に再就職。A社から潜水業務などを請け負うC社には、同時期に退職した沖縄防衛局OBが同年6月に再就職した。両社によると、それぞれ顧問の役職に就いている。A社の幹部は「防衛省OBは東京にいるが、沖縄支社にはいない。再就職と影響評価の調査委託との関連は全くない」と説明。C社の代表取締役は「仕事の依頼が増えると思い、防衛省OBを再就職させた。評価書に関連した潜水業務を引き受けたが、OBとは一切関係なく、会社として環境影響評価の作業をしているだけだ」と話している。調査に携わる業者に防衛省から天下りしている実態について、桜井国俊沖縄大学教授(環境学)は「日本のアセス問題を露呈している」と強調。「みんなが認める第三者が調査を行うのではなく、事業主が決める業者が調査する体系自体に問題がある」と指摘した。米軍基地建設に関する環境アセスは全国初の事例となる中、国内外のアセスに詳しい島津康男名古屋大名誉教授は「科学的客観性が求められる評価書で、怪しまれるようなことをしてはいけない」と問題視した。▲

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2012年1月23日 (月)

原発マネー汚染

「原子力ムラ」という言葉がある。原子力ムラとは、原子力発電の推進に関わる行政機関、電力会社、メーカー、大学などの研究機関に所属し、原子力発電は安全であると固く信じて、まい進している人々。おおむねこのように定義されるのではないか。福島第一原発事故以後、「悪の権化」と語られる。だが、大マスコミの責任追及も曖昧だ。福島第一原発事故やストレステストについて、政府や国会の調査委員会などで専門家による検証が進められているが、その作業に係る人たちにも原発マネー汚染は広がっている。再発防止の徹底や今後の原発事業や原発行政の改善のためにも、欠かせない委員会が、このような人物を委員に招き、時間をかけ話し合ったところで、国民の理解は得られない。電力各社は、学者や役人に研究費名目でカネを提供したり、天下りポストを用意して取り込み、業界寄りの原発推進派グループを作り上げていった。その中心に位置するのが東電である。国策として始まった原発の最大の課題はいかにシンパを増やすかだ。全国10の電力会社が拠出金と社員を出し合って作った業界のコントロールタワー的な「電気事業連合会」という組織がある。電気事業連合会は、日本の電気事業を円滑に運営していくことを目的として、1952年に全国9つの電力会社によって設立された。2000年3月に沖縄電力が加盟し、現在10電力体制で運営されている。この電気事業連合会を通じて政治献金もしているし、東電や関電からは議員も輩出してきた。電力事業者からの寄付は古くから、さまざまな形で行われてきた。行政側が強く要請した場合も少なくない。自民党は電力会社の集まりである電事連(電気事業連合会)、民主党は労働組合の電力総連から金をもらい、人も入っている。特に選挙の時がそう。さらにメディアは広告費と接待費で完全に骨抜きにされて、誰も文句をいえない。原子力推進が、利権というか国策の公共事業になっている。寄付は電力事業者にとって重荷となるが、電力料金に跳ね返り、ツケを回されるのは消費者である。電気料金には電源三法交付金の原資となる電源開発促進税が上乗せされている。日本は、経産省、資源エネルギー庁、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、東電など電力会社、東芝、日立製作所、三菱重工など原発関連メーカーが、官民一体となって「原発を推進する」という統一目標に向かって突き進む構造となっている。同一価値観を持つ彼らは、「原子力村」を形成しているわけで、それを可能にしたのが電力独占の高収益体制である。無駄な投資資金が積み重なっている核燃料サイクルは、電力料金に加算されており、懐が痛むのは利用者=国民である。

1月22日毎日新聞:「この国と原発」第4部・抜け出せない構図  
政官業学結ぶ原子力マネー(その2止)
◆電力業界の政治献金
◇経営陣は自民、労組は民主へ
経営陣は自民へ、労働組合側は民主へ。電力業界は労使双方が2大政党に資金を提供し続けてきた。原発を持つ電力9社やその子会社の経営陣らは09~10年に、個人献金の形で自民党側へ約8000万円を提供したとみられる。電力各社の労組と労組を母体とする政治団体計21団体が、09~10年に民主党の総支部や党所属国会議員へ提供した資金も少なくとも6876万円に上る。電力9社は74年以降、「公益事業を行う企業にふさわしくない」として企業献金廃止を掲げる一方で、自民党を中心とする国会議員のパーティー券購入を続けてきた。さらに役員や幹部、OB、子会社役員が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に個人献金をしてきた。電力会社の名簿と氏名が一致する個人献金を国民政治協会の政治資金収支報告書から拾うと、09年分約4500万円、10年分約3500万円に達する。同姓同名の別人分が交じっている可能性はあるものの、拾い上げた献金は会社の役職のランクに応じた定額になっており、そろって12月に行われるなど組織性をうかがわせる。各社は「献金は個人の意思で行われた」と会社の関与を否定している。一方、自民党関係者によると、電力各社の対象者には、振り込みで献金するよう依頼してきたという。ただ、「必ずしも幹部全員に応じてもらっているわけではない」ともいう。10年の東京電力の場合、勝俣恒久会長と清水正孝社長(当時)は30万円だった。役員は社外取締役・社外監査役を除く21人全員の氏名が収支報告書にあった。執行役員は5万円、本社の部長や子会社役員は3万円、本社の部長代理クラスや支社長の一部も1万円を献金していたとみられる。東電とその子会社で、名簿と氏名が一致する献金者は300人を超え、総額は約1000万円だった。10年分を見ると、中部電力関係者が約500万円、四国電力関係者も約400万円の献金をしていたとみられる。電力各社の労組とその上部団体である電力総連、労組を母体とする政治団体は、民主党国会議員や党総支部に献金したり、パーティー券を購入するなどした。総額は少なくとも09年に3591万円、10年3285万円。資金提供を受けた民主党国会議員は2年間で少なくとも30人に上る。10年分でみると、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」が、東電労組出身の組織内議員、小林正夫参院議員(比例)の同年の選挙支援に計2650万円を拠出した。同政治活動委員会など電力総連関連の13政治団体が、民主党原子力政策・立地政策プロジェクトチーム座長だった川端達夫総務相関連の政治団体のパーティー券を166万円分購入。川端氏は電力総連と同じ旧民社系の東レ労組出身で、事務所は「長い付き合いで頼んだ」と説明した。「中部電力労組政治連盟」は、岡田克也副総理のパーティー券を09年、10年ともに26万円分購入した。電力総連の内田厚事務局長は「数万円のパーティー券購入で政策を左右できない。(議員側からの依頼を受け)応分の役割を果たした」と話している。

◆外郭39団体
◇補助金3600億円、天下り60人
20120122dd0phj000010000p_size8原子力発電に関連する事業を実施している国と自治体の外郭団体39団体に対し、年間約3600億円の補助金などが支払われていることが毎日新聞のまとめで分かった。延べ60人の元官僚が団体の役員として天下っており、原子力関係予算の一部が「官」の内部で再配分されている実態が浮かぶ。今回まとめたのは、36団体の09年度決算データ。うち28団体に国と自治体から拠出された補助金、交付金、委託料は合わせて約3669億円に達し、ほとんどは国からだった。国からの収入が最も多かったのは、「もんじゅ」を運営するなど多数の原子力関連研究を展開する日本原子力研究開発機構で、約2004億円。39団体には原子力関連事業が主要事業ではない団体なども含まれる。国家公務員の天下りは20団体、60人に上り、経済産業省原子力安全・保安院や旧科学技術庁の出身者が、役員報酬のある団体の会長や理事に就いているケースが多かった。複数の団体の役員を「掛け持ち」している元官僚もいる。原子力安全委員会の元委員が役員に迎えられているケースもあった。都道府県が所管する外郭団体の多くは、原子力発電の安全性を地元にアピールする広報事業を実施している。福島第1原発事故で警戒区域に指定されている福島県大熊町にある「福島県原子力広報協会」には、県と原発周辺の6市町から委託料として年間約1億円が支払われていたが、現在は休眠状態となっている。

◆関連研究へ巨額資金
◇大学の「依存」鮮明に
大学の原子力関連研究は、国や原子力関連企業から受け取る巨額の研究資金に強く依存している。毎日新聞の集計では、11国立大学の関連研究に対し、06~10年度の5年間に、少なくとも104億8764万円の資金が提供された。ほとんどを占める受託研究で目立つのは、文部科学省からの資金提供が高額であることだ。高速増殖原型炉「もんじゅ」開発をはじめ、「軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発」(2億1781万円、東京大、09年度)▽「原子力システム高効率化に向けた高耐食性スーパーODS鋼の開発」(2億1244万円、京都大、同)--など億単位が目立ち、期間が数年にわたるケースもある。一方、企業からの受託研究は、「放射性廃棄物地層処分等のための基盤技術の研究開発」(西松建設→東大、105万円、10年度)など、数十万円から数百万円規模がほとんど。「原発推進」の国策の下、毎年巨額が計上される原子力研究開発予算が、大学の研究を支えている構図がくっきりと浮かぶ。共同研究の相手は日本原子力研究開発機構や、電力業界が設立した電力中央研究所などの研究機関が目立つ。奨学寄付金の多くは1件あたり数十万円から100万円前後。受け取った寄付金は大学が管理するが、ほとんどは研究者個人あてで、使途にも制限がないことが多い。東京工業大の有冨正憲教授は5年間に、使用済み核燃料の輸送などに使う容器「キャスク」の設計・製造会社「オー・シー・エル」などから1885万円の寄付を受け取った。学会出席の旅費や7人いる研究員の人件費、学生への学費援助などに使ったという。有冨氏は「共同研究費や受託研究費と違い、残金を翌年度に持ち越せるので、途切れることなく人件費や学費援助を支払えるのがメリット」と話す。東工大出身の研究者は「研究者の評価は1年に何本の論文を出したかで決まる。いい論文を出すには、金をかけて実験をしなければいけない」と言う。班目春樹・原子力安全委員長(東大教授)も委員長就任前、06~09年度の4年間で原子炉メーカーの三菱重工業から計400万円の寄付を受けている。最も多く奨学寄付金を支出したのは、原子力関連企業を中心とした任意団体「関西原子力懇談会」(5155万円)。京大など関西の大学を中心に寄付した。同会によると、09年度以降は公募制で、研究者が提出した研究計画を選考して1件に年間50万円を支出したが、「協賛企業名や資金は明らかにできない」(広報担当者)という。2位は三菱重工業の2957万円。大学に資金を提供する理由について、「研究成果が当社の技術開発につなげられる。また、我が国の原子力産業の技術力の向上につながると考えられる」(広報・IR部)と回答した。しかし、国や企業から資金を提供してもらえるのは、原発推進の側に身を置いている研究者だけだ。原発批判の論客として知られる京大原子炉実験所の小出裕章、今中哲二の両助教には06~10年度、「原子力マネー」の提供はゼロ。両氏への唯一の外部資金は今中氏が10年度に広島市から受託した「広島原爆による黒い雨放射能に関する研究」(42万円)だった。一方、大学の情報公開の問題点も浮かび上がった。今回の集計は情報公開請求で開示された資料に基づいたが、大学によって公開度にばらつきがある。特に九州大は、受託研究が全て非公開で、共同研究も受け取った金額を明らかにしない。寄付を受けた研究者名も示さず不透明さが際立つ。大阪大は契約の相手や研究テーマが黒塗りで判別不能の共同研究と受託研究が計2億8134万円に上る。東北大は10月に行った情報公開請求に対し、いまだに公開していない。▲

1月22日毎日新聞:この国と原発 第4部・抜け出せない構図 
政官業学結ぶ原子力マネー(その1)
重鎮学者が会社設立 (その1)
資金支出、自ら審査 (その2止)
1月23日 議員立法に業・官の壁 2

1月22日毎日新聞:原発推進 11大学に104億円 国と企業が提供
東京大や京都大など11国立大学の原子力関連研究に対し、06~10年度、国や原子力関連企業などから少なくとも104億8764万円の資金が提供されたことが、毎日新聞の集計で分かった。規模の大きな大学は毎年、数億円規模で受け取っている。「原子力推進」に沿う限り、研究資金を安定的に得られる仕組みで、大学が国策に組み込まれている構図が鮮明になった。各大学への情報公開請求で得た資料を分析した。原子力関連の研究室や研究者が、受託研究▽共同研究▽奨学寄付金▽寄付講座--の形で、国、日本原子力研究開発機構などの政府系団体、電力会社や原子力関連企業から受け取った金額を集計した。未公開部分もあるため、実際にはもっと多いとみられる。ほとんどは受託研究が占め93億円。特に国からの委託は高額で、文部科学省が福井大に委託した「『もんじゅ』における高速増殖炉の実用化のための中核的研究開発」(5億1463万円、10年度)など億単位も目立つ。共同研究は総額4億1083万円。企業側が数十万~数百万円を負担することが多い。奨学寄付金は総額2億1822万円で、研究者が自由に使えるケースも多い。個人別で最多だったのは、福島第1原発事故直後、当時の菅直人首相から内閣官房参与に任命された有冨正憲・東京工業大教授で1885万円。有冨氏は「持病があり、学会などで海外渡航する際にエコノミークラスが使えず、旅費がかさむ。その点を配慮してくれているからでは」と話す。企業からの寄付が研究結果をゆがめる恐れについては、「気をつけている。私は安全評価より開発研究が中心で、問題は生じないと思う」と話した。一方、原発の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた京都大の小出裕章、今中哲二の両助教には、「原子力マネー」の提供はなかった。寄付講座は4大学が電力会社などの寄付で開設し、総額4億9100万円だった。大学別では、京都大33億640万円、東京大25億5895万円、東京工業大16億7481万円の順だった。▲

1月10日福島民報
原子力機構、会費で1億円超支出 関係団体に、天下り先も
高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)を運営する文部科学省所管の独立行政法人(独法)「日本原子力研究開発機構」が2009年4~9月に、関係する公益法人などに「会費」名目で計1億900万円を支出していたことが9日、民主党行政改革調査会の調べで分かった。一部法人には文科省や原子力機構のOBが「天下り」している。原子力機構には09年度に国から約1850億円が交付されており「お手盛り」との批判が出そうだ。総務省所管の独法「情報通信研究機構」も10年度に4550万円の「会費」名目で支出があった。▲

1月8日朝日新聞:東電、10議員を「厚遇」 パーティー券を多額購入
東京電力が電力業界での重要度を査定し、自民、民主各党などで上位にランク付けしてパーティー券を購入していた計10人の国会議員が判明した。電力会社を所管する経済産業省の大臣経験者や党実力者を重視し、議員秘書らの購入依頼に応じていた。1回あたりの購入額を、政治資金収支報告書に記載義務がない20万円以下に抑えて表面化しないようにしていた。また、東電の関連企業数十社が、東電の紹介などにより、多数の議員のパーティー券を購入していたことも判明した。複数の東電幹部によると、東電は、電力業界から見た議員の重要度や貢献度を査定し、購入額を決める際の目安としていた。2010年までの数年間の上位ランクは、いずれも衆院議員で、自民では麻生太郎、甘利明、大島理森、石破茂、石原伸晃の5氏、元自民では与謝野馨(無所属)、平沼赳夫(たちあがれ日本)の2氏。民主では仙谷由人、枝野幸男、小沢一郎の3氏だった。▲

1月3日東京新聞:班目委員長らに寄付金 就任前 原子力業界が数百万円
原発の設置許可申請などについて、安全審査のダブルチェックとして二次審査を担当する原子力安全委員会の5人の委員のうち、班目(まだらめ)春樹委員長と代谷(しろや)誠治委員が、就任前の3~4年間に、原子力関連企業や業界団体から310万~400万円の寄付を受けていたことが2日、分かった。安全委の下部組織の専門審査会で、非常勤で審査を担当する複数の委員も、審査対象企業などから寄付を受けていた。いずれも審査の中立性への影響はないとしている。班目氏は2010年4月に東京大教授から安全委の委員長になった。同氏によると、09年までの4年間に三菱重工業から計400万円の寄付を受けた。代谷氏によると、同氏は京都大教授だった09年までの3年間に、電力会社などでつくる「日本原子力産業協会」の支部から計310万円を受け取った。いずれも研究奨励を目的に寄付する「奨学寄付金」。研究費や海外出張の旅費などに使ったという。一方、核燃料製造の安全性などを審議する専門審査会の複数の委員も、取材に対し、同じ支部や審査対象の燃料加工会社から、年50万~100万円近くを数年間受け取っていたと説明。審査会には数十人の委員がおり、寄付を受け取った場合は、その企業の申請に関する審査には加わらない仕組みという。班目氏は「審査に影響ないと考えている。議事録なども全て公開し、納得できるかは国民の判断に委ねたい」と話した。▲

1月1日朝日新聞:原子力業界が安全委24人に寄付 計8500万円
東京電力福島第一原子力発電所の事故時、中立的な立場で国や電力事業者を指導する権限を持つ内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、班目(まだらめ)春樹委員長を含む3割近くの24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から計約8500万円の寄付を受けていた。朝日新聞の調べで分かった。うち11人は原発メーカーや、審査対象となる電力会社・核燃料製造会社からも受け取っていた。原子力業界では企業と研究者の間で共同・受託研究も多く、資金面で様々なつながりがあるとされる。中でも寄付は使途の報告義務がなく、研究者が扱いやすい金銭支援だ。安全委の委員へのその詳細が明らかになるのは初めて。委員らは影響を否定している。▲

1月23日毎日新聞:電力需給:政府今夏試算「6%余裕」伏せる
1月23日ゲンダイネット
重大疑惑 犯人は誰だ 官邸「原発対策本部」議事録がない!
1月18日東京新聞 社説:電力料金 将来像なき値上げでは

福島第一原発事故発生後、「原発は絶対に爆発しません」と菅首相に吹き込んでいた原子力安全委員会の班目春樹委員長(元東大工学部教授)を筆頭に、空疎な安全神話を唱える学者たちの存在が表面化した。端から見たら非常識としか思えない、こうした御用学者が居並ぶ理由を、元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏はこう説明する。 「電機や機械と違い、原子力の場合は研究におカネがかかり過ぎるのです。国や電力会社がカネを出さなければ研究ができない異質の分野が原子力なのです。だから研究の裾野が広がらず、異なる価値観が共存することもない。したがって原子力村には相互批判がなく、いつでも『原発は安全』になってしまう」 原子力村では、准教授になった途端に国から声がかかり、各種委員会など原子力関連の政府組織に名を連ねることができるようになる。すると、より詳しい研究資料の入手もできるようになり、学生の指導もしやすくなる。電力会社から多額の謝礼で講演の依頼なども入るようになり、定年後には各社が運営する研究所所長などのポストも用意されるという。しかし、正直に原発や放射線の危険性を指摘して、ムラに反逆したと判定されてしまうと、御用学者とは正反対の恵まれない学究生活が待ち受けているのだ。東京大学工学部原子力工学科の1期生で、立命館大学名誉教授の安斎育郎氏はこう語る。 「大学院生だった1960年代後半、日本科学者会議などの場で原子力行政を批判したところ、たちまち学内で干されました。その後、米国製軽水炉の欠陥を指摘したり、原発予定地の住民の相談に乗って反対運動に加わると、『反原発を扇動している』などと言われるようになり、各電力会社に安斎番の社員まで置かれるようになりました」 その当時、安斎氏が講演すると、必ずそうした番の社員が内容チェックにやってきて、彼らや公安関係の刑事から尾行されることもあったという。 「東電の社員から、『3年くらい海外に行ってくれないか。カネは用意するから』と言われたこともあります。もちろん断りましたが、私に消えてほしかったのでしょうね。東大には17年間勤務しましたが、最後まで助手のままで、その間、補助金はほとんどもらえませんでした」(安斎氏)。原発は絶対に安全だという宗教を信じない者は、「偏ったイデオロギーの持ち主」などと言って、研究費も与えずパージしてしまう。それが、官僚と電力会社の手口だ。そして、自分たちに都合のいい学者を出世させて権威として持ち上げ、原子力安全委員長などの重要ポストに据える。本来、委員長は「原子力行政に絶大な権力を持っていて、原子炉メーカーが視察を受ける際、かつては工場の入り口に赤じゅうたんを敷いたほど」(大手電機メーカー社員)の存在だという。だが、委員長を指名するのはスポンサーである役所。産官学が同じ「原子力推進」で染まってしまっているのだから、そこには批判や反省が存在する余地はまったくない。国策として巨額の国費=税金を投入し、原発建設を推し進めてきた政治家と官僚機構。彼らの庇護を受け、原発運用で巨額の利益を上げ続けてきた電力会社と関連企業。そして、そこに「安全だから」とお墨付きを与えてきた学者たち。この渦の中で、原発マネーに翻弄されてきたのが、原発を誘致してきた「地元」である。原発が稼動する地域では、住民懐柔の手段あるいは迷惑料として、国費から多額のカネが交付されてきた。福島県の場合、電源三法による交付金は08年度で約140億円に達しており、そのうち56億円が、福島第一原発、第二原発が立地する浜通りの4町(双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町)の収入になっている。これらの町の周辺には、原発マネー由来の健康施設や、運動公園、野球場が立ち並ぶ。東電が出資して運営し、現在は事故対策の現地本部が置かれているスポーツ施設「Jヴィレッジ」もその一つだ。福島第一原発の爆発は、原子力村が作り上げて来た虚構を同時に吹き飛ばした。日本の未来にとって、原発は必要なのか否か。いま国民全体が問われている。

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2012年1月20日 (金)

国民の声を無視して、御用学者には頭を下げる経産大臣

国の原子力政策が間違いだったことは、福島第一原発の事故が証明したはずだった。しかし、原子力安全委員会や経済産業省原子力・安全保安院は、原発再稼動を進める姿勢を鮮明にしはじめた。社会保障と税の一体改革しか眼中にない野田総理は、原子力政策については役人に任せたきりで、何の発言もしていない。政府は原子力政策について分かりやすい説明と明確な指針が示されるべきだが、政府は原発40年廃炉という方針を打ち出しながら、一転して20年延長の特例を認めると言い出した。なぜ20年なのかについても、何ら説明はない。関西電力が国に提出していた大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)に対して、経済産業省原子力安全・保安院が妥当とする判断を示した。政府はストレステストを定期検査で停止中の原発を再稼働させるための条件と位置付けている。福島第一原発事故の詳しい原因が解明されず、十分な安全対策も打ち出せない中、「結論」だけ示されても不信感が募るばかりだ。福島県は廃炉を宣言し、原発を抱える全国の自治体で安全性に対する疑問が高まっている。再稼働できる環境とは程遠い。これで原発の再稼働に対する国民や立地自治体の理解が得られるだろうか。大飯原発に関しては、津波の想定の妥当性一つとってみても、大きな疑問が残っている。まだまだ検証が必要だ。判断の背景には、原発の規制当局である保安院が、安全性を軽視し、再稼働への条件整備を急いだことがあるとしか思えない。「結論ありき」「見切り発車」など批判の声が次々と上がったのは当然だ。あまりに拙速なのは、誰の目にも明らかと言える。再稼働までには、安全評価の審査のほかに、最大のハードルである地元の同意をはじめ、幾つもの手順を踏まねばならない。一つずつ丁寧に対処しなければ、失った国民の信頼を回復することなど到底できまい。ストレステストは、地震、津波、全電源喪失、海水に熱を放出する機能の停止といった事態が生じた場合、燃料損傷などに至るまでにどの程度余裕があるかをコンピューターで解析する。菅直人前政権が導入した評価方法だ。定期検査中の原発を対象とする1次評価と全原発に対する2次評価があり、7社から14基分の1次評価が提出されている。野田首相は昨年9月の所信表明演説で、地元自治体との信頼関係を大前提として「定期検査後の再稼働を進める」と述べている。こうした発言を踏まえれば、政府は大飯原発を皮切りに再稼働へと踏み出したと言えるだろう。現在稼働中の原発は5基にとどまる。4月中にはゼロになる可能性もある。このままでは電力供給に問題が生じるとの指摘は理解できる。だが、だからといって再稼働には賛成できない。ストレステストの妥当性を判断する資格が保安院にあるのか、疑問が残るからだ。福島の原発事故で、保安院や原子力安全委員会のチェック機能が働いていなかったことが明らかになった。電力会社とのなれ合い体質が指摘され、チェック機関としての存在意義が問われている。その最中に「妥当」と言っても信頼は得られないだろう。大飯原発のストレステストをめぐる専門家会議に対し、市民から公開を求める声が高まったのは当然だ。地に落ちた信頼を取り戻すためには、会議の全面公開を含め原発行政全般にわたる思い切った改革が欠かせない。

1月18日 ストレステストに係る意見聴取会

●レイバーネット日本
ストレステスト意見聴取会~公正審議のない「決定」は無効だ
夜遅くまでの経産省前抗議行動、ストレステスト意見聴取会傍聴行動、そして抗議電話を集中した全国のみなさんごくろうさまです。 以下、私が知る限りの今日(18日)の出来事の概要です。絶対に忘れぬようにし、追及を強めましょう。別室でのモニターではなく傍聴認めろ、公開原則を守れの抗議要請で、ストレステスト意見聴取会は4時間も開始できず、経産省は50名余の警察を導入して、賛成派委員だけを別室17階の会議室に連れ出し、反対委員欠席のまま密室で審議して、大飯原発3,4号基のストレステストを「妥当」と判断したのです。 委員会公開の原則を投げ捨てた決定ならぬ「決定」は無効です。公正審議のない横暴で無理な決定をしたことはだれの目にも明らかです。多くの人々の、自治体関係者の信頼を得ることはできません。今日のストレステスト「妥当」判断で決着ではなく、今後の政府決定、福井県など関係自治体の同意などいくつも関門があり、抗議・追及行動を倍加させる材料となったのです。経産省の役人が、別室審議へマスコミを誘導しましたが、多くのマスコミはついていかず抗議を続ける委員や人々を残って取材していました。現場の記者もどこに真実があり、伝える意味のあることは何か、明らかだったのです。許せないのは枝野経産大臣です。5時半に記者会見で「平穏な開催ができないことは容認できない」と公開原則を破った自らの責任をタナにあげ、傍聴を求める人々に転嫁したのです。この大臣判断が警官導入、密室審議強行の命令でした。さらに密室審議の席で、「不快な思いをさせて申し訳ない」と原発企業から金をもらった御用学者に頭を下げてわびているのです。福島はじめ全国で被曝を強要されている人々に背を向けて、原発利権擁護・再稼働推進に走っているのです。こいつは辞めさせなければなりません。これから追及すべきことは明解です。経産省・保安院に「妥当」判断無効、撤回!再稼働やめろ!の抗議行動・電話・FAX・メールを集中しましょう。公正審理、公開原則をなげすてた枝野は大臣やめろ!と叫びましょう。密室審議に同調した委員にも抗議し、引き続き岡本孝司東大教授ら3名の辞任を求めましょう!これからのストレステスト・意見聴取会の場を、でたらめ審議追及の場に変えていきましょう!福井県はじめ30キロ圏自治体に「再稼働同意」をしない働きかけをつよめましょう。反対意見排除・密室審議のストレステストを認めるのか否か、まっとうな判断を求めていきましょう!静岡県・牧之原市議会の「永久停止決議」につづく自治体をふやしましょう。▲

時事ドットコム:意見聴取会、別室公開に=原発ストレステストで
枝野幸男経済産業相は20日、原発のストレステスト(耐性評価)をめぐる意見聴取会について、今後は別室にモニターを設置して公開する方針を明らかにした。原子力安全・保安院が18日に開いた聴取会で、反対派市民の会場への乱入などにより混乱が生じたのを受けた措置。傍聴者を会場に入れない姿勢を改めて示した形だ。経産相は、判断の事情を「同室で公開するのが望ましいが、議事妨害や委員に詰め寄るという状況が生じた」と説明。議論の環境を整えるためにやむを得ないと強調した。一方、再稼働に慎重な委員が意見聴取会の欠席を示唆する発言をしていることに対しては「科学的に安全なのかどうか、私も知りたい。意見があるなら出席して指摘してほしい」と求めた。▲

1月20日毎日新聞 社説:原発テスト 「結論ありき」と疑う
東京電力福島第1原発の重大事故の教訓を今後にどういかそうとしているのか。このところの政府のやり方には疑問が多い。経済産業省の原子力安全・保安院は関西電力が提出した大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)を「妥当」と評価した。再稼働の前提として定期検査中の原発を対象に行われる第1次評価である。この先、原子力安全委員会の確認や国際原子力機関(IAEA)の評価を受ける。さらに、首相と関係3閣僚が再稼働の是非を政治判断するが、まず技術的な安全性を閣僚が判断することの是非に議論がある。加えて、今回の評価結果を見る限り、技術的な安全評価も「結論ありき」に思える。保安院が妥当とした関電の評価によると、設計上の想定より1・8倍大きい地震の揺れや4倍大きい11・4メートルの津波に襲われても炉心損傷には至らない。全交流電源が喪失し熱の逃がし場がなくなった場合でも炉心は16日間、使用済み核燃料は10日間、損傷までに余裕があるという。しかし、評価の前提となっている設計上の想定は東日本大震災以前のものだ。震災で最大の揺れや津波の想定そのものが揺らいでいる。耐震指針や安全設計審査指針の見直しも行われている。もとの想定が信頼できるという保証はどこにもない。想定が甘ければ甘いほど大きな余裕があるように見える矛盾も内包している。それを思えば、1・8倍や4倍という数値に意味はない。そもそも、事故そのものの検証もまだ終わっていない。少なくとも事故の原因を踏まえ、国民が納得するリスク評価の指針を示すべきではないか。原発のリスク評価という点では寿命の法規制についても疑問がある。「運転40年を超えたら原則として廃炉」との方針を細野豪志原発事故担当相が発表したのが今月6日。それから2週間もたたないうちに、政府は「例外として60年運転が可能」とする方針を公表した。いったい、どちらに重きを置いているのか。本気でリスクの高い原発を減らしていくつもりがあるのか。原発政策への不信感を招くやり方だ。国民の信頼を得るという点では、大飯原発のストレステストの意見聴取会で市民を会場から閉め出した保安院のやり方にも問題があった。基本的には議論の場そのものを公開し、議事に大きな障害が出るような言動があった場合に個別に対応すればすむ話だ。市民団体が疑問視する委員の利益相反についても、きちんと説明するのが先決だ。原発の再稼働を最終的に判断するのは地元自治体だ。市民の信頼がなければ再稼働もありえない。▲

1月20日東京新聞 社説:原発テスト 疑問には答えていない
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)再稼働への安全評価が妥当とされた。だが、その不透明な審査には、大いに疑問が残る。なぜ国民にもっと丁寧な説明が、できないのだろうか。安全評価(ストレステスト)は、福島第一原発の事故後に導入された。定期検査で停止した原発を対象に、再稼働を認めるかどうかを判定する一次評価と、全原発を対象に総合的な安全性を調べる二次評価の二段階に分けられる。一次では地震や津波の衝撃に、原発がどれだけ余裕をもって耐え得るかを審査する。欧州連合(EU)のテストと違い、飛行機事故やテロは考慮しない。二段階評価といいながら、再稼働は一次で決める理解しづらいやり方だ。どんな地震や津波にどれだけ耐えうるか、肝心の報告書は、コンピューターによる解析に基づいて電力会社が用意する。試験の問題を受験者自身が作成し、自己採点して合否を決めるようなもの。条件の数値を変えれば結果も容易に変えられる。地震の想定などが甘すぎるとの指摘も多い。報告書を審査する経済産業省原子力安全・保安院は、福島第一原発事故を通じて、チェック機能の弱さをさらけ出し、間もなく原子力安全庁に吸収される機関である。独自の審査基準を示し、評価を下したわけでもない。第一、福島第一原発の事故原因が究明されない段階で、原発の安全性を正しく評価できるわけがない。原子力行政全般につきまとう密室性も変わっていない。保安院は、重要な節目になる専門家会合の傍聴を一般には認めなかった。原発に対する疑問や不安に全く答えようともせずに、結果をただ受け入れろ、と言われても、多くの国民が納得できるだろうか。現在、稼働中の原発5基も、4月にはすべて定期検査に入る。この期に及んで保安院は、国民の安全よりも電力会社の負担増に配慮して、再稼働の実績づくりを急いでいるようにしか思えない。再稼働の是非は、最終的には地元自治体の了承を経て、首相らが政治的に判断する。福井県の西川一誠知事は「再稼働の判断材料には不十分」と話している。大方の住民、近隣県も同じ意見に違いない。4月に発足する原子力安全庁が、福島第一原発事故の原因を踏まえて明確な審査基準を示し、科学的な根拠と論証に堪えうる検証を積み直すべきである。▲

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環境影響評価書の審査が始まった。そして高江では…

1月19日から辺野古への新たな基地建設に向けた環境影響評価書の審査が始まった。1回目の審査会は各委員の意見が、活発に飛び交い、特別におよそ100席の一般傍聴席には市民や自治体関係者などで満席の状態となり、議論はおよそ3時間に及んだ。冒頭、会長を務める宮城邦治・沖縄国際大学教授が、防衛局の評価書提出方法を「非常識」と非難する、異例の「会長私見」で審議が始まった。宮城邦治会長は「米軍基地の新たな建設という沖縄の社会における将来的な課題と自然環境の保全に係る課題が内包されていることを考えたとき」「県民の一人としては了解しがたく、憤りを禁じえません」と述べた。審議では、委員から、滑走路の長さを後から伸ばす懸念はないのか、埋め立て土砂がどこから運ばれてくるのか不明である、といった意見が相次ぎ、様々な分野で記述が不十分、かつ曖昧で、「強い知事意見が必要だ」という声が相次いだ。宮城会長は「事業を前に進めたいという防衛局の意思の方が強く非常に強く表れた評価になっている。それで果たしていいのかと」と話す。審査会では、傍聴席の市民からも意見を述べたいという強い要望が寄せられたため、次回は、市民が意見を述べる場が設けられることになった。県は、そうした意見を、評価書に対する「知事意見」の中で、「付帯意見」として反映させることにしている。審査会はあと2回程度予定されていて、次は27日に開く方向で調整が進められている。

1月20日琉球新報:オスプレイ記載を批判 アセス審査始まる
名護市辺野古への米軍普天間代替基地建設に係る環境影響評価(アセスメント)評価書に対する初の県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖縄国際大学教授)が19日、西原町のエリスリーナ西原で開かれた。冒頭、宮城会長は異例の会長私見として、沖縄防衛局の未明の評価書搬入に対する強い不快感を表明。審議では、アセスの最終段階となる評価書で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を初記載したことに疑義が示されるなど、ほぼ全般にわたって予測や評価のやり直しを求める声が相次いだ。傍聴席には市民ら120人が集まり、議論に耳を傾けた。審議には県内の大学教授ら委員9人が出席。委員らは、飛行経路について従来の台形から集落により近づく楕円(だえん)形に変更した理由が不明確なことや、変則的な飛行経路を利用することによる周辺への騒音や低周波音の影響評価が不足していることなどを指摘。周辺の自然環境については、160ヘクタールの大規模埋め立てがもたらす潮流変化やそれに伴う近隣の大浦湾、大浦川などへの影響評価が示されていないことなどに疑問の声が相次いだ。いずれも知事意見で強く踏み込んで指摘するよう県に求めた。県環境生活部では、県知事意見に幅広い意見を取り入れるため、次回審査会で住民意見を聴取する場を設定する予定。同部宛てに書面での住民意見も受け付けるという。詳細は検討中で、決まり次第県のホームページ上で告知する。同審査会は県アセス条例で扱う飛行場事業審議の目的で開かれるが、埋め立て事業についてはアセス法上の審査会設置規定がない。宮城会長らは「飛行場と埋め立て事業は表裏一体」と指摘。埋め立てに関する委員の所見は、審査会答申の付帯意見として扱うことを確認した。次回審査会は27日に開催予定(時間と場所は未定)で、答申の目標は2月上旬。知事意見の防衛省への提出期限は2月20日。▲

(海鳴りの島からより転載)
本来、準備書から評価書にいたる間で大きな変更を生じさせないようにすべきものを、今回はMV22オスプレイの配備について最終段階の評価書で初めて記載し、飛行経路も台形から楕円形に変え、滑走路の距離も短縮しA滑走路を主に使うとするなど、機種、飛行経路、滑走路の距離・使用形態という重要な3点が変更される異例の事態が生じている。それだけでも環境アセスメントの趣旨に反する重要な問題である。

上記の3点をはじめ審査会では、
・滑走路の距離が短くなったことによる安全性の問題
・飛行経路のイレギュラー(経路の逸脱)が常態化するのではないかという懸念
・事業全体の改変面積が明確でないこと
・土砂採取後の回復措置について林地と草地など記述が不統一なこと
・低周波が生活環境に与える影響について
・県の評価ランク1の地域が埋め立てられるのに可否判断の材料にならないとされていること
・土砂の調達地が明示されていないこと
・土砂の洗浄や調達先の環境保全の問題
・ジュゴンの辺野古崎周辺での活動、移動状況が軽視され、大浦湾・嘉陽沖だけで生息が十分であるかのように記述されていること
・オスプレイの排気ガスは温度が270度あるが、それがヤンバルの照葉樹林、生息する生物に与える影響について
・オスプレイと既存ヘリの風圧の比較データの不足
・機体洗浄時に使用される水・洗浄剤・薬剤などの廃水処理とサンゴに与える影響を定量的に示すこと
・雨水の流出係数の精度について
・特色ある地形の露頭の記録について
・埋立による潮流の変化が大浦川のマングローブに与える影響について
など、数多くの疑問、不満、批判が出され、問題点が指摘された。

1月20日沖縄タイムス 社説:[アセス審査]県民目線で矛盾指摘を
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)について、県が専門家の意見を聴く県アセス審査会(宮城邦治会長)が始まった。昨年12月28日午前4時すぎに、沖縄防衛局が県庁に搬入した評価書に対する知事意見を作成するための一連の手続きだが、どうにも釈然としない。審査会の冒頭、宮城会長は沖縄防衛局による評価書の未明搬入について「非常識で、憤りを禁じ得ない」と厳しく批判したが、審査会メンバーの偽らざる気持ちだろう。評価書は、普通に読んでもつじつまの合わないことが多く、準備書段階での知事意見にもまともに答えていない。審査会は専門家の立場で、評価書のずさんさと、矛盾を厳しく指摘してもらいたい。宮城会長は「苦渋の審査となるが、県民に受け入れられるようなものにしたい」と述べたがその通りだろう。県民は審査会の真摯(しんし)で良識ある判断を注視している。防衛省は評価書に対する知事意見は、環境保全に関する技術的内容に限られ、アセスの再実施要求などは評価書補正で考慮されないという見解を示しているが、とんでもない。住民の生活や自然環境に影響が出ることが明らかになれば、県知事がアセスの再実施を求めることは行政責任者として当たり前のことだ。そもそも、評価書を未明に搬入するなどした沖縄防衛局の提出手法は、手続き上も重大な瑕疵(かし)がある。評価書の段階で初めてオスプレイ配備を明らかにするなど後出しも目立つ。仲井真弘多知事は、環境影響評価準備書に対して28項目186件の意見を出した。評価書では、沖縄防衛局の見解を示しているが、根拠はあいまいで実に分かりにくい。それでいて環境や生物などへの影響については「特段の影響はない」「極めて小さい」と結論づけている。代替施設の洗機場、滑走路、ヘリパッドなどの具体的な運用内容(運航時間帯を含む)に至っては、施設の概要を記載しただけで「それ以上の内容については、米軍の運用の細部に関するものであり、具体的に示すことは困難」としている。これでは無責任のそしりは免れない。新たな基地の建設が、周辺住民の生活や自然に影響を及ぼすことは分かりきっている。それなら、影響を小さくするための具体策を事前に示すことは、政府として最低限の責務だ。代替施設の運用についても、米軍任せなどもってのほかだ。アセス審査会が審査する評価書は約7000ページにも及ぶ。評価書提出後、知事は飛行場事業で45日以内、埋め立て事業については90日以内に意見を提出する。審査会は知事意見に反映させるため、2月上旬をめどに結論をまとめなければならず、負担があまりに大きすぎる。環境アセスをめぐっては、手続き中に重大な影響が見つかっても後戻りできないなど問題点が指摘されてきた。事業者が住民に説明を尽くし、対話するアセスの実現に向け、制度改革が必要だろう。▲

今日も高江では、沖防局員たちが反対住民への嫌がらせを続けている。日本政府は、普天間問題の陰に隠れてこそこそと、米国の言いなりにヘリパッドを建設して機嫌を取り、基地の面積を減らすという意味で負担軽減ができたと国民に思わせ、実績づくりをしたいだけ、沖縄県民のことなど考えてもいないのであろう。そもそも人を殺すための戦闘訓練場がこれほど必要なのだろうか。日本の安全保障にどれほどの意味があるというのだろうか。もちろん使用者の海兵隊が必要だと言っているからだろうが、日本政府はどれほどその必要性を認識しているのだろうか。知っているなら、ぜひ教えてもらいたいものである。いま、日本は自国の小さな島の人々を圧倒的な脅し、その豊かな文化を、自然を、環境を破壊することもいとわない、イタミを知らない、人のイタミを感じることの出来ない役人や政治家たちが、自らのクニを、国民を、ないがしろにし、他のクニの市民を殺す練習の場を与え、その侵略の拠点を大切な海を潰して造ろうとしている。そんな人びとに限って、クニを守るとか、愛国心などと口走る。税金を使う公共工事を強行する政府のなりふり構わないやり方は、まさに対米隷従の姿である。

1月20日やんばる東村 高江の現状より転載
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今日も来ます

防衛局、車を連ねて高江へ向かってきています。
今日も仕事が出来ません。
支援をお願いします。

N4Bです
重機で公道を走って良いか確認の抗議をしています。
防衛局員は「あなた方に示す義務は無い」と答えています。

騒然
全く話し合いには応じてくれません。
重機を前に膠着状態です。
若い防衛局員が至近距離で叫び続け、県民も抗議をしています。

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沖縄を踏みにじるな!緊急アクション実行委員会
(「新宿ど真ん中デモ」)
日本は沖縄の自己決定権を踏みにじるな!
新たな基地はつくらせない!
1・21首相官邸ど真ん前デモ
1月21日(土)
13:00 JR新橋駅前SL広場で街宣
14:00 デモ出発
※ 終了地点到着後、首相官邸に申し入れ

<<<<  抗議しよう!! >>>>
■首相官邸 : 野田佳彦首相
http://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
TEL 03-3581-0101  FAX 03-3581-3883
■防衛省 : 田中直樹防衛相
防衛省 TEL 03-3268-3111 FAX 03-3503-3889
https://sec.mod.go.jp/mod/goikenshinsei/goikenbako/index.html
■日本政府:電子政府 総合窓口
https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose

<<<< 工事の中止を要請しよう!! >>>>
■沖縄防衛局(防衛省の出先機関です)
TEL 098-921-8131
FAX 098-921-8168

<<<< 防衛省に申し入れ! >>>>
■ 防衛省 : TEL 03-3268-3111
「高江の米軍ヘリパッド工事強行に抗議したいので、○時に申し入れをしたいので、担当者のかたお願いします」と伝えてください。担当のシンさんが出ます。

防衛省 JR・地下鉄 四谷駅、市ヶ谷駅 下車
東京都新宿区市谷本村町5-1
http://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/access.html

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2012年1月19日 (木)

日本国民より米国を優先する日本政府

辺野古・高江の人々は基地建設を許さないために、座り込み行動を続け、建設阻止するまで頑張る決意で闘っている。日本政府は、普天間を辺野古へ、返還予定地のヘリパッドを高江へと、県内移設により沖縄の人々へ基地負担を押し付けようとしている。全国からも、沖縄に基地を押し付け続ける日本政府への抗議が相次いで起きている。高江の集落のすぐそばに、森を破壊してヘリパッドをつくれば、騒音と事故の危険の恐怖から最小限の健全で文化的な生活をする権利も奪われる。一方的に森を破壊して危険な米軍ヘリパッドをつくろうとする事は、国の役割であるはずの、社会全体の生活のあらゆる面における幸福と、安全と、健康が実現するための努力を放棄することにもなる。国を守るために、貴重な自然を破壊して工事を強行しようと沖縄防衛局は、自然豊かな土地を守ろうと行動している国民を権力で脅し、排除しようとしている。この国は自国民の声より、米国を優先するのか。放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」で得られた福島第一原発事故での予測情報を、政府が事故直後の昨年3月14日に外務省を通じて米軍に提供していたことが判明した。福島県内の住民など一般に予測情報が公表されたのは、それから9日後の3月23日だ。国民の生命や財産も守ることが出来ない日本政府とは何なのだろうか?このような対応に満足できる国民が一人でもいるだろうか。いま沖縄の高江では沖防局員による凄まじい権力の横暴が繰り返されている。

20120119s13_51_38_2やんばる東村 高江の現状より転載
1月19日今日も来ます!
防衛局の車9台ほど平良通過、高江に向かっています。支援をお願いします! 
N4Bに重機を下ろしました。
工事をすると言っています。
口撃
今日も防衛局員の凄まじい口撃に晒されています。公務中の公務員が、撮影しようとするとカメラを手でふさごうとします。
全国に、世界に知らせて下さい!
酷すぎます。
防衛局員、私達が続けている抗議には一切耳を貸さず、拡声器を使って叫び続けています。東村も、オスプレイ安全性の証明と、米国同様のアセスメントを求めているのに、何故ここまで強引なのでしょうか。
必死に耐えています。
支援をお願いします。
今度は上から
防衛局員、重機運搬の車に上りました。
上から拡声器で叫んでいます。
たたかいは続きます
雨が降り出し、防衛局少し早めに撤収しました。是が非でも森を破壊し、オスプレイパッドを作ってアメリカに差し出したいようです。私達の生活圏であの欠陥機を、熟練していない操縦士が訓練するのです。一日中真上から、機械的であるが故に暴力的な叫びに晒されました。
おそらく明日も来るのでしょう。
耐えるしかありません。
   
米国は沖縄の政治的困難性を理解し、ヘリ部隊をグアムなど、どこか別の場所で訓練させることを検討すべきである。「北部訓練場」は東村(ひがしそん)と国頭村(くにがみそん)の間にまたがる、総面積7800ヘクタール(東京ドーム1668個分)にも及ぶ、国内最大の米軍専用施設である。1957年、アメリカに強制接収され使用が開始され、現在の正式名称は「ジャングル戦闘訓練センター(Jungle Warfare Training Center:JWTC)」。その名が表す通り、広大な敷地の中では、対ゲリラ訓練、歩兵演習、ヘリコプター演習などが行われている。 世界自然遺産に値する豊かな自然環境を戦争のために利用している施設という訳である。またそれだけでなく、ベトナム戦争時には施設内で「枯葉剤」を使用していた事実も確認されている。敷地内には22箇所のヘリパッド(ヘリコプターの離着陸帯)が在り、軍用ヘリコプターの飛行訓練は昼夜を問わず、民間地の上空にまで及び、近隣の住民は騒音や墜落の危険に常にさらされている。

北部訓練場のある森林地帯は「やんばる(山原)」と呼ばれる地域で「自然生態系の宝庫」である。国の天然記念物ヤンバルクイナやノグチゲラなどは世界でここしかいない希少な固有種だ。那覇防衛施設局の「環境影響評価図書(2006年)」では、このヘリパッド建設予定地とその周辺で、4158種の野生生物が確認されており、その中には、植物12種、動物11種の固有種・固有亜種が含まれている。また、環境省のレッドデータブックにも177種が記載され、沖縄県版の「レッドリスト」に掲載されている種も188種確認されている。これは、世界自然遺産の選定基準のひとつである「世界的な価値の絶滅のおそれのある種を含む生物多様性の保存のための重要な自然の棲み場所がある地域」という項目を十分に満たすものでもあるのだが、その保全に対する配慮は、全くなされていないのが現状である。

沖縄防衛局は18日夜、辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)をまとめた評価書を、ウェブサイト上で公開した。沖縄防衛局は、3月下旬までに提出される仲井真弘多知事の意見を踏まえて評価書を補正し、公告・縦覧を実施する。補正前の公開は法令で義務付けられていないが、真部朗局長は6日の記者会見で、公開して住民からも意見を受け付ける考えを示していた。知事意見の作成に向け、県は19日、有識者で構成する環境影響審査会の第1回会合を開く。

1月18日沖縄タイムス:知事意見「環境に限定」 国が見解
【東京】防衛省は17日の自民党外交・国防合同部会で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う環境影響評価(アセスメント)の評価書に対する知事意見は、環境保全に関する技術的内容に限られ、アセスの再実施要求など環境保全以外の内容は評価書補正で考慮されないとの見解を示した。同省担当者は「法律や条令で提出できる知事意見は環境保全の見地からのもの。その意見のみに対して必要な修正・補正を行い、評価書を確定させる」と説明。「アセス自体のやり直しなど、さまざまな意見が出てくる可能性はあるが、それは環境保全の見地以外の意見となる」と述べた。その上で、どの意見を反映させるかは「事業者の判断だ」との認識を示した。防衛省は沖縄タイムスの取材に、県側も環境保全以外の内容は知事意見の本文ではなく前書きなどで言及するとの見方を示し、「アセス準備書に対する知事意見でも、滑走路の沖合移動などを述べていたが、あくまで参考意見として前文で触れていた」と述べた。アセス手続きでは、評価書への知事意見を受けて、事業者の判断で修正し、評価書の中身が決定される。▲

1月19日沖縄タイムス:米誌タイム記者「海兵隊は沖縄に必要か」
米週刊誌「タイム」が運営する同誌電子版のブログサイトに「在沖海兵隊・撤退の時?」と題する記事(13日付)が掲載された。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、急上昇するコストや地元の反対、本国での軍のリストラ(再構築)などを挙げ「本当に海兵隊がここ(=沖縄)に必要なのか」と疑問を投げ掛けている。記事では、数十年にわたり海兵隊が台湾、朝鮮半島など潜在的紛争地域の抑止力として役割を果たしたとする一方で、「騒音、犯罪と1万8千人の海兵隊その他兵員の沖縄における過剰な存在」が地元の反発と、政治的行き詰まりを招いたと指摘。辺野古移設計画と一体とされるグアムへの在沖海兵隊一部移転についても、当初の100億ドル(約7千億円)から300億ドル(2兆3千億円)に予算規模が膨らんだことで「ほとんど死んだようなもの」になったと強調した。さらに「沖縄における訓練上の制約から、イラクやアフガニスタンに派遣された海兵隊員の大半はカリフォルニアで派遣前の最終訓練を受けた」事実も提示。「米西海岸からと比べ派遣に要する時間が節約されているかも不明確」など運用・コスト面から沖縄駐留の必然性が低いとし、在沖海兵隊が全て撤退しても日本や米国の安全保障に影響しないとしている。記事中で、国防総省系のシンクタンク、アジア太平洋安全保障研究センター(ハワイ)のジェフリー・ホーナング准教授は、個人的見解とした上で、在沖海兵隊の抑止力とされるものについて「対中国ならば第7艦隊だろうし、対北朝鮮なら在韓米軍がそれということになる」と指摘。海兵隊が沖縄から撤退しても日米両国の安全保障に影響はしないとの見方を示した。記事を執筆したカーク・スピッツァー氏は、米CBSやNHKワールドなどの記者、プロデューサーとして戦争・安全保障問題を扱ってきたベテランジャーナリスト。▲

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国民の声を無視して推し進められる原発再稼働

経済産業省原子力安全・保安院は18日、関西電力が提出した大飯原発3、4号機の再稼働に必要な安全評価(ストレステスト)について、妥当とする審査書案をまとめた。今後、国際原子力機関(IAEA)や内閣府原子力安全委員会の確認を経た上で、政府は再稼働の是非を判断する。審査書案は「福島第一原発を襲った地震や津波が来襲しても、福島原発事故のような状況に至らせないための対策が講じられている」と明記した。関西電力の評価書では、大飯原発3、4号機は、関電の想定より1・8倍大きい地震の揺れ(1260ガル、ガルは加速度の単位)に見舞われても、福島原発事故のような炉心損傷に至らないと評価した。津波は、想定より4倍の11・4メートルの高さのものに見舞われても炉心損傷しないとした。また、原子炉の冷却などに必要な交流電源がすべて失われた場合でも、炉心損傷までに16日間の猶予があると評価した。これに対し保安院は、高さ11・4メートルの津波でも原子炉への注水装置は浸水しない対策が施されている▽想定より1・8倍大きい地震動でも原子炉への注水機能は失われない▽冷却に必要な電源盤や蓄電池が津波の影響を受けない場所にあることを確認。さらに、福島原発事故を受けた保安院の緊急安全対策指示に沿って、大型の電源車配備などの対策も強化しているとして、関電の評価書は妥当と結論付けた。

1月19日朝日新聞 社説:原発政策―「減らす」原点忘れるな
原発の寿命を40年と法律に明記する方針を細野原発相が発表して2週間もたたないうちに、例外的に最長60年まで延長可能とする法改正案を内閣官房が明らかにした。 一方、経済産業省の原子力安全・保安院は、関西電力が実施した大飯3、4号機(福井県)についてのストレステスト(耐性評価)を「妥当」とする審査結果の素案をまとめた。定期検査で止まった原発の再稼働に向けた一歩となる。 国民の多くは戸惑っているのではないか。原発への依存度を減らしていくのが野田政権の原点だったはずだ。「40年まで」は野田首相が政権発足時に明言した「寿命が来た原発は順次廃炉にする」という方針の具体化ではなかったのか、と。 原発の40年以上の運転について、内閣官房は「極めて例外的で、これまで以上に厳しい基準を設ける」と説明する。ストレステストも「手続きの一環で、再稼働の是非は政治に委ねられている」(保安院)という。だが、震災を教訓に規制を強化し、原発を減らしていくという姿勢が後退した印象を与えているのは間違いない。そもそも、原発をどのくらいかけて、どの程度減らすかという大枠が決まらないうちに、細かい規制や手続きを進めようとすることに無理がある。エネルギー政策全体については「2030年に電力供給の53%を原発でまかなう」とするエネルギー基本計画を白紙から見直すことになっている。舞台は経産省が事務局の総合資源エネルギー調査会。今春がめどだ。しかし、原発をめぐる意見の対立が激しく、委員からは「合意点と対立点の整理にとどめ、最終判断は政治に委ねるほうがいい」との声が出ている。野田内閣は、有識者らの審議を待つだけでなく、リーダーシップを発揮する必要がある。大切なのは、政権の姿勢が揺らいでみえることのないよう、折に触れてメッセージを発していくことだ。古い原発は出力も小さく、需給に与える影響は大きくない。すでに40年を過ぎた原発は確実に止めることを宣言する。そのうえで、昨夏の節電効果も踏まえて、今夏のピーク時に最低限動かさざるをえない原発が何基なのか、具体的に示すことが欠かせない。閉められる原発はできるだけ早く廃炉にしていく。そのための環境整備を急ぐ。こうした姿勢を目に見える形で示さなければ、今後の原発政策に対する理解も得られまい。▲

1月18日 田中龍作ジャーナル:「大飯原発ストレステストは妥当」
傍聴者排除し推進派だけのイカサマ専門家会議
関西電力大飯原発3~4号機のストレステストをめぐって原子力・安全保安院が専門家からの意見を聴く会議が18日開かれたが、市民の傍聴を排除しようとしたことから一時紛糾した。会議は別室で開かれ、原発再稼働に慎重な専門家の出席もなく推進派だけで粛々と進んだ。推進派のうち3人の専門家委員は原発メーカーから多額の献金を受けていることが明らかになっている。再稼働を認めるためにあるような会議なのである。イカサマと言わずに何といおう。昨年8月北海道電力泊原発の再稼働を認めた原子力安全委員会のデジャビュを見る思いだった。保安院は関西電力から提出されたデータをお経のように読みあげた。結論は「関西電力のシビア・アクシデント対策は有効」だ。傍聴者もいなく、メディアも記者クラブがほとんど、フリーは筆者を含めほんの数えるほどだ。専門家委員の一人で原子炉の設計技師だった後藤政志さんは、一貫して原発再稼働に否定的だ。後藤さんら2人の専門家委員は「会議の透明性が担保されていない」として別室での“秘密会議”をボイコットした。会議が推進派だけで粛々と進むのは道理だ。後藤さんら慎重派が出席したとしても議事進行を理由に、慎重派の意見はまともに取り上げられない。こうした現実を公にするためにも、後藤さんは「傍聴者を入れるよう」求めて譲らないのである。経産省は警察官だらけだった。ロビーには制服が、会議の会場階には私服がべったりと貼りついた。エレベーターには制服と私服の両方がいる。ものものしい警備ぶりだ。警察に守られなければ開けない会議にどれだけの意味があるというのか。

定期点検中の原発の再稼働問題が緊急の重要課題である現在、それに緊密に関わるストレステスト意見聴取会は、密室で議論されるべきではない。1月18日のストレステスト意見聴取会には、会議室での傍聴を許可せず、我々を代表して訴えている国民の声を無視して、何ら答えることもしない保安院と専門家委員たち、こらが原発を推進してきた人たちの対応である。原発業界から寄付を受けている委員たちが3人もこの会の進行を主導していることは、許されないことだ。司会役の岡本孝司委員を含め、原発大事故のあとの原発の再稼動にかかわる重要事項の決定に、利益相反行為の可能性のある者たちを起用することは、言語同断である。即刻、岡本孝司、山口彰、阿部豊の3委員を解任するべきである。

✖東京大学 工学研究科原子力専攻教授
岡本孝司教授についてはこちら
三菱重工業 200万円
✖大阪大学大学院 工学研究科教授
山口彰教授についてはこちら
(株)ニュークリア・デベロップメント(三菱重工業系) 3385万円
✖筑波大学大学院 システム情報工学研究科教授
阿部豊教授についてはこちら
三菱重工業 500万円

国際環境保護NGOグリーンピース
プレスリリース:ストレステストを「非妥当」として凍結を要請
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは18日、「第7回ストレステスト意見聴取会」開催に際し、原子力安全・保安院が提示しようとしている大飯原発3、4号機のストレステストの結果は到底妥当とはいえないと抗議しました。同時に、意見聴取会の一部の委員が原子力業界から金銭の寄付を受けていたことを非難し、「ストレステスト SALE」の抗議メッセージを掲げ、委員の解任とストレステストとその評価プロセスの凍結を求めるアピールを経済産業省別館前にて行いました。グリーンピースは、原子力安全・保安院はストレステストの結果を評価する審査基準すらいまだに策定しておらず、その上複数の委員が原発産業から金銭を受け取ってきたことが報道されているなど、正当に評価を行える体制からは程遠いと考えます。さらに今回の聴取会は、前回まで行われてきた会場内での一般傍聴はできなくなり、別室でモニターを見る形式となっています。一方で東京電力は、福島第一原発事故の収束、避難、補償の先も見えない中、新潟県にある柏崎刈羽原発のストレステスト結果を保安院に提出し、これを保安院が16日に受理しています。グリーンピース・ジャパンのエネルギー担当関根彩子は、「ストレステスト評価に関する一連の非妥当性は、再稼働が正当な審査では認められていないことを自ら露呈している。また本日の意見聴取会は市民排除で進められることになり、情報公開の点でも問題がある。政府はまず福島第一原発事故の原因を究明し、ストレステスト評価委員の再選出と評価基準の策定を行うまで、ストレステストの評価プロセスを凍結する必要がある」と話し、「日本が経験している深刻な放射能汚染は現在進行形であり、原発の再稼働を検討している場合ではない。政府は福島事故の収束、避難、補償を最優先すると同時に、福島第一原発事故の教訓を生かし、不要かつリスクの高い原発から持続可能かつ再生可能な自然エネルギーへと政策転換する決断が求められている」と続けました。グリーンピースは停止中の原子炉の再稼働停止を呼びかけ、2012年の夏は原発が国内で一基も稼働していない「原発フリーの夏」を目指して活動しています。▲

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関西電力大飯原発3、4号機のストレステスト1次評価結果について原子力安全・保安院が意見聴取会を実施した18日、会場の経済産業省庁舎前で、国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが「ワイロよりハイロを」と付けヒゲ姿で抗議の意志表示を行った。同意見聴取会でストレステストを審議する委員の中には、原発メーカーの三菱重工やその関連会社から寄付金をもらっている委員が複数おり、進行役を務める東京大学の岡本孝司教授も寄付を受け取っていた。同日昼の抗議行動には俳優の山本太郎さん、実業家で元女優の千葉麗子さんら10人が駆け付けた。岡本氏はヒゲを生やしているため、山本さんら参加者は手に岡本氏の肖像が印刷された「札束」を持ち、付けヒゲ姿で「ストレステスト、SALE!」とアピールした。ストレステストには明確な基準がなく、その結果を再稼働の可否に用いることは原子力の専門家からも疑問の指摘がある。しかも、審議する委員が原子力発電を推進する当事者から利益供与を得ている状況では、中立で公平な審査結果は期待できない。

国際環境保護NGOグリーンピース
ワイロよりハイロを! ストレステスト・経産省前でのひげ抗議
31996_62753今日、原子力安全・保安院は関西電力・大飯原発の2基について、「テストの方法は妥当だ」とする評価を示す方針らしい。しかし、このストレステストは「妥当」ではない。そもそも「ストレステスト」の合否を決める基準すらない状態。ましてや、このストレステストを審議している聴取会の委員の中には、原発を製造している三菱重工業株式会社やその関連企業から寄付をもらっていた委員がいる。今回、「妥当」と判断される予定の大飯原発3号機、4号機は言うまでもなく、三菱重工業が製造者だ。グリーンピースは、俳優の山本太郎さんや実業家で元女優の千葉麗子さんらとともに、経済産業省の前で「ストレステスト、SALE!」とのメッセージを込めた抗議を行った。なぜ、参加者が「ひげ」をつけているか?それは、保安院が行っている「ストレステストに関わる意見聴取会」の一番重要なポストである進行役の東大・岡本孝司教授がひげを生やしており、彼も三菱重工から寄付をもらっていたからだ。さらに今日、経済産業省はIAEA(国際原子力機関)が、日本政府の「ストレステスト」の有効性を検証するため、専門家を来週、日本に派遣することを明らかにした。今日の保安院によるストレステスト「妥当」評価は、このIAEAの来日に間に合わせるためだったと考えて良いだろう。結局は、「お金」や「IAEA」のための「ストレステスト」で、市民の安全は軽視されている。▲

1月19日東京新聞 社説:原発最長60年 国民の安全は二の次か
原発の寿命とは、そんないいかげんなものなのか。40年といっていたはずが、半月もたたぬ間に最長60年まで延びた。しかも基準は米国にあるという。安全への決意は一体どこへ行ったのか。原発の寿命は原則40年。例外的に延長される余地はあるものの細野豪志原発事故担当相は「40年以上の運転は極めて難しくなった」と言い切った。無理な延命は危険である、との認識に立つ見解ではなかったか。その原発相が外遊中に「実質60年は運転可」とも受け取れる、延長期間の上限が示された。一体この政府はどうなっているのかと疑いたくなるような、激しい方針のぶれである。電力会社は、原発の老朽化を認めていない。「高経年化」と呼び変える。部品さえ交換すれば、老朽化はありえないという、極めて特異な考え方に立っている。たとえば関西電力美浜原発のPR施設には、老朽化は古くなって役に立たなくなったこと。高経年化は時間の経過を意味するもの。安全性、信頼性維持活動を行っている以上、老朽化に至ることはない、との掲示がある。事故を起こした福島第一原発の1~4号機は、運転開始から今年で41~34年という古い原発だ。老朽化が事故の一因になった恐れは十分ある。最長60年は、米国にならって決めたという。安全の物差しが外国頼みとは、一体どういうことなのだろう。米国の技術者が、マークI型原子炉の欠陥を指摘したときには、一顧だにしなかった。世界で最も長く稼働中なのは、45年の英国オールドベリー原発だ。米国にも、世界にも、いまだ50年を経験した原発はない。米国ではコストが合わなくなった1960年代以前の原発は、大半が運転を止めている。私たちは、40年の寿命が示された時、「40年可の保証にするな」と主張した。寿命の根拠が明確に示されていない上、技術への過信が呼び起こした事故が、多くの人を今もなお、苦しめているからだ。その過信を正せずに、将来さらに重大な事態を招くのを心底恐れるからである。だから、もう一度繰り返す。電力の供給不安を訴える電力業界への配慮より、安全、安心を求める国民の、作業員たちの期待に応えるために、原発の延命には、厳しく歯止めをかけるべきである。私たち消費者にも、新時代に踏み出す覚悟はある。▲

1月18日経済の死角:現代ビジネス [講談社]
地震予知の第一人者・長尾年恭東海大学教授
「首都圏直下型M8」「東海地震M9」はまもなく来るものと覚悟してください
「二度とこんな悲劇は見たくない」。3・11には誰もがそう思った。だが、いまこの瞬間にも、列島直下では異変が進行している。この世の終わりに見えた大震災すら、実は〝始まり〟に過ぎないのだ。

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2012年1月18日 (水)

原発40年 最長20年延長 原子力政策はどこへ

政府は1月17日、「原子力安全改革法案」の骨子を公表した。ここでは原発の運転期間を原則40年とする一方で、要件を満たせば最長でさらに20年運転可能とした。これは福島第一原発事故前に原発行政を所管していた経済産業省の主張と変わらない。また同発電所1号機(1967年9月着工)、同2号機(1969年5月着工)の事故の一因が老朽化にあるとの指摘を無視するものだ。新法は月内に閣議決定されて通常国会に提出される予定だが、その是非をめぐり批判を集めそうだ。

今月に入り、細野豪志環境相が「40年で廃炉」方針を公表していたが、例外を認めることになった。民主党政権は福島第一原発事故で、原発推進から一転「脱原発」へ舵を切った。野田総理も就任時「寿命が来た原発は廃炉」と述べ、新設も困難視する。しかし、現政権はあまりに政策の肉付けや説明が希薄である。細野豪志原発事故担当大臣が原発の寿命を「40年」とする原子炉等規制法の見直し案を発表したのがまさにそれだ。細野氏は「40年廃炉」を強調し「政治判断が入り込む余地はない」とまで言明した。政治主導で安全確保を前面に打ち出すことで、失墜した原発の信頼回復と政権浮揚を図る狙いが見える。だが、なぜ40年なのか、根拠は明確でない。また、その案には「例外規定」があり、条件を満たせば運転延長を認めるとしていた。4月発足の「原子力安全庁」の基本線となる安全規制を提示したものだろうが、技術的裏付けが見えず「個人プレー」にも映る。電気事業連合会は、40年で原則廃炉とする原子力安全関連の法改正案について、政府の原子力安全規制組織等改革準備室に12日付で要望書を提出した。運転期間を40年に制限することの技術的根拠を示すべきだとすることが柱。40年を超える運転が認められる例外措置に対して、どんな条件で認可されるかを明確にしてほしいと求めている。また、40年を超えた原発2基が立地する福井県の西川知事も「40年とした科学的根拠」を示すよう、説明に訪れた中塚内閣府副大臣に要請している。

内閣官房によれば、関連法案では、原子炉等規制法に「40年」の運転期間制限を明記する一方、「環境相の認可を受けて20年を超えない期間、1回に限り延長を可能とする」との規定を追加する。具体的な期間は20年を上限に政令で定める。現在は1970年代前半までに建てられた「第一世代」と呼ばれる原発の老朽化が進み、新規着工は福島の原発事故によって困難な状況だ。そのために既存の原発のなし崩し的な稼動の延長が危ぶまれる。政府は原発の寿命延長に関しては政令で決める方針だ。しかし現時点で具体的な延長基準は示されていない。米国や一部のEU諸国では原発の60年稼動を認める制度があるものの、福島の事故を起こした日本では一段の厳格な基準が必要であるはずだ。この法案に対する内外の批判は必至だ。また政府は環境省の外局として4月1日の発足を目指す原子力安全庁(仮称)内に、5人の委員からなる「原子力安全調査委員会」(仮称)を設け、原発事故の原因や被害の究明に欠かせない事情聴取や立ち入り検査などの法的権限を与える。また放射性物質を、新たに環境基本法などの規制対象に含めることも関連法案に盛り込むとしている。

原発の安全規制行政は4月から、新たに発足する原子力安全庁(仮称)が担当する。だが、環境省の外局としての安全庁ではなく、公正取引委員会のような独立の委員会(三条委員会)にするべきではないか。政治的思惑や「原子力ムラ」と呼ばれる産官学のなれ合いを排し、安全最優先の原発行政を築けるのか。なぜ環境省の外局とするべきなのかを含めてきちんと説明する責任がある。より良い規制制度の実現のために、さまざまな提案を取り入れる柔軟な姿勢も必要だ。原子力の推進と安全規制を経済産業省という一つの役所が担うことの問題点を指摘し、推進側とは一線を画した規制機関を設けるべきだとの意見は、事故前からも根強かったのだが、経産省の省益や電力、原子力産業界への配慮から実現しなかった。原子力安全規制の抜本的な改革とそれを担う新組織の設立は、原発事故後の日本にとって差し迫って重要な課題である。「当面の電力供給のために必要だとして停止中の原発を再稼働させようとするのならば、なおさらだ。原子力規制の改革を政争の具にすることは許されない。国会での前向きな議論を通じ、真に実効ある、信頼性の高い原子力規制の導入を一刻も早く実現することが、今の政治の大きな課題である。

現在、国内には54基の商業用原発がある。福島第一原発1号機以外にも、関電美浜1号機と日本原電敦賀1号機が40年を超えている。美浜2号機も7月に40年だ。稼働30年以上が19基を数える。九州も玄海原発の1、2号機は30年を超え、うち36年を経過した1号機は、鋼鉄製の原子炉圧力容器の劣化が進んでいる可能性が指摘されている。脱原発に向け、あらためて国民の合意形成に努める。そのためにも、再生可能エネルギーを含む将来の多様なエネルギー構成の姿や経済性などを示し、実現に向け本腰を入れることだ。スイスのビドマーシュルンプフ大統領は12日、ジュネーブ市内で記者会見し、福島第一原発事故後に決定した脱原発方針について、「(事故を受け感情的に)即断したのではなく、多くの分析を行った」と述べ、原発廃止に伴う経済への影響などを精査した上での”熟慮の決断”だったと語った。また、大統領は「原発抜きで経済成長を実現することが重要だ」と強調。「スイスは再生可能エネルギーで大きな潜在力を持っている」と述べ、水力や太陽光発電など、今後は自然エネルギーの開発に力を入れる考えを示した。このようなことは官僚依存の強い日本の政治家には、ムリなことなのかもしれないが、政治を取り戻し、日本の進むべき道として”熟慮の決断”を行って頂きたいものである。

1月18日東京新聞:原発寿命「最大60年」 規制法改正案
政府は17日、原発の運転期間(寿命)を40年とした上で、例外的に運転延長を認めるのは一回限りで最大20年とすることを決めた。この規定を明記した原子炉等規制法改正案を通常国会に提出する。初めて原発の寿命を明文化するが、老朽化した原発が最大60年間稼働し続ける余地を残すことにもなる。細野豪志原発事故担当相は今月6日、過酷事故(シビアアクシデント)への対策を義務づけるとともに、原発の寿命を40年とする方針を発表した。その際、運転延長の例外規定をもうける可能性にも言及したが、「極めて例外的なケース」としていた。法案を担当する原子力安全庁(仮称、4月に発足予定)の準備室によると、延長を認めるのは、「原子炉に劣化が生じても安全性が確保される」と認められる場合。運転延長の期間を最大20年とした根拠については、「米国の運転延長制度にならった」と説明している。あえて具体的な延長幅を明記することで、「40年を超えた原発は廃炉」との方針があいまいになってしまう可能性もある。準備室は、運転延長を認めるかどうか審査する際の基準を厳格化することで、実質的に40年廃炉を実現していくとしている。このほか準備室は、原子力安全委員会を改組し安全庁の下に置くとする「原子力安全調査委員会設置法案」など、20数本の関連法案を国会提出する。

■抜け道の恐れは消えず
原発の寿命は40年としながら、最大60年までの延長運転も容認する形となる原子炉等規制法の改正案。法案を担当する原子力安全庁準備室は「延長はあくまで例外」と強調するが、電力会社への配慮も見え隠れしている。老朽化した原発の延命につながる抜け道となる可能性は消えていない。準備室の担当者は、「20年」は米原子力規制委員会(NRC)の方式にならっただけで、それ以上の理由はないという。40年の寿命という設定自体、NRCをなぞっているから延命期間も、という理屈だ。ただ、「40年で廃炉」という細野豪志原発事故担当相の方針が揺らぐ形になるのは確かだ。例外を設けざるを得ない理由を、準備室担当者は「一律に廃炉とは決められない。電力会社の財産権の侵害という問題がある」と訴訟回避の側面があることを明かした。電力会社が「運転できる原発を危険だと決め付けられ、資産価値を無にされた」として国に損害賠償を求めた場合、極めて難しい訴訟となる可能性があるからだという。例外規定を設けることで財産権は侵害していない建前を整え、延長申請があっても「基準を厳しくし、電力会社が延命をあきらめるような方向に持っていく」(担当者)という。とはいえ、法律で最大60年可能と明記すれば、やはり抜け道となる懸念がある。「これまでと同じ目で見ないでほしい。推進派に『安全』のお墨付きを与える役所にはしない」と準備室幹部。言葉が正しいかどうかは、その後の行動が証明する。▲

1月18日毎日新聞
原発 40年廃炉 例外は60年 最長20年延長、政府容認へ
政府は17日、原則40年で廃炉にすると公表していた原発の運転期間について「20年を超えない期間、1回に限り延長を可能とする」との方針を新たに明らかにした。今月6日に細野豪志環境相が「40年で廃炉」方針を公表した際には例外もあり得るとの見解を示していたが、年数は明らかにしていなかった。この「例外規定」が適用されれば、国内で今後認められる原発の運転期間は最長60年となる。政府は、24日に召集される通常国会に関連法案を提出し、4月1日施行を目指す。内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室によると、関連法案では、原子炉等規制法に「40年」の運転期間制限を明記する一方、「環境相の認可を受けて20年を超えない期間、1回に限り延長を可能とする」との規定を追加する。具体的な期間は、20年を上限に政令で定める。延長の考え方は米国を踏襲したもの。米国では法律で認められた40年の運転期間の後、交換困難な機器類の劣化対策を確認し、原子力規制委員会の許可が得られれば、最長20年の延長が何度でも認められる。同準備室は「国際的な動向を参考にした」と説明する。細野氏は6日に「原則40年で廃炉」の方針を公表した際、事業者から運転延長の申請があった場合は(1)施設自体の老朽化の評価(2)施設を保全できる技術的能力--を審査し、問題ない限り延長を承認する、との例外規定を示していた。一方、この規定により、事故リスクが高い老朽化原発を減らしていくという原発安全規制が形式化するとの指摘もあった。

■解説
◇米基準根拠に期間設定
原発の寿命を原則40年と定めながら、その発表から11日後に最長で20年もの延長を容認した今回の原子炉等規制法の改正案は、「60年運転でも十分な余裕がある」としてきた経済産業省の従来見解に合致し、政府の原発規制姿勢が後退した印象を与えるものと言える。政府は「延長には高いハードルを設ける」と例外を強調するが、具体的な延長基準は示されず、専門家から強い疑問の声が出ている。内閣官房の担当者は、20年という延長期間の根拠として米国の例を挙げ、「世界的に認められている。(延長できる)可能性として短すぎるのも妥当ではない」と説明。具体的な延長期間や基準は、新たな規制機関となる原子力安全庁で、専門家の意見を聞いて政令などで決めるという。原発の老朽化問題に詳しい市民団体「原子力資料情報室」の上澤(かみさわ)千尋氏は「米国でも延長基準は緩く、実際に(運転延長が)例外になるかどうか疑問だ。原子炉の劣化を診断する方法が技術的に確立していないことを真摯に受け止めるべきだ」と厳しく批判しており、原発の40年運転制限制が形骸化する恐れは依然ぬぐいきれない。▲

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2012年1月17日 (火)

日米合意を盾に沖縄に米軍基地を押し付ける日本政府

野田佳彦首相は2011年10月20日夜のNHK番組に出演し、米軍普天間飛行場移設について「紆余(うよ)曲折はあったが、最終的には日米合意に基づいて沖縄の負担を軽減していくベターな基本方針に戻った。曲折を踏まえ、きちんと説明しなければいけない」と述べ、名護市辺野古への移設を進める考えを示した。沖縄県民に理解を求める方法については「誠心誠意説明するしかない」と強調し、「そのために関係閣僚が説明に行っているし、私もどこかの時点できちっと沖縄に行って政府の基本的姿勢に理解してもらえるよう努めたい」と述べた。その一方で、「もちろん結論をダラダラと延ばすことはできないが、(結論を出す時期を)いつまでにと(米側が)明快に言っているわけではない」と指摘し、「(米側は)こちらの努力の状況を見ていると思う」と発言していた。だが、田中直紀防衛大臣は「埋め立て申請は6月ごろを想定」して、「年内に着工できるかどうかが当面の手順になっている」と本音を吐いた。そんな田中氏は22日から23日まで沖縄県を訪問し、仲井真知事と会談する方向で調整に入った。だが、次から次に閣僚が沖縄を訪問しても知事の対応は変わることはない。1972年5月15日の本土復帰から今年で40周年を迎える沖縄県。その式典に野田総理が出席を検討していることが明らかになった。斎藤官房副長官は式典に言及し、「首相の日程について、内閣の事務員と打ち合わせしている」と語った。政府は昨年末、環境アセス評価書を提出し、地元の反発は強まっている。そして、今回の田中氏の発言である。野田総理訪米の直前にワシントンを訪問して米政府・議会関係者と会談した仲井真知事が2011年9月20日、現地での記者会見で語ったように『銃剣とブルトーザーで(基地を)作るのかということになる』。その通りで、無理矢理着工となれば、現地住民はもとより、全国の平和・反基地団体や、ジュゴンとサンゴの貴重な海の破壊に反対する内外の環境団体などが集結して建設道路に寝っ転がって抵抗し、それを警察が排除しようとして流血の惨事が起こるだろう。そうなって初めて日本政府はワシントンに「申し訳ないが、どうしても住民の同意が得られない」と泣きつき、さすがの米政府も、血を流してまで建設を強行し、住民の敵意の真っ直中に基地を作ってみたところで、そんなものは維持不能であるということを悟ることになる。2006年日米合意の達成に「全力を尽くす」という野田氏の知恵のない宣言の先に見えているのは、そういう最悪のシナリオであり、敢えて弁護して言えば、鳩山前総理はそれが分かっているから何としても県外・国外移転を目指して別の道を探ろうとしたのである。

■1月17日沖縄・生物多様性市民ネット
沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団の要請文・声明

1月17日沖縄タイムス:首相、嘉手納統合「選択肢」
【東京】民主党県連の喜納昌吉代表代行は16日、野田佳彦首相と都内のホテルで会談し、米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古沖を断念し、米軍嘉手納基地への統合を検討するよう申し入れた。喜納氏によると、野田首相は「選択肢の一つとして考慮の余地がある」として否定せず、一定の理解を示したという。2009年の政権交代以降、民主政権の首相が嘉手納統合案を「選択肢」と言及するのは初めて。喜納氏は17日にも内閣改造で副総理に就任した岡田克也氏と会談し、同様の考えを要請する。会談は同日の民主党の党大会の終了直後、約20分間行われ、喜納氏とともに同党元副代表の石井一参院議員、政府側は首相、斎藤勁官房副長官、長島昭久首相補佐官が出席した。喜納氏は辺野古沖の埋め立ては仲井真弘多知事や県議会、稲嶺進名護市長が反対する中では不可能と指摘した上で、代替案として嘉手納統合案を検討するよう提案した。野田首相は検討を否定しなかったものの、「米軍内でも反対する意見があるようだ」とし、課題の多い案であるとの認識を示したという。嘉手納統合をめぐっては自民政権時に浮上したが、政府案としては採用されなかった。09年の政権交代後の鳩山内閣で外相だった岡田氏が日米閣僚級の協議で統合案を支持したが、周辺自治体の反発や米軍の運用上の問題も米側から指摘され、10年5月の日米合意で辺野古に回帰。合意以降は元首相の鳩山由紀夫、菅直人両氏ともに辺野古以外の案に言及したことはない。一方で、同党県連はこれまで普天間問題をめぐり県外・国外移設を主張し続けてきている。喜納氏は「今後県連内の意見を集約する」としているが、県連として統合案を掲げる場合には政策転換の説明責任が問われることになる。喜納氏は会談後、沖縄タイムスの取材に対し、主張が県外移設から嘉手納統合となった理由について「私が必要だと考えるのは普天間の即時返還と辺野古断念。移設が米軍基地内で処理できるなら沖縄全体の負担は減り、合理的だ」と説明した。▲

あろう事か、民主党県連の喜納昌吉代表代行が、野田総理と岡田副総理に「嘉手納統合案を検討するよう申し入れた」という。彼のホームページの理念・政策には、「米軍基地・自衛隊基地の整理・縮小」と書かれている。私には今この時期に何故彼が、このような過去に何度も検討され反対されてきた統合案を持ち出したのか、全くわからない。沖縄に二つある大きな基地を一つになることは、基地が一つに集中し、周辺被害は2倍以上になる。普天間飛行場は2004年に米軍ヘリが墜落、嘉手納基地も1968年のB52爆撃機などの墜落事故と基地強化が続き、両基地ともに爆音訴訟が係争中だ。両基地とも危険性と騒音が同居し、宜野湾市街の真ん中、嘉手納・沖縄・北谷3市町に囲まれる類似の地勢にある。近距離の両基地が合体すると嘉手納基地の現況を上回る危険極まりない基地になりかねない。嘉手納統合案は県内移設ありきの発想を出ない。「県外・国外移転」を明記した民主党の公約を裏切るものだ。県民の声に真摯に耳を傾けるなら「県外・国外移転」の初志を貫くべきだ。民主党が掲げる「対等な日米関係」は、沖縄に犠牲を強いる日米安保を見直すものと考える。米軍再編を見直す決意があるなら必要な時間を惜しまず、本腰を入れて米側と交渉するべきだ。過去の町議会の意見に耳をふさぎ、声を聞かずに、いまさらの再再提起をしても、町民や県民の心を踏みにじる非人道的な行為だと強く糾弾されてもしかたがない。

岡田克也外相(当時)は2009年10月29日の参院代表質問で、「沖縄の負担を軽くする案がないのか真剣に検討中だ。既存の滑走路を活用できる嘉手納統合案が浮かび、検証作業をしている。結果を踏まえ、早く結論を出したい」と述べ、「普天間周辺住民の危険な状態がこれからも続く。これ以上の時間をかけるのはできるだけ避けたい」と語り、嘉手納基地統合の可能性を検証し、早期に結論を出す考えを表明した。これに先立ち、岡田氏は仲井真知事と外務省で会い、嘉手納統合について「個人の案だ。政府案として確定したわけではない」と説明。「統合の際は騒音を減らす必要がある。米側と協議していきたい」と述べ、飛行訓練の分散移転などを米側に求める考えを示した。しかし岡田氏の発言に対し、嘉手納町議会が抗議と発言撤回要求の意見書を全会一致で可決した。宮城篤実町長も統合反対の町民大会開催を表明。沖縄市、北谷町も共同歩調の姿勢で、岡田外相発言は基地周辺自治体、住民から批判の集中砲火を浴びている。米側は嘉手納統合案に対し、空軍と海兵隊の運用上の理由から拒否しており、実現する見通しは立っていない。また、嘉手納基地統合案は以前も浮上し地元の反対で立ち消えた経緯がある。

軍事評論家の田岡俊次氏によると、2005年2月には米軍が嘉手納統合案を受け入れてもいいと言ってきていたという。しかし、その時は日本側がこの案を蹴ったというのである。当初は日本も最もお金のかからない、この案を米軍に提案のだが、米軍が難色を示しまとまらなかった。では、なぜ蹴ったのか。嘉手納統合案では、大部分は既存の施設が使えるので、別の基地を造る必要がなくなる。しかし、タダ同然でやれる案では、当時の小泉政権としては日本側の利権配分ができないので反対したというのである。そこで、小泉政権は滑走路1本の当初計画から、より埋め立て面積の多い滑走路2本のV字案に拡張したのである。何のことはない、国土防衛のためではなく、ただの土木事業の利権問題に過ぎないのである。こういう事実があったことを知り、鳩山・菅内閣で外務大臣を務めた岡田氏は、この「嘉手納統合案」に飛びつき、米軍に自ら統合案を申し出ている。だが、今度は米軍から頑なに提案を拒否している。田岡氏は次のように言っている、辺野古での新滑走路の工法について、メガフロート(海上に浮かぶ巨大な鉄の”いかだ”)案では「造船会社しか儲からない」。橋のような構造物という案では「マリコン(海洋での工事を得意とするゼネコン)しかできないから地元に金が落ちない」。結局、沖縄の土建業者も潤う埋め立てになったという。最初から利権絡みだったのである。鳩山首相や小沢幹事長(当時)が、最初から「県外移設」を唱えていたのは、こういう自民党の公共事業利権を潰して、白紙に戻すことを狙ったものである。

1月17日沖縄タイムス:嘉手納統合案に三連協反発
【中部】民主党県連の喜納昌吉代表代行が普天間飛行場の嘉手納基地統合案を提案し、野田佳彦首相が「選択肢の一つ」と答えたことに対し、嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の首長は16日、一斉に反発した。當山宏嘉手納町長は「とんでもない話。首相も喜納氏も、何を言っているのか分かっているのか。いいかげんにしてくれ」と厳しく指摘した。當山町長は「戦後67年、町民は一方的に安保の負担を押し付けられている。基地被害を知らんぷりしておいて、政府がさらに普天間を押し付けようとするのは絶対に許さない」と批判。「辺野古が駄目なら嘉手納という単純な発想は、被害の現状を認識していない証拠だ。分かっていて統合を強行するなら、嘉手納基地の存在そのものに対する町民の反発は極めて高くなるだろう」と警告した。三連協会長の東門美津子沖縄市長は「野田首相や喜納氏が嘉手納統合案を認めても、県民は絶対に県内移設は許さない」と強調。その上で「三連協は一貫して統合案に反対。沖縄はすでに過重な基地負担をしている。日米両政府が国内で海兵隊の戦力を必要としているのならば、普天間は県外移設するべきだ」と語った。

方針転換 県連は否定
個人的提案と民主代表

民主党県連の喜納昌吉代表代行が野田佳彦首相に米軍普天間飛行場の嘉手納統合案を提案したことを受け、県連の新垣安弘代表は16日、県連として県外・国外移設を求める方針に変わりがないことを強調した。新垣代表は県連の政策である県外・国外移設について「県連として方針を転換したわけではない」と説明。喜納氏の提案については「喜納代表代行の個人としての提案だと思う。喜納氏が沖縄に戻り次第、真意を確認したい」と述べた。一方、喜納氏は首相との会談後、沖縄タイムスの取材に「県外移設が実現するまでの間の危険性除去策の一つとして(嘉手納統合案を)提案した。嘉手納基地の負担を今より減らすことが前提であり、地域住民の負担が増すことがあってはならない。最終的には県民の判断を尊重する」と述べた。▲

1月17日沖縄タイムス 社説:[年内着工発言]強権では解決できない
防衛相に就任した直後の単なる言い間違いなのか。そうではあるまい。逆に、引き継ぎを受けたばかりの時期だけに、政府の本音が飛び出したと受け止めざるを得ない。野田改造内閣で防衛相に就任した田中直紀氏が米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で「年内に着工できるかどうかが当面の手順」とNHK番組で発言した。担当閣僚が埋め立て申請どころか、着工時期に踏み込むのは初めてだ。公有水面埋め立てについても、許可権限を持つ知事に6月ごろまでに申請をするのかどうかを問われ、「はい」とあっさり認めた。一連の中で出てきた年内着工発言であり、言い間違いとは思えない。防衛省は昨年の仕事納めの未明に、環境影響評価(アセスメント)の評価書を県に運び込んでいる。現在、審査中で知事意見を待つ段階であるにもかかわらず、埋め立て申請、年内着工に言及するのは、「辺野古ありき」を自ら示すものだ。評価書の未明搬入という常識外れの行為も田中氏の言うように着工に向けた「手順」に違いない。田中氏は現在の沖縄の政治状況を知っているのだろうか。県知事、県議会、名護市長、市議会、民主党県連さえ辺野古移設に反対している。防衛官僚のレクチャーをうのみにするのでは辺野古移設を吹き込まれるだけである。沖縄の民意とじかに向き合い、米側との仕切り直しの道こそ探るべきだ。守屋武昌元事務次官の強引な手法、一川保夫前防衛相のとんちんかん発言、田中聡前沖縄防衛局長の暴言…。防衛省に普天間問題を解決する当事者能力があるのか、はなはだ疑問だ。田中氏の発言の前日、任命権者の野田佳彦首相は「(移設を)強行し断行するなんてことは考えていない」とテレビ東京の番組で明言した。野田首相の言葉遣いはソフトで、聞き心地はいい。だが、首相は沖縄を訪れたことがなく、沖縄への認識が全く伝わってこない。民主党政権が進めている辺野古移設の手続きは、自公政権でもみられなかった強行姿勢であることを認識すべきだ。野田首相は埋め立て申請をすべきではない。知事、地元の同意なしに申請することそのものが強行と同義語だからである。野田首相が強行しないと言うのであれば、地元の同意なしに埋め立て申請はしない、と24日から始まる国会で明言すべきだ。沖縄政策に関係する官僚でも異例の人事が進められているのが気になる。内閣府沖縄担当部局の政策統括官に前防衛省地方協力局長が就任する見通しだ。協力局は普天間移設問題などを担当する部署で、政策統括官のポストに防衛省幹部が起用されるのは初めてだ。移設問題と沖縄振興をリンクさせようとする意図が見える。県は一括交付金を含め来年度の沖縄関連予算でほぼ「満額回答」を引き出した。仲井真弘多知事の姿勢が微妙に変わったように感じる。知事は「県外移設」を唱えるだけでなく、国に対してもっと毅然(きぜん)とした態度を示してほしい。▲

20110204095058

1月17日、高江で沖縄防衛局が工事を強行しようとしている。
辺野古浜通信より転載。
県民を重機で威嚇するために頭上にアームを振り上げさせる防衛局
20120117s13_22_07高江からの報告です。座り込みのスペースが空いた隙に、防衛局員の指示でユンボがゲート前まで来て威嚇目的でアームをあげましたが、今は落ち着いています(アームは上げた状態で停止中)。座り込み参加者は冷静に対応しています。良い天気です。イボイモリ、シリケンイモリ、ヒメハブと触れあったり、オキボと米軍演習以外は高江日和。そんな膠着状態が続いています。午前中から、防衛局員は誰に向かうともなく、横一列に並んで大きな声「工事車両を通してくださーい」と、自作自演カメラ向けの演技を繰り返し、繰り返しています。

自分たちは真摯に住民に向き合っているのに頑なな「反対派」どもがに、ないがしろにされているという絵づらを撮りたくてタマラナイらしい

夜中に警備員、作業者を奇襲させて工事を行うことで、この一年、路上で24時間座り続けざるを得なくなった住民たちの困窮を彼らのカメラには決して捕らえない

この夜襲のアイデアは、アセス白書県庁未明提出(強姦)実行犯である現防衛局長真部朗が田中の前の防衛局長であった時のもの、よほど卑劣で、県民を無視した「犯し方」がお好みらしい…県警は「見守って」いる…

抗議を!沖縄防衛局 098-921-8131
防衛省 03-5366-3111
内閣官房 03-5253-2111

やんばる東村 高江の現状より転載。
またはじまってしまいました
午後4時前には撤収していきましたが、また明日以降も来るようです。
こんな日々が続いては生活が出来ません。
オスプレイ離発着訓練場が作られてしまっても同じです。

誰か助けて下さい。

<<高江のことで、自分の場所でできること>>
◎内閣、防衛省、防衛局に抗議をお願いします。
沖縄防衛局 098-921-8131 防衛省03-5366-3111 内閣官房 03-5253-2111

◎議員さんに、高江の工事やめさせてメールを送ってみよう。
高江の声を届ける担当になって下さい

◎報道機関に「高江のことを取り上げてください!」とメールしてみよう。
高江のことをみんなで広めよう(メディア編)

◆1月21日(土)「1・21首相官邸ど真ん前デモ」@東京 新橋から
詳細は、ど真ん中デモさんのサイト

◎ゆんたく高江 Twitter @yuntakutakae

高江に新しいヘリパッドを建設するという決定がなされた背景には、SACO合意がある。1995年9月4日、米兵による少女暴行事件の発生を受けて米軍基地の整理縮小の声が高まり、1995年11月、日米両政府の間に「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」が立ち上げられた。1996年4月の中間報告を経て、1996年12月、「沖縄県民の負担を軽減する」という名目の「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」の最終報告で、7800ヘクタールの北部訓練場の半分に相当する約3987ヘクタールが返還される事が、日米政府間の「合意」として発表された。しかし、提示された返還条件は、普天間飛行場や北部訓練場など11の基地を「返還」することが、日米両政府間で合意されたのである。北部訓練場の「返還」条件は、返還する敷地にあるヘリパッド(7箇所)を残る敷地に「移設」すること。そして、その7ヶ所のヘリパッドの移設は、高江集落の周囲を取り囲むような配置で計画されていた。米軍は、老朽化した施設を手放し、使い勝手のよい、機能的な新基地を手に入れることになる。この計画の実現は、住民の生活が危険と隣り合わせになり、豊かな自然が破壊されることを意味している。

高江区はすぐにヘリパッド建設に反対する区民総決起大会を開き、1997年には区民総会で反対決議を全会一致で決議した。その後数年、移設計画に表立った動きはなかったのだが、2006年2月、突然、「ヘリパッド6箇所(1箇所減)の移設計画が決定した」と新聞で報道された。その報道以前には、高江住民は一切その事実を知らされていなかった。2010年2月18日、国はヘリパッド建設予定地へつながる侵入路に仮設フェンスを設置する工事に着手した。一番近いヘリパッド建設予定地は、民家からわずか400mという距離。高江住民はヘリパッド建設計画の中止を各関係機関に求めたが、結局、納得のいく説明はされず、その後も十分な話し合いの場すら設けられることなく、計画は着々と進行していった。そして着工予定日とされていた2007年7月2日、住民らは建設予定地のゲート前で、那覇防衛施設局(防衛省の地方支分部局)の局員、工事業者らに工事を止めてくれるよう要請し、その日から住民らは建設予定地への侵入路近くでの「座り込み」を開始している。8月には「ヘリパッドいらない住民の会」を結成し、いつ来るともしれない工事関係者に備え、一日も欠かすことなく座り込みは続いており、高江の人々だけでなく、全国から多くの人が支援に訪れている。

ヘリパッドは無障害物帯を入れて直径75メートルの森を伐採して砂利を敷く。進入路も造られ、悪影響は間違いない。静かで平和なはずの町では、昼夜を構わず、集落の上空や、授業中の小中学校のすぐ隣で、軍用機が縦横無尽に爆音を響かせている。沖縄のどこへ行っても米軍基地の問題が、ここにもある。辺野古・高江の人々は基地建設を許さないために、座り込み行動を続け、建設阻止するまで頑張る決意で闘っている。日本政府は、普天間を辺野古へ、返還予定地のヘリパッドを高江へと、県内移設により沖縄の人々へ基地負担を押し付けようとしている。全国からも、沖縄に基地を押し付け続ける日本政府への抗議が相次いで起きている。高江の集落のすぐそばに、森を破壊してヘリパッドをつくれば、騒音と事故の危険の恐怖から最小限の健全で文化的な生活をする権利も奪われる。一方的に森を破壊して危険な米軍ヘリパッドをつくろうとする事は、国の役割であるはずの、社会全体の生活のあらゆる面における幸福と、安全と、健康が実現するための努力を放棄することにもなる。高江では、新たな米軍ヘリパッド建設に反対し、2007年7月2日からの座り込みが4年以上も続き、政府・沖縄防衛局の早朝・深夜に動く異常事態に対し、24時間体制で監視活動を行っている。このような事実は新聞・テレビなどのマスメディアは、全く国民に伝えない。私達は、今、何をすべきなのか、一人一人がこの問題に向き合い、考えなければいけない時だと思う。沖縄基地を固定化する「抑止論」「地理的優位性」といった言葉はもはや空虚だ。深化を目指すなら、政府は基地という同盟コストを国民全体に問いかけるべきだ。

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2012年1月16日 (月)

政治家のいい加減で軽い言葉

野田政権は普天間移設に向けて、問責決議を受けた一川保夫氏から田中直紀氏に交代させた。だが、防衛省に対する沖縄県民の不信の根は深い。これからの田中防衛大臣の発言には注視していきたいと思っていた。だが就任早々、田中防衛大臣が15日のNHK番組で、自衛隊の海外での武器使用基準緩和と「武器輸出三原則」緩和を混同するなど安全保障に関する「素人」ぶりを露呈した。また、普天間移設問題でも、司会者から代替施設建設に向けた海面埋め立ての「申請」時期を問われた田中氏は、「年内に着工できるかどうかが当面の手順になっている」と、申請時期と着工時期を間違えての本音を語り、再度、司会者から「埋め立て申請は6月ごろを想定しているのか」と問われると、「はい」と認めた。田中氏は「先に進まなければ、米国も修正を迫られる」とも述べ、年内に着工できないと日米合意の見直しにつながりかねない。今月5日に米政府が発表した新国防戦略にも触れ「(新戦略でも)内々には普天間の計画は変わらないと…」と米側からの伝達内容を明かした。「安全保障は素人」と自認した一川氏の後任として、野田総理大臣は質問の意図すら理解できない田中氏を「適材」として「まさに考えられるベストの布陣だ」と胸を張ったが、24日召集の通常国会で野党側から追及されるのは必至だ。田中氏は就任会見で「普天間の固定化は避けるべきとの信念で取り組む」と語り、移設問題の解決に意欲を示し、「2年前に(参院)外交防衛委員長を務めていた」とも述べ、「経験を生かし全力で取り組む」と田中氏は抱負を語ったが、経験といっても自民党時代に外務政務次官、民主党に移ってからは参院外交防衛委員長を務めた程度だ。田中氏は14日、参院議員会館の自室で、防衛省幹部と勉強会を開いたようだが、一夜漬けでは沖縄は語れないだろう。笑えるのは、夫人である民主党の田中真紀子氏の発言も同じ、「おいおい慣れてくるのではないか。いじめないようによろしくお願いします」と語ったというのだ。質問の意味もわからず、問題の重要性も理解していない、大臣に就任してから勉強しても、一川保夫氏を見て分かるように、外交防衛委員長を務めても、この程度なのだ。追い追いなどという時間はない。呆れてしまう夫婦だ。

時事ドットコム:「夫をいじめないで」-民主・田中真紀子氏
「おいおい慣れてくるのではないか。いじめないようによろしくお願いします」。民主党の田中真紀子衆院外務委員長は16日午後、夫の直紀防衛相の問題発言が野党から批判されていることに関し、都内で記者団にこう語った。防衛相が米軍普天間飛行場移設で「年内着工」に言及したことについて、真紀子氏は「(沖縄県側の)理解なしに強行するなんて気持ちは毛頭ないと思う」と防衛相を擁護した。武器使用基準と武器輸出三原則の混同にも「緊張して、違うことを答えた」と釈明。夫のことは心配なようで、今後「後方支援をしたい」とも強調していた。▲

稲嶺進名護市長は16日の定例記者懇談会で、田中防衛大臣が年内着工に言及したことに、「環境影響評価書に対する審査がまだ始まってもいない。着工の話をするのは、建設ありきという形で進めている政府の姿勢そのもの」と批判した。「評価書に対する知事意見も関係ないと言わんばかりのやり方だ。着工できる状況ではないことを強く言いたい」と語った。そう、はじめから建設ありきで、沖縄県の審査や知事の意見などどうでもいい、と本音を吐いた。環境アセスメントなど政府・防衛省にとっては、しょせん形だけの手続きでしかないようだ。

1月16日沖縄タイムス:防衛相「年内着工」に県民から反発
「県民の信頼回復がまず第一」と語った就任会見からわずか2日後、田中直紀防衛相は15日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について、「年内着工」を口走った。環境影響評価(アセスメント)の評価書に対する知事意見も待たずに飛び出した「建設ありき」の見解。「沖縄の状況を把握していない素人だ」。基地を抱える中部、移設先の名護市から反発の声が相次いだ。

「上から目線」不信
■名護

移設先の名護市ではアセス軽視を指摘する声が上がったほか、移設容認派も拙速な防衛相発言に不安を抱いた。名護市議会は13日の臨時会で、沖縄防衛局が市民や県民の総意を無視した形で環境影響評価書を提出したとして抗議決議を賛成多数で可決したばかり。田中防衛相の発言に、比嘉祐一議長は「県外移設を求める民意を理解していないばかりか、これから行われるアセスの審査会を軽視するような発言だ」と批判する。条件付きで移設を容認する辺野古区代替施設安全協議会の許田正武代表理事は「基地は来ないにこしたことはない」とした上で、「移設を実現するなら、誠意ある行動をしてほしい。地元の意見に耳を傾け、きちんと時間をかけて対応してほしい」と求めた。同市の鍼灸(しんきゅう)師、仲宗根健次さん(59)は「評価書の提出も押し付けで、上から目線は変わらない。県民から理解を得ることは絶対に無理。これまでの政府のやり方を見ていると、移設を強行する可能性もある」と不信は尽きない。「県外移設は県民の総意。日本の防衛であれば、全国で負担を分け合うべきだ」と訴えた。

「操り人形か」懸念
■中部

米軍基地が集中する中部の首長は、「現状を知らない素人発言」「官僚に言わされているのでは」と不信感を強めた。普天間飛行場がある宜野湾市の米須清栄副市長は、「沖縄の基地問題を熟知していると思えない田中防衛相の、真意から出た言葉なのか。防衛官僚の言葉を、そのまま言っているだけではないのか」と疑問を呈した。「野田佳彦首相は『強行はしない』と言っている。田中防衛相が官僚の『操り人形』にならないか、非常に心配だ」と懸念を示した。野国昌春北谷町長は「環境影響評価書を提出するだけであれだけ混乱し、県知事意見によっては大幅な修正が予想される中、田中防衛相は全くの素人だ。『年内』発言は、沖縄の状況を全然知らないことをさらけ出している」と批判した。東門美津子沖縄市長は「県知事はじめ、県民は『県内移設は無理』と言っている。『年内』の理解など得られない」と断言。「沖縄に基地を置く地政学的理由は日米の専門家から否定されている。歴代内閣が動かせなかった移設問題の本質は何なのか。政府は正面から見据え、解決にあたってほしい」と要望した。

「現状理解ない」アセス訴訟原告団
一連のアセス手続きについて、国にやり直しなどを求めている「辺野古違法アセス訴訟」の安次富浩原告団長は、「民主性をないがしろにした、でたらめなアセス手続きを強引に進めておきながら、建設ありきの発言は許せない」と憤った。田中防衛相が「世界一危険な基地だから、早く解決の糸口を求めたい」と発言したことについて、安次富団長は「県民の反対が根強い県内移設だからこそ、普天間問題は16年も解決していないという沖縄の現状を理解すべきだ」と強調した。基地の県内移設に反対する県民会議の山城博治事務局長は、「素人大臣が官僚に乗せられた発言で、大臣として適任ではない」と反発。「県民感情を無視する政府の姿勢を言い表した」と指摘した。▲

時事ドットコム
「年内着工」発言を撤回=普天間移設、沖縄の理解得る-田中防衛相
田中直紀防衛相は16日夕、防衛省で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、移設先の同県名護市辺野古沿岸部の埋め立て工事の年内着工に言及したことについて、「沖縄県の理解を得ていく必要があるものなので、具体的な時期、目標を設定するとか、期限を設ける話ではない」と述べ、発言を事実上撤回した。南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊部隊の派遣をめぐり、PKO五原則の一つの武器使用基準と、武器輸出三原則を混同して発言したことについては、「南スーダンPKOは、PKOの条件と武器輸出の問題と両方絡んでいたので、両方の話を申し上げた」と述べるにとどめた。防衛相は15日のNHK番組で、普天間問題に関し、「着工が年内にできるかどうか、当面の手順になっている」と述べ、民主党政権の関係閣僚として初めて移設先埋め立ての着工時期に言及。また、PKOの武器使用基準緩和について再三問われたが、「PKOで使った空港や橋、道路などを建設する道具は、(その)国に置いてこれるように検討している」などと述べ、政府が昨年末に決めた武器輸出三原則の緩和内容を繰り返した。一方、防衛相は16日の会見で、野党側が通常国会で防衛相を徹底追及する姿勢を示していることに関し、「全力を挙げて質疑に集中していければと思っている。間違いなき政策を推進する自信はある」と強調した。▲

野田佳彦総理大臣は14日テレビ東京の番組で、仲井真知事が辺野古沖の埋め立てを許可しなかった場合について「強行して断行するということは基本的には考えていない。あくまで理解を求めていく。沖縄で血が流れることは我々もアメリカも望んでいるはずがない」と語った。毎回毎回、何かあるごとに政治家は「沖縄の理解を得て」と語るが、何か沖縄県民の理解を得て、やったことがあるのだろうか。民主党政権は辺野古に新しい基地建設を強行するのだろう…そして原発問題も何ら解決もしていない中で「収束宣言」をしたように、沖縄も「ウソ」でごまかし、「基地建設」を強行しようとしている。この動画を観て頂き、いかに野田総理がいい加減で、口の軽いウソつき政治家なのかがわかると思う。そして動画の内容が書かれているゲンダイネットの記事を見て考えて頂きたい。

ゲンダイネット:野田二枚舌首相 過去のペテン演説を見つけたゾ
「マニフェストにないことはやってはいけない」
<だから、この男は信用できない>野田佳彦首相が週末の民放テレビ番組に出演し、消費税増税を含む社会保障と税の一体改革に向けて「この国を守るため、私の政治生命をかけて一体改革をやり抜く」と息巻いていた。この男の言葉の軽さにはウンザリだが、実はそれを裏付けるエピソードがある。09年の衆院選での応援演説だ。当時の野田は幹事長代理。大阪16区の森山浩行衆院議員の応援に駆けつけた野田はまず、【政権公約(マニフェスト)は、ルールがある。書いてあることは命懸けで実行する。書いてないことはやらないんです】と絶叫したのだ。野田は、後期高齢者医療制度を導入した自公政権をヤリ玉に挙げて【書いていないことを平気でやる。おかしいではないか。マニフェストを語る資格はない】と切り捨てたのだが、この言葉をそっくり、野田に返したい。マニフェストを「命懸けで実行」どころか、書いていない消費税引き上げに「命懸け」になっている野田は、こんなふうに口からデマカセ男なのである。この演説で野田はさらに、天下り法人に12兆6000億円の税金が投入されていると指摘した上で、【消費税5%分の税金に天下り法人がぶらさがっている。シロアリがたかっているのです。シロアリ退治しないで消費税引き上げなんですか?消費税の税収が20兆円を超えたら、またシロアリがたかるかもしれません。天下りをなくす、そこから始めなければ消費税を引き上げる話はおかしいのです】と声を張り上げた。これにも目を白黒だ。民主党政権は「独立行政法人などへの現役出向は天下りじゃない」「役所でなくてOBが斡旋するならば問題じゃない」などの抜け道をつくって事実上、国家公務員の天下りを黙認している。渡辺喜美行革担当相時代の自民党政権の方がまだマシで、民主党政権は誕生後、たった1年で4000人以上が独法などに天下っている。シロアリは退治されるどころか、やりたい放題。それでも消費税増税とは開いた口がふさがらない。▲

1月15日辺野古浜通信
辺野古の「闘いと抵抗」…主体者として、どう国と向き合うか?
ただ「平和を求め、平和を築くため、ここ沖縄の海辺で何百日も、何千日も、抵抗し、座り続け、事実として軍事基地建設を止め続けているという出来事」を伝えたくてブログを続けてきました。記事の更新が不十分でお伝えできていないこともたくさんあると思います。また、あまり報道や猫の目のように変わる政権、政策には右往左往されたくないので最近取り上げることを控えているのですが・・・この日曜日、田中直紀防衛相のNHK番組で年内着工に言及しました…

大事な事なのでお伝えしますと、防衛局による粗末な「環境影響評価書」とその「県庁東守衛口年末深夜投げ捨て提出」を経て、辺野古の海を潰すための工事を年内に着工することは、法に則って、十分可能になりました。「県が環境影響評価書を受け取るのは、法律に照らしあわせても仕方が無いよ」と年末年始、県庁で座っているとき、哀れに無知な方がtwitter上でもコメントされていました。そう滅茶苦茶な運用、解釈であっても国の事業は法に則って行われます。しかし県も県民も創意工夫あふれる抵抗の仕方はいくらでもあるのです。

問題は人間として、国民として、主体者として、当事者として…どうあるか?です。基地は沖縄県民を苦しめるのみならず、人間を殺し続ける産業、文化を維持し続けるために存在しています。いま闘わないものは、必然的にその事実を受けいれることとなります。わたしたち一人ひとり、殺し合いの産業、文化と向き合うことが出来るでしょうか…

「沖縄の経済は基地なしには成り立たない」「どうせ基地は存在し続けるのであるから、要求するものはしていこう」という者たちだけでなく、抵抗している人たちの中にも「法律を守れ」「正義を守れ」という方々もいます…法律はともかくも、正義って人が人を裁くのにつかってしまうので難しいものですね、それぞれの立場で出来る限りのことをしている仲間を支え合うことが大切ではないでしょうか。私たちは私たち自身の主体者として生き抜くために、基地建設に非暴力の抵抗を貫きます。それは「法」のためでも「正義」のためでもありません。私たちが私たち自身の主体者となれない法律や正義に対しては、その法律を、正義に抵抗し、破り、変えていくことが必要です。私たちはここに座り続けています。しかし、非暴力とは、無抵抗を意味するのではありません。徹底的な非暴力と同時に、力のかぎりの抵抗を行う日が近づいてきています。力を蓄えてください。準備を整えてください。私達のこれまでの長い闘いは沖縄の片田舎の小さな孤独な闘いでした。でもいまは世界中の人々とつながりながらの闘いとなります。世界とつながるのは今回の訪米団派遣だけではありません。一人ひとりが発信可能なネットワークを持ついま、闘い方は大きく変わります。事実を正確に把握してください。政府やマスコミに騙されないリテラシーを持ってください。発信受信の方法を身につけてください。仲間とつながってください。発信する仲間を助けてください。闘いの日々は近づいています。▲

アフガニスタン駐留の米海兵隊員が、旧支配勢力タリバン(Taliban)兵士の遺体に放尿する動画がネット上に公開され、米国防総省が事実関係の調査を開始した。動画は、米海兵隊の制服を着た男4人が、撮影されていると分かった上で、地面に横たわった血まみれの3遺体に放尿している様子を映したもので、動画投稿サイト「Live Leak」に公開された。米国防総省は11日、問題の動画について現在、信ぴょう性を海兵隊本部が調査中だとの声明を発表。「このような行為は米軍の本質的価値観と相容れず、わが海兵隊員の性質を代表するものではない」と非難した。また、AFPの取材に応じたジョン・カービー(John Kirby)報道官は「いかなる状況であれ、悪質極まりない行為だ。誰であろうと、米軍の制服を着たものの行為として容認できるものではない」と述べた。この映像を見たパネッタ米国防長官は「あまりにも嘆かわしい行為だ」と強く非難。海兵隊およびアフガニスタンに駐留する国際治安支援部隊(ISAF)のアレン司令官に対し、直ちに徹底的な調査を行うよう命じたことを明らかにした。アフガニスタンのカルザイ大統領は「米兵によるこの行為は非人道的であり、強く非難されるべきだ」と述べ、調査と関係者の厳重な処罰を米政府に求めた。反政府武装勢力タリバーンの広報も、問題の映像を「野蛮」だと非難、「いかなる宗教においてもこうした行為は許されない。この非人道的行為によって、彼らの真の姿が世界に暴かれた」と述べている。…このような野蛮な行為を平気でやる人殺し部隊が米海兵隊なのである。こんな野蛮人が沖縄に居座り、各地で犯罪を犯し、平気で基地に逃げ帰る。2008年1月~2011年9月に、日本人の被害者が死亡または全治4週間以上の重傷を負った米軍人の公務中犯罪は28件で、処分内容を確認中の1件を除き、27件は全て懲戒処分だけが科され、米側の軍法会議(刑事裁判)への訴追件数は1件もなかったことが1月10日、分かっている。こんな奴らに私たちの税金が使われているのである。

1月15日しんぶん赤旗 主張
オバマ新国防戦略 世界に逆行する“力の政策”
米国のオバマ政権が、イラクとアフガニスタンの二つの戦争の終結後に向けて、米軍を「スリム化」する新国防戦略(「21世紀の国防の優先事項」)を打ち出しました。米国の財政悪化が進み、議会の決定で軍事費に今後10年間で4900億ドルの圧縮圧力がかかるなかでのことです。しかし、オバマ大統領は「国防予算はなお増える。それは米国がグローバルな責任を負っているからだ」「(米国に続く)10カ国分を合わせたより大きい」と強調しました。新戦略は世界規模で軍事覇権の維持をめざしています。

最強の軍事力を維持
米国はアフガンとイラクへの侵攻で、相手国の政権を打倒し占領するために大量の地上部隊を投入し、人的、財政的に大きな犠牲を払いました。大規模地上戦を伴う戦争を仕掛けることはもはやできず、陸軍と海兵隊の兵力削減が見込まれています。それでも、「世界最強の軍事力を維持」(パネッタ国防長官)するため、「選択的に追加投資する」としました。重点分野の一つが特殊作戦です。カーター国防副長官は、テロや大量破壊兵器に対抗する特殊戦力、パートナー国の能力強化、サイバー、科学技術を挙げて、増額を示唆しています。これを現実に示しているのが、オバマ政権が大きく拡大してきた無人機による攻撃です。さらに、ウサマ・ビンラディン容疑者の殺害作戦が成功例とされ、リビアでのカダフィ政権転覆作戦でも米軍は陰の主役を演じました。これらの作戦は世論の目にふれにくく、リビアの作戦では議会の戦争権限を秘密裏に侵すと批判されています。世界的な米軍の動向に監視を強める必要があります。新戦略の大きな柱が、経済的重要性を高めているアジア太平洋地域の重視です。米軍の存在がこの地域での「平和と安定、交易や米国の影響力」を維持するうえで必要だとし、中国を念頭において、警察官としての米国の役割を自任しています。従来とってきた“力の政策”により大きな意義を与えるものです。新戦略は、中国の「大国化」がこの地域での米国の軍事作戦遂行能力を脅かすとの認識に立って、空・海軍戦力によって対中軍事優位と軍事行動の自由を確保しようとしています。米中間で経済関係が緊密化し、多面的に対話が進められているなかで、新戦略の姿勢は矛盾をはらんでいます。平和の確保にとって、武力による威嚇や行使を禁じた国連憲章の尊重が求められており、それこそが米国がイラク侵略戦争から引き出すべき教訓です。軍事力が平和を守るとする新戦略の立場は世界の流れに逆行するものです。

同盟国に分担押し付け
新戦略は中国の動向をにらみながら、日本からインドにいたる「弧」が重要だとして、同盟国に軍事力の拡大と役割の分担を押し付けています。世界でただ一つ朝鮮半島では大規模地上戦を想定しているとされることからも、新戦略が東アジアでの緊張を高める危険は軽視できません。日本は東アジアに位置する国として、地域の緊張を高める米戦略にくみすべきではありません。日米軍事同盟の束縛を解き、自主的な立場から真に平和を追求することこそ進むべき道です。▲

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2012年1月15日 (日)

子ども達も「脱原発」 大切なものは命ですか?それともお金ですか?

1月14日、15日の2日間、原発のない未来に向けて世界中から集まった専門家・政治家・ジャーナリスト・アーティストらと市民が話し合う「脱原発世界会議」が神奈川県横浜市(パシフィコ横浜)で開かれた。14日の開会式では、国際交流NGOピースボートの共同代表で実行委員長の吉岡達也氏が「二度と核による被害者を作りださない。そのための大きなうねりを、この会議から作りあげていきたい」と高らかに宣言した。また、開会イベントの最後に福島県の子どもの代表として小学校4年生の富塚悠吏君が訴えた。

『ぼくは考えました。何かぼくたちにできることはないか。ぼくたち子どもに出来ることはないか。そして「福島子どもから支援」という会をたちあげました。どういった活動をしているかというと、ぼくたち子ども達から、福島へ応援メッセージをとどける。そのほかにも原発の被害にあった人たちの為に、こらからいろいろやっていきたいと思います。ぜひ福島へ応援メッセージを届けてあげてください。こういう形でぼくたちもがんばっています。こどもたちも自分で考えなければいけないと思います。このようにぼくたちを苦しめた原発は、とても危なく、危険なものだと、こどもたちもわかっています。原発より安全なエネルギーはあると思います。そして、そのエネルギーはぼくたちを苦しめることはないと思うのです。国の偉い人たちに言いたいです。大切なものはぼくたちの命ですか?それともお金ですか?ぼくは病気になりたくありません。ぼくには将来の夢があります。それは科学者などや専門家になって、環境にやさしいエネルギーの開発や何か人の役に立つ仕事をしたいです。その夢をかなえるため、ぼくは健康で暮らしたいです。ぜったい、ぜったい死にたくありません。なので原発は、こどもたちもいらないと思います。』とスピーチすると、会場からは2時間にわたって行われた開会式で最も大きな拍手に包まれた。

会議に招かれた佐藤栄佐久前福島県知事は開会セレモニーで壇上に上がり、原子力安全・保安院のチェック機能が働いていなかったことが問題だったと指摘。「国は今も安全を確保するような体質になっていない。このような中でいくら反省しても、安全な原子力政策を進められるわけがない」と訴え、欧州議会議員・ドイツ緑の党のレベッカ・ハルムス氏は「日本が大事故をきっかけに変われるか、世界が注目している」と呼び掛けた。

OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー
脱原発世界会議〜フクシマは世界に何を伝えるか〜

野田佳彦総理大臣は14日のテレビ東京の番組で、『電力が不足しているからといって、安易に稼働させることはできない。ストレステストなどのプロセスの後に、どうしてもお願いしなければいけないときは、経済産業相なり私なりが直接行って、首長や住民の皆さまに説明する』と発言した。首相は原子炉が冷温停止状態になったということで事故の収束を宣言したが、いまだに原子炉の状況は正確に把握できていない。何もかも分からない状態での「収束」という言葉で政府は国民を騙し、事実をごまかそうとしている。

1月13日現代ビジネス:徹底追及 収束宣言の大ウソ 冷温停止はしていない

国際環境保護NGOグリーンピース
原発フリーの夏を!原発再稼働を止めるために、ストレステストに緊急抗議しよう
まやかしのストレステストの凍結を求めるために、原子力安全・保安院や、経済産業省に、意見を送りましょう!

■Twitterから
原子力安全・保安院のアカウント  @shienteam
経済産業省のアカウント @meti_nippon
■Emailする
保安院のストレステストに関する意見送付先qqnbbf@meti.go.jp
経済産業省に意見を送るメールフォーム (右記サイトの下の方 https://wwws.meti.go.jp/honsho/comment_form/comments_send.htm
■電話する
原子力安全・保安院 03-3501-0621
経済産業省代表 03-3501-1511

Reuters:原発付近に住む子ども、白血病の発病率が2倍=仏調査
[パリ 11日 ロイター] 原子力発電所の近くに住むフランスの子どもたちは、白血病の発病率が通常の2倍であることが、同国の専門家の調査結果で明らかとなった。近くがん専門誌「International Journal of Cancer」に掲載される。フランスの国立保健医学研究所(INSERM)が、2002―07年に国内の原発19カ所の5キロ圏内に住む15歳未満の子どもを調査したところ、14人が白血病と診断された。これは他の地域と比べて2倍の発病率だった。共同で調査を行ったフランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のドミニク・ローリエ氏は、この結果を統計的に重要だとした上で、さらに慎重な分析が必要だと指摘。また同氏は、多国間で大規模な共同調査を行えば、より確かな結果が得られるだろうと述べた。フランスはエネルギーの原発依存度が最も高く、58基の原子力発電所を有しており、電力の75%を原発でまかなっている。一方、昨年発表された英国の35年に及ぶ調査では、原発の近くに住む子どもにおける白血病の発病率は高いとの証拠は得られていない。▲

世界最悪の企業を投票で決定する「パブリック・アイ・アワード(the Public Eye Awards 2012)」の候補に東京電力が選出されている。原発事故と情報隠ぺい体質などが理由だ。毒性物質を扱った韓国・サムソンなどとともに不名誉な記録を争っている。スイスを拠点とするNGOベルン・デクラレーション(Berne Declaration)と国際環境NGO エフ・オー・イー(FoE)が2000年に創設。現在はFoEのかわりにグリーンピースが選考にかかわり、ネット投票も受け付けている。東電については「識者の勧告に耳を傾けず、原発の安全確保よりもコスト削減を優先した。その結果、福島の原発事故とそれに続く国土の放射能汚染を防げなかった。情報開示についても非常に不誠実で、馴れ合いと隠ぺい、偽装にまみれている」と厳しく指弾。1月15日現在で12424票を集め、6社中トップの位置にある。2位はサムソンだ。投票締め切りは1月26日で、結果は25日からスイスのダボスで開催される世界経済フォーラムの中で発表される。

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2012年1月13日 (金)

「米軍の論理」をはねのける「民の論理」

1972年5月15日の本土復帰から今年で40周年を迎える沖縄県。自民党橋本政権が、1996年4月12日「普天間飛行場の全面返還(県内移設)で合意」してから15年。民主党政権に変わっても何ら状況は変わらない。いまだ沖縄県民は日本政府の対応に苦しめられている。野田佳彦総理大臣は1月13日内閣改造を行い、参院で問責決議が可決された一川保夫防衛大臣を交代させた。民主党政権下で3人目となる防衛大臣には田中直紀・党総務委員長を起用した。田中氏は防衛分野での経験は乏しく、「安全保障に関しては素人」と発言して批判を浴びた一川氏の二の舞いを懸念する声もある。田中氏は「参院外交防衛委員長もやって、懸案になっている問題は視察などで理解を深めてきた」と語り、「大変厳しい状況と理解しているが、私の力で前進させていきたい」と語った。沖縄県側は「はっきりしているのは、大臣が代わっても、政府の辺野古移設を強引に進める方針は変わらないという事実。どなたが大臣になっても、こちらも県外移設という沖縄の主張を繰り返すだけだ」と語り、名護市側も「誰が防衛相になっても期待できない」と不快感を示し、川野純治名護市議は退任する一川保夫防衛相を「沖縄の歴史も知らない最悪の人だった」と振り返り「米国の顔色をうかがってばかりの野田佳彦首相は代わってほしい。小手先の改造では意味がない」と語っている。

日本国民、そして沖縄県民を説得できる解決策は何か。国外・県外を求める民意を踏まえ、米軍の論理をはねのける「民の論理」を主張すればよい。それが民主主義というものだ。だが、日本政府は新基地建設ありきで作られたアセス評価書の提出を強行した。県民の理解を得ながら…などと各大臣が語っていたが、政治家の語る言葉は軽いものだ。米国側からすれば、日本が辺野古に基地を作ってくれるというのに断る理由はない。海兵隊がグアムに移れば、沖縄に残る陸軍が代わりに使えばいいだけのこと。「思いやり予算」がついてくる新基地をみすみす手放す必要はない。

軍の論理は、民主政治のもとでは「民の論理」の下にある。そのことを再確認する必要がある。鳩山政権発足以来、米軍普天間飛行場の移設をめぐり、いまだ「なぜ沖縄か」の明確な説明はない。米国政府の論理は、軍の論理だ。沖縄になぜ米海兵隊が必要なのか?2010年2月17日に、来日中の米太平洋海兵隊司令部(ハワイ)のキース・スタルダー司令官が、「沖縄の海兵隊の対象は北朝鮮だ。もはや南北の衝突より金正日体制の崩壊の可能性の方が高い。その時、北朝鮮の核兵器を速やかに除去するのが最重要任務だ」と語っている。また、カート・キャンベル米国務次官補は「北朝鮮の脅威などからアジア地区を守る役割などを考慮した場合、沖縄に海兵隊の存在を維持することは重要だ」と強調している。米太平洋軍のロバート・ウィラード司令官は1月12日、ハワイ・ホノルルで会見し、金正恩体制となった北朝鮮情勢について、「最悪のシナリオ」にも備えて警戒を続けていると語った。司令官は北朝鮮の挑発行為を「最も切迫した脅威だ」と強調。「最悪のシナリオ」については説明しなかったが、これまでのような挑発行為の可能性は常にあると指摘、特に長距離弾道ミサイルの実験からしばらく時間がたつため、新たな弾道ミサイル実験の懸念もあり注視していると語った。アメリカによれば海兵隊が沖縄に駐留する理由は、朝鮮半島有事と中国に対する牽制である。だが、北朝鮮が無政府状態になったとき、事態を収拾できるのは、中米韓ロ日を中核とする国連PKOで、アメリカの海兵隊はむしろ、邪魔である。

日本政府は移設、移設と言うが、本当に普天間基地が必要なのかは、まさに福島原発事故前の原子力発電所と同じく、真剣には検討されてきていない。日米安保を日本の防衛のために維持するとしても、海兵隊はアメリカの都合で日本にいるだけであって、日本国民の安全保障のためにはいらない。普天間基地を使っているのは海兵隊だ。海兵隊は米国の「海外での緊急展開部隊」といえば聞こえは良いが、要は侵略先行部隊である。湾岸戦争やアフガン、イラク戦争などで「活躍」しているが、こんな侵略部隊は日本の防衛にとっては必要ではない。これまで、「何のための海兵隊か」と問われれば、答えは一言で「抑止力」。「何に対する抑止力か」と踏み込めば、「北朝鮮の脅威」と「中国の軍拡」。しかし、北朝鮮の脅威とは具体的には何なのか、中国の軍拡が日本にとってどういう危険要因なのかについては、一度たりとも日米間で真面目に議論されたことがない。

ところで、米海兵隊の任務はなにか。1996年12月、ウィリアム・J・ペリー国防長官(当時)は「万が一、朝鮮で戦争が起きた場合、海兵隊は、初期において重要な役割を果たすであろうが、戦争に注ぎ込まれる兵力全体に占める割合は大変に小さい(very small)ものとなろう」と述べた。「初期の重要な役割」とは在韓アメリカ人の救出である。日本が期待している朝鮮有事に備えるという、米海兵隊の沖縄に駐留する前提は崩れているのである。海兵隊の歴史は存続のための戦いだった。ハリー・S・トルーマン大統領は強烈な海兵隊廃止論者であり、後に、大統領になったドワイト・デイヴィッド・アイゼンハワー陸軍参謀総長も廃止論者だった。海兵隊が生き残ってきたのは、軍事上の必要性からではなく、猛烈なロビー活動の成果であった。いうなれば、アメリカ国内の「軍閥のヘゲモニー争い」である。米ブルッキングス研究所のM・オヘロン主任研究員は「沖縄の米海兵隊は死活にかかわるような戦略上の重要性を持っていないし、日本に駐留している他のいかなる米軍施設にもまして日本国民と日米同盟関係にストレスを与えている」と述べている。

1月10日沖縄タイムス 社説:[普天間アセス]制度が骨抜きにされた
これほど、一方的で、住民とのコミュニケーションを欠いた環境影響評価(アセスメント)が、ほかにあっただろうか。これほど情報公開をないがしろにしたアセスが、かってあっただろうか。住民参加と情報公開は、環境アセスのもっとも重要な要素だ。アセスには、法律(環境影響評価法)に基づくアセスと、自治体の条例に基づくアセスがあるが、どちらも住民参加と情報公開が大原則である。しかし、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境アセスは、米国の要求に応えることを最優先させたため、この二つの大原則を軽んじ、時には踏みにじり、制度の趣旨を骨抜きにしてしまった。日本のアセスメントが結論ありきの「アワセメント」になっていることは、普天間の事例に限らず、以前から指摘されてきた。その中でも普天間アセスは、手続き第1段階の方法書の提出から、最終段階にあたる評価書の提出に至るまで、異常ずくめだ。専門家は「史上最悪のアセス」(島津康男・環境アセスメント学会元会長)と酷評する。県は3月末までに、評価書に対する意見書を提出。これを受けて防衛省は、評価書を補正した上で、30日間公告・縦覧し、早ければ6月にも、辺野古沿岸部の埋め立て許可を知事に申請する予定だ。形骸化したアセスに基づく埋め立てを認めれば、ただでさえ問題の多い制度は、抜け殻になってしまうだろう。普天間アセスは、制度そのものの危機を招いている。2004年に提出された最初の方法書で防衛省は、もっとも肝心な普天間代替施設の詳細を示さなかった。ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)や、船舶が接岸できる護岸などの施設が後出しで盛り込まれたのは、次の準備書になってからだ。配備機種を明らかにするのは、アセスの必須条件。それなくしてアセスは成り立たない。ところが防衛省は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を伏せ続け、最終段階の評価書に、ようやくオスプレイ配備を明記した。オスプレイ配備による騒音被害など生活環境悪化をここに至るまで伏せていたのだ。一事が万事、こんな調子である。普天間アセスの最大の欠陥は、環境影響評価で重大な影響があることが分かっていても、位置選定の段階に後戻りしたり、事業を中止して代替案を検討することが想定されていないことだ。これは、現行の環境影響評価法そのものが持つ重大な欠点である。現行法の欠点と同時に、普天間アセスは、米軍施設建設という大きな制約を抱えている。事業者でありながら、手足を縛られている状態なのだ。これが果たしてアセスと言えるのか。県は、形骸化した評価書を形式的事務的に処理してはいけない。「民意」と「法の趣旨」を十分に吟味し、それが生かされるような判断を下すべきである。アセス制度の充実強化につながるような賢明な判断を求めたい。▲

名護市議会は1月13日臨時会を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書を防衛省が名護市民や県民の総意を無視した形で県へ提出したとに対する抗議決議案を賛成多数で可決した。また、環境影響評価書の公開と普天間飛行場の県外・国外への移設を求める県民の意見を評価書に対する知事意見に反映させることを求める意見書案を賛成多数で可決した。抗議決議では、通常業務終了後の昨年12月28日未明に、評価書を県庁へ運び込んだ対応を「前代未聞の暴挙」と厳しく批判。その上で、評価書に記載された飛行経路が準備書段階から大きく変更されたことやMV22オスプレイ配備、それに伴う低周波音が基準を超すとの予測について「県民を欺き、あたかも建設ありきで許しがたい」と指摘している。

普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書の公開と同飛行場の県外・国外への移設を求める県民の意見を知事意見に反映させることを求める意見書
防衛省沖縄防衛局が12月28日午前4時過ぎ県に搬入した普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書の内容が報道された。新聞報道によると、評価書で初めて明記された普天間飛行場代替施設への垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイ配備に関し、睡眠障害、健康被害等々が指摘される特有な低周波音について心理的、生理的影響を受ける可能性が生じる値を予測している。準備書で示した「うるささ指数」に関しても14調査地点全てで上回る値を見込み、同機が放つ騒音による生活環境悪化の見通しが顕著となっている。一方、飛行経路が台形から楕円形へと変更され「周辺地域上空を基本的に回避する方向」との表現に変え、住宅地上空の飛行を明確には否定せず、米軍の「運用上の所要等」で飛行場に離着陸する際の楕円形場周経路を外れる場合もあるとしている。また、航空機が別の基地へ移動する際の飛行経路は盛り込まれておらず、集落地域に与える騒音の影響が予測を上回る可能性も十分に考えられるという。準備書への知事意見に対する事業者の見解が示されたが、「米軍の運用の細部に関するもので、具体的に示すのは困難」等明確に答えていない箇所がみられ、航空機運航に伴い電波障害が悪化する見込みも明らかになったと記載されている。よって、名護市議会は、市民・県民の生命、財産及び生活環境を守る立場から、普天間飛行場代替施設に係る評価書を早急に県民へ公開することと、審査会において慎重な審査を求めるとともに同飛行場の県外、国外への移設を望み、埋立てを認めぬ県民の意見を広く取り入れ、知事意見に反映させることを求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年1月13日
沖縄県名護市議会
あて先 沖縄県知事

1月13日しんぶん赤旗:オスプレイで騒音大幅増
辺野古配備 アセス評価書に記述/低周波音 睡眠障害も
沖縄県名護市辺野古に建設が狙われている米海兵隊新基地に最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイが配備された場合、従来機のCH46ヘリと比較して騒音レベル(W値、うるささ指数)や心理的・生理的に不快感を与える低周波音が大幅に増えることが、沖縄防衛局が昨年末に県に強行提出した環境影響評価書の記述から判明しました。オスプレイ配備に伴う影響は、環境影響評価(アセス)最終段階の評価書で初めて盛り込まれたもので、本来アセスをやり直すべきものです。県は12日、評価書の要約版を県議会各会派に提出。また、県庁内で全文を公開しています。全文は約7000ページにおよびます。評価書によれば、オスプレイの飛行により、一部の予測地点(名護市安部)で「心理的影響および生理的影響にかかわる閾値(いきち=最小可聴値)」を上回るとし、住民に不快感や睡眠障害などが起こる恐れがあります。また、CH46ヘリの配備を想定した前回のアセス(準備書)と比べて数値があがっています。前回は飛行時の上限が85・5デシベルだったのに対し、今回は102・7デシベル、ホバリング(空中停止)時は前回が88・4デシベルだったのに対し、今回は96・7デシベルなどとなっています。環境省によれば70~80デシベルで建物ががたつき、100デシベルで睡眠から覚める場合があるといいます。航空機騒音も準備書で記述された予測地点14カ所の数値よりも評価書で示された数値は上がっています。評価書によれば、名護市豊原区沿岸域の一部で環境基準の70Wを超えています。また、周辺に民家が存在する辺野古漁協は69・2Wで、ほぼ基準値です。米海兵隊は数年前から繰り返し、沖縄へのオスプレイ配備計画を公表。しかし、日本政府は「米側から通知を受けていない」として、環境アセスに反映してきませんでした。住民からは、「オスプレイ配備が正式に決まったらアセスをやり直すべきだ」との意見があがっていました。昨年6月に米国防総省が今年後半にCH46に代えてオスプレイを24機配備すると表明しましたが、日本政府はアセスのやり直しを求める意見を無視し、評価書提出を強行しました。▲

県内外の市民ら約620人が、2009年に普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での環境影響評価(アセスメント)で、事業者の沖縄防衛局が手続きの途中でヘリパッド建設計画などを追加したため、方法書や準備書など一連の手続きをやり直す義務が沖縄防衛局側にあることの確認を求め。また追加修正により住民らが意見陳述する機会が侵害されたとして損害賠償を求めている辺野古違法アセス訴訟。1月11日から国にやり直しなどを求めた集中審理が始まった。11日~13日、2月1日の4期日に渡り、集中証拠調べが行われる。WWF-J の花輪伸一氏、NACS-J の安部真理子氏、元帝京科学大学の粕谷俊雄氏、ジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎氏、 宜野湾市役所の山内繁雄氏、沖縄大学の桜井国俊氏、広島修道大学院の山田健吾氏及び原告でもある真喜志好一氏が、それぞれの専門分野から法廷で証言する。

1月13日沖縄タイムス:実効性を疑問視 アセス訴訟で宜野湾市部長
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う環境影響評価(アセスメント)で、県内外の市民らが国にやり直しなどを求めた訴訟の集中審理2日目が12日、那覇地裁(酒井良介裁判長)であり、4人が証言台に立った。宜野湾市基地政策部の山内繁雄部長(60)は「米軍は場周経路は守らない」と指摘、アセスの実効性を疑問視した。山内部長は、同飛行場周辺で場周経路外を飛行するヘリの「航跡図」を示し、日米合意の経路が守られず、住宅地上空の飛行が相次いでいる実態を説明。評価書で海側に長円形で示された代替施設の飛行経路について「訓練のため平らな海側だけでなく、起伏のある陸側を飛行する可能性は高い」と推察し、運用段階の飛行経路を示し、審議するのが本来のアセスだと訴えた。日本自然保護協会の安部真理子さん(45)は、サンゴ礁への影響に関連し、準備書で埋め立て土砂の調達計画が明かされていないことを問題視。「県外からの土砂搬入は採取地の環境破壊だけでなく、混入する生物によって外来種が問題になる可能性がある」と懸念した。安次富浩原告団長(65)は「後出し」が繰り返され、住民が意見する機会を失っていると指摘。「建設ありきで、辺野古に基地を押しつけようとしている」と公正な司法判断を求めた。原告の真喜志好一さん(68)は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが離着陸時に事故を起こす映像を流して危険性を指摘。日本政府は1996年の米国防省文書により「県内配備を知っていたはずで、隠蔽した」と断じた。▲

◇◆◇1・21首相官邸ど真ん前デモ◇◆◇
日本は沖縄の自己決定権を踏みにじるな!新たな基地はつくらせない!
1月21日(土)
13:00 JR新橋駅前SL広場で街宣
14:00 デモ出発
※ 終了地点到着後、首相官邸に申し入れ
デモコース:(新橋駅前→銀座中央通り→数寄屋橋交差点→日比谷通り→環境省→外務省→外堀通り・アメリカ大使館手前→首相官邸前)

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沖縄県の市民や議員が21日から訪米し、直接アメリカに基地押しつけ反対を訴えます。日本政府はもはや交渉相手でも代表機関でもないと、沖縄は考えはじめているのです。そう思うのはごく自然で当然のことでしょう。日本は何をしてきたか。「沖縄」防衛局(ただし日本の出先機関であることに注意)の前局長の言葉どおり、辺野古基地建設のための「評価書」を、昨年末に予告なく押しつけました。「話し合いに応じて」と座り込みを続ける高江住民を法廷にかけ、そのあいだにもヘリパッド工事を合意なしにどんどん先に進めようとしています。台湾などの近隣諸国との経済的・文化的交流のビジョンをもつ南西諸島に、「国防」のための自衛隊と、戦時の沖縄蹂躙を否定した教科書とを押しつけようとしています。いま、ますますあからさまになっているのは、アメリカに「従属」する日本よりも、「国益」のために、その負の側面だけは沖縄になりふりかまわず押しつける、本質的には琉球処分のころから変わらない、植民者・日本の態度です。しかしながら、日本政府が支配者としての本質を露呈させていけばいくほどに、沖縄支配の不当性もまた、ますますはっきりとさらけ出されつつあります。まるで不審物を仕掛けるかのように、夜中にこっそり「評価書」を県庁前に置き去っていく、たとえば昨年末の、そのような卑怯な策動に訴えるたびに。このような局面において、首都圏に暮らすわたしたちがいま政府に言うべきは、「沖縄の自己決定権を踏みにじるな!」ということではないでしょうか。たんに沖縄県に「負担」を強いるものとしての日本だけではなく、「国益」のために琉球弧を抑圧してきた日本を否定すべきではないでしょうか。そのために集まりましょう、「首相官邸ど真ん前デモ」へ!

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2012年1月10日 (火)

原発推進と脱原発の間でふらつく日本の現実

わが国に未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から明日で10カ月。震災後、岩手・宮城・福島の3県の沿岸部と原発事故の避難が続く計45市町村の人口減が6万5000人に達した。うち8割近い4万9000人を30代以下の世代が占めているという。だが、住民票を移さないまま、県外や他の市町村に避難している被災者も多くいるだろう、実際にはさらに人口流出は進んでいるはずだ。震災後10カ月が経っても被災地の再生には程遠く、雇用の回復が遅れているため、愛する土地を離れて暮らすという選択をしなければならない。被災地の再生・復興には深刻な影響を与えそうだ。野田佳彦総理大臣は8日の「原子力災害からの福島復興再生協議会」で、福島県の佐藤雄平知事らと会談し、中間貯蔵施設を福島県双葉郡に設置することをあらためて要請した。出席者の一人で受け入れに反対している福島県双葉町の井戸川克隆町長は、協議会の席上、原発事故で古里を追われた上、中間貯蔵施設の受け入れを迫られて理不尽な境遇に置かれた住民の思いを酌み、野田総理に「双葉郡民を国民だと思っていますか、法の下の平等が保障されていますか、憲法で守られていますか」と尋ね、そして総理大臣は「大事な国民だと思っている」と答えたという。

2011年12月10日東京・日比谷野外音楽堂を会場に開催された「がんばろう!さようなら原発1000万人署名集会」で、福島から来られたハイロアクションの大賀あやこさんは、涙ながらに、こう訴えた。「秋から冬、この季節風が山の汚染を拡散させたりして、放射線量が上がっている地域もたくさんあります。除染活動に期待しても、あまり放射線量が下がらない、除去して土や草のほか、作業の負担や被爆など、困難が明らかになってきています。真実が隠され、人と人が分断されていく、この不安が一体いつまでどれほど続くのか、この先の見え無さに疲れ途方に暮れてしまう事があります。どうか日本中で世界中で、皆さんとつながり合って、一日も早く、脱原発が果たせるように、と願っております」。平穏な生活を奪われ、放射線から子どもを守ろうと、やむなく住み慣れたわが家を離れた人たちにとって、精神的苦痛、経済的な負担も大きい。原発事故を巡る政府の対応は国民不在の対応だったと言わざるを得ない。野田総理には福島県民が、どのように映っているのだろうか。いま政府がやろうとしていることは、福島県内の汚染の激しい地区を将来的に国有化し、そこを核汚染物質の処理場にしようとしているのではないのか。国民の為であるなら、最終処分の方法まで見すえて初めて、今回の中間貯蔵施設の工程表が意味を持つ。政府は最終処分場は県外でと約束しているが、環境省は最終処分場の場所や方法を明らかにしなかったことについて「最終処分では放射性物質の量を減らすことが重要だが、一方で凝縮され高濃度の廃棄物が生じる。こうした廃棄物の最終処分場は国内になく、受け入れ先を探すのは非常に難しい」としている。野田総理が双葉群民を大事な国民だと思うのであるなら、沖縄の基地問題と同様に、押し付けるのではなく、早急に全国的な議論を始めることだ。

政府から独立して国会が設置した原発事故調査委員会が、放射性物質の除染をめぐり政府の対応を批判してきた児玉龍彦東大教授(内科学)ら有識者5人を参与に起用する方向で調整していることが分かった。電力会社の「発送電分離」論者の八田達夫大阪大招聘教授(経済学)も含まれている。就任の意思などを確認した上で、月内にも衆参両院議長が任命する運びだ。2011年12月26日毎日新聞の「風知草」には、このような記事が書かれている。「政府の委員会・調査会に集う有識者は原発推進派が多い。新たに脱原発派も招かれて話題になったとはいえ、多勢に無勢。まして事務局は経済産業省、文部科学省の官僚と電力会社からの出向者が握る。いま政府は、東京電力の経営刷新と、電力システム全体の改革という両面からエネルギー政策の見直しを進めている。東電は、電力安定供給を理由として国が株式の3分の2以上を保有する国有化の方向性が見えてきた。最終結論は来年3月期決算までに明らかになる。一方、電力システム改革の最大の論点は原発である。政府は来春、エネルギー政策の具体的な選択肢を国民に示し、夏には結論を出すという。だが、無理だろう。選択肢は示せても、結論はまとめきれまい。普天間をこじらせ、八ッ場ダムにてこずる民主党の手に負える問題ではない。全国の原発は次々定期検査に入っており、再稼働のメドは立っていない。政府の事故「収束」宣言を誰も信じていない。この不信は、政府や経済界の一方的な説得によって解消されるというようなものではない。都会の電力浪費のために田舎がリスクを負う不公平に対する、断固たる拒否感が津々浦々から噴き出している。原発立地自治体の中には交付金を返上するところも出始めた。民意の鳴動を侮り、「原子力ムラ」にゲタを預けて進むのが野田政治だとすれば絶望せざるを得ない。政策を決める識者の人選を改めるべきだが、聞き入れられそうにない。辰年の火ダネは消費税だけではない」。

震災に伴う福島第一原発事故は、原発を抱える世界各国に波紋を投げ掛けた。安全性に対する不安は誰しも認めるところだが、国内の電力を賄うためには、代替電源確保が必要だ。全国の商業用原発54基が4月に全て停止する可能性が強まった。現在稼働中の6基は1月以降に定期検査で順次止まり、計画通りなら4月下旬には全て止まることになる。その間、各電力会社は火力・水力発電などをフル稼働して対応するだろう。政府は、原発の再稼働なしで、2010年並みの猛暑を前提(ピーク需要は6000万Kw)とした場合、今夏には北海道、東北、東京、関西、四国、九州の6電力で、供給予備率がマイナスになるとの需給見通しを公表している。だが、東北、東京電力管内で電力使用制限令が発動された2011年並みのピーク需要(4922万Kw)で試算したところ、予備率は軒並み上昇し、マイナスは北海道、関西の2電力にとどまったという。東電と東北電の場合、被災していた火力発電所の復旧やガスタービンの新増設などで約220万Kw、約100万Kwをそれぞれ冬の供給力に上積みでき、予備率は15%超となる。猛暑日などのピーク時の最大需要が一瞬でも発電量を超えると、大停電を起こしかねず、電力会社は万が一を恐れ、需要を高めに設定する。2011年首都圏も東北も、記録的猛暑といわれた夏を、ほぼ原発に頼らずに乗り切った。原発なしでは、産業も暮らしも立ちゆかないという、経済産業省と電力業界挙げての強い警告も杞憂に終わった。むしろ生活者の間には「原発なしでもいけそうだ」という自信がわいたのではないか。身の回りの電気のムダを洗い出し、電力に依存し過ぎた暮らしを見直すきっかけがつかめたのではないだろうか。野田総理は「原発を新設しない」としながらも、「安全性を確認した原発を活用し、電力の安定供給を確保する」と、再稼働容認の立場を鮮明にした。再稼働には国が課した安全評価(ストレステスト)をクリアする必要があるが、審査にどのぐらいかかるか判然とせず、再稼働の見通しは立っていない。2011年12月6日の衆議院東日本大震災復興特別委員会の審議で、枝野幸男(経済産業大臣 原子力損害賠償支援機構担当大臣 原子力経済被害担当)は、原子力発電所の安全性について、もし再稼働する場合については徹底した安全性を求めてまいりますが、しかし人間のやる事でありますので、「100%ということはありえません」と答えている。という事は、「福島原発のような事故を二度と引き起こさない」とは政府は考えていないという事である。世界の地震の2割が集中する「地震大国」でありながら、54基もの商業用原発が建ち並ぶこの国で、原発は安全性に十分配慮して建設され、しかも国が厳重に審査しているとされてきたが、福島第一原発事故で「安全神話」は完全に地に落ちたのである。だが政府は定期検査で停止中の原発について、電力各社は安全評価を経済産業省原子力安全・保安院に提出し始めている。検査を終えた原発の再稼働を目指す手続きの一つだが、安全評価を審査する方法や再稼働の具体的条件もまだ決まっていないのが現状の中で、この国は停止中の原発については再稼働させる方向で進み、全国で原発反対運動が盛んに行われている中で、全国の電力事業者は計画・建設中の原発12基のうち7基で、計画通り建設を進める方針を明らかにしている。震災、そして原発事故を考えると、政府の対応には怒りしかない。

その中でさまざまな再生可能エネルギーに注目が集まっている。実用化が進んでいるのが太陽光発電。基準緩和などを追い風に、全国でメガソーラー(大規模太陽光発電所)建設が相次いでいる。川崎市と東京電力は、2011年12月19日、国内最大規模となる「扇島太陽光発電所」(川崎市川崎区)の運転を開始したと発表した。最大出力13MW(1万3000kW)は、関西電力の「堺太陽光発電所」(堺市西区)の10MWを上回り、国内最大である。東京電力は2011年8月に「浮島太陽光発電所」(川崎市川崎区、最大出力7MW)の稼働を開始しており、川崎区だけで出力20MWに達した。年間発電量は、約2110万kWhを見込む。これは一般家庭約6000軒に相当する。また、東京電力は山梨県と共同で、第3のメガソーラーである「米倉山太陽光発電所」(甲府市)最大出力は10MWを建設中だ。

脚光を浴びている代替エネルギーはほかにもある。重電・造船メーカーなどが開発に乗り出した海洋エネルギー発電がその一つ。三井造船が採用したのは、海面に浮かべた装置で波の上下動により発電する仕組み。三菱重工鉄構エンジニアリングは打ち寄せる波に着目し、発電装置を防波堤に設置する。川崎重工業などは風車のような装置で潮流を捉えるもの。しかし障害も少なくない。建造や維持管理などのコストだ。国内では1970年代から海洋エネルギーを利用した発電の技術開発を進めてきたが、いまだ実用化に達していないのはこのためだ。東芝など電機各社も環境配慮型都市(スマートシティー)関連事業に力を入れるようになった。家庭や商業施設などで使う電気需給を街全体で調節し、二酸化炭素排出量削減につなげるというもの。原発事故による電力不足を受けて期待は膨らんでおり、各社とも成長事業と位置付け本腰を入れる。

不景気による消費の低迷に加えて、円高や欧州経済危機と、新しい年を迎えても、わが国経済に好転の兆しは感じられない。技術開発を武器に世界トップクラスの経済大国となった歴史を振り返ってみよう。各社が展開する新技術の開発競争は、ものづくり国家という原点に立ち返るもので、新たな国際競争力を生み出すチャンスと言えるだろう。開発支援や各種制度の創設といった強力なバックアップが国に求められる。化石燃料と違い枯渇する恐れや二酸化炭素排出がなく、放射能汚染もない。新たな産業として経済復興も期待できるなら、国民の理解は得られやすいはずだ。クリーンな発電分野において、得意とするものづくりで世界を牽引しよう。それが原発事故を経験したわが国の責務ではないだろうか。

原発の事故を受け、エネルギー政策の見直しが進む中で、大手電力会社の発電事業と送・配電事業とを切り分ける「発送電分離」が、クローズアップされてきた。電力業界は、発送電一体運用のメリットを強調してきたが、政府は「分離」を検討課題に掲げた。経済界には慎重論が根強いものの、経済同友会が「将来的に分割すべき」との提言を発表し波紋を広げている。1951年に始まった大手電力会社による独占体制が、60年を経て問われている。政府が電力改革に向けた論点を整理し、今月から本格的な議論を始める。家庭用電力の小売り自由化など10項目で、中でも重要なのは、発送電事業の分離だ。全国10社の電力会社が地域独占で一体経営している発電、送電、配電、小売りのうち送配電を切り離して運営する手法だ。電力自由化では、2000年に小売りの一部で始まり、2005年にかけて順次、自由化対象が拡大された。現在は、契約電力量50Kw以上にまで広がり、コンビニエンスストアなども新規参入の「特定規模電気事業者」(PPS)が、自由に電気を販売できる対象になった。それでも、新規参入は、思うように進んでいない。PPSは2011年10月現在、46社。実際に電気の小売りを手掛けているのは27社に過ぎず、PPSの販売電力量は、自由化対象電力の約3・5%しかない。顧客に電力を送るには、電力会社に委託するしか方法がなく、委託料金の高さや不透明さ、ルールの厳しさが障壁となり、電力市場に占める割合はわずかだ。送配電網が開放されれば、発電部門に新規事業者が増えて競争原理が働き、電気料金の値下げにつながりやすい。発送電分離は、政府が進めようとしている再生可能エネルギーの普及をめぐっても、かぎになるとされる。大阪市の橋下徹市長はすでに、脱原発依存や新規参入拡大を目指し、今年6月の関西電力の株主総会で株主提案権を行使して、発送電分離を提案する考えを示している。実質的な国有化が検討される東京電力では、政府が主導することも可能だろう。全国1、2位の規模の電力会社で分離が実現すれば改革は一気に進展する。政府は強い決断と実行力を示すべきだ。

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