2012年5月15日 (火)

沖縄復帰40年 何も変わらぬ沖縄

戦後、27年間米国の統治下にあった沖縄の施政権が日本に返還されて、15日で40年を迎えた。復帰に当たり日本政府が掲げた方針は「核抜き、本土並み」だった。「本土並み」とは、施政権を完全に日本に移し、日米安保条約も本土と同じように適用するという意味だ。同時に、沖縄を本土と同じように扱う、という象徴的な言葉でもあった。復帰から40年、沖縄は果たして本土と同じようになっただろうか。

戦後、日米安全保障条約の傘の下で本土の人たちが享受してきた平和と繁栄は、沖縄の犠牲の上に成り立ってきたといえる。この40年間、沖縄県民は、米軍基地の縮小、撤去、そして日米地位協定改定を求めて闘い続けてきたが、今なお、沖縄に在日米軍の75%が集中している。40年たっても改善されず固定化されたままだ。米軍基地の重い負担を強いられ続ける状況に、沖縄県民は「差別されている」との不満を強めている。米軍による事故や米兵の犯罪も後を絶たない。1995年の少女暴行事件で米軍は起訴まで容疑者の兵士の身柄引き渡しを拒み、2004年の沖縄国際大学へのヘリ墜落事故では米軍が日本側の警察、消防さえ現場から締め出した。こうした特権を保証する日米地位協定は一度も改定されていない。こうした沖縄の現状は、日米同盟の負担を小さな島に押しつけてきた日本の姿を映し出しているといえるだろう。

--- 辺野古浜通信より転載 ---
沖縄は「復帰」などしていない、沖縄をかえせ!
湿度の高い日が続いています。『復帰の日』だというので、報道の方も辺野古を訪れますが「復帰」の意味がわかりません!沖縄は「復帰」などしていません。沖縄の人間に返されていないからです。

今日、コンベンションセンター日本の首相がきています。そう沖縄では、みな「日本の」という言葉を当たり前のように使います。「アメリカの」という言葉と同じように、「やまとの」と言うこともありますが…

沖縄がどこに「復帰」したというのでしょう
今日は、米国から日本へ沖縄の「施政権返還」があった日です。

現に、いまも沖縄に民主主義はありません。県民の9割が反対していても基地を押し続ける「日本による施政権」が沖縄を苦しめ続けています。米国国務省、米軍隊の代行者として、日本政府が、防衛局が、内閣府が沖縄県の上を抑えています。

日本が占領し、支配、使用を続けることに「復帰」という言葉をもちいるなら正しい「日本人」ではないですね。「日本」はの0.6%の沖縄に、75%もの米軍基地を「依存」しています。

私たちは「基地のない沖縄」を返して欲しいとは願っているだけです。
だから「沖縄をかえせ」であり
だから「沖縄にかえせ」なのです。

野田総理は復帰40周年の記念式典で、「沖縄の基地負担の早期軽減を目に見える形で進めていくことを誓う。普天間飛行場の固定化は絶対にあってはならない」と述べた。基地問題について「米軍基地の集中が沖縄の皆さまに大きな負担となっていることは十分認識している」とし、米軍再編見直しの日米協議で普天間移設と、海兵隊のグアム移転や嘉手納より南の基地返還を切り離したことに言及し「基地負担軽減の『目に見える具体的な成果』につながる」と述べた。

民主党にとっての「負担軽減」とは一体何なのだろうか?負担を減らす方法として自民党政権は金をばら撒くことで「沖縄の負担軽減」を行ってきた。民主党政権は、沖縄県民の負担を少なくする方法として、沖縄振興予算で金をばら撒き、海兵隊のグアム移転や米軍施設返還などによる危険性除去に「最優先」に取り組むとしたものの、そのために新たに施設や基地を造っては、日米で密約を繰り返してきた自民党と同じである。なぜ沖縄でなくてはならないのか。現状を打開するには、現実から目を背けてはならない。そんな当たり前のことが、普天間問題ではなぜできないのだろう。住宅地が迫り、世界で最も危険と米軍首脳も認めた普天間返還のためとはいえ、在日米軍基地の約75%が集中する沖縄県に新たな基地を造ることは、さらに重い基地負担を強いる。移設先とされた辺野古地区のある名護市をはじめ、公有水面埋め立ての許可権を握る仲井真知事まで反対する中、どうやって県内移設を実現するというのか。外務、防衛官僚べったりの政治家は、できもしない辺野古新基地建設にこだわっている。その本音は一体なんなのか知りたいところだ。全国の米軍専用施設面積の4分の3を押し付けられている沖縄から見れば「普天間」の返還はささやかな望みだ。今や大多数の沖縄県民が県外・国外への移設や無条件の返還を求めている。県内移設が事実上不可能なのは、仲井真知事が繰り返し指摘している通りだ。なぜ沖縄か。海兵隊が沖縄でなければならない特段の理由はないというのは、もはや常識である。米軍基地を沖縄に閉じ込めておけばいいという考えはおかしい。

沖縄タイムス 社説:[復帰40年]普天間を解決する時だ
1965年8月19日、佐藤栄作首相は現職の総理大臣として戦後初めて沖縄を訪れた。那覇空港での歓迎式典で、沖縄の祖国復帰が実現しない限り日本の戦後は終わらない、との歴史的メッセージを発した佐藤氏は、こうも語っている。「私たち国民は沖縄90万のみなさんのことを片時も忘れたことはありません」 のちに行政主席、県知事となる屋良朝苗氏は日記に記している。「総理を迎えた時は正直言ってさすが涙が出た」 復帰が実現したのはその日から7年後のことである。72年5月15日。40年前の復帰の日、東京と沖縄で二つの記念式典が開かれた。対照的だったのは、佐藤首相と屋良県知事の式典での表情である。政府にとって復帰を実現することは、何よりも戦争で失った領土を外交交渉で取り戻すことを意味した。東京での式典で佐藤首相は、高揚感に満ちあふれた表情で万歳を三唱した。だが、那覇の式典に出席した屋良知事の表情は終始、硬かった。「復帰の内容をみますと、必ずしも私どもの切なる願望がいれられたとはいえないことも事実であります」 あの日も、那覇市民会館と隣の与儀公園で、復帰記念式典と抗議集会が並行して開かれた。40年後のきょうも、同じ日に式典と抗議集会が開かれる。基地問題をめぐる過重負担の構図はこの40年間、ほとんど何も変わっていない。復帰から2009年3月末までに返還された米軍基地は、面積にして約19%にとどまる。この間、本土では約59%が返還されたのに、沖縄の負担軽減は遅々として進まない。沖縄タイムス社と朝日新聞社が4月に実施した県民意識調査によると、沖縄の基地が減らないのは本土による沖縄差別だと思うかとの問いに対し、「その通り」だと答えた人が50%に上った。「基地の現状は不公平だ」「本土の人たちは沖縄をあまり理解していない」―そう考える人たちが県内で急速に増えている。沖縄の人たちのまなざしが厳しくなっただけではない。本土の側の沖縄理解も、急速に変わりつつある印象を受ける。この40年を通して本土と沖縄の心理的な距離は、今が一番開いているのではないだろうか。基地問題をめぐって「心の27度線」が浮上しつつある。危険な兆候だ。米軍普天間飛行場の辺野古移設を盛り込んだ06年の日米合意は、死文化した。辺野古移設計画を断念し、早急に日米交渉を始めるべきである。普天間の固定化は許されない。沖縄を軍事要塞(ようさい)化し日米で中国を封じ込めるという発想は、米中関係の奥深さや国境を越えた「ヒト・モノ・カネ」の移動、市民レベルの文化交流など、国際政治の潮流を無視した一面的な考えである。冷戦思考を引きずっていては、沖縄の未来を展望することはできない。沖縄の民意は変わった。基地依存・財政依存からの脱却を目指した「沖縄21世紀ビジョン」の将来像は、多くの県民に共有されており、これからの沖縄振興は、この自立の動きを後押しするものでなければならない。▲

東京新聞 社説:沖縄施政権返還40周年 いまだ「復帰」なし得ず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012051502000109.html
毎日新聞 社説:沖縄本土復帰40年 「差別」の声に向き合う
http://mainichi.jp/opinion/news/20120515k0000m070131000c.html
琉球新報 社説:復帰40年/自立の気概持とう 国の空洞化、無策を憂う
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-191203-storytopic-11.html
沖縄タイムス:復帰40年 米基地偏重 沖縄に負担
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-05-15_33763/
毎日新聞:沖縄復帰40年 何も変わらぬ 沖縄基地、私たちの課題
http://mainichi.jp/select/news/20120515k0000e040215000c.html

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2012年5月13日 (日)

復帰40年 沖縄の人々に負担を押し付ける日本政府

日本政府は、海兵隊のために、普天間基地を辺野古へと、辺野古と大浦湾のジュゴンとサンゴの海をつぶして滑走路を造り。返還予定地のヘリパッドを高江へと、多くの固有種、絶滅危機種が生きる、世界的に貴重なやんばる(山原)を破壊して、米軍のヘリコプター離着陸用の軍用施設建設を進め、米政府は開発段階から重大な墜落事故を繰り返し、先月もモロッコで米兵4人が死傷する墜落事故を起こしたばかりの“欠陥機”オスプレイを7月にも沖縄に搬入しようと計画している。米軍の都合が優先される現状では、政治は思考停止に陥っている。海兵隊を沖縄に置き続けることやヘリパッドを移転しなければならないことの是非を政府は語らない。「沖縄のため」という恩着せがましい言い訳だけだ。今、沖縄から問い掛けられているのは、在日米軍基地の約75%が集中する沖縄に、新しい米軍基地を造ることの是非だ。日米安全保障条約が日本に必要なら、その基地負担は「北海道から鹿児島までのヤマト」も等しく負うべきではないのか、と。それをせずに、「代替の施設を決めない限り、普天間飛行場が返還されることはない」(2010年版防衛白書)として、県内移設受け入れを迫るのは「沖縄差別」ではないのか、と。にもかかわらず、民主党政権は、こうした沖縄の問いに真正面から答えようとしていない。米国との合意であれば、問答無用で押しつける姿勢は、基地に対する立場を超えた国民的な怒りを広げざるをえない。

沖縄が日本に復帰してから40年を迎える。米軍の核兵器を撤去し、日米安全保障条約を本土と同等に適用する「核抜き・本土並み」が復帰時の原則だった。米軍基地は本土並みに整理・縮小するのが国の公約だった。40年後の現状はその理念からほど遠い。有事には沖縄への核の再持ち込みを認める「密約」の存在が明らかになっている。在日米軍基地はなお74%が沖縄に集中している。この過重負担をどうするのか。真剣に考えなければならない。日米両政府は市街地にあって危険な普天間飛行場を県内の辺野古に移設する方針を変えようとしない。県外、国外への移設を求める県民の声は聞き入れられない。駐留する米兵らは、罪を犯しても基地に逃げ込めば日本側は捜査できない。多くの被害者が泣き寝入りさせられた。この不平等な日米地位協定はまだ一度も改定されていない。本土との格差は沖縄への「差別」だと多くの県民が感じている。日本の安全保障政策が沖縄の過重な基地負担の上に成り立っているのは事実だ。一地域が多大なリスクを負う形でもたらされる平和や繁栄は社会的な公平性を欠く。仲井真知事は「ほかの県でも受け持つべきではないか」、「オスプレイが本当に安全な機種なら、日比谷公園か、新宿御苑みたいな所に持って来られるのか」と、こう反発した。

1996年の返還合意以来、最大懸案の普天間問題を振り返ると、市街地の危険な基地をできるだけ早く撤去するという原点が二の次にされ、県内移設先探しに焦点が当たる無為な日々が続いた。基地問題の底流には、既得権益と化した米軍の基地自由使用の維持を優先する政府側と、摩擦と妥協を交錯させてきた沖縄社会との複雑な対立構図が横たわる。普天間の県内移設に反対する世論が常に多数を占めながら、基地受け入れの代償として振興策をあてがう「アメとムチ政策」で、沖縄は揺さぶられてきた。「県外移設」を掲げた民主党政権は結局、辺野古への移設に回帰したが、怒りと失望を抱きつつ、県民世論はかつてないほど県内移設拒否の意思を強固にし、もはや後戻りする気配はない。

日米関係重視、日米安保依存で、対米追従の不平等な地位協定改定もおざなりに米兵犯罪の効果的な再発防止策もなく、民主党政権は危険除去と負担軽減を求める県民に新たな基地負担を強行する。民主党は国民の命をどう考えているのか。原発・放射能問題と同様に、私たち国民も一人一人が、この現実と矛盾を自らの安全にかかわる問題として受け止めなければならない。沖縄県の人々が過重な基地負担に苦しむ悲痛な叫びを、いつまでも変わらぬ不公平・差別に対する「悲憤」、政府に対する「不信」と「異議」を政治家はしっかりと聞き、堂々と日本側の立場を明確にし、発言してもらいたい。

沖縄では、おじぃ・おばぁが孫たちのために「美しい海」「沖縄の自然」を残そうと毎日・毎日「基地はいらない」と訴え座り込みを続けている。沖縄に新しい基地を作ってしまったら、平和な島の純朴な島民を、また新たに苦しめることになる。基地問題を、普天間だけではなく、沖縄県民だけではなく、日本国民すべての人が自分の問題として考えてほしい。日本国内でも大きな反対集会やデモが行われ、アメリカの新聞などにも専門家による「代替施設は必要ない」という緊急提言が出されている。これからもっと大きな国民運動に発展していくと日本政府もアメリカ側も考えを変え、今のままではダメなことがわかるのではないかと期待している。

沖縄タイムス 社説:[日米軍事拠点化]雲散霧消する負担軽減
復帰40年の県民意識の変化として見逃せないのは、自衛隊に対する肯定的な受け止めが広がったことだろう。沖縄では本土復帰とともに自衛隊が移駐した。復帰当時を知る那覇防衛施設局(現沖縄防衛局)の元職員は「沖縄では軍人は住民を守らないというイメージが強く、施設局職員は『隠れ自衛隊員』と嫌悪された」と振り返る。沖縄戦での旧軍のイメージをひきずる自衛隊に対し、県民の視線は冷ややかだった。こうした中、自衛隊は不発弾処理や離島の急患搬送など「民生支援」に力を注ぎ、県民への浸透を図ってきた。東日本大震災における自衛隊の救援活動は、県内でも高い評価を得ている。ただ、日米の安保政策の流れを勘案したとき、劇的変容を遂げつつある自衛隊の軍事的側面を無視するわけにはいかない。自衛隊、米軍ともに民生支援と軍事戦略は密接にリンクしている。その両面を問わなければ本質を見失う。日米は今、軍事一体化を進めつつ、自衛隊の「南西シフト」を固めようとしている。先月発表された日米共同文書は「2国間の動的防衛協力の促進」に向け、日米の共同訓練場をグアム以外に米自治領の北マリアナ諸島に整備する方針を打ち出した。国外に演習場を確保し、米軍と日常的に共同訓練するというのである。集団的自衛権の行使に関する国内議論も置き去りにしたまま、なし崩し的に自衛隊と米軍の一体化が進んでいるのが現状だ。しかもその最前線は、沖縄を含むアジア太平洋地域である。防衛省は与那国島への陸自配備を足掛かりに、先島進出に向けた動きを強めている。先日は北朝鮮の「衛星」発射に備え、石垣市などに地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊などを大々的に展開した。尖閣問題など対中国もにらんだ前線拠点として沖縄での自衛隊の活動が存在感を増しつつある。4月実施の県民世論調査で、先島への自衛隊配備は賛成が44%で反対を4ポイント上回った。一方、地域別では先島地方は反対が過半を占める。本島住民には、先島配備への負担感が小さいのかもしれない。が、自衛隊の認知度向上は、本島の米軍基地運用にも影響を与えかねない。在日米軍専用施設の74%を占める現状は自衛隊移管や共同使用という形式的措置で大幅縮減が可能だ。沖縄の基地負担を象徴する数値だけ塗り替え、軍事要塞(ようさい)としての役割が固定化されることも懸念される。「軍隊の肯定」の代償は何か。それを最も肌で知るのは沖縄県民だろう。忘れてはならないのは沖縄戦の教訓だ。大規模な軍隊が駐留したために凄惨(せいさん)な地上戦に巻き込まれ、極限時は「住民を犠牲にする軍隊」を目の当たりにした痛苦な歴史的体験である。日本本土を守る安全保障上の「防波堤」として沖縄が存在しているのではない。「国境の領土」ととらえる国と、住民の利害は常に一致するとは限らない。自治や民意をフルに発揮し、再び戦場となる可能性を極力排除する姿勢を貫けるかが試されている。▲

琉球新報 社説:軍港へオスプレイ 普天間配備を即刻撤回せよ
あまりにも理不尽で憤まんやるかたない。沖縄を一体何だと思っているのか。米政府が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを米軍普天間飛行場に配備する計画をめぐり、7月にも分解した機体を海路で那覇軍港に搬入し、組み立てた上で試験飛行する意向を日本政府に伝えた。オスプレイは開発段階で重大な墜落事故を繰り返し、「未亡人製造機」と呼ばれるなど、かねて危険性が指摘されてきた。先月もモロッコで米兵4人が死傷する墜落事故を起こしたばかりで、“欠陥機”の疑念は強まる一方だ。本紙が実施した最新の世論調査では、普天間飛行場へのオスプレイ配備計画に対し、県民の9割が反対している。そうした中、県都那覇市の市街地にあり、那覇空港に隣接する那覇軍港を利用するとの打診は正気の沙汰とは思えない。米側は最初に配備する12機を分解した状態で那覇軍港に搬入し、約1カ月かけて同軍港で機体を組み立てる計画という。不具合が起きやすい組み立て直後のオスプレイを人口密集地の那覇市上空を含めて試験飛行するというからあぜんとする。翁長雄志那覇市長が「今までのどの案よりも異常。事実なら県民、市民を愚弄(ぐろう)するものにほかならず、強い怒りを禁じ得ない」と猛反発するのは当然だ。基地問題では慎重な物言いの仲井真弘多知事も「反対だ。非常に無理がある。日比谷公園とか新宿御苑みたいなところに持ってこられるのか」と強い不快感を示した。沖縄と本土で二重基準を平気で使い分ける日本政府の欺瞞(ぎまん)性を見透かした発言と言える。日米両政府はオスプレイ配備に関して当初、キャンプ富士(静岡県)や岩国基地(山口県)など本土の米軍基地に一時駐機し先行運用することで、沖縄側に安全性をアピールする狙いだった。だが、地元の反発を理由に日米両政府は本土先行駐機を断念した経緯があるからだ。オスプレイが安全とする科学的な根拠を何ら示さないまま、沖縄には県民の意向を一切無視して配備を強行しようとする。日米両国が掲げる民主主義や人権尊重が、それこそ聞いてあきれる。このままでは米軍基地の安定的運用が困難になり、日米安全保障体制が大きく揺らぐのは目に見えている。普天間飛行場への配備計画そのものを即刻、撤回すべきだ。▲

東京新聞 社説:週のはじめに考える 横田基地は必要なのか
長周新聞:長崎も佐世保軸に米軍拠点化 博多と結ぶ巨大道路建設

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2012年5月10日 (木)

「復帰40年」の今、改めてこのことを問わずはいられない

沖縄タイムス 社説:[県民意識調査]「27度線」が浮上した…
沖縄と本土では、何かと違いがある。歴史と文化が異なるのだから両者を比べて「違う」と感じるのは当然のことだが、復帰によって急速に本土化が進んだ今でも、この意識だけは依然として根強い。沖縄タイムスと琉球放送が昨年12月に実施した県民意識調査によると、本土の人と沖縄の人の間に違う面を「感じる」と答えた人は72%で、「感じない」の18%を大きく上回った。言葉や話し方、時間の感覚、冠婚葬祭などを通して違いを感じるのは、ごく自然な感情と言っていい。だが、基地問題をめぐる本土と沖縄の認識のギャップは、政治が生んだ「ゆがみ」であり、決して「自然な感情」とは言えない。沖縄タイムス社と朝日新聞社が4月に実施した共同世論調査によると、本土の人たちが沖縄のことを理解していると思いますかとの問いに、63%が「そうは思わない」と答えた。沖縄の基地が減らないのは本土による沖縄への差別だという意見があるがどう思うかとの質問に対しては、「その通り」が50%で、「そうは思わない」の41%を上回った。出口の見えない米軍普天間飛行場の移設問題。沖縄の民意が辺野古反対で足並みをそろえているにもかかわらず、政府は、辺野古移設を「唯一有効な解決策」だと主張し続ける。こうした政府への不信感が、基地を受け入れない本土全体に対する失望という形で広がりつつあることが、今回の調査結果から見て取れる。「差別」という言葉が、基地問題を語るキーワードとして普通に使われるようになったのは、民主党政権誕生以降のことだ。一部の研究者は以前から、基地問題の構造的性格に着目して「構造的差別」という表現を使い、いわゆる「差別」問題一般とは区別していた。ここにきて、なぜ、「差別」という言葉が前景化したのだろうか。米軍再編の見直し協議で日本政府は、沖縄駐留海兵隊の一部を本土に移転したい、との米側提案を拒否した。一事が万事である。基地問題が本土に拡散しないよう米軍基地をできるだけ沖縄に押し込める、という政府の姿勢に対し、保革を問わず「不公平さ」を感じるようになった。それをただすことができない政治の現実を、深い失望感を込めて「差別」という言葉で告発しているのである。本土と沖縄の間に、意識の上の「27度線」が今なお引かれているとしたら、両方にとって不幸なことだ。だが、それが現実である。普天間問題をめぐって、日・米・沖の三者に、徒労感と焦燥感が広がっている。もっと単刀直入に言えば、停滞状態があまりにも長く続いたため、関係者の間に、どうにもならない無力感が広がっているのだ。この状態を放置すれば、本土と沖縄の間の溝は一層深まる可能性がある。そうならないように、普天間問題を一から仕切り直しすべきだ。▲

琉球新報 社説:復帰世論調査/不平等の根 断つ時だ 新基地拒む民意の反映を
毎日新聞 社説:沖縄復帰40年 辺野古移設受け入れ 前村長「もう悪魔と手握らぬ」

琉球新報:「不平等 私も思う」 復帰40年で仲井真知事
仲井真弘多知事は15日の本土復帰40年を控えた9日、県庁で報道各社のインタビューに答えた。琉球新報社・毎日新聞社合同世論調査で、在日米軍基地の7割が沖縄に集中していることについて県民の69%が「不平等だと思う」と答えたことについて、仲井真知事は「不平等だという気持ちは私もほぼ同じだ」と述べた。仲井真知事は不平等感の理由を「米軍専用施設の4分の3が沖縄にある」過重負担と地位協定の問題を挙げ、「(軍人・軍属は)日本の法律は守らなくていい、一種の治外法権。同盟国であってもひどいんじゃないかということを県民は40年以上、基地の横で味わってきた」とし、「これに持ちこたえてきた県民の怒りを考えてもらいたい」と述べた。普天間飛行場の名護市辺野古への移設に県民の9割が反対していることには、「率直な気持ちだろう。私も普天間は県外という公約の旗を降ろすつもりはない」と強調し、「政策に何らかの形でにじみ出るんじゃないか」とし、県民意思として重く受け止めたいとの姿勢を示した。▲

◇◆◇沖縄「日本復帰」40年の現実を問うー5・15声明に賛同を!◇◆◇
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロックより転載
1972年5月15日沖縄は日本に復帰しました。しかし復帰に託した県民の願い「基地の無い平和な島」は踏みにじられました。この40年間、沖縄県民は、米軍基地の縮小、撤去、そして日米地位協定改定を求めて闘い続けてきましたが、今なお、沖縄に在日米軍の75%が集中しています。日本政府は復帰から40年の大きな節目の年、沖縄を引き続きより強固な「基地の島」にするべく、辺野古への新基地の建設、高江ヘリパッド建設、そして南西諸島への自衛隊配備を強行しようとしています。私たち沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは沖縄県民の思いを踏みにじり続ける日本政府を糾弾し、沖縄と「本土」の連帯を強化し、ともに日米政府による沖縄の軍事植民地化を打ち破るべく声明を発しました。

この声明に対して多くの個人、団体の賛同を募ります。

*5月15日当日、政府、沖縄県、共催の「復帰40周年記念式典」に対して、16時から首相官邸への抗議行動、 (注目)集合時間が12時から16時に変更になりました。そして夜18時30分から集会とデモを行います。首相官邸抗議行動のとき「声明」と賛同一覧を多くの賛同者と共に首相官邸に手交します。

5・15声明(賛同用紙)
http://www.jca.apc.org/HHK/2012/12515decl.pdf
5・15ビラ
http://www.jca.apc.org/HHK/2012/12515bill.pdf

5・15声明と賛同先
<賛同の連絡先>
※団体(または個人)名と住所、連絡先、公表の可否を必ず記載してください。、
メール hankachアットマークjca.apc.org(アットマークを@に変えて利用してください)
Fax  047-364-9632
郵送 〒101-0061東京都千代田区三崎町2-2-13-502沖縄 ・一坪反戦地主会関東ブロック宛
期限 5月13日(日)必着

5・15沖縄「日本復帰」40年を問う!抗議、集会デモ
5月15日(火)
★【沖縄からの訴え】東恩納琢磨さん(名護市議会議員)★
◆「復帰40周年記念式典」糾弾! 首相官邸前抗議行動◆
【時 刻】16時集合
【場 所】国会記者会館前路上(首相官邸の向かい)
      地下鉄千代田線・丸ノ内線「国会議事堂前」駅出入口3すぐ
http://www.tokyometro.jp/station/kokkai-gijidomae/map/index.html
◆5・15沖縄「日本復帰」40年を問う! 集会とデモ◆
【時 刻】18時30分~ デモ出発19時30分を予定
【場 所】代々木公園・けやき並木(NHK放送センター前)
       「原宿」「渋谷」駅10分
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map039.html
【主 催】沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
【問い合わせ】電話090-3910-4140
1972年5月15日、沖縄の施政権が日本に返還(いわゆる日本復帰)されてから今年で40年になる。今、改めて「復帰」を問う。在日米軍基地の74%が集中し、軍事基地があるが故に起こる事件・事故により生命が人権が脅かされている状況は「復帰」後40年経った今でも何も変わっていない。日本は米国と軍事同盟を結んで沖縄にその矛盾を押しつけている。米軍再編見直しで1500人の在沖海兵隊の岩国移転を米側から2度にわたり打診された日本政府は、岩国市長が「ダメ」と言っているからと海兵隊の移転を直ちに断った。ところが、キャンプハンセンの海兵隊実働部隊を移転要請された日本政府は、〝中国脅威〟を盾に沖縄からの移転に反対したとされる。普天間「県外」・辺野古新基地建設反対に対する沖縄の総意は固い。沖縄の40余の市町村をはじめ県知事などオール沖縄で明確な「民意」を日本政府に突きつけている。にもかかわらず、野田首相をはじめ閣僚は、沖縄の民意を一顧だにせず辺野古に固執し、沖縄詣でをくり返している。これはまさしく、沖縄に対する政治的差別であり、構造的差別に外ならない。「復帰40年」の今、改めてこのことを問わずはいられない!! 5・15当日、私たちは訴える!抗議する! デモ行進をする!賛同されるかたはぜひ参加してください! ともに訴えよう!

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2012年5月 9日 (水)

普天間基地のゆくえ

在日米軍再編計画見直し、米海兵隊の海外移転と普天間移設を切り離すことで合意したものの、辺野古移設への地元の反対は根強く展望は見えないままだ。1972年5月15日の本土復帰から今年で40周年を迎える沖縄県。自民党橋本政権が、1996年4月12日「普天間飛行場の全面返還(県内移設)で合意」してから15年。在日米軍再編計画に基づく沖縄米海兵隊のグアム移転について、日米両政府が辺野古移設と切り離して先行実施することで合意した。グアムへの移転規模も縮小させる方針だ。だが、沖縄タイムス平安名純代記者の取材によると、海兵隊のグアム移転計画の規模縮小などを受け、グアムの環境アセスを新たにやり直すことが分かった。調査着手から関連施設の建設終了まで、最短でも8年はかかるという。米国防総省高官によると、「議会の承認に1年、調査開始から最終評価書まで最短で3年、着工後、工事終了まで最短4年、計8年は必要」と説明している。その間、普天間の継続使用が長引く可能性もあり、反発が広がりそうだ。在日米軍再編見直しでは、嘉手納より南の施設・区域の返還、海兵隊移転の枠組みを明記しているが、グアム移転に8年かかった場合、施設の返還時期は早くて2020年ごろになる。普天間の固定化が現実味を増している…。辺野古移設が行き詰まった今、問われるのは日本の主体的外交である。野田総理は沖縄の民意を踏まえ、指導力を発揮すべきだ。

米軍が沖縄にいるメリットというのは、もはや私たちの税金から「思いやり予算」がもらえるだけのことだ。復帰しても基地は今まで通りで何も変わらない。やっと基地の縮小が実現されると思ったら、それは縮小ではなくて単に新しくて豪華な施設への移転。海兵隊のグアム移転をめぐっては、内部告発サイト「ウィキリークス」で日米間の公電文書が次々とバクロされ、日米両政府が2006年5月に合意した在沖縄米海兵隊のグアム移転計画作成時に、日本側の費用負担比率を実際より低く見せるため、移転費総額を「水増し」していたことが明らかになっており、また移転対象の海兵隊員についても、公式に説明されている兵員8000人と家族9000人は実数でなく「日本での政治的効果を上げるための上限を示した」ものであることも明らかになった。また、そこであらためて分かったのは米国ベッタリで暗躍する防衛・外務官僚の姿だ。沖縄問題は虚偽にまみれてきた。沖縄からグアムへ移転する海兵隊の隊員数と移転にかかる経費が水増しされ、兵員は実数でなく定数を使い、グアムへ移転する兵員数を多く見せかけ、移転経費は不要な道路建設を追加し、それを米側負担とすることで日本の負担率が低くなるよう細工をした。沖縄返還交渉をめぐる密約問題と構図はまったく同じだ。米側が払うべき経費を日本が肩代わりする密約を交わしていた。沖縄がらみの交渉は「見せかけ」の連続である。嘉手納や普天間などの騒音防止協定は飛行制限を盛り込んだが、騒音は増加している。地位協定見直しも一向に進まない。米国の都合に合わせ、国民を欺く卑屈な外交をいつまで続けるつもりだろうか。

琉球新報:在沖海兵隊1万5365人 昨年6月時点、実数と定数かい離
毎日新聞:在沖海兵隊のグアム移転 米担当者「5000人」 中間報告と食い違い
琉球新報 社説:在沖海兵隊の兵力 数合わせなら納得できない
沖縄タイムス:グアム移転 家族数1300人に減

沖縄タイムス 社説:[日米首脳会談]どこへ行った負担軽減
空疎と言わざるを得ない内容だ。沖縄の負担軽減はどこへ行ったのか。野田佳彦首相とオバマ米大統領はワシントンで会談を行い、共同声明を発表した。公式の首脳会談は民主党政権では初めてだ。これまでの日米首脳会談では米軍普天間飛行場の辺野古移設の推進を確認するのが常だったが、今回、普天間問題を棚上げし沖縄の負担軽減にも具体的な言及はなかった。なぜか。日米両政府は先月25日、在日米軍再編見直しの共同文書を発表する予定だった。直前になって米上院のレビン軍事委員長(民主)ら重鎮からクレームが付き発表を延期した。共同文書は当初、辺野古移設を「唯一の有効な解決策」としていたが、玉虫色にして発表された。レビン氏らは昨年、辺野古移設について「非現実的、機能せず、費用負担もできない」と酷評し、国防総省に断念を求めている。米国では予算は議会が作成するため、オバマ大統領が議会の顔色をうかがったのは間違いない。共同文書をめぐるドタバタ劇と今回の共同声明は日米合意が事実上死文化していることを示している。共同文書は、普天間移設と切り離して返還する嘉手納基地より南の5基地を13区域に分け「すみやかに返還」「県内で機能移設後に返還」「海兵隊移転後に返還」など3段階に区分している。いずれも時期は明示していない。対象の基地も焼き直しで地元の意向を聞かないままの不透明な返還計画である。与世田兼稔副知事が、真部朗沖縄防衛局長に「細切れ返還で、土地開発への影響が懸念される」として一体的な返還を求めたのは当然だ。両首脳が発表した共同声明で顕著になったのは、自衛隊と米軍の一体化である。経済的、軍事的に台頭する中国を念頭に置いたものだ。南西諸島など島しょ防衛を強化する日本と、アジア太平洋地域を重視した米国が連携を深めることを明示した。在日米軍再編見直しの共同文書では、グアムのほか、米自治領・北マリアナ諸島に自衛隊と米軍が共同使用する訓練場を整備することなどが盛り込まれている。だが、これはグアム移転協定の趣旨から完全に逸脱するものだ。協定は、まがりなりにも、在沖米海兵隊をグアムに移転し、沖縄の負担軽減を図るという理由があったからである。グアム移転の海兵隊が半分に減少したにもかかわらず、日本側の負担は28億ドルと変わらない。米国内のインフレ率で実際の負担は31億ドル程度という。円建てでは日本側の負担は2009年の協定署名時と同じ約2500億円と政府は説明するが、本来なら減ってしかるべきだ。その移転費で北マリアナ諸島などに共同訓練場を整備するという。沖縄の負担軽減のための予算枠を使い、負担軽減とは何の関係もないことをやろうとしている。そもそも何を根拠にしているのか。国会では十分な議論もなく、官僚主導で事が進んでいる。政治の姿が見えない。▲

毎日新聞 社説:日米同盟 元のもくあみにするな

毎日新聞:合同世論調査 沖縄本土復帰「良かった」80%
◇本社・琉球新報合同世論調査
◇米軍基地の7割集中「不平等」 沖縄69%、全国33%
沖縄県が5月15日に本土復帰40周年を迎えるのを機に、毎日新聞は5、6日、琉球新報と合同で沖縄の現状や基地問題に関する世論調査(電話)を実施した。在日米軍基地の7割以上が沖縄に集中している現状について、「不平等だと思う」との回答が毎日新聞の全国調査で33%にとどまったのに対し、沖縄県民だけを対象とした琉球新報調査では倍以上の69%に達した。本土復帰の評価は「どちらかといえば」を含め、「良かった」が全国79%、沖縄80%を占めており、ともに肯定的に受け止めている。復帰30周年を機に2002年に実施した前回調査で、本土復帰について「良かった」との回答が全国66%、沖縄79%に上り、全国は今回調査で13ポイント上昇した。一方、今回、本土復帰について「悪かった」との回答は全国3%、沖縄2%。10年前の調査で「悪かった」と答えた全国1%、沖縄3%とほぼ横ばいだった。

沖縄県に在日米軍基地の7割以上が集中している現状について、全国では「やむを得ない」(37%)が最多で、「分からない」との回答も26%あった。一方、沖縄では「不平等」(69%)に次いで、「やむを得ない」(22%)、「分からない」(9%)の順だった。沖縄で本土復帰を「良かった」と回答した人でも、基地集中を「不平等」とした人は69%に上っている。自分が住んでいる地域に沖縄の米軍基地が移設されることの賛否を全国で聞いたところ、賛成は24%にとどまり、反対は67%を占めた。同調査で沖縄への米軍基地集中を「不平等」と回答した人のうち、居住地の基地移設に反対は69%に上り、基地の過重負担に一定の理解を示しつつも、基地受け入れには慎重な意識がうかがえる。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を巡り、日米両政府が進める名護市辺野古地区への移設計画について、「計画に沿って進めるべきだ」は全国28%に対し、沖縄11%だった。「国外に移設すべきだ」は全国37%、沖縄39%と高く、沖縄では「県外に移設すべきだ」も29%を占めている。主要政党の支持率をみると、沖縄では自民11%、民主7%、社民5%などの順だった。全国調査では民主15%、自民17%と、2大政党が拮抗(きっこう)。普天間移設問題を巡る迷走を受け、沖縄での民主低迷が鮮明になった。沖縄の「支持政党はない」は63%(全国52%)に上り、基地問題の解決の遅れから既成政党離れも進んでいる。毎日新聞の全国調査は沖縄県を対象地域に含む。福島第1原発事故で警戒区域などに指定されている福島県の一部地域は、調査対象に含まれていない。▲

沖縄タイムス:県民の50%、沖縄の基地集中は「差別」
沖縄が本土に復帰して15日で満40年となるのを前に、沖縄タイムス社と朝日新聞社は共同で世論調査を行った。沖縄の米軍基地が減らないのは「本土による沖縄への差別だと思う」と答えた人が、沖縄では50%に上り、全国は29%だった。沖縄で、本土の人たちが沖縄のことを理解しているかを聞くと、「そうは思わない」が63%だった。基地負担軽減を求める沖縄の声に、本土側が十分に耳を傾けていないと考える県民の意識が鮮明に示された結果となった。沖縄では、年代があがるにつれ、「差別だと思う」と答える人が増え、60代以上では60%を超えた。一方、全国では「そうは思わない」が58%と、沖縄とは逆の傾向がでた。一番高かったのは、30代男性で81%が「そうは思わない」と答えた。「差別だ」との回答が最も多かった70代以上でも34%にとどまった。沖縄で「日本に復帰してよかったか」と聞いたところ、83%が「よかった」と答えた。ただ、復帰30年の2002年調査の87%と比べると4ポイント減少している。沖縄で県内の米軍基地の将来の在り方を尋ねると、「縮小する」が最も多く49%、次いで、「全面撤去」37%だった。沖縄で「今のままでよい」は、12%だったのに対し、全国は倍近い21%だった。本土復帰後、沖縄に配備された自衛隊を今後どうしたらいいか聞いたところ、「現状維持」が48%で最も多く、「強化する」21%、「縮小」18%、「撤去」7%の順だった。また、先島地方への自衛隊配備については賛成44%、反対が40%で、賛成がわずかに上回った。米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設についての賛否は反対66%、賛成21%だった。▲

琉球新報:「辺野古反対」県内9割 全国6割「県外・国外」
沖縄タイムス:復帰世論調査:差別認識 落差なぜ

毎日新聞:沖縄知事、負担軽減への取り組み求める
仲井真弘多沖縄県知事は9日、県庁で報道各社のインタビューに応じ、沖縄の本土復帰40年について「一番県民が望みながら、遅れているのは基地問題だ。他の県でもきちっと受け持つべきだと強く思う」と述べ、沖縄に米軍専用施設の74%が集中する過重な基地負担の軽減に、日本政府がしっかり取り組むように求めた。更に日米地位協定の改定も改めて訴えた。また、毎日新聞と琉球新報の世論調査で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に対して「計画に沿って進めるべきだ」としたのが沖縄では11%しかなかったことについても言及し、「県民の率直な(思いが表れた)数字だ。私も県外(移設)を公約としている」と述べた。▲

沖縄タイムス 社説:[憲法記念日に]沖縄で主権在民を問う
琉球新報 社説:憲法記念日 活憲で命輝く社会を/沖縄は不沈空母ではない

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2012年5月 6日 (日)

原発ゼロに

東日本大震災は、福島第一原発を壊滅させた。未だ収拾のめどは立っていない。地震国日本では原子力は、極めて危険な電源であることを、私たちは思い知らされた。今日、この国の原発は一時的にせよゼロになる。政府、電力会社は繰り返し電力不足を強調するが、電力は本当に足りないのだろうか。一度原発を止めて、そのうえで、時間をかけてじっくりと論議をするべきだ。原発ゼロでもやっていけるかどうか。原発が稼働しないと、どれほど電力が足りないのか。節電や省エネはどの程度必要か。夏の電力需給状況を冷静に見極める必要がある。そのためにも電力会社の情報開示が不可欠だ。関西電力によると、このままでは火力発電所をフル稼働させても、夏のピーク時には10%の電力不足になる。だが資源エネルギー庁の試算では、隣の中部電力などと融通し合えば、十分余裕があるという。いまだに数字がはっきりしないのでは企業も家庭も困る。それでいて、省エネへの協力や値上げを一方的に求められても、素直に応じられるものではない。夏には答えが出ることだ。対応は早いほうが良い。その上で、電力の地域独占解消や電源の小規模地域分散化、太陽光、風力など代替エネルギーの本格的な推進、次世代送電網の普及など、原発ゼロ時代を見据えた新しい社会づくりに向かいたい。消費者もそれに合わせて、暮らし方を変えていく必要があるだろう。ゼロは後退ではなく、挑戦の始まりだと考えたい。

東京新聞:原発ゼロ時代に挑む 運転46年 全50基が停止
国内で唯一運転中だった北海道電力泊(とまり)原発3号機(北海道泊村、91・2万キロワット)が5日深夜に停止し、定期検査入りする。これで国内の商業用原発50基すべてが止まり、1970年春以来、42年ぶりの「原発ゼロ」になる。政府は関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を目指すが、安全面への不安から反対が強く、全国で電力需要が増える夏を初めて原発ゼロのまま迎える可能性も出てきた。北海道電力は5日午後5時から泊原発3号機の出力を少しずつ落とし、午後11時ごろに発電を止める。66年7月に日本で初めて日本原子力発電(原電)東海原発(茨城県東海村、廃炉作業中)が稼働してから、運転中の原発がゼロになったのは70年4月30日から5月4日の5日間だけだ。当時、国内には東海原発と原電敦賀1号機(福井県敦賀市、35・7万キロワット)の2基しかなく、その2基が定期検査とトラブルで停止した。その後は核の火が一時たりとも消えることはなかった。2000年代には最多の55基に達し、総発電量に占める原発の割合も3割にまで上がった。だが、新規の立地が難しくなったことに加え、東京電力のデータ改ざん問題などで原発への信頼が揺らぎ、その後は下り坂になった。昨年の東京電力福島第一原発事故の時点では、今年4月に廃止された福島第一1~4号機を含めて54基あったが、事故の後、一気に脱原発の流れが固まった。政府は将来、原発をなくす方針を示しているが、火力発電の燃料費高騰や原発依存度の高い関電管内での電力需給が厳しい問題もあり、当面は安全対策を確認した上で順次、再稼働する方針。まず大飯3、4号機の再稼働を目指しており、地元への説明を始めている。再稼働を認める基準をクリアしたとしているが、事故時に拠点となる前線基地の建設など時間のかかる対策は先送りしてもよいとの内容。住民説明会では、これで安全性が確保されたといえるのかといった不信の声が相次ぎ、福井県も簡単には同意を言い出せない状況だ。いったん原発事故が起きれば、広範囲に影響が及ぶことから、福井県に隣接する滋賀県や京都府、さらには関電の筆頭株主の大阪市も再稼働に厳しい姿勢を示している。▲

東京新聞:信頼揺らぐ電気料金(上) 身を削る経営努力 足りず
東京新聞:鈍すぎる政治 大飯再稼働問題
東京新聞:発言避ける政権 反対世論の拡大を警戒
東京新聞:「節電」「代替」動き次々 きょう原発ゼロに
毎日新聞:原発ゼロ いら立ち募らす経済界 「1年たっても政府は無策」

東京新聞 社説:こどもの日に考える 未来を築く人たちへ
原発ゼロ。特別なこどもの日。日本中どこの空にもこいのぼりが泳げるよう、大人たちが考え、話し合い、子どもたちより一足早く、行動を始める日。浜通りの潮風に、こいのぼりが躍っています。ことしは時折、手作りらしい緑色の小さなコイが、軒先で泳いでいるのを見かけます。原発のない未来を表す緑には、何色の風が似合うでしょうか。そんなことを考えながら、黄色い表紙の小さな絵本を開いてみます。「放射線になんか、まけないぞ!」(太郎次郎社エディタス)。福島県郡山市赤木小学校教諭の坂内(ばんない)智之さん(43)が福島の子どもたちのために書きました。

◆正しく恐れることは
イラストは岐阜県土岐市の柚木ミサトさん、監修は独協医科大准教授の木村真三さんが、それぞれ担当しています。坂内さんと木村さんは紙幅の大半を費やして、放射線に関する素朴な疑問に答えます。放射線とは、人の体をすり抜けていく不思議な光のようなもの。その時に、かすかに体を傷つける。一度にたくさん浴びたりすると、小さな傷も治らなくなり、それがもとで重い病気にかかることがある。そうならないよう除染をするが、放射線や放射能(放射線を出す力)が、人から人にうつるというのは大まちがい-。何かを正しく恐れることは極めて難しく、そのためにはまず正しい知識が必要です。しかし、坂内さんが子どもたちに伝えたいのは、知識だけではありません。本当に大切なのは、正しく知って、正しく恐れ、乗り越える手だてを考えて、行動を起こすこと。この先何十年もの間、放射線とかかわりながら生きていく、福島の子なら、なおのこと。

◆地域のことは地域で
坂内さんは「未来を生きるのは子どもたち。未来を築くのも子どもたち。だから、彼ら自身で未来を考え、話し合い、行動できる大人に育ってほしい」と願っています。そして、巻末に「わたしはみなさんのちからに、とても期待しています」と、メッセージをしたためました。福島だけではありません。3・11を心の節目に、「行動できる大人」を目指して、若い世代は考え始めているようです。「脱原発×STOP浜岡」代表で国際基督教大2年の関口詩織さん(19)に、原発を止めて将来、どんな社会をつくりたいかと尋ねると、「地域のことは地域で考え、地域で決めてもいい社会」と、即座に答えてくれました。例えばエネルギー一つとっても、需要に応じて右肩上がりに供給量を増やせる時代はそろそろおしまいです。供給力が許す範囲で、需要を賢く柔軟に、組み立てなければなりません。関口さんは、大小の電力会社と消費者が同じ土俵で話し合い、必要な量を地域で決めて地域でつくる、身の丈に合った地産地消の供給網を思い描いています。「化石燃料が底をつき、経済が傾き始めた今、ようやく私たちの出番が来たかと、正直ワクワクしています」。愛知県岡崎市の養護学校で教える星野百合子さん(27)は、本音を語ってくれました。大戦後の焼け跡に、先人が敷いたレールの上をひたすら進んでいくしかない、与えられたものの中から将来を選択するしかないと、あきらめていた。ところが、経済万能、大量生産、大量消費の価値観が大きく揺らげば、自らの居場所を創造できる。「目標は“国創り”。人ごとではなく“自分ごと”として、物事を考える人が集まれる場所をつくってみたい」と夢が膨らみます。今日から、この国は原発ゼロ。それだけで、何かが良くなるわけではありません。降り注いだ放射能は消えません。日々の暮らしは大量の電気を必要としています。根本的な解決は、次世代に託されます。しかし、福島の事故から1年余。私たち大人も、もういいかげん変わらなければなりません。考えて、決めて、行動できる自分を取り戻さねばなりません。

◆五月の空を取り戻し
こどもの日。大人には“風送り”の日。子どもたちが5月の空を健やかに泳ぎ回れるよう、新しい風を送り続けたい。特別なこどもの日には、特別な緑の風を吹かせましょう。あらためて約束します。私たちは、みなさんの命と未来を脅かす原発への依存を反省し、持続可能で豊かな明日へ、迷いなく歩いていくと。みなさんには浜通りのすべての海岸線に、いつかまた5月の空を取り戻し、こいのぼりを自由自在に泳がせてもらいたい。みなさんの知恵と力に、私たちも、とても期待しています。▲

日本は国策として原子力を推進し、福島第一原発事故までは国内電力の3割を原子力に頼ってきた。しかし、福島の事故で安全神話は崩壊。安全対策の不備や危機管理の稚拙さが次々と明らかになり、原発に対する国民の不安、さらには政治に対する不信が増幅した。再稼働をめぐる現在の混乱も、これが背景となっている。大飯原発の再稼働方針はわずか10日余りの協議で決定。こうしたプロセスからも「再稼働ありき」の姿勢は見え見えだった。先月末の世論調査では、大飯原発の再稼働に59%が「反対」で、電力消費地の近畿ブロックでさえ55%が反対と答えた。原発の安全性に対する根強い不信感を裏付けるものであり、政府は国民の声を尊重すべきだ。

東京新聞:再稼働狙う候補9基
Pk2012050502100030_size0_2巨大津波が怖い太平洋側ではなく、格納容器の容量が大きい加圧水型軽水炉(PWR)で、運転年数が比較的少ない原発-。政府や電力会社が、再稼働を狙う原発のキーワードだ。しかし、事故時に前線基地となる免震施設や、ベント(排気)を迫られても放射性物質の放出を最小限にするフィルターの設置など重大事故が起きることを想定した対策はどこも十分には進んでいない。政府が再稼働の候補にしそうなのは、関西電力大飯3、4号機(福井県)のほか、高浜3、4号機(同)、四国電力伊方3号機(愛媛県)、九州電力玄海3、4号機(佐賀県)、川内1、2号機(鹿児島県)の9基。免震施設は、伊方で昨年12月に運用を始めたが、ほかの原発は未設置。関電は「3、4年後に完成」、九州電力は「必要性は分かるが…」と完成時期さえ示さなかった。フィルターの検討状況も各社に聞いたが、判で押したように「検討中だが時期は未定」の回答ばかり。原子炉の熱は最終的には海に流す必要があり、その心臓部が海水ポンプ。これを守る防潮堤も重要だが、各社とも完成目標は1、2年後だ。こんな状況でも、電力各社は、再稼働を目指す考え。政府は時間のかかる対策は、期限付きで工程表に盛り込めば、再稼働を容認する方針だ。▲

今回の原発事故では、住宅だけでなく、駅や高速道路などの照明が消されるなど、あらゆる場所で節電が行われた。そうしたもののなかでは、いざ消してみたら、さほどの不便にはつながらなかったというものも多いはずだ。当たり前だが、不要な家電製品の電源を切る。待機電力を使わないため、コンセントからプラグを抜くとさらに効果的だ。待機電力は家庭の消費電力の約7%を占める。消費電力はエアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビの順に多い。この4つで平均的家庭では、消費電力の約7割を占める。使用時の節電は、エアコンなら設定温度を1度下げると10%の節電。さらに、フィルターのほこりを掃除すると節電は約15%に。冷蔵庫は周りにすき間を空け、背面や底のほこりを取り除くと、放熱の効率が高まり省エネになる。冷蔵の強さを「強」から「中」にしても温度は1~2度しか上昇しないのに、節電効果は11%。さらに、詰め込んだ食材を減らし、半分程度を空白にすれば全体で約18%の節電になる。逆に冷凍庫は、食品を詰め込むと、互いに冷やし合う効果が生まれて節電になる。明かりは短時間でも消灯する方が節電。夜間、家族が同じ部屋で過ごせば、不要な照明を消せる。テレビは明るさを落とし、パソコンは省エネモードにするとよい。一般家庭に出来ることはこの程度だが、企業には最大限の努力を行ってもらいたいものである。

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2012年5月 4日 (金)

在沖海兵隊と普天間

野田総理とオバマ米大統領は、米ワシントンのホワイトハウスで日米首脳会談後会見し、共同声明「未来に向けた共通ビジョン」を発表した。安全保障と日米の防衛協力による同盟強化を掲げたが、移設問題は棚上げされた。総理が「沖縄の負担軽減を図る」と言うなら、普天間の固定化を回避するため今後の方向性に踏み込むべきではなかったか。普天間移設は、まさに手詰まり状態といえるが、両首脳は解決への道筋を示す責任があることを忘れてはならない。

沖縄タイムス 社説:[日米首脳会談]どこへ行った負担軽減
空疎と言わざるを得ない内容だ。沖縄の負担軽減はどこへ行ったのか。野田佳彦首相とオバマ米大統領はワシントンで会談を行い、共同声明を発表した。公式の首脳会談は民主党政権では初めてだ。これまでの日米首脳会談では米軍普天間飛行場の辺野古移設の推進を確認するのが常だったが、今回、普天間問題を棚上げし沖縄の負担軽減にも具体的な言及はなかった。なぜか。日米両政府は先月25日、在日米軍再編見直しの共同文書を発表する予定だった。直前になって米上院のレビン軍事委員長(民主)ら重鎮からクレームが付き発表を延期した。共同文書は当初、辺野古移設を「唯一の有効な解決策」としていたが、玉虫色にして発表された。レビン氏らは昨年、辺野古移設について「非現実的、機能せず、費用負担もできない」と酷評し、国防総省に断念を求めている。米国では予算は議会が作成するため、オバマ大統領が議会の顔色をうかがったのは間違いない。共同文書をめぐるドタバタ劇と今回の共同声明は日米合意が事実上死文化していることを示している。共同文書は、普天間移設と切り離して返還する嘉手納基地より南の5基地を13区域に分け「すみやかに返還」「県内で機能移設後に返還」「海兵隊移転後に返還」など3段階に区分している。いずれも時期は明示していない。対象の基地も焼き直しで地元の意向を聞かないままの不透明な返還計画である。与世田兼稔副知事が、真部朗沖縄防衛局長に「細切れ返還で、土地開発への影響が懸念される」として一体的な返還を求めたのは当然だ。両首脳が発表した共同声明で顕著になったのは、自衛隊と米軍の一体化である。経済的、軍事的に台頭する中国を念頭に置いたものだ。南西諸島など島しょ防衛を強化する日本と、アジア太平洋地域を重視した米国が連携を深めることを明示した。在日米軍再編見直しの共同文書では、グアムのほか、米自治領・北マリアナ諸島に自衛隊と米軍が共同使用する訓練場を整備することなどが盛り込まれている。だが、これはグアム移転協定の趣旨から完全に逸脱するものだ。協定は、まがりなりにも、在沖米海兵隊をグアムに移転し、沖縄の負担軽減を図るという理由があったからである。グアム移転の海兵隊が半分に減少したにもかかわらず、日本側の負担は28億ドルと変わらない。米国内のインフレ率で実際の負担は31億ドル程度という。円建てでは日本側の負担は2009年の協定署名時と同じ約2500億円と政府は説明するが、本来なら減ってしかるべきだ。その移転費で北マリアナ諸島などに共同訓練場を整備するという。沖縄の負担軽減のための予算枠を使い、負担軽減とは何の関係もないことをやろうとしている。そもそも何を根拠にしているのか。国会では十分な議論もなく、官僚主導で事が進んでいる。政治の姿が見えない。▲

普天間飛行場の固定化、海兵隊の移転規模縮小、米軍施設・用地の返還先延ばし…。政府は、本気で沖縄の負担軽減を考えているのか。民主党政権がことあるごとに強調している「沖縄の負担軽減」、逆に沖縄県民の負担感が増すのではないか。日本政府は、中国の軍拡・北朝鮮の脅威などを理由に「抑止力」なる幻で、何が何でも沖縄に海兵隊基地を押し付けようと必死だ。そして、米政府は「思いやり予算」がついてくる新基地と多額の移転費を日本政府から、むしり取ろうとしている。

一体、沖縄に駐留している海兵隊員が何人いるのか? 在日米軍司令部によると現在、、約1万6000人に達し、2001年の米同時多発テロ以後、最高水準になっていることが判明した。一体、何人の海兵隊員がグアムに移り、何人の兵士がハワイやオーストラリア、フィリピンなどに配置させるつもりなのか?

琉球新報:在沖海兵隊1万5365人 昨年6月時点、実数と定数かい離
Img4fa1d7d51fca2_2在沖米軍が、在沖海兵隊の実数を1万5365人(2011年6月末時点)と県に2日までに回答した。日米両政府は在沖海兵隊の定数について06年5月の米軍再編最終報告と、先月27日の再編見直しの共同文書でそれぞれ1万8千人、1万9千人としているが、在日米軍再編協議が行われていた05年以降、実数は1万2、3千人台で推移し、最多でも1万5千人台前半にとどまる。海兵隊の実数と定数が大きく懸け離れていることが鮮明になった。両政府は定数1万人を沖縄に置き、それ以外を国外へ移転するとしているが、県民に負担軽減を印象付けるために、定数を多くし、移転する人数も水増ししている可能性もある。在沖海兵隊の実数は、県が在沖米軍に関する統計資料作成のため在沖米四軍調整官事務所に毎年照会している。それによると05~09年(各年9月時点)は約1万2400人~約1万4960人だった。在沖海兵隊は主に第31海兵遠征部隊(31MEU)が毎年、海外での共同訓練などで沖縄を離れる。米軍が回答した在沖海兵隊の実数が海外派遣数と重なっているかは不明。ただ、数年にわたり定数から大きく懸け離れた状態が続いており、両政府が沖縄の負担軽減として強調する定数8、9千人の移転が、実態よりも膨らませた数との疑いは強まる。「定数」をめぐっては06年の米軍再編ロードマップ(行程表)合意以降、根拠のあいまいさが問題となってきた。11年5月に内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米公電には、米軍再編で示された在沖海兵隊8千人と家族9千人のグアム移転について「日本での政治的価値を最大化するために意図的に極限まで増加された」との報告があった。今回の米軍再編見直し協議で米政府はそれまで1万8千人としてきた定数を2万1千人と説明。後に1万9千人と変えた。▲

沖縄タイムス:グアム移転 家族数1300人に減
【平安名純代・米国特約記者】米海軍省グアム統合計画室(JGPO)のディレクター、ジョセフ・ルディヴィッチ氏は2日、エディー・カルボ・グアム州知事と記者会見し、グアムに移転する海兵隊員5000人のうち、6割がローテーション配備されるとし、家族数も計画当初の9000人から1300人に減ることを明らかにした。こうした在沖米海兵隊のグアム移転規模の縮小に伴い、ルディヴィッチ氏は今秋までに新たな環境影響評価(アセスメント)の方法書作成(スコーピング)に着手することを表明。2014年第1四半期までに素案(DSEIS)を固め、15年内の最終案の完成を見込んでいる。同氏はまた、グアムに移転する海兵隊員の6割がローテーション配備され、家族数も当初計画から大幅に減るため、米海軍基地内に兵舎を建設する可能性など新たな選択肢を検討し、実弾射撃訓練の建設計画とあわせてアセスメントを実施すると述べた。既存基地外の建設規模が大幅に縮小されることから、補足環境影響評価(SEIS)として実施する可能性もあるという。また、第3海兵遠征旅団(MEB)の司令部(キャンプ・コートニー、司令部要員95人)をグアムへ移転することも明らかにした。カルボ知事は、歓迎の意向を示す一方で、インフラ整備費の負担費用の枠組みが示されていない点に懸念を示した。▲

米軍準機関紙の星条旗新聞(電子版)は4月28日付で、在日米軍再編の見直しによる在沖海兵隊のグアム移転規模縮小について、現在検討中の4700人でも受け入れに何年も必要とする記事を掲載した。移転後に不可欠な、銃や手投げ弾などの実弾訓練を行う射撃場の場所選定に今後少なくとも2年、建設にはさらに数年かかるという。沖縄の基地負担軽減では、米軍普天間飛行場の代替施設建設とのパッケージが切り離された嘉手納基地より南の施設・区域返還でも返還施設に代わる機能確保が必要とされ実際の返還には今後何年もかかる。嘉手納以南の土地返還には、(1)グアム移転(2)返還対象5基地の機能の移設という二つの大きなハードルがある。嘉手納以南の土地返還の前提であるグアム移転は現在、国防費の大幅削減を求める米議会が経費支出を禁止。移転規模や財政負担などをめぐり、日米間の協議も難航している。キャンプ瑞慶覧(ずけらん)にある第1海兵航空団司令部(約1500人)は移転先が見つからず、沖縄残留の可能性も出ており、基地返還の大きな障害になりそうだ。

沖縄タイムス:在沖海兵隊グアム移転「2~3年内」
【平安名純代・米国特約記者】米国防総省のロバート・シェア副次官補(計画担当)は2日、グアムに移転する在沖米海兵隊約5000人のうち、最大2500人をオーストラリアなどへ分散配備することを明らかにした。移転開始時期は「一部を今後2、3年のうちに」と述べ、迅速な移転方法を模索している姿勢を示した。米軍プレスサービスの取材に答えた。海兵隊の移転開始時期の見通しを米高官が公に明らかにするのは初めて。ただ、シェア副次官補は「移転の完了時期を明確にするのは困難が伴う」と強調。「できるだけ迅速に移転できる方法を検討している」と述べるにとどめ、移転規模にも触れなかった。日米両政府が4月27日に発表した共同文書で再確認した米軍嘉手納基地より南の基地返還は、大半が海兵隊移転や代替施設建設に伴って実施されることになっている。海兵隊の移転開始時期やその計画は基地返還スケジュールに大きく影響することになる。再編見直し協議で、在沖海兵隊は約9千人をグアムなど国外へ移転することで合意。沖縄には、第3海兵遠征軍や第1海兵航空団など司令部を主とし、実戦部隊は第31海兵遠征部隊など約1万人が残留。約9千人のうち、約4千人はグアムへ、残り約5000人は即応性の高い海兵空陸任務部隊(MAGTF)としてグアムとオーストラリア、ハワイに分散する。在日米軍再編の見直しについて、シェア副次官補は「政治的により持続可能な配備を可能にする」と述べ、地域の必要性に即した米軍の配備の柔軟性を示す手本との見解を示した。▲

沖縄タイムス:普天間8年継続使用か グアムのアセスやり直し
【平安名純代・米国特約記者】在沖米海兵隊のグアム移転計画の規模縮小などを受け、グアムの環境影響評価(アセスメント)を新たにやり直すことが30日、分かった。調査着手から関連施設の建設終了まで、最短でも8年はかかる見通し。その間、米軍普天間飛行場の継続使用が長引く可能性もあり、反発が広がりそうだ。複数の米政府筋が沖縄タイムスの取材に明らかにした。米国防総省高官によると、移転規模の縮小を反映させたグアム移転基本計画書(マスタープラン)を新たに作成。アジア太平洋地域の海兵隊配置構想などを米議会に提出し、承認後に環境影響調査の手続きを始める見通し。計画には、先の日米合意見直しで発表されたグアムおよび北マリアナ諸島で日米が共同使用する訓練場の建設なども盛り込まれるという。同高官は「議会の承認に1年、調査開始から最終評価書まで最短で3年、着工後、工事終了まで最短4年、計8年は必要」と説明。計画完了まで普天間飛行場が継続使用されるとの見解を示した。国防総省は現時点でグアム移転計画に関するマスタープランを提出しておらず、グアムで訴訟問題化した実弾射撃訓練場の建設地などもこれから選定する。そのため、現実的な計画の完了時期は不透明だ。在日米軍再編見直しでは、嘉手納より南の施設・区域の返還、海兵隊移転の枠組みを明記しているが、グアム移転に8年かかった場合、施設の返還時期は早くて2020年ごろになる。一方で、米側は、韓国やオーストラリアなど同盟諸国との関係を強化するため、普天間飛行場移設と施設返還のパッケージを外し、アジア太平洋地域における海兵隊の分散移転を優先させている。同地域の新たな米軍配置について、米政府高官は「基地を固定化した従来の形態より、兵力を削減し、地理的分散させることで、弾力性、抗たん性と政治的持続力が高まる」と指摘。グアムにおける米軍の再編は「長期的視野に基づいた計画」との見方を示した。▲

毎日新聞 社説:日米同盟 元のもくあみにするな
沖縄タイムス 社説:[憲法記念日に]沖縄で主権在民を問う
琉球新報 社説:憲法記念日 活憲で命輝く社会を/沖縄は不沈空母ではない
毎日新聞:辺野古沖 「宝の海」支える緑の草原 ジュゴンも育む

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原発ゼロへのカウントダウン 原発に頼らない安全な暮らしへ

全国50基の商業用原発で唯一稼働する北海道電力の泊原発3号機が定期検査のため5月5日午後11時ごろに停止する。政府は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に同意するよう福井県など地元自治体に要請したが、めどは立っておらず、国内で稼働する原発は6日以降、ゼロになる。原発が止まると、産業は立ち行かなくなるのか。暑さに耐えられず倒れる人が増えるのか。省エネに対する意識が深まり、再生可能エネルギーの普及に向けた動きが強まるのか。「脱依存」を見極める機会としなければならない。東京新聞の社説にも書かれているように、原発ゼロはゴールではなく、原発に頼らない社会の構築へ舵を切るスタート地点なのである。それでも明日は、われわれの社会と暮らしにとって、大きな転換点には違いない。ゼロ地点に立ち止まって考えたい。

日本政府は、福島原発事故における原因の検証さえ終わらぬなか、実効性のない暫定基準を作り、現在停止中の原発の再稼働を決めた。福島原発は1年たっても打つ手のないメルトダウンが進行中であり、事故原因の検証すらできていない。垂れ流された放射能汚染は、福島県だけでなく海洋にも拡大中で、多くの人々から故郷と生活を奪いながら、その賠償責任のあり方や有効な除染方法すらも見出せず地域を崩壊に導いている。民主党政権は、国民の安全確保を二の次にし、電力不足を理由に詐欺まがいの数字をマスコミに垂れ流して、世論を先導している。原発再稼動への無理な誘導の背景に、原子力ムラの存在があるのは言うまでもない。電力業界はもとより日本経団連の米倉会長をはじめとする財界や、読売新聞など一部メディアは国に原発の再稼動を強く迫ってきた。経団連の米倉会長ら財界首脳は「安定した電力供給がなければ、生産拠点の海外移転が加速する」などと、政府に圧力をかけ続けている。そんな経済界の動きを、経産省は歓迎している。監督官庁として稼働する原発をゼロにしたくない。5月5日、北海道電力泊原発3号機が停止するまでに大飯原発が再稼働しなければ全国で50基ある原発は1基も動かなくなり「原発なしでも大丈夫」という機運が高まる。その事態を避けたいという利害では財界と一致する。経産省だけでなく財務省も後押ししている面がある。総合特別事業計画で、政府は今夏に1兆円規模の公的資金を投入する方針だが、再稼働しなければ、東電は安定経営ができず、さらに税金投入が必要になると想定しているからだ。財務省の勝栄二郎事務次官も野田総理に直接、再稼働を働きかけている。オール財界、オール霞が関が、もともと再稼働をめざす政権を後ろから押している。3・11後に原発の安全性の議論、政策を主導してきたのは、安全神話の中に身を置いた原子力ムラの人たちである。“再稼働ありき”。経済産業省のシナリオ通りに、ことは進んできたのだろうか。本来、科学的な判断を要する原発の安全が役人の手中にあった。だとすれば、国民の安全がとても危うい。そもそも福島第一原発事故の原因をつくった経産省や原子力安全・保安院に安全を評価する資格はない。安全不在のまま役所のシナリオ通りに原発の再稼働に動いていいのだろうか。結論ありきの筋書き自体が当然ながら、あってはならないものである。

東京新聞 社説:泊停止・原発ゼロへ 私たちの変わる日
あす、原子力発電の火が消える。私たちは、それを日本の大きな転換点と考えたい。新しく、そして、優しいエネルギー社会へ向かう出発点として。私たちは間もなく、原発のない社会に暮らすことになる。全国50基の原発がすべて停止する。国内初の日本原電東海原発(茨城県東海村)と敦賀原発1号機(福井県敦賀市)が止まって以来、42年ぶり。ただし、稼働中の原発がその2基だけだったころのことだから、比較にはならない。

◆不安定な基幹電源
東海原発は1966年に、営業運転を開始した。その後70年代に2度のオイルショックを経験し、北海道から九州まで、沖縄を除く日本全土に「国策」として、原発が建設された。50基が現存し、この国の電力の約3割を賄う基幹電源に位置付けられる。しかし、安全意識の高まりの中で、新規立地や増設が難しくなってきた。ここ10年で新たに運転を開始したのは、中部電力浜岡原発5号機など4基にとどまる。電源開発(Jパワー)が建設中の大間原発(青森県大間町)などは福島第一原発事故の影響もあり、操業開始のめどは立っていない。震災前にも、定期検査以外に不祥事やトラブルが相次いで、平均稼働率は6割台と低かった。震災後の昨年度は2割強にとどまった。原発は少し大きな地震に遭えば長い停止を余儀なくされる。基幹電源とはいわれていても、もともと不安定な存在なのである。「原発ゼロ」とはいうものの、原子炉は消えてなくならない。すぐに大きく社会が変わり、安心安全が訪れるわけでもない。震災時、福島第一原発4号機は定期検査で停止中だった。ところが津波で電源を失って、使用済み燃料を保管するため併設された貯蔵プールが冷やせなくなり、危険な状態に陥った。

◆神話と呪縛を克服し
止まった後の課題も今後、ますます深刻になるだろう。中でもすぐに直面するのが二つの原発依存である。電力の約半分を原発に依存する関西の電力不足と、経済の大半を原発に頼り切る立地地の財政と雇用の問題だ。このほかにも、欧米や中国からも後れを取った風力や太陽光など自然エネルギーの普及促進や行き場のない高レベル放射性廃棄物の処分など、難しい課題が山積だ。原発ゼロはゴールではなく、原発に頼らない社会の構築へ舵(かじ)を切るスタート地点なのである。それでも明日は、われわれの社会と暮らしにとって、大きな転換点には違いない。ゼロ地点に立ち止まって考えたい。震災は、原発の安全神話を粉々にした。安全神話の背後にあるのが経済成長の呪縛である。原発、あるいは原発が大量に生み出す電力が、経済成長を支えてきたのはもちろん疑いない。経済成長を続けるため、電力需要の伸びに合わせて、高出力の原発を増設し続けた。そうするには、原発は絶対に安全でなければならなかったのだ。その結果、原発は安全神話に包まれた。消費者も、そのことにうすうす気づいていたのだろう。日本は世界唯一の被爆国である。私たちの記憶には世界中の誰よりも核の恐怖が染み付いている。経済成長がもたらす物質的な豊かさは、恐怖さえ、まひさせたのかもしれない。被爆国としての倫理に勝るほど、成長の魅力は強かったのか。経済成長の神話にも今は陰りが見える。目の前の転換点は、消え残る神話と呪縛を克服し、被爆国の倫理を取り戻す契機になるはずだ。経済の効率よりも、私たちは人間の命と安全を第一に考える。野放図な消費を反省し、有限なエネルギー資源をうまくいかすことができるのなら、新しい豊かな社会を築いていけるはずである。優しい社会をつくるため、私たち消費者もエネルギー需給の実態をよく知る必要があるだろう。暮らしを支える電力がどこでつくられ、電気のごみがどこへ葬られるかも知らないで、原発推進、反対の対立を続けていてもしかたがない。電力事業者の誠実な情報開示が必要だし、私たちの暮らしのありようももっと考えたい。

◆ゼロ地点から始めよう
浜岡原発の全面停止を受けて名古屋では、原発推進、反対双方の市民有志がこの3月、地域にふさわしい電力供給と消費のあり方を事業者とともに考えようと、「中部エネルギー市民会議」を発足させた。「エネルギー自治」を目指す新たな試みだ。同様の活動は各地で始まっている。ゼロは無ではなく、そこから生まれるものは無限大という。明日訪れるゼロ地点から、持続可能で豊かな社会を生み出そう。私たちの変わる日が来る。▲

福島民報 論説:【原発再稼働】政府は提案聞く耳持て
北海道新聞 社説:全原発の停止 安全な未来への出発点に

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2012年4月30日 (月)

国民生活より日米合意を優先させる日本政府

沖縄の米軍基地は、憲法が適用されない米軍政下のもとに、米軍が思うままに建設したものである。1950年代には、講和条約によって独立を回復した本土から、米海兵隊が沖縄に移駐した。復帰の際には、那覇空港に配備されていた米軍の対潜哨戒機の本土配備計画が時の政権の反対でつぶれ、嘉手納基地に移駐された。そして今度は、「本土には受け入れるところがない」との理由で普天間飛行場の辺野古移設を強行する。米国は自分たちの利益のために海兵隊の沖縄駐留を求めているだけだ。海兵隊のために、辺野古と大浦湾のジュゴンとサンゴの海をつぶして滑走路を造り、沖縄北部の東村、高江のヤンバルとよばれる亜熱帯森林を潰し、ヘリパット着陸帯を造るという。巨大資金を日本に負担させ、なおも県内移設で新基地を奪い取ろうとする米国の強欲ぶりに日本政府は何も言えない。政府がいかにアメを振る舞いムチを振るったところで、再び渋々ながら移設を受け入れるということはありえず、断固拒否を貫くだろう。

これは、沖縄に住む人たちだけの問題ではなく、この国の問題として国民全体で深く考えていかなければ沖縄に深く根付いている問題を解決するのは難しい。個性豊かな伝統文化「歴史」、美しい海やサンゴ礁を有する島の「魅力」、やすらぎや健康・長寿をもたらす沖縄の「自然」、沖縄の自立と発展のためにも、今ここで戦わなければ米軍の占領下「沖縄」のまま何も変わらない。いつまでも、個別沖縄の問題に押し込められている限り、それは一地方の問題として放置されてしまうでしょう。他人の痛みを自分でも感じられる想像力。それなくして沖縄の米軍基地問題の本当の解決は来ないと思います。沖縄の美しい海はアメリカ軍のものではありません。日本人が世界に誇れる数少ない美しい海なのです。

民主党にとっての「負担軽減」とは一体何なのだろうか?負担を減らす方法として自民党政権は金をばら撒くことで「沖縄の負担軽減」を行ってきた。民主党政権は、沖縄県民の負担を少なくする方法として、沖縄振興予算で金をばら撒き、海兵隊のグアム移転や米軍施設返還などによる危険性除去に「最優先」に取り組むとしたものの、そのために新たに施設や基地を造っては、日米で密約を繰り返してきた自民党と同じである。なぜ沖縄でなくてはならないのか。現状を打開するには、現実から目を背けてはならない。そんな当たり前のことが、普天間問題ではなぜできないのだろう。住宅地が迫り、世界で最も危険と米軍首脳も認めた普天間返還のためとはいえ、在日米軍基地の約75%が集中する沖縄県に新たな基地を造ることは、さらに重い基地負担を強いる。移設先とされた辺野古地区のある名護市をはじめ、公有水面埋め立ての許可権を握る仲井真知事まで反対する中、どうやって県内移設を実現するというのか。外務、防衛官僚べったりの政治家は、できもしない辺野古新基地建設にこだわっている。その本音は一体なんなのか知りたいところだ。全国の米軍専用施設面積の4分の3を押し付けられている沖縄から見れば「普天間」の返還はささやかな望みだ。今や大多数の沖縄県民が県外・国外への移設や無条件の返還を求めている。県内移設が事実上不可能なのは、仲井真知事が繰り返し指摘している通りだ。なぜ沖縄か。海兵隊が沖縄でなければならない特段の理由はないというのは、もはや常識である。米軍基地を沖縄に閉じ込めておけばいいという考えはおかしい。

日米両政府が発表した在日米軍再編見直しの共同文書は、普天間の移設先について辺野古以外も検討するとの内容になった。当初の文書案は、辺野古への移設を「唯一の有効な解決策」としていた。ところが、辺野古移設の実現性を疑問視する米上院軍事委員会のレビン委員長らの批判を受け、見直しに含みを残す文言が加えられたのだ。レビン委員長は、共同文書に普天間の移設先が辺野古と明記されている点について、「あらゆる選択肢の見直しを放棄した姿勢は到底認められない」と述べ、議会で審議を強化する方針を示し、「辺野古の代替施設建設計画は実現不可能だと何度も指摘してきた。しかし、文書はわれわれが懸念している莫大な費用の解決法や地元の反対に触れていない。他の選択肢を検討もせず、実現不可能な辺野古を支持しているのは理解に苦しむ」と言明。その上で、「われわれ議会には行政を監視する責任がある。米国防総省にはまず、法で定められた要求事項を果たしてもらう」とこれから本格化する議会審議で責任を問う考えを示した。レビン氏の指摘は当然である。辺野古案には仲井真知事が「実現は事実上不可能」と述べるなど反発が強い。唯一の有効な解決策とはとても言えまい。

だが、日本政府が新たな県内移設を模索する考えはゼロに等しい。かといって、辺野古移設には沖縄県民および全国の良識ある市民が強く反発し、日本政府は進展をまったく見通せない。「普天間の固定化」だけがますます現実味を帯びている。懸念されるのは、普天間の補修事業が共同文書にうたわれたことだ。米国は8年間で総額200億円の大規模改修を計画しているという。長期にわたって普天間を使おうとの意図が読み取れる。しかし、世界一危険とされる普天間の固定化は許されない。日米両政府は県外、国外への移設をいま一度検討すべきである。それが、より現実的な方策ではないか。日本政府は、米議員からも「非現実的」と指摘される辺野古移設方針を撤回し、沖縄の民意を踏まえた新たな移設案検討を急ぐべきだ。同時に、普天間の固定化を回避する交渉を米側と進める必要がある。

野田総理は29日から5月2日までの日程で米国を公式訪問し、オバマ大統領と会談する。総理は、羽田空港で記者団に「大統領とは日米同盟の将来に向けてのビジョンをきたんなく意見交換し、その結果を分かりやすく示せるような実りある会談にしたい」と述べた。また、先に日米で合意した在日米軍再編計画の見直しに関し「沖縄の負担軽減を具体的に進めるとの内容を、着実に実施していく観点で議論していく」と語った。日本にとって対米関係は外交の柱の一つで、民主党の衆院選マニフェストも「対等で緊密な日米関係の構築」を掲げる。米国の国益に追随するだけに終わらないよう、真剣に議論してもらいたい。

沖縄タイムス:「沖縄返せ」響く抗議の歌声

沖縄や奄美群島が日本と切り離された52年のサンフランシスコ条約発効から60周年の4月28日、奄美群島が1953年に本土復帰した後に、国境となった北緯27度線で、沖縄の本土復帰を求める海上集会が、復帰40年の節目に国頭村と鹿児島県与論町が企画し、43年ぶりに開催された。海上で、国頭村宜名真漁港を出た宮城久和村長と与論町茶花漁港から来た麓才良復帰40周年記念事業推進委員長が固く握手し、友好平和宣言を読み上げ、交流と歴史の継承を約束し、恒久平和の実現を誓い合った。互いに読み上げた友好平和宣言で「(28日は)日本は独立を取り戻した『記念の日』である一方、北緯29度以南の沖縄県と奄美群島にとっては、日本から切り離された『屈辱の日』」と歴史を振り返り、「悲惨な歴史を繰り返すことのないよう恒久平和を願い、子どもたちの素晴らしい未来を祈願し、友好平和宣言を発信する」と誓った。宮城村長は平和宣言で「4・28は祖国復帰を叫んだ日。27年もの長い歳月を県民は占領に耐え忍んだ。あれから40年の月日が経過したが、未だに全国の米軍施設の74%が沖縄に存在し、事件事故が後を絶たないのが現状」、「国頭村と与論町は戦後67年の歴史をきちんと理解し、後世に伝えていく責務がある」と友好平和を宣言した。集会後も参加者たちは「沖縄を返せ」を何度も合唱しながら、再び、船同士で擦れ違いざまに交流を深めていた。

沖縄タイムス 社説:[日米共同文書]負担軽減の本気度疑う
在日米軍再編見直しをめぐる日米共同文書発表を受け、県内は疑念と無力感に包まれている。普天間問題は、辺野古移設を「これまでに特定された唯一の有効な解決策」と表記。嘉手納統合を提唱する米上院軍事委員会のレビン委員長らへの配慮から「これまでに特定された」との下りが土壇場で追記された。とはいえ、辺野古以外の具体策の検討は進んでいない。軸足が定まらないまま、その場しのぎの「外交的な作文」が仕上がったにすぎない。共同文書は「政治的に実現可能」な基準を満たす方法で普天間移設に取り組むとしている。これは沖縄の政治や世論状況を指す。にもかかわらず、県外移設を求める沖縄の意向が全く反映されていない合意は明らかな矛盾である。誰のための「見直し」なのか。アジア太平洋地域の米海兵隊のローテーション配備を急ぐ「米側の都合」に起因しているのは明白だ。今月末の日米首脳会談で、同盟の深化を演出したい両政府の思惑を優先したのが実情だろう。共同文書には、普天間飛行場の補修に日米で取り組むことも盛り込まれた。住民の生命・財産を危険にさらし続ける基地を維持するために血税を注ぐ。この不条理と向き合うのは県民には耐え難い。普天間問題に関わる日米合意は1996年の返還発表以降、何度も塗り替えられてきた。過去の教訓から学ぶべきは、実行不能な策に固執する愚かさだろう。日米は普天間の危険性への切実感に乏しい、と断じざるを得ない。玄葉光一郎外相は日米の見直し協議に先立つ2月、「地元の要望に応え、負担軽減を先行する」と強調した。共同文書の内容から「負担軽減の先行」を実感する県民がどれだけいるだろうか。返還対象の大半は「県内に機能移転後」または「海兵隊移転後」の条件が付く。「速やかに返還」とされた施設は全体のごく一部である。跡利用に神経をとがらせる県内自治体は「細切れで返還されても据え置きになるだけで空理空論だ」との冷めた見方が主だ。官僚の「机上の合意」がいかに実利と乖離(かいり)しているかはりょう然としている。だいいち、ほとんどが過去に返還合意されたものの焼き直しで新味を欠く。県内移設条件付きのため進展してこなかった状況が改善されるわけでもない。返還時期も明記されず、負担軽減の本気度を疑う内容だ。これを「成果」と誇るのは筋違いも甚だしい。嘉手納基地より南の米軍施設の「先行返還」で得点を稼ぎ、普天間飛行場の辺野古移設に向け、県の軟化を促す。これが官僚の描く筋書きだった。米交渉の読みの甘さ、県民世論とのピントのずれは救い難い。逆の見方をすれば、政府は辺野古移設を進めるまともな手だてを持ち合わせていないことの証しでもある。共同文書は「2国間の動的防衛協力の促進」に向け、日米の共同訓練場をグアム以外に米自治領の北マリアナ諸島に整備する方針も掲げた。米軍と一体化する自衛隊の沖縄進出の動向に注視が必要だ。▲

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2012年4月29日 (日)

沖縄の負担軽減:これまでに特定された唯一の有効な解決策?

原発問題と同様に今、沖縄も局面を迎えている。ここで政府と戦わなければ、原発も再稼働されるし、環境は破壊され、沖縄には新しい基地が造られる。日本政府は、中国の軍拡などを理由に「抑止力」なる幻で、何が何でも沖縄に海兵隊基地を押し付けようと必死だ。そして、米政府は「思いやり予算」がついてくる新基地と多額の移転費を日本政府から、むしり取ろうとしている。

東京新聞:強まる普天間固定化 米軍再編共同文書
Pk2012042802100027_size0日米両政府は27日に発表した在日米軍再編見直しの共同文書で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設を「唯一有効な解決策」と再確認した。だが、日米首脳会談に間に合わせるため駆け足でこぎ着けた合意は米上院有力議員の横やりで、辺野古移設案の「虚構」が浮き彫りになった。共同文書は、普天間飛行場の辺野古移設を「唯一有効な解決策」としつつも、その文言の前に「これまでに特定された」と付記し、これから先は新たな移設先の検討があり得ると読み取れる表現に修正された。さらに移設を実現するには、沖縄の同意を念頭に「政治的に実現可能である基準」を満たす必要があると指摘。辺野古移設を「非現実的」と批判し、嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合案の検討を迫る米議員に配慮した。だが、嘉手納統合案は、日米両政府がこれまで何度も検討し、断念してきた。両政府内には嘉手納統合案を含め、新たな県内移設を模索する考えはゼロに等しい。かといって、辺野古移設には沖縄が強く反発し、日本政府は進展をまったく見通せない。「普天間の固定化」だけがますます現実味を帯びている。一方、米政府は今回決まった在沖縄米海兵隊移転と普天間移設の切り離しを評価。国防総省高官は、普天間移設は「日本次第だ」と日本の国内問題と位置付け、海兵隊の新配置に集中できることを喜んでいる。ただ、中国に対処するため重要な米軍全体のアジア太平洋地域での配置はまだ明確になっていない。共同文書は末尾で「再編のパッケージを立法府と協議する」と明記した。結局、米議会の理解を得られなければ、沖縄の負担軽減につながる海兵隊9千人の国外移転や沖縄本島中南部の米軍五施設・区域の返還も絵に描いた餅になりかねない。  (冨江直樹、ワシントン・竹内洋一)▲

日米両政府が27日に在日米軍再編見直しの共同文書を同時発表した。共同文書では、沖縄本島の米軍の5施設・区域を13カ所に分割、3段階に分けて返還することにしている。在沖縄海兵隊の約1万9千人のうち9千人を国外に移す。有事に即応性が高い部隊はグアムとオーストラリアなどに分散させる。中国の短・中距離弾道ミサイルの射程外に置くことでリスクを減らすのが狙いとみられる。米海兵隊は、国外の基地を転々と移動するローテーション配備する方針だ。沖縄への駐留兵員数など、日本政府は米軍の動向について米側に説明を求めて透明性を高める努力をしてもらいたい。移転に伴う経費負担では、ともに財政難に直面する日米両政府でせめぎ合いが続いた。米側は日本の財政支出を2009年に決めた約28億ドルから41億ドルに増額するよう求めた。日本の反対で支出は28億ドルを維持し、物価上昇を加味した実質負担を約31億ドル(約2500億円)とすることで合意した。また、普天間には安全性が疑われる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備の方針もある。到底認められるものではない。

東京新聞:オスプレイ 7月普天間配備検討 米、日本側に伝達か
沖縄タイムス 社説:[オスプレイ7月配備]日本は米国の「属国」か
琉球新報 社説:オスプレイ前倒し 命脅かす暴挙止めよ

沖縄タイムス  レビン氏、辺野古明記激しく非難
【平安名純代・米国特約記者】米上院軍事委員会のレビン委員長(民主)は25日、発表が見送られた在日米軍再編見直しをめぐる共同文書に米軍普天間飛行場の移設先が名護市辺野古と明記されている点について、「あらゆる選択肢の見直しを放棄した姿勢は到底認められない」と述べ、議会で審議を強化する方針を示した。沖縄タイムスの取材に対して答えた。レビン氏は「辺野古の代替施設建設計画は実現不可能だと何度も指摘してきた。しかし、文書はわれわれが懸念している莫大な費用の解決法や地元の反対に触れていない。他の選択肢を検討もせず、実現不可能な辺野古を支持しているのは理解に苦しむ」と言明。その上で、「われわれ議会には行政を監視する責任がある。米国防総省にはまず、法で定められた要求事項を果たしてもらう」とこれから本格化する議会審議で責任を問う考えを示した。レビン氏は24日、マケイン筆頭理事(共和)とウェッブ委員(民主)と連名でパネッタ国防長官に書簡を送付。その中で、共同文書の発表は時期尚早とした上で、「強調しておくが、行政の監視と予算の配分を行う議会のサポートなしに、いかなる米軍再配置計画も最終決定とはなり得ない」と厳しく警告していた。昨年5月にパネッタ長官へ送付した書簡では、嘉手納基地に所属する部隊のグアム移転を前提とする米軍普天間飛行場の嘉手納統合案を提言していた。▲

共同文書は当初、辺野古に移す現行計画を「唯一の有効な解決策」と明記していた。しかし、米上院のレビン軍事委員長ら軍事専門の有力議員が非現実的と批判したため「これまでに特定された唯一の有効な解決策」と修正した。上院軍事委員会は辺野古移設が現実的でないとして、移設とセットだった米海兵隊のグアム移転関連予算を凍結した経緯がある。それでも米政府は現行通りの辺野古移設を強調する。一方、田中防衛大臣と玄葉外務大臣は「抑止力の維持強化、沖縄の負担軽減が具体的に協議に盛り込まれた」などと評価した。両大臣とも、普天間飛行場の移設先は「辺野古が唯一の有効な解決策」であることを日米で再認識したと強調した。田中は、総理大臣官邸で、記者団に対し、「野田総理大臣に日米協議の結果を報告し、『よい内容がまとまった』という話をいただいた。抑止力の維持・強化と、目に見える沖縄の基地負担の軽減が具体的に盛り込めたことは、よい成果だと思っている」と述べ、民主党内や米議員が提唱する嘉手納統合案の可能性について、辺野古以外は「一切念頭にないし、実現は難しい」と否定。普天間の固定化を避けることと合わせ、日米両政府の共通認識であると説明した。また、玄葉も記者団に対し、「満足できる内容だ。刻々と安全保障環境が変わっていくなかで適切に対応できる内容になった。沖縄の負担軽減を先行させるという意味で、土地の返還も含めて前向きで具体的なものになり、一定の成果が出たと考えている」と述べ、嘉手納統合案については「検討を一切否定することではない」と述べている。だが、共同文書には普天間飛行場の補修費を在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の枠内で日本側も負担することが盛り込まれた。負担の期限は設けられてない。普天間が継続使用され固定化する懸念がぬぐえない。移転先が決まらないまま、「世界一危険」な普天間飛行場が固定化することは絶対に避けなければならない。米側以上に、辺野古案に固執する政府は、普天間飛行場の危険除去が交渉の出発点だったことを再確認すべきだ。訪米し、日米首脳会談に臨む野田総理の発言を注視したい。

毎日新聞:日米共同文書 普天間移設、複雑な構図 米議会も当事者に
日米両政府が27日に発表した在日米軍再編見直しの共同文書は、軍事的な海洋進出活動を活発化させている中国などへの抑止力強化が主な目的だ。しかし、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について、米議会有力議員の反対を受けて文言を急きょ修正し、辺野古以外の移設先を検討する余地を残した。移設問題の行方はますます混とんとし、米軍再編は「日本政府・米国政府・沖縄」に米議会も加わった複雑な構図となってきた。  「すべてが膠着(こうちゃく)状態だった。今回の合意で大きな困難を乗り越えることができた」。玄葉光一郎外相は27日の記者会見で共同文書の意義を強調した。06年のロードマップは、普天間移設と在沖縄米海兵隊のグアム移転、さらに沖縄本島中南部の米軍5施設・区域の返還を「パッケージ」としたが、沖縄側の強い反対で普天間移設が膠着。今回はこれらを切り離し、部分的にでも進めるのが主眼だ。ただ、それぞれの進展には高いハードルがある。  「我々は米軍のアジア太平洋における部隊配備に関する独立評価の報告を待ち続けている」。米上院軍事委員会のレビン委員長らが共同文書発表後に出した声明には、たまっていた米政府への不満が色濃く表れた。独立評価は、外部専門家にアジア太平洋の兵力構成を調査させ、国防総省の政策判断が的確かを議会として判断するためのものだ。ところが国防総省が調査の委託すらしていないことが発覚。4月25日の共同文書発表に反対する書簡をパネッタ国防長官に出したのは「議会への説明不足」への強い警告と言える。米国では13会計年度(今年10月〜13年9月)の予算案を5〜6月に委員会で固める。上院軍事委での国防予算に関する採決は5月下旬に予定されるが、米政府側がアジア太平洋の海兵隊を含めた兵力構成について、具体的な説明ができるのは初夏以降と想定される。このため、上院軍事委はいったんグアム移転費を全額削除し、その後の米政府の対応を見極めて最終判断する可能性が高い。一方、日本側は今回の協議で、米軍5施設・区域の返還に向けた道筋の具体化を米側に強く要求。これらを13地区に分け3段階で返還することで合意し、年末までに詳細な計画を作成する方針だ。日本政府は、返還を進めて沖縄の負担軽減をアピールしたい考えだが、13地区のうち7地区は沖縄県内で代替施設が建設されることが返還の条件だ。玄葉氏は記者会見で「問題は米側ではなく日本側がどれだけ努力できるかだ」と述べ、地元との調整が課題だと指摘。沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事は「パッケージを外しただけではダメで(返還)時期がはっきりしていない」と述べ、結果を見極める考えを示した。レビン氏らの反対を受け土壇場で辺野古以外の移設に余地を残す文言が挿入された普天間移設問題はさらに複雑だ。田中直紀防衛相は27日の記者会見で「他の案は可能性ゼロだ」と強調したが、与党内にも嘉手納統合案への支持は根強い。政務三役の一人からも「『辺野古はできない』というレビン氏らの話は本質的なことだ」との声が漏れ、移設方針の揺らぎは隠しようがない。【ワシントン古本陽荘、西田進一郎、井本義親】▲

◇◆◇辺野古浜通信:「屈辱の日」4月28日◇◆◇
「屈辱の日」を知る日本人は幾人いるでしょうか…?

1952年のサンフランシスコ講和条約が発効して60年目の今日4月28日。戦後7年間、連合国の占領下にあった日本は発効をもって主権を回復したことになっていますが、沖縄を含む南西諸島は日本から切り離され、そのまま米軍の施政権下に置かれました。

したがって県民は、4月28日を「屈辱の日」とも呼びます。

昨日、また新たな「日米合意」が行われました。
またも日本が米国に沖縄を売り渡す内容の、沖縄が合意していない「日米合意」です。

屈辱に日に、あらたな屈辱を重ねる日米政府の非道さを噛み締めながら、梅雨に入った沖縄で、今日も座り込みは続きます。

琉球新報 社説:対日講和発効60年/人権蹂躙を繰り返すな 許されぬ米軍長期駐留
60年前と一体、何が変わったのか。日米両政府が27日に発表した在日米軍再編見直しの共同文書にこんな印象を抱く県民が多いのではないだろうか。米軍普天間飛行場の移設先について名護市辺野古が「これまでに特定された唯一の有効な解決策である」と結論づけた。知事をはじめ県内世論の大多数が県内移設に反対しているにもかかわらず、県土の利用方法を日米が県民の頭越しに勝手に決めたのだ。
連綿と続く「屈辱」
60年前のきょう4月28日は対日講和条約(サンフランシスコ平和条約)が発効された日。敗戦国の日本が完全に主権を回復し、連合国の占領状態から独立を果たした。一方でこの日を境に沖縄、奄美を含む南西諸島が日本から切り離され、米軍統治という異民族支配が始まる。その後に連綿と繰り返された住民弾圧、人権蹂躙(じゅうりん)の源流となるこの日を、沖縄では「屈辱の日」として語り継いできた。沖縄を日本から切り離した米軍はまず、住民が暮らしていた土地を強制的に接収し、基地拡大を始めた。1953年4月、真和志村の安謝、天久、銘苅に土地収用令を発令し、その後も伊江島、読谷、小禄、宜野湾の各村に武装兵を動員し「銃剣とブルドーザー」で住民を追い出し、家屋を次々となぎ倒した。こうして日本の国土面積の0・6%しかない沖縄県は現在、在日米軍の74%を抱えて差別的な過重負担を強いられている。「沖縄における米軍のプレゼンス(駐留)の長期的な持続可能性を強化する」。共同文書は記す。戦後67年も基地被害に苦しんできた沖縄に、長期にわたって基地を置き続けるという日米の狙いがはっきりした。条約発効から60年後の「屈辱の日」前日に、新たな「屈辱」が重ねられる。沖縄をいつまで日米安保の踏み台にするのか。昨年11月に「普天間」移設作業で環境影響評価書の提出時期を記者から問われた当時の沖縄防衛局長は「犯す前に、これから犯すと言いますか」と言い放った。県民を陵辱の対象にしか見ず、沖縄の民意を踏みにじってでも新基地建設を押し進めようという政府側の姿は「銃剣とブルドーザー」と何が違うのだろう。共同文書には「普天間」移設先で名護市辺野古以外の選択肢の余地に含みを残す文言が入った。辺野古について「唯一の有効な解決策である」とする記述の前に加わった「これまでに特定された」という部分だ。現時点では辺野古は「有効な解決策」だが、将来までは保証しないという含意がある。

理不尽な県民無視
この記述は、嘉手納統合案を主張し、共同文書の発表日程を「詰めが不十分」だと批判して延期させた米上院のレビン軍事委員長らに配慮して盛り込まれたようだ。国防予算を左右する大物議員の声には耳を傾ける日米両政府が、当事者である県民の意向を無視するのはあまりにも理不尽だ。将来、辺野古を断念したとしても、レビン氏らの意向が反映されれば嘉手納統合案という県内移設を押し付けられかねない。今年7月に普天間飛行場に配備予定というMV22オスプレイも今年初めの時点では、県内配備の前に本州の米軍基地で先行駐機する案が浮上していた。しかし今月になって受け入れ態勢などに問題があるとの理由で断念し、沖縄が国内初の配備地となりそうだ。言語道断だ。57年前、土地を奪われた伊江島の住民が本島に渡り、多くの人々に実情を訴えるために行脚した「乞食行進」でこう訴えた。「乞食するのは恥であるが、武力で土地を取り上げ、乞食させるのは、なお恥です」。戦後も沖縄だけに過重負担を強いている現在の日米両政府の姿にも通じる一文である。民主国家を標榜する日米の下でこれ以上、人命、人権が脅かされる構造的暴力を許してはならない。▲

沖縄タイムス 社説:[講和条約発効60年]基地政策の惰性改めよ
東京新聞 社説:講和条約発効60年 終わらぬ「アメリカ世」
毎日新聞 社説:孤立せず、孤立させず 国の形を考える・講和60年

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2012年4月24日 (火)

原発「むりやり」再稼働 オフレコ・メモを公開する 枝野「おおむね安全」大臣と、仙谷の陰謀

「応急措置」で再稼働へ
原子力安全委員会が関西電力・大飯原発のストレステストの一次評価の結果を「了承」して以降、野田佳彦首相、枝野幸男経産相を中心とする4閣僚は繰り返し会議を開き、関西電力の工程表を「おおむね適合」と認定、「再稼働」を既成事実化してしまった。あとは枝野氏が地元に足を運んで「理解」を求め、5月にも再稼働に踏みきる見通しだという。あれだけの歴史的事故を起こしておいて、小手先の「安全評価」「審査」「確認手続き」で再稼働に踏み切ろうとしているのだから、国民が恐怖感を抱くのは当然だろう。

「ストレステストは、まったく不十分です。たとえば、水素漏出対策はほとんどないに等しい。水素は他の分子に比べて小さいから、少しの隙間でも漏れやすいんです。溶接部分などで腐食が進行しているところに、巨大な地震動が来たり、ガスケット(固定用シール)の材質が劣化してダメになったり、高温高圧でフランジ(継ぎ目)にひずみが生まれることも考えられる。また、送電鉄塔が倒れてしまった場合、どうするのかという備えもない。そのあたりを、何度国会で質問してもまともな答えが返ってこないんです」(元原子力技術者の吉井英勝代議士)

この水素漏出の問題以外にも、大飯原発ではフィルター付ベント装置や免震重要棟が設置されておらず、いま慌てて準備を進めているが、完成するのは早くても'15年度以降になるという。それ以外に、数十mの津波に耐える防潮堤や、恒久的な非常用電源の問題も心配されている。しかし原子力安全・保安院、原子力安全委員会、経産省という「原子力ムラ」の面々は、それらの問題に「応急措置」を施しているから問題ないとして、再稼働を強行しようとしている。

NGO「e-みらい構想」代表・長谷川羽衣子さんは避難計画の不備も指摘している。

「とくに京都北部の方が言っているんですが、事故発生の際の、避難経路が確立されていないんです。細い道が一本しかないというルートばかりで、皆さん車で逃げるだろうし、もしものときは大渋滞になってしまう。ストレステストの評価も福島原発以前の基準でやっていますし、納得がいきません。今後、枝野さんが福井入りする話が出ていますから、そのときは抗議行動に行くことを考えています。県庁をヒューマン占有したりとか、ロビーに座って無言で、非暴力抗議行動をするとか。いまも国民の多くが、原発を止めたら電力が足りなくなると思っていますが、ドイツでは節電すれば原発一基分の電力が浮くという考え方がある。環境省はなぜ、そういうことをもっと打ち出さないのか疑問です」

チーム仙谷が動いている
今回出された「暫定安全基準」を「十分だ」と評価した福井県の「原子力安全専門委員会」委員長の中川英之・福井大学名誉教授に、本誌はその見解を細かく聞いた。中川氏は工学部長時代、福井大に原子力を専攻する学科を作った中心人物だ。

「大飯再稼働の安全基準は3つあり、1番目の緊急対策や応急対策は、だいたいクリアしている。2番目も原子力安全・保安院が妥当と認め、原子力安全委員会も検査そのものは妥当と認めている。3番目が問題ですよね。これは技術基準の前倒しと言われていますけど、30項目、いずれきちっと満足する必要があります(現在はできていない)。免震重要棟は作るのにそれなりに時間がかかるというのがあります。それに代替するものをどうするか。また大飯の場合、格納容器が非常に大きいので、水素が充満する可能性は低いんですが、(水素漏出の)対策をどうするか。それから電源。将来的には空冷式の大型ディーゼル発電機を設置する計画になっているんですが、(完成までに)かなり時間はかかる。3~4年はかかるんですね。その間の代わりになるものは設置できているんですが。それから、施設を動かすソフト面。人の教育とか、マニュアルをきちんとしていくべきだと思っています。私としては、現状でそれらの対策は十分だと思いますが、事故時に安全な方向にちゃんと生きて動いているということが確信できれば、安全性が担保できていると言えると思います」

免震棟、大型発電機などの設置には数年かかる。それまでの応急対策を施しているというのだが、これらの対策で百パーセントの安全が保障されるのか。「おおむね安全」で、再稼働に踏み切って大丈夫なのか。不安だらけの大飯原発再稼働を牽引するのは、政府・民主党の「5人組」と言われる勢力だ。枝野氏に加え仙谷由人政調会長代行、古川元久国家戦略相、斎藤勁官房副長官、細野豪志原発事故担当相の5人。なかでも仙谷氏が中心人物で、「チーム仙谷」と呼ばれることもある。枝野氏は、仙谷氏の意向に従う形で発言・行動しているという。4月9日深夜、枝野氏が新聞各紙の担当記者と行ったオフレコ懇談のメモを本誌は入手した。

「大飯原発では大きな地震や津波で外部電源が喪失する事態になっても、炉心溶融には至らないということを、二重、三重、四重に安全性を確認しているところ。昨年3月11日までの考え方であれば、これで終わっていたと思う。しかし、安全性は確認されるがさらにそれを高めるという観点から、免震重要棟の建設やベント管にフィルターを付ける工事を行う。フィルターに関しては(大飯は)福島と原子炉のタイプが違う。基本的にはベント(原子炉内圧力の排出)に至るようなことは重大な事故でも考えられない。福島とは全く違うタイプの原子炉だ。(フィルターを)使うことはほとんど想定できないけど、用意しておく。念には念を入れてということで、計画させた。免震重要棟も、さらに万全を期すというか、なくても大丈夫だろうけど、作るように関電に指示した」

枝野氏の真意は、このオフレコメモを見れば、明らかだ。

「電力不足」は本当か
枝野氏、仙谷氏らはなぜ再稼働へ向け、突っ走り始めたのか。ある民主党中堅議員が、絶対匿名を条件にこう話す。

「5人組が再稼働を急ぐのは、経団連を中心とした財界の意向が強く反映している。なかでももっとも熱心に活動しているのが仙谷さんだ。仙谷氏はなぜか、政府の関係閣僚会議にオブザーバーとして出席している。あれは議論の流れが再稼働から逸れないように、監視しているんでしょう。特に発言が二転三転する枝野氏に目を光らせている。人権派の弁護士だった仙谷氏が原発再稼働に動いているのは、現政権内で、財界とまともに話がつけられるのはオレしかいない、という自負があるから。政権をウラで支えているのはオレだということでしょう。仙谷氏はこれまで、公務員制度改革を手がけたり、鳩山政権では首相に代わってダボス会議に出席するなどして権力を誇示しようとした。昨年の代表選出馬は断念したが、小沢氏の力が失墜したいま、党内最高実力者の地位を固めつつあるんです」

国民からすれば、また仙谷氏か!という印象だが、ほかに人がいないのが現在の民主党。仙谷氏は、党内の「東電・電力改革プロジェクトチーム(PT)」の会長を務めているが、初会合が開かれたのは多くの議員が地元に戻っている2月24日の金曜日だった。結局、側近議員をPTの幹部に据えて主導権を握ってしまっている。PTの事務局長・大塚耕平氏は日銀出身で、参院愛知選挙区選出。中部電力労組からパーティ券を買ってもらっていたことが判明している。事務局次長の小川淳也氏、玉木雄一郎氏はともに香川県選出の若手代議士で、元キャリア官僚。選挙区が近い仙谷氏の側近として知られる。党内にはもともと原発再稼働に反対する「原発事故収束対策PT」と、推進派の「エネルギーPT」の二つの議連があったが、仙谷氏が「東電・電力改革PT」を立ち上げたことで再稼働派が優勢という勢力図になった。

「仙谷氏は今年1月末、東電のメインバンクである三井住友FGの奥正之会長ら、メガバンクのトップと密かに会談したことがわかっていますが、東電への融資の見返りとして、メガバンク側から『原発の再稼働と、電力料金の値上げ』を条件として突きつけられたという。銀行側は、再稼働と値上げなしでは東電の経営再建はあり得ないと考えているんでしょう。東電が倒産すれば、当然融資も社債も焦げ付くわけですから、銀行側としてはそうならないための保険をかけたわけです」(別の民主党代議士)

一方、民主党議員のなかには、表立って再稼働に反対しにくいという事情もある。

「党内には電力労組から支援を受けて当選している議員が数多くいます。私自身はやっていませんが、民主党の議員のなかには、選挙の際、労組に、『原発を推進します』という念書を書かされたという者がいる。実際に書いたという議員から聞いたことがあります。次の選挙のことを考えると、『再稼働反対』を大声では言いにくいでしょう」(前出・中堅代議士)

地元のおおい町長や、福井県知事も、現段階で再稼働には明確に反対の意思表示をしていない。今後、枝野氏の訪問など段取りを踏めば、再稼働容認へ傾く可能性が高い。

「関西電力は、今夏20%近く電力が不足する可能性があると報告していますが、実は原発が止まる前から、関電は発電力が不足し、北陸電力や四国電力から融通してもらっていたんです」(全国紙関西駐在記者)

オフレコ懇談では、枝野氏すら「関西電力の報告した数字はもっと精査する必要がある」と話している。再稼働を主張する大新聞、メディアも多いが、事故が起きたとき、どう責任を取るのか。「おおむね」でなく「絶対」安全が確認されない限り、再稼働すべきでない。それがフクシマ以降の国民のコンセンサスだろう。  「週刊現代」2012年4月28日号より

しんぶん赤旗:政府「今夏0・4%電力不足」 民間機関批判「過大な需要見積もり」 原発なしでも余力

政府は23日、今夏の電力需給について議論する需給検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)の初会合を開き、原発の再稼働がなければ全国で0・4%の電力不足が生じるとの推計を発表しました。同委員会に対し、民間研究機関、環境エネルギー政策研究所(ISEP、飯田哲也所長)は今夏、全部の原発が停止していてもすべての電力会社で電力を十分まかなえるとの推計を提出しました。ISEPが発表した資料は政府の推計を「過大に見積もった需要を固定視」していると批判。「原発再稼働問題と電力需給問題は切り離し、前者は安全性と社会合意により判断すべき」だと提言しました。ISEPは「2011年の夏は企業や家庭の節電により、ピーク電力は東京電力管内で前年より18%削減され、全国でも13%削減されたため、原発が8割停止していても電力需給には問題は生じなかった」と指摘。「原発の再稼働をしなくても2012年夏のピーク時の電力需給を満たせる節電対策が可能なことは、2011年夏と2011年冬の実績ですでに立証されつつある」と判断しました。11年並みの節電を実施し、発電設備を再点検して供給力を見直せば、今夏、全原発が停止したままでも、電力ピーク時に全国で16%以上、需給の余裕を確保できると推計しました。原発のない沖縄電力を除く9電力各社を見ると、関西電力を除く8社は単独でも供給余力があります。関西電力で全原発が停止しても、11年並みの節電に加え、供給余力のある他電力からの融通、自家発電調達など約150万キロワットの追加対策があれば、ピーク時の電力を確保できるとしています。また、節電対策としては、生産減や深夜休日シフトではなく、需給調整契約や時間別料金の導入など多様な方法があると提案しました。政府の電力会社別推計は関西電力で16・3%の不足を見込んでいます。九州電力で3・7%、北海道電力で3・1%の不足。東北電力と四国電力では電力の安定供給に必要な3%の予備力を持つに至らないとしています。東京電力は4・5%、中部電力も5・2%の余剰を見込んでいます。▲

東京新聞:「夏の電力不足」各社報告 「丼勘定」専門家が批判
今夏の電力需給を点検する政府の需給検証委員会(委員長・石田勝之内閣府副大臣)の初会合が23日に開かれ、沖縄電力を除く電力各社が需要見込みと供給能力を報告した。各社は、2010年並みの猛暑となり原発が稼働しない場合、家庭や企業で冷房の使用を抑えるなど節電効果を考慮しても8月のピーク時に66万キロワット(0・4%)の電力が全国で不足すると推定した。委員からは、過去に電力使用のピークが各社で同じように続くことがほとんどないことから「丼勘定の議論はやめるべきだ」と、批判する意見が出た。原発依存度が高い関西電力は、不足する供給電力が約500万キロワット(16・3%)になると見込んだ。北海道電力は3・1%、九州電力は3・7%不足すると報告した。報告に対し、専門家として出席した「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は「節電の手段は数多くあるのに政府も関電も検討していない」と批判。関電の報告に対し、他社からの電力融通や夜間の電力を活用した揚水発電などの見込みが少ないと指摘し、すべて活用すれば原発なしでも夏の電力を賄えると主張した。他委員も「東京電力などに比べ省エネ効果が少ないのはなぜか」と、関電の報告を疑問視した。東電は節電効果を加味した場合、原発が稼働しなくても4・5%の余剰を想定。火力発電所の比率が高い中部電力も5・2%の余剰電力があるとした。暑さが平年並みで節電が実施される場合を想定すると、不足は関電だけ。他電力から電力の融通を受けた場合、全国で約500万キロワットの余剰電力が出る見込み。ただ、各社は予備として3~8%の供給力を余分に確保することを考えており、やはり供給力は厳しくなると説明した。検証委では、電力各社の報告を精査し、5月上旬にも最終的な需給見通しをまとめる。政府は検証結果を踏まえ、関係閣僚らで構成する「エネルギー・環境会議」を開き、夏の節電計画を決める。▲

福島民報 論説:【原発事故収束宣言】野田首相は撤回せよ
東京電力福島第一原発で、事故処理に関するトラブルが止まらない。野田佳彦首相は、昨年12月に出した「収束宣言」を撤回する必要がある。東電任せをやめ、政府として真の収束と廃炉対策に全力を挙げるよう求める。2号機の圧力容器底部の温度計で、正常なのは3個のうち1個だけだ。東電は「底部の温度は監視できている」というが、政府・東電が「冷温停止状態」の根拠の一つとした温度測定の正確さに疑問が生じている。2号機の格納容器内の冷却水は、底からわずか60センチの水位と東電の内視鏡調査で判明した。毎時約9トン入れている水は大量に漏れている。燃料はどこで、どんな状態かも分からない。事故収束と、なぜ言えるのか。水素爆発を防ぐための原子炉格納容器への窒素供給は3月以降に4回も停止した。予備の装置で再開したが、原因は調査中だ。4号機の使用済み燃料プールは冷却が1、4月の2回、停止した。1~4号機で最多の1331本の使用済み燃料が熱を発し続け、冷却が止まればプール温度は1時間に約0・5度ずつ上がる。安全のため冷却は欠かせない。汚染水漏れも続く。4月に高濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水約12トンが漏れた。汚染水を淡水化する装置と仮設タンクを結ぶ配管が抜けたのが原因だ。東電は海にわずかしか流出せず、大半は漏えい箇所付近の地面に浸透したとみて「環境への影響はほとんどなかった」という。本当なのか。3月にも同じ装置で別の配管が抜け汚染水約80リットルが漏れている。東電が示した廃炉への中長期工程表では、2年以内に4号機の使用済み燃料プールから燃料取り出しを始める。原子炉からの溶解燃料取り出しは25年後に終える。建屋を解体し、廃炉完了まで40年を要する。工程は緒に就いたばかりだ。今後、深刻なトラブルが起きれば、避難区域の復興や住民帰還に影響が出る恐れもある。燃料取り出しや建屋解体は高線量下で進めなくてはならない。未開発の「世界初」の技術や、膨大な作業を担う人材確保も不可欠だ。一企業では荷が重い国家的課題だ。県議会は宣言撤回を求める意見書を昨年12月に可決している。「収束宣言」に前のめりだった政府は、関西電力大飯原発3、4号機でも再稼働へ前のめりの姿勢が目立つ。「福島の復興なくして日本の復興なし」というなら、野田政権はもう一度、原発事故に謙虚に向き合い、最善を尽くすべきだ。▲

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2012年4月21日 (土)

海兵隊を沖縄に残す意味

普天間飛行場の固定化、海兵隊の移転規模縮小、米軍施設・用地の返還先延ばし…。政府は、本気で沖縄の負担軽減を考えているのか。民主党政権がことあるごとに強調している「沖縄の負担軽減」、逆に沖縄県民の負担感が増すのではないか。日本政府は、中国の軍拡・北朝鮮の脅威などを理由に「抑止力」なる幻で、何が何でも沖縄に海兵隊基地を押し付けようと必死だ。そして、米政府は「思いやり予算」がついてくる新基地と多額の移転費を日本政府から、むしり取ろうとしている。

海兵隊のグアム移転規模が当初の8千人から4千人に半減する。にもかかわらず米政府は財政事情などを理由に、海兵隊グアム移転費の日本側負担額を28億ドルから41億ドル(約3350億円)に増やすよう求めていたが、2009年に締結された日米政府間協定で取り決めた日本側財政支出の上限額28億ドル(約2280億円)を維持することで、日米双方が合意した。ただ、実際に日本が負担する額は、米国内のインフレ率や為替レートの変動などを考慮して、31億ドル(約2520億円)程度に増えるという。

東京新聞:米海兵隊 グアム移転4000人で合意
日米両政府は19日、外務・防衛当局の審議官級協議を都内で開催。在日米軍再編見直しに関し、2006年に合意したロードマップ(行程表)で約8千人としていた在沖縄米海兵隊のグアム移転の規模を約4千人に縮小することで合意した。両政府はこれまでの協議で合意した内容を中間報告として共同文書にまとめ、25日に公表。30日の日米首脳会談で確認する。グアムに移転しない残りの海兵隊はハワイやオーストラリアなどにローテーション(巡回)配置。現在の1万9千人のうち、約1万人が沖縄に残ると明記する。米側は当初、グアム移転の規模を約4千700人に縮小するとしていたが、経費節減のため、さらに減らした。グアム移転経費に関する09年の日米協定は総額102億7千万ドルのうち、日本側が将来回収される融資などを除き28億ドルを負担するとしていた。財政赤字に苦しむ米側は見直し協議で増額を求めたが、日本側は拒否。28億ドルを維持することで落ちついた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に関しては、同県名護市辺野古への移設は当面難しいことから、米側が求めていた老朽化に伴う補修方針を明記。両政府は今後、工期や規模を調整する。▲

沖縄の米海兵隊のグアム移転規模が大幅に減るにもかかわらず、日本の負担額が協定合意額より「実際には増える」というのでは、国民の理解を得るのは難しい。負担も縮小するのが筋だろう。費用負担の原資は国民の税金だ。説明を求めるのは当然である。軍事予算が削減される中で、米軍がアジア太平洋の安全保障体制を維持していくために、日本の負担増は「同盟の対価」として当然、と言うのだろうか。そうであるなら、米政府は負担の算定根拠を同盟国に詳細・明確に示すべきだ。日本の資金拠出の根拠である協定で、海兵隊グアム移転は普天間飛行場の辺野古への移設と一括実施することを前提としている。その辺野古移設が行き詰まった今、協定の前提は崩れ、日本が資金を拠出する根拠は希薄になった、と理解するのが妥当ではないか。協定は条約と同様に法的拘束力を持つ国家間の約束である。協定を見直さずに、状況が変わったからといって、根拠があいまいなまま「はい、そうですか」と要求に応じるのでは、同盟国であっても主体性が無さ過ぎる。ここは、海兵隊移転計画の妥当性や沖縄の負担軽減を含めたアジア太平洋全域をにらんだ日米の安保協議を通して、グアム移転費負担が「同盟の対価」としてどこまで必要か、再考するときだろう。

琉球新報 社説:グアム移転費 日本負担の大幅減額を
日本政府がお人よしなのか、米国政府が狡猾なのか。在沖米海兵隊のグアム移転に関する日本の負担額をめぐる外務・防衛当局の日米審議官級協議のことだ。19日の6回目の会合で2009年の現行協定で合意した負担額28億ドルを31億ドルに見直すことを確認した。米国内のインフレ率などを考慮した。日本側の認識は、3億ドル増加しても協定署名時と現在では為替レートの変動により円建て換算なら同じ約2500億円と負担は変わらないというものだ。おかしくないだろうか。そもそも経費は沖縄からグアムに移駐する海兵隊の司令部や隊舎、隊員の家族住宅の建設費などに充てられるための経費だ。米国はグアム移転規模を当初の8千人から4200人まで縮小することを決めている。移転する兵員が半減したのだから、経費も半減すると考えるのが自然だろう。「人数にかかわらず、下水や浄水処理など相当な規模のインフラ整備が必要となる」との安住淳財務相の説明通りだとしても減額は当然ではなかったか。ところが実際は現状維持どころか、ドル建てでは増額しているのだから、開いた口がふさがらない。日本側は兵員縮小を伝えられた当初、米側に減額を求める方針で協議に臨む姿勢を示していた。「減額を求めないと国民に説明がつかない」と話した財務省幹部の考えこそ正論だ。ところが米側の立場は逆だった。日本側には当初額より7億ドル上積みした35億ドルを要求してきた。「日本は多くの資金を出し、支援してくれるだろう」。パネッタ米国防長官は下院軍事委員会の公聴会でこう証言している。ケビン・メア元国務省日本部長はかつて、沖縄に向けて「日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ」と発言した。現在の米政府にこそ、この言葉が最もふさわしいのではないだろうか。米国のこうした要求は国防予算の削減や高水準の財政赤字などが背景にある。しかし日本の財政事情も深刻だ。野田政権は消費増税を進めて国民負担を求めようとしており、米国に譲歩している場合ではないはずだ。日本側が大幅な減額を求めなければ、国民の理解を得られまい。米国追従の主体性なき外交をなおも続けるのか。▲

4月12日、玄葉外務大臣は米国防総省でパネッタ国防長官と会談した。米議会がグアム移転予算を削減し、計画の継続には、5月末ごろまでに日米両政府が負担増について合意したことを米議会に示す必要があることから、パネッタ長官は「米議会の圧力が大きく、(計画の)前進には日本の負担増が不可欠」と在沖米海兵隊のグアム移転費の大幅負担増を求めていた。また、緊迫する北朝鮮情勢などを受け、地域の安定維持のためには日米同盟の強化が不可欠とし、普天間飛行場の補修費についても要請している。これまでの日米間の協議で、普天間飛行場の老朽化に伴う補修費が今後8年間で約200億円に上るとし、米側が約110億円を負担し、残りの約90億円を日本に負担するよう求めていた。

海兵隊は強襲揚陸艦で敵前上陸する外征軍だ。沖縄からもイラクやアフガニスタンに出撃し、その間、留守になった。米国が対中国戦力として期待するのは「エア・シーバトル」(空海作戦)に活用できる海軍や空軍とされる。沖縄の海兵隊だけが戦力ではない。国会でグアム移転の矛盾を突かれた政府は「1万8千人は定数だ」と釈明した。ロードマップによれば兵員とともに移転する家族は9千人となっているが、08年には7千598人しかいなかった。家族も定数とでもいうのだろうか。事実を踏まえない合意との疑念が浮かぶ。移転する海兵隊やその家族のために、日本政府はグアムに隊舎や家族住宅を建設する。既に2年分の814億円を米政府に支払ったが、米上院の反対で工事は始まっていない。2年にわたり、米政府予算案のグアム移転費を下方修正してきた米上院は昨年12月、ついに12会計年度の移転経費を全額削除し、予算凍結は13米会計年度も継続される可能性が高い。

沖縄タイムス 社説:[普天間大規模補修]筋の通らない固定化だ
米軍普天間飛行場が老朽化しているのは確かだが、それにしても、この要求はいただけない。虫がいいというか、度が過ぎるというか、地元沖縄からすれば、とても合点がゆかない話だ。米軍再編見直しをめぐる日米協議で、米側は、普天間飛行場の滑走路改修など施設の大規模補修のため、2012年度から8年間で200億円を負担するよう日本政府に求めているという。米側が提示した補修リストは下士官兵舎や正面ゲートの補修など50項目に及ぶ。このうち滑走路は18、19両年度に路肩やオーバーランを含め大規模に修繕する予定だ。負担軽減に直結する支出ならまだしも、普天間の固定化につながりかねない大規模補修に、新たに200億円もの税金を投入することは、日米合意に逆行する。こうした経費は本来、米軍が支出すべき経費である。思いやり予算を米側の都合に合わせて拡大していくのは、地位協定の趣旨にも反する。財政事情が厳しいのは米国だけではない。東日本大震災の復旧・復興のために国民に増税という形で新たな負担を求め、その上、消費税の増税法案も国会に提出された。普天間補修の経費だけでなく、グアム移転経費もいつのまにか大幅に膨らんだ。米側が求める日本側負担の増額分は10億ドル(約820億円)以上になるという。グアムへ移転する海兵隊員は当初計画(8千人)の半分程度に縮小される。なのに、移転経費の負担は大幅に増える。全く筋の通らない話だ。普天間飛行場の返還合意以来、日米両政府の方針は、ころころ変わってきた。変わるたびに移設の困難さは増している。政府が作成した環境影響評価(アセスメント)の評価書に対し、県は「(移設は)事実上不可能」だとする意見書を提出した。私たちは、この意見書を「沖縄の総意の決定的表明」だと受け止めている。米軍再編見直しのための日米協議は、辺野古断念を前提にした、新たな解決策の模索でなければならない。だが、断片的にもれ伝わってくる情報は、辺野古移設を前提に、移設作業とは切り離して海兵隊のグアム移転を進め、米軍の不利益にならないよう、普天間を大規模補修して長期間使用する、というものだ。沖縄にとっては、「普天間の当分の固定化」と「将来の辺野古移設」がセットになったような、最悪のケースである。4月4日付の「ニューズウィーク日本版」は、軍事ジャーナリストのカーク・スピッツアー氏の論考を掲載している。「最近、アメリカの安全保障専門家の間では、沖縄に海兵隊を駐留させる必要性に疑問の声が上がり始めている」 1月23日付の米国経済誌「フォーブス」(電子版)で、米ケイトー研究所のダグ・バンドー氏は、辺野古移設について「米国には不便で日本にとって高価、そして沖縄には負担軽減にならない」と指摘している。こうした流れを後戻りさせてはならない。▲

日本政府は米海兵隊の存在意義を問われれば「抑止力」と答えるのだが、ハッキリとした説明も出来ない「抑止力」とは何なんだろうか?日米安保を日本の防衛のために維持するとしても、海兵隊はアメリカの都合で日本にいるだけであって、日本国民の安全保障のためにはいらない。普天間基地を使っているのは海兵隊だ。海兵隊は米国の「海外での緊急展開部隊」といえば聞こえは良いが、要は侵略先行部隊である。湾岸戦争やアフガン、イラク戦争などで「活躍」しているが、こんな侵略部隊は日本の防衛にとっては必要ではない。これまで、「何のための海兵隊か」と問われれば、答えは一言で「抑止力」。「何に対する抑止力か」と踏み込めば、「北朝鮮の脅威」と「中国の軍拡」。しかし、北朝鮮の脅威とは具体的には何なのか、中国の軍拡が日本にとってどういう危険要因なのかについては、一度たりとも日米間で真面目に議論されたことがない。

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2012年4月16日 (月)

チーム仙谷の暴走

産業界では安定的な電力供給への懸念から再稼働を歓迎する声が強い。経団連の米倉弘昌会長ら財界首脳は「安定した電力供給がなければ、生産拠点の海外移転が加速する」などと、政府に圧力をかけ続けている。そんな経済界の動きを、経産省は歓迎している。監督官庁として稼働する原発をゼロにしたくない。5月5日、北海道電力泊原発3号機が停止するまでに大飯原発が再稼働しなければ全国で54基ある原発は1基も動かなくなり「原発なしでも大丈夫」という機運が高まる。その事態を避けたいという利害では財界と一致する。経産省だけでなく財務省も後押ししている面がある。総合特別事業計画で、政府は今夏に1兆円規模の公的資金を投入する方針だが、再稼働しなければ、東電は安定経営ができず、さらに税金投入が必要になると想定しているからだ。財務省の勝栄二郎事務次官も野田首相に直接、再稼働を働きかけている。オール財界、オール霞が関が、もともと再稼働をめざす政権を後ろから押している。原発に依存してきた自治体にとってもこのままでは雇用面などの経済不安が消えない。だが、安定した生活や経済活動が成り立つのは「安全」が保たれてのことだろう。今なお原発事故が収束しない福島第一原発を抱える福島県の佐藤雄平知事らは、事故検証がなされていないままでの再稼働を問題視する。また大飯原発から30キロ圏内にかかる京都府や滋賀県知事をはじめとして、政府に慎重な判断を求める声はむしろ拡大する傾向にあるといえる。慌ただしく決まった政治判断の信頼性の問題に加え、事故が起きた際の避難などの防災対策も進んでいない。政府は大飯原発の地元への協力要請決定に当たって「原子力防災の改善事項」を公表したが、福島の事故を受けた新たな防災体制整備は「今後の改善」と位置づけており、防災対策は置き去りになったままだ。そもそも安全の根本を担うはずの原子力規制庁は設置のめども立っていない。経産相の要請を受けた福井県の西川知事は、県議会とおおい町の意見を聞いた上で県の考えをまとめ、あらためて伝えると述べるとともに、京都府などとの調整を進めるよう政府に要請した。厳しい立場がにじむ。政府が事を急ぐ背景には「稼働原発ゼロ」の事態を避けたい思いが透けて見えるが、安全への不信がぬぐえないままでは、国民との溝はさらに深まるだけである。

仙谷氏、原発全停止は集団自殺 講演で再稼働訴え - 琉球新報 (共同通信)-
民主党の仙谷由人政調会長代行は16日、名古屋市内で講演し、原発再稼働問題に関連し「止めた場合、経済と生活がどうなるかを考えておかなければ、日本がある意味で集団自殺をするようなことになってしまうのではないか」と発言した。 仙谷氏は発言の前段で「専門家への信頼が回復するまで稼働を止める、あるいは止めた原発を一切動かさないことをせよという話なら、その結論に向けてどうするのか」と指摘した。さらに「日本は電力なしに生活できなくなっていることは明らかだ」と述べ、原発再稼働の必要性を強調した。▲

東京新聞(共同):国内原発20日から50基に減少 東電、事故4基を廃止へ
東京電力は16日、東日本大震災で事故を起こした福島第1原発1~4号機を電気事業法に基づき19日付で廃止すると発表した。東電が3月末、経済産業省に廃止を届け出ていた。国内の原発は20日午前0時に、現在の54基から50基に減る。震災後、原発の新規建設は凍結されており、国内原発は今後、老朽原発の廃止などでさらに減少する可能性が高い。地元の福島県は「原子力に依存しない社会を目指す」との基本理念を打ち出し、停止している福島第1原発5、6号機と福島第2原発1~4号機についても廃炉とするよう求めているが、東電側は「第1原発1~4号機以外の扱いは未定」としている。▲

毎日新聞 社説:大飯原発再稼働 理解に苦しむ政治判断
これで国民に納得してくれというのは到底無理な相談である。再稼働に必要な条件は整っていない。それなのに、なぜ政府は、これほど関西電力大飯原発の再稼働を急ぐのか、理解に苦しむ。安全性については、再稼働の基準の決め方にも、中身にも、問題がある。本来なら、福島第1原発のような放射能汚染を二度と起こさないという決心のもとに、精査して作らねばならない。にもかかわらず、政府はたった3日間で基準を決め、その後1週間で大飯原発が適合すると判断した。あまりに拙速だ。しかも、その中身は福島第1原発事故後の緊急対策とストレステスト(安全評価)の1次評価でよしとするものだ。事故の検証が終わっていない以上、これで十分かどうかはわからない。時間がかかる対策には猶予を与えているが、その間に過酷事故が起きた場合にどう対処するのかも不透明だ。福島第1原発ではかろうじて免震事務棟で事故対応にあたってきた。それを思うと、大飯原発にこれがないのは大きな懸念材料だ。安全性に懸念がある以上、再稼働にはそれを上回る必要性が示されなくてはならない。ところが、政府が根拠としているのは経済産業省の資源エネルギー庁が示している試算だ。原発推進を担ってきた組織の「言い値」をうのみにはできない。再稼働の必要性は少なくとも第三者の検証を待って判断すべきだ。その際には、他社からの電力融通や自家発電による電力の購入、揚水発電などをさらに工夫して増やせないか精査が必要だ。電力が不足するといっても、問題は真夏のピーク時だ。その間の電気料金を上げたり、節電すれば料金を割り引く仕組みを作るなど、ピークをカットするための政策も早急に導入してほしい。政府は「原発ゼロ」をいたずらに恐れるより、あらゆる手段を動員して電力不足を回避しつつ、万が一の停電に備えることが先決だ。枝野幸男経産相は14日、福井県知事やおおい町長に会い再稼働への理解を求めた。しかし、「地元」の概念は変わった。原発事故の影響がこれほど広範囲に及ぶ以上、立地自治体さえ了解すればいいというわけにいかない。京都府や滋賀県からも同意を得る必要がある。事故を前提とした防災計画など、大阪府市が求めている8条件ももっともだ。そもそも、再稼働の手続きが、原発の「安全神話」を醸成してきた組織と体制によって進められていること自体がおかしい。置き去りにされている政府の危機管理体制の構築を含め、新たな規制庁を設立してから判断するのが道理である。▲

東京新聞 社説:地元、国民の安全どこへ 政府の大飯再稼働方針
政府の大飯原発3、4号機再稼働の方針は、地元とともに私たち国民もよく考えるべきことである。原発に頼らない、安全で豊かな社会に向かって。政治と政府が責任を持つのだという。それならば、野田佳彦首相と関係3閣僚の皆さんは、もう一度福島の事故現場をつぶさに歩き、被災者や避難者の話をよく聞いてみるといい。福島第一原発は今も、小規模な核反応が止まらずに汚染水を排出し、残骸をさらし続けている。帰れない人がいる。その数は16万人に上る。なりわいを奪われ、健康不安を抱え、地域のきずなは引き裂かれ、美田や美林の荒廃になすすべもなく、海の幸をとることもかなわない。がれきの後始末さえ、めどを付けられないでいる。

責任、本当に取れるのか
その現実にあらためて接したうえで、それぞれの心に問いかけてみてほしい。「本当に、責任など取れるのか」と。原子力損害賠償法には免責規定がある。福島第一原発事故後にできた原子力損害賠償支援機構法でも、政府の責任は限定的だ。原発事故の責任を取り切れるものは存在しない。私たちが繰り返し主張し続けてきたことを、再び述べたい。枝野幸男経済産業相はこれまでの評価の過程から「二重、三重、四重に安全性を確認した」と言い切った。だが今は、原発の安全性を確認できる状態からはほど遠い。国民の多くがそう思っているだろう。第一に、福島第一原発事故の原因は、まだ分かっていない。第二に安全評価(ストレステスト)を実施し、政治判断の根拠となる即席の暫定基準をたった2日で作成したのは、福島事故の原因者ともいうべき、経産省傘下の原子力安全・保安院である。原発推進に偏らず、科学的、中立的な規制機関はまだ存在しない。関電が政府の要請に対して示した中長期対策の工程表は、85項目中33項目が未実施だ。事故発生時に“司令塔”となる免震施設や、原子炉の圧力を下げるベント(排気)時に放射性物質を取り除くフィルターも、完成は3年先だ。地震や津波がそれまで来ないと、誰も保証できない。地震の揺れでがけ崩れが起こり、非常用電源が使えなくなる恐れ、それと同時に住民の避難路が断たれる可能性、津波による浮遊物が建屋を破壊するケースなど、専門家による多くの指摘が、考慮のうちには入っていない。

安全神話時代の認識
枝野氏は「電力不足が社会の弱者に深刻な事態をもたらすことを痛感した」とも会見で述べた。関電はこのまま再稼働ができないと、一昨年並みの猛暑になったとき、最大約2割の電力不足になると試算した。政府はそれを再稼働を急ぐ理由としているが、その見通しは広く検討されたものではない。節電の効果や電力融通の実態も、国民にはよく分からない。そもそも、電力不足の影響が病人や高齢者に及ばないように工夫をするのが、政治本来の仕事ではないのだろうか。「原発の地元はどこか」についても、国民的な合意はない。福島第一原発事故を受け、防災対策の重点区域は、10キロから30キロ圏内に拡大される。放射能がその日の風向き次第ではるか遠くへ飛散することを、国民は福島事故から学んでいる。福井の原発について、大阪府と大阪市は原発から100キロ圏内の全自治体と原子力安全協定を結ぶよう、関電に求めている。無理をいっているのではない。福島の悲しい教訓なのである。藤村修官房長官は「法律で地元同意が義務付けられているわけではない」と言った。安全神話時代の認識ではないか。

消費者も協調できる
私たちは「原発に頼らない国へ」という主張を続けている。そこには、原発のリスクを過疎地に押しつけ、電力の大きな恩恵を受けながら、その使用量を右肩上がりに増やし続けてきた、消費者としての自戒が込められている。私たち消費者こそ、原発頼みの電力浪費社会を改める必要に迫られている。立地地域の人々も、心は揺れているのではないか。原発が危険なことは重々分かっている。原発交付金が、いつまでも続くわけではない。長年の苦衷を国民全体でくみ取って、共有すべきときである。国策の犠牲者である立地地域だけを、これ以上苦しめ続けていいわけがない。原発に代わる地域経済の新たな柱を用意し、地元に安心をもたらすことも、政府の責務ではないか。消費地から立地地域へ呼びかけたい。ともに原発依存から脱却し、持続可能な日本を築こう。協調しよう。▲

毎日新聞 クローズアップ2012
大飯再稼働「妥当」 「原発ゼロ」に焦り 政府決定、わずか11日間
野田佳彦首相と関係3閣僚は13日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を「妥当」と判断した。だが、首相らが判断の根拠とした「安全性」と電力需給面の「必要性」とも疑問符が付きまとう。再稼働を急ぐ政府は14日、枝野幸男経済産業相を福井県に派遣し協力を訴えるが、「性急な判断」との批判を強める周辺自治体を含め、説得力のある説明ができるかどうかが焦点になる。野田政権には「原発ゼロ」への焦りがある。3日に初会合を開き、13日に再稼働方針を決断した駆け足といえる協議のペースはそれを浮かび上がらせた。国内にある原発54基のうち唯一稼働している北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)は5月5日、定期検査のため停止する。政府内には「そうなれば再稼働のハードルはさらに高くなる」(経済産業省幹部)との危機感がある。産業の空洞化を招くリスクもある。不足する電力は、火力発電で穴埋めしているが、燃料費の高騰で電気料金の値上げ懸念が強まれば、製造業を中心とした企業の海外移転に拍車がかかる恐れがある。イランは原油輸送ルートであるペルシャ湾ホルムズ海峡の封鎖を示唆しており、原油価格が上昇傾向にあることも懸念材料だ。政権が再稼働についての判断先送りを続ければ、難航する東京電力の会長人事に影響するとの見方もある。首相周辺は「再稼働できるものは再稼働させるという政権の意思がはっきりしなければ、会長のなり手は出てこない」と話す。ただ、政府は大飯原発の再稼働にこぎ着けても、個別の原発ごとに安全性や必要性を判断する方針だ。枝野経産相は13日の記者会見で「その都度、安全性と必要性について両面から判断をしていく」と説明。大飯原発の再稼働は他の原発を再稼働させる突破口にはしないと強調した。東電柏崎刈羽原発の地元である新潟県では今秋、知事選を控えており、「とても柏崎刈羽原発の再稼働に踏み切れる状況にはない」(政府関係者)ことなど、厳しい現実があるのも実情だ。政府は14日、立地自治体の福井県に枝野氏を派遣し西川一誠知事、おおい町の時岡忍町長らに再稼働への理解を求める。だが、周辺自治体には経産省原子力安全・保安院の職員を派遣する方針で、立地自治体とは明確に対応を区別する考えだ。再稼働に慎重な滋賀県の嘉田由紀子知事、京都府の山田啓二知事はこうした方針に反発。関電の株主である大阪市の橋下徹市長も再稼働に反対を強める。政府が立地自治体のみの理解で再稼働に踏み切れば、批判が一層強まる恐れがある。

 ◇福井、世論形成見定め
野田首相と関係3閣僚の協議が大詰めを迎える中、西川一誠・福井県知事は協議の経過に関して沈黙を守り続けてきた。西川知事の思惑はどこにあるのか。周辺関係者は「『原発を早く動かしたい』という知事の思いを(日ごろ)ひしひしと感じる」と証言する。国内最多の原発14基がある福井県にとって、原発の停止は地域の雇用・経済に直結する切実な問題だ。原発が密集する県南部選出のある県議は後援会の年賀会で、原発関連企業に勤める支持者から「原発の再稼働を」と詰め寄られた。「明日の危険より今日の飯、というのは駄目。福島のような事故を絶対に起こしてはいけない」とその場を収めたが、地元の不安を痛感したという。こうした状況も背景にあり、西川知事は牧野聖修・副経済産業相と会談した2月23日、「原発は日本経済にとって重要な基幹電源。地元として協力は惜しまない」と述べ、再稼働への積極姿勢をのぞかせた。一方、西川知事は昨年4月以降、「福島第1原発事故の知見を反映した暫定的な安全基準」を国に求め続けてきた。おおい町の時岡忍町長も「福島の事故の知見を踏まえて絶対に過酷事故を起こさないための安全基準を明確に示すことが重要」と指摘している。政府は今月6日、安全性に関する判断基準を決定し、こうした“宿題”にやっと答えた形だ。県が再稼働への理解を正式に求められた場合、原子力や地震などの専門家による県原子力安全専門委員会が内容を審査し、知事に助言する。しかし、西川知事が「協力を惜しまない」状況はまだ整っていない。知事は2月の牧野副経産相との会談でもう一つの条件を示している。「原子力発電の意義と原発再稼働の必要性について責任ある見解を明らかにし、理解を得る努力をしてほしい」。反原発の世論に配慮し、再稼働に同意するための大義名分を求めたと見る向きもある。県にとっては、政府がどのように再稼働への世論を形成するかが今後の焦点となる。

 ◇中長期対策、未完了多く
「東日本大震災のような地震・津波でも燃料損傷にいたらない」と枝野経産相は強調したが、安全性を向上させる中長期対策は未完了の部分が多い。しかも中長期対策は電力会社の自主努力に委ねられている。再稼働第1号の候補になった大飯原発は、国への安全評価(ストレステスト)の1次評価の提出が早かっただけで、安全性が特に優れているわけではない。未整備の施設で特に懸念されるのが、事故時の指揮・作業拠点「免震事務棟」だ。07年の新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発の緊急時対策室が機能不全となったのを教訓に、自主的に整備が始まったが、完成したのは大飯原発以外の8原発にとどまる。関電は中越沖地震後も免震事務棟の建設を見送ったが、福島第1原発事故を受け導入を決定。大飯原発では当初計画を1年前倒しして15年度に完成させるが、それまでは中央制御室の隣室を使う。ただし、収容は約50人。炉心損傷のような重大事故が起きると対応できない可能性が高い。関電は「作業が終われば帰すことを想定し、宿泊まで考えていない」と釈明する。1次評価に対する国の作業も滞っている。これまでに18基分の評価結果が経産省原子力安全・保安院に提出されたが大飯3、4号機以外では四国電力伊方原発3号機が保安院の審査を通ったのみ。後続の原発の再稼働の見通しは立っていない。

 ◇「電力不足」疑問も
政府が大飯原発3、4号機を再稼働させる根拠は「安全性」だけでなく、原発の全停止が続けば電力不足が生じるという需給面からの「必要性」を重視する格好になった。ただ、関電が節電要請をした昨夏と昨冬に電力不足を回避できた経緯もある。政府が9日に公表した前回試算からわずか4日で数字を更新したこともあり、利用者の間には「効率的な需給対策をすれば電力は足りるのではないか」との声も根強い。政府の新たな試算では水力発電の拡充などで供給力を高めたものの、節電要請した昨夏並みの需要の場合は5・5%の供給力不足に、猛暑だった10年夏並みの需要の場合は18・4%の供給力不足になる恐れがあるとした。枝野経産相が再試算を指示した9日の試算に比べ、供給力不足は1・2〜2・1ポイント改善した。昨夏並みの需要で、大飯原発2基(出力計236万キロワット)が稼働すれば供給力は2・9%の余力が生じる。ただ、昨夏の15%の節電要請を踏まえた数字のため、関電は「(2基が)稼働しても厳しい」(岩根茂樹副社長)と今夏も節電要請をする方針だ。とは言え、昨夏実績(7月1日〜9月22日の節電要請期間、2016時間)で、今夏の最新の供給力2631万キロワットを上回るのは19時間で、全体のわずか0・9%。昼間のピーク需要時に、節電すれば電気料金を割り引く仕組みを作ったり、反対にピーク時の電気料金を高く設定すれば大規模停電などには至らないとの指摘もある。東京電力福島第1原発事故で安全性への信頼が崩壊したように、政府や電力会社が訴える電力不足という言葉にも利用者は疑いを抱いている。「どれだけ足りないのか、どんな対策が可能なのか、関電は考える材料を企業に示してほしい」(関西経済同友会の大竹伸一代表幹事)。企業の声は切実だ。▲

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 ◇福島第1原発事故後の原発停止と再稼働の動き
<11年>※肩書は当時
3月11日 東日本大震災による津波で福島第1原発の全交流電源喪失。15日までに1、3、4号機で相次ぎ水素爆発
30日 東電の勝俣恒久会長が1〜4号機の廃炉方針表明
5月6日 菅直人首相が中部電力浜岡原発の運転停止を要請
6月29日 海江田万里経産相が佐賀県を訪問し、九州電力玄海原発2、3号機の再稼働を要請。古川康知事と岸本英雄・玄海町長は容認姿勢示す
7月6日 海江田経産相が原発再稼働に向けた安全評価(ストレステスト)実施を表明
7日 佐賀県の古川知事、岸本・玄海町長が「方針がふらふらしている」などと政府を批判。再稼働の容認発言を撤回
10月10日 関西電力が大飯原発3号機のストレステスト結果を提出(4号機は11月17日)
12月16日 野田佳彦首相が福島第1原発の「冷温停止状態」達成を宣言

<12年>
1月18日 原子力安全・保安院が大飯原発3、4号機のストレステストを「妥当」と評価
2月21日 高浜原発3号機の運転停止で関西電力が保有する原発全11基が停止
3月23日 原子力安全委員会が同原発3、4号機のストレステストを了承
25日 東京電力柏崎刈羽原発6号機が運転停止し、東電の原発全17基が停止
4月6日 野田首相と枝野幸男経産相ら3閣僚が大飯原発3、4号機の再稼働を判断する新たな基準を決定
9日 政府が同原発の再稼働に安全宣言

原発再稼働で問われる立地自治体首長の資格
福井県でも原発マネー還流
HUNTER(ハンター)
福井新聞 論説:大飯再稼働要請 説明も説得力も足りない

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2012年4月14日 (土)

ここでも住民の安全は二の次

日本政府に国民の生命と財産を守るという責任感と使命感があるのなら、オスプレイ配備を見合わせるよう米側に主張すべきだ。日本政府は、住民の安全を二の次にして、米側の顔色をうかがいながら意図的に問題を先送りしてきた。市街地の中心に位置し、ただでさえ危険な普天間飛行場に、欠陥を抱えるオスプレイを配備すること自体、正気の沙汰ではない。軍用機開発の実験場にするようなもので、住民の命を危険にさらすだけだ。

沖縄タイムス:モロッコでオスプレイ墜落、4人死傷
【ワシントン共同】AP通信などによると、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが11日、モロッコ南西部アガディールを拠点に行われていたモロッコ軍との合同演習中に墜落し、海兵隊員2人が死亡、2人が重傷を負った。海兵隊はオスプレイを今年秋にも沖縄県宜野湾市中心部に位置する米軍普天間飛行場に配備する計画を進めている。しかし開発段階で事故が相次いだことなどから、沖縄では強く反対する声が上がっている。モロッコでの演習は2008年から毎年実施され、今年は7〜18日の日程で米本土などから派遣された海兵隊員を含む計1200人、モロッコ側は900人が参加している。▲

沖縄タイムス:知事、オスプレイ受け入れ拒絶
仲井真弘多知事は13日、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがモロッコで訓練中に墜落、隊員2人が死亡した事故について「こういう事故の多いものを街の真ん中にある普天間飛行場を中心に持ってくるというのは、いくら何でもひどい話で論外だ。とても受け入れがたい」と述べ、日米両政府が計画する同機の県内配備に反対する姿勢を強調した。報道陣に答えた。仲井真知事は「(墜落が)どういう理由によるものか、きちっとデータとして出してもらわないと。県民の生命財産を守るという責任の大きな役目がある。とてもどうぞなどという話ではない」と述べた。▲

琉球新報 社説:オスプレイ墜落/県内配備 断固阻止を/県民全ての命の問題だ
米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが11日、モロッコ軍との合同演習中に墜落し、海兵隊員2人が死亡、2人が負傷した。またしても恐れていたことが起こった。と言うよりも、同機の危険性からは想定されていたことと言うべきかもしれない。米軍は今秋にも普天間飛行場への配備を計画しているが、今回の事故で県民の不安は一層高まった。県民の安全な生活を守るため、オスプレイを配備させてはいけない。オスプレイの死亡事故は、2010年4月に空軍のCV22オスプレイがアフガニスタンで墜落して以来のことだ。

荒唐無稽な説明
防衛省は昨年9月、県の質問を受け過去の主な事故6件(10年を含む)について公表した。1991年、92年、00年4月、同12月、07年、10年と起こっており、最初の4件は試作段階で発生。92年、00年4月、同12月、10年の4件までが死亡事故。試作段階でこれだけの重大な事故を繰り返しながら、米軍はオスプレイの導入を中止することなく基地に配備した。墜落の恐怖は増す一方だ。1月に米カリフォルニア州のミラマー基地でオスプレイが公開された際、飛行中にエンジンが停止した場合には固定翼のみで緊急着陸を図ることが分かった。操縦士は「グライダーのように降下して安全な場所を探して着地する」と説明した。鳥のように滑空するとでもいうのだろうか、荒唐無稽な説明に聞こえる。エンジン停止が住宅密集地域の上空ならどうなるのか、背筋が寒くなる。また、回転翼が前向きのまま緊急着陸した場合は、機体にぶつからないよう回転翼が外れるようになっているという。その際、回転翼の破片が周囲に飛散するだろう。そこに人が居ようが居まいがお構いなしだ。機体を第一に考え、住民の安全は一切考えない米軍の姿勢があらわだ。事故を起こした機種について、米軍には飛行を中止して徹底的に原因究明をしようとする姿勢が見られない。6日(日本時間7日)、米バージニア州バージニアビーチのアパート街に米海軍の戦闘攻撃機FA18が墜落、乗員2人を含む7人が負傷した。ところが事故の矢先の10日、FA18が12機、普天間に飛来した。明確な事故原因が判明しないまま沖縄を爆音禍に陥れた。傍若無人としか言いようがない。日本政府は「世界一危険な飛行場」に、この危険な垂直離着陸輸送機を配備することの重大さが分かっているのか。

大きくなるうねり
3月に普天間第二小学校を訪れた岡田克也副総理は、オスプレイの配備について、既存ヘリの「置き換え」とし、校長らの配備中止の訴えを一蹴した。さらに日米両政府は、普天間配備に先行させて、7月にも本州の米軍基地などにオスプレイを一時駐機させる案を検討していることも明らかになった。キャンプ富士(静岡県御殿場市)や岩国基地(山口県)を想定、配備前に安全性をアピールする狙いだが、地元の反発は避けられない。危険極まりないオスプレイの配備に反対して6日、宜野湾市では市内の各団体でつくる準備委員会が6月17日に宜野湾海浜公園屋外劇場で「普天間飛行場へのオスプレイ配備に反対し固定化を許さず早期返還を求める宜野湾市民大会」を開くことを決めた。5千人規模を目指すという。同市での市民大会開催は04年9月の米軍ヘリ墜落事故抗議集会以来だ。今回の事故で、オスプレイの配備に反対する県民のうねりは、一層大きなものになるだろう。住宅地域を、そして島の上をオスプレイが我が物顔で飛び交うようになれば、いつ墜落するか分からないという危険性は普天間飛行場周辺の住民だけでなく県民全てに及ぶ。県民の命を差し出す訳にはいかない。県内へのオスプレイ配備は断固として阻止しなければならない。▲

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原発ゼロ社会へ

日本政府は、福島原発事故における原因の検証さえ終わらぬなか、実効性のない暫定基準を作り、現在停止中の原発の再稼働を決めた。福島原発は1年たっても打つ手のないメルトダウンが進行中であり、事故原因の検証すらできていない。垂れ流された放射能汚染は、福島県だけでなく海洋にも拡大中で、多くの人々から故郷と生活を奪いながら、その賠償責任のあり方や有効な除染方法すらも見出せず地域を崩壊に導いている。民主党政権は、国民の安全確保を二の次にし、電力不足を理由に詐欺まがいの数字をマスコミに垂れ流して、世論を先導している。

東京新聞:大飯再稼働政府方針決定
野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚は13日夜の会合で、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の安全性と必要性が確認できたとして再稼働を認める方針を決めた。枝野氏が会合後の記者会見で明らかにした。周辺自治体からは安全面で懸念の声が強まっているにもかかわらず、政府は北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを発射した日に、再稼働方針の決定に踏み切った。枝野氏は14日、福井県を訪れ、西川一誠知事、おおい町の時岡忍町長らに説明する。理解が得られたと判断すれば、あらためて関係閣僚会合を開き、再稼働を最終決定する。ただ、滋賀県や京都府に加え、関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長らは政府に慎重な対応を求めている。十分な安全対策を置き去りにするかのような政府の姿勢に反発を強めており、協議が難航するのは確実だ。枝野氏は再稼働を最終決定する時期について「7月以降に猛暑が来る可能性があるので、それまでに理解いただければありがたい」と述べた。この日の協議では、2基が新たな安全基準を満たしていることを最終確認。さらに再稼働しなければ、2010年並みの猛暑だった場合、今夏に最大2割以上の電力供給が不足するとする関電の見通しについても、専門家の検証を受けないまま再稼働は必要と結論づけた。枝野氏は記者会見で「地元はじめ国民から一定の理解を得ないと再稼働はしない。理解を得られるよう最大限努力する」と強調。理解が得られない場合は、関電管内の企業や家庭に10年夏の最大電力に比べ「20%プラスアルファの節電をお願いする」と述べた。首相と枝野氏らは北朝鮮がミサイル発射を予告した初日の12日も協議。枝野氏は同日の会合終了後、「さらに議論する必要がある」と結論を持ち越し、会合を重ねる姿勢を強調していたが、13日の会合は一時間足らずで終わった。▲

毎日新聞:大飯再稼働 政治決断「妥当」 経産相14日福井へ

大飯原発再稼働の可否が野田総理と関係3閣僚(藤村・枝野・細野)の協議に委ねられている。だが舞台裏では、電力業界との結び付きが強いとされる仙谷政調会長代行が中心となる「チーム仙谷」が、水面下で議論を仕切っている。そのメンバーは、4者協議のメンバーでもある枝野・細野と仙谷・古川元久国家戦略担当相、斎藤勁官房副長官の5人組。再稼働決断した背景で、何が起こっているのか。東京新聞は「チーム仙谷」で、全ての決定が推進されてきた、4閣僚会議は形式だけであるとの記事を書いた。

東京新聞:「チーム仙谷」再稼働主導 首相・閣僚4者協議 形だけ

原発再稼動への無理な誘導の背景に、原子力ムラの存在があるのは言うまでもない。電力業界はもとより日本経団連の米倉会長をはじめとする財界や、読売新聞など一部メディアは国に原発の再稼動を強く迫ってきた。経団連の米倉会長ら財界首脳は「安定した電力供給がなければ、生産拠点の海外移転が加速する」などと、政府に圧力をかけ続けている。そんな経済界の動きを、経産省は歓迎している。監督官庁として稼働する原発をゼロにしたくない。5月5日、北海道電力泊原発3号機が停止するまでに大飯原発が再稼働しなければ全国で54基ある原発は1基も動かなくなり「原発なしでも大丈夫」という機運が高まる。その事態を避けたいという利害では財界と一致する。経産省だけでなく財務省も後押ししている面がある。総合特別事業計画で、政府は今夏に1兆円規模の公的資金を投入する方針だが、再稼働しなければ、東電は安定経営ができず、さらに税金投入が必要になると想定しているからだ。財務省の勝栄二郎事務次官も野田総理に直接、再稼働を働きかけている。オール財界、オール霞が関が、もともと再稼働をめざす政権を後ろから押している。

毎日新聞
クローズアップ2012 大飯再稼働「妥当」 性急判断、否めず
社説:再稼働新基準 全原発に影響する拙速
中日新聞(共同):関電、今夏の電力不足は58時間
4月13日 河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり
この夏関西の電力は足りるか
しんぶん赤旗 主張:大飯原発再稼働 “やらせ”では信用できない
ゲンダイネット:菅直人が「お縄」になる日

東京新聞 社説:“再稼働ありき” 経産省主導という誤り
“再稼働ありき”。経済産業省のシナリオ通りに、ことは進んできたのだろうか。本来、科学的な判断を要する原発の安全が役人の手中にあったようだ。だとすれば、国民の安全がとても危うい。中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止をめぐり、激しい主導権争いを展開した官邸と経産省。本紙の取材で、その内実が浮かび上がってきた。地震の危険が大きい浜岡だけを止めて国民の目をそらし、他の原発を再稼働へ導く経産省のシナリオは、東日本大震災の発生からわずか2カ月足らずで作られていた。浜岡原発は東海地震の想定震源域の真ん中にあり、東日本大震災以前から「世界でも最も危険な原発」との指摘を受けていた。そのうえ、中部電力は東京電力や関西電力に比べて原発依存度が低い。浜岡は「止めやすい原発」でもあった。首都圏住民3千万人の避難。政府原子力委員会の近藤駿介委員長が描いた東電福島第一原発事故「最悪のシナリオ」が官邸に大きな衝撃を与えたのは確かだろう。東京と名古屋に挟まれた浜岡で事故が起これば、影響は福島の比ではない。それでも、経産省のシナリオの中で安全への配慮が最優先されたとは言い難い。脱原発による影響力の低下を避けたい経産省と、浜岡停止の功績で政権浮揚をもくろむ官邸の思惑、そして電力会社の利害が一致して、国民の安全とは無関係に舞台は回り続けてきたようだ。そして今、原発ゼロ社会到来の瀬戸際で、大飯原発3、4号機再稼働の可否が首相と関係3閣僚の協議に委ねられている。舞台裏では、電力業界との結び付きが強いとされる仙谷由人党政調会長代行らのグループが振り付けを担っているという。問題は浜岡や原発立地地域だけにとどまらない。国民の生命や未来にかかわる重大事が省益争いや政権の人気取りの材料におとしめられた感がある。そもそも福島第一原発事故の原因をつくった経産省や原子力安全・保安院に安全を評価する資格はない。安全不在のまま役所のシナリオ通りに大飯原発の再稼働に動いていいのだろうか。結論ありきの筋書き自体が当然ながら、あってはならないものである。このままでは、夏までに示される政府の新たなエネルギー基本計画までも、疑いの目で見られてしまう。▲

◇◆4閣僚に「再稼働の“政治判断”するな」の声を大至急届けよう!◆◇

        <STOP!大飯原発再稼働>

◆枝野幸男経産相 [国会](FAX)03-3591-2249 (TEL)03-3508-7448 
[大宮事務所] (FAX)048-648-9125  (TEL)048-648-9124
omiya@edano.gr.jp
http://www.edano.gr.jp/inquiry/inquiry.html

◆細野豪志原発担当相 [国会](FAX)03-3508-3416 (TEL)03-3508-7116
[三島事務所](FAX)055-991-1270 (TEL)055-991-1269
[富士事務所](FAX)0545-55-5412 (TEL)0545-55-5411
http://goshi.org/contact/

◆野田佳彦首相 [国会](FAX)03-3508-3441 (TEL)03-3508-7141
[船橋事務所](FAX)047-496-1222 (TEL)047-496-1110
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html
post@nodayoshi.gr.jp

◆藤村修官房長官 [国会](FAX)03-3591-2608 (TEL)03-3508-7074
[大阪事務所](FAX)06-6337-4354 (TEL)06-6337-3694
http://www.o-fujimura.com/voice/

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2012年4月 7日 (土)

原発再稼働に向け拙速な政府の動き

わたしの家ではエアコンを一年中使わない。夏は窓をかけ扇風機、冬は寒ければ着るものを着て、それでも寒ければヒーターなどで対応していたのだが、このところの気温の変化に不覚にも風邪なるものを患ってしまい、微熱に咳、鼻水に苦しんでいる中、なんと政府は原発再稼働の可否を判断するための「新基準」を決めた。再稼働に向け野田総理と枝野・細野・藤村ら関係閣僚3氏と斎藤官房副長官、仙谷政調会長代行も同席した協議で、どのような議論を経て決定に至ったのか。原発ど素人の政治家に、どんな判断ができるのだろうか?新しい安全基準(骨子)では、緊急安全対策によって一定の安全性が保たれ、電力会社が格納容器のベント(排気)時に放射性物質を取り除くフィルターの設置を確約すれば、設置が間に合わなくても再稼働を認める方針だという。総理は『国民の視点から安全性が確保されているか判断したい。ストレステストなどこれまで明らかになっているすべての事実について徹底的に検証したい』と表明した。だが、事故の原因究明は終わっていない。立地の正当性が疑われ、耐震性に疑問や不安を残す。安全を規制する組織もできていない。お手盛りのような暫定基準で見切り発車するのは危険だ。総理は、国会などでしきりに「政治の決断」と言う。再稼働を急ぐことが政治の決断ではない。藤村官房長官が、地元同意は必ずしも再稼働の前提条件にならないとの認識を示した。地元の意向にかかわらず再稼働できると考えるのは間違っている。福島第一原発事故から、民主党政権は何を学んだのだろうか。新基準は、安全を裏付ける説得力に欠けている。これを根拠に再稼働を進めても、国民の理解は得られないのは明らかだ。毎日新聞が実施した全国世論調査で、政府が準備を進めている大飯原発の再稼働に「反対」と答えた方が62%、政府の安全審査を「十分でない」との回答も84%という結果だ。福島の原発事故後、原発に対し国民は学んできた、「安全です」「大丈夫です」と言っても、国民は信用しない。政治家が考えているほど国民はバカではない。そう簡単には騙されない。ここで再稼働を止めないと、政府は新基準を他の原発の再稼働の判断にも適用する。今回の再稼働への動きが、安易な前例にならないか心配だ。

経済産業省が公表した「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準(骨子)」

原発再稼動への無理な誘導の背景に、原子力ムラの存在があるのは言うまでもない。電力業界はもとより日本経団連の米倉会長をはじめとする財界や、読売新聞など一部メディアは国に原発の再稼動を強く迫ってきた。野田総理が、事実上の原発推進に舵を切ったのは、国民ではなく自民党を支えてきた古い勢力と手を結んだ証しだろう。藤村官房長官が5日の記者会見で、定期検査により停止中の原発の再稼働について、「法律などの枠組みで同意が義務付けられているわけではない」と述べ、地元の同意は必ずしも再稼動の前提条件にならないとの認識を示している。原発を国策として進めてきた自民党政権よりタチの悪い姿勢だが、電力各社の思いを代弁しただけの話だ。4大臣会合のもうひとりのメンバーである枝野経産大臣は、もともと原子力ムラの人間だろう。電力各社の労組で組織された「電力総連」から選挙支援を受けていることは紛れもない事実だし、東電御用達の会員制倶楽部に枝野氏が来ていたとの証言もある。

しんぶん赤旗:主張 原発「安全」基準 再稼働ありきでは信用されぬ
政府は、野田佳彦首相と経済産業相、原発事故担当相、官房長官の4大臣会合を開き、定期点検などで停止中の原発の再稼働の前提となる「安全」基準を決定しました。原発の「ストレステスト(耐性試験)」だけで再稼働を強行しようとして住民や地元自治体に反発されたためですが、決定された基準には新しい安全対策と呼べるものは何もありません。まず「再稼働ありき」では国民に信用されないのは当然で、政府は住民や自治体に再稼働を押し付ける態度を改めるとともに、原発からの撤退をこそ政治決断すべきです。

再稼働押し付ける口実に
政府は新しい基準にもとづき関西電力大飯原発3、4号機について再稼働を近く正式に決定し、関係自治体の同意を求めるとしています。まさに基準を口実に再稼働を押し付ける態度そのものです。しかも政府はこの基準をこれから再稼働が問題になる原発にも適用する方針です。文字通り「再稼働ありき」の態度は明白です。政府が決定した基準は、まず地震や津波で電源がすべて失われても原子炉の冷却ができなくなったりしないよう、電源設備や冷却・注水設備などの対策を求めていますが、その中身は政府が昨年の東京電力福島原発の事故直後、各電力会社に指示した「緊急安全対策」そのものです。実態は非常電源車や消防車などを配備しただけで、小手先の対策です。福島原発事故のような地震や津波が起きても冷却を続け燃料損傷が起きないかどうか確認するというのも、結局は「ストレステスト」の1次評価が実施済みかどうか確認するだけです。なんら新しい対策と呼べるものはありません。「ストレステスト」の結果、原子力安全・保安院から改善が求められた項目や、保安院が福島原発事故の検討から示した30項目の安全対策についての基準も、電力会社が計画を提出すればいいだけです。再稼働の前に安全対策を強化しようというものではありません。保安院が示した30項目の対策自体、原発の「安全神話」をふりまき、推進してきた保安院が勝手に持ち出したもので、なんら信頼できる対策と呼べないものです。たとえば保安院は、福島原発は地震による原子炉本体や重要な配管の破壊は確認できないとの立場のため、その対策は含まれていません。保安院自体その不十分さを認め、「今後さらに分析を加え内容の充実を図っていく必要がある」としています。そうした対策を金科玉条にし、それさえ、やりやすいものはやるがあとは計画を提出するだけというのでは、安全強化などと呼べないのは明らかです。

「原子力ムラ」に丸投げ
重大なのは、野田首相らが基準の検討にあたり、口先では「納得がいくまで議論したい」などといいながら、実際には保安院に丸投げし、わずか3日で決めてしまったことです。保安院は電力会社と一体で原発を推進してきた「原子力ムラ」の一員で、本来3月末で廃止されていたはずの機関です。こうした決定過程自体、国民の不安を顧みず、再稼働を推進していることは明らかです。政府の基準決定に対しても住民や自治体は不安と不信を募らせています。政府は再稼働を押し付けるのではなく、そうした国民の声にこそ耳を傾けるべきです。▲

毎日新聞:クローズアップ2012
福井・大飯原発、来週にも要請 再稼働ありき、新基準
毎日新聞 社説:原発安全基準 つじつま合わせはだめ
東京新聞 社説:大飯再稼働 即席で国民を守れるか

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2012年4月 4日 (水)

映画 「プリピャチ」 チェルノブイリから学ぶこと

放射能汚染された土地で暮らす人々の姿を淡々と描くことで、その危険性を静かに問いかけるオーストリア映画「プリピャチ」がアップリンク(東京・渋谷)で公開されている。

「プリピャチ」はチェルノブイリ原子力発電所から約4キロメートルに位置する。原子力発電所で働く労働者のための街だった。1986年の原発事故の後、政府は、原発30キロメートル以内を立入り制限区域「ゾーン」に指定した。許可なく入ることはできないため、ゴーストタウンと化している。事故以前は、約50000人の住民がいたが、大半が強制的に避難、移住を余儀なくされた。しかし、撮影時(99年)にも、15000人が原発や放射能の影響を調べるために区域内で交代制で働いていた。また、許可を得て帰還した約700人も区域内で生活していた。登場する老夫婦は事故後、クリムに移住するも、93年に帰村した「自主帰還者」だ。「ここで生まれ、ここで育った。ここで生きたい」と語る。そのリスクを知りつつも、放射能に汚染された水を汲み、自分たちの畑でとれた作物を食料にしている。

チェルノブイリ原発事故から12年。ニコラス・ゲイハルター監督による、「死のゾーン」と呼ばれる立入禁止区域で生きる人々をとらえたドキュメンタリー。

★公式サイト http://www.uplink.co.jp/pripyat/
★アップリンク・アースライフ・シリーズ twitter
http://twitter.com/uplink_els

1986年のチェルノブイリ原発事故から25年。周辺の汚染度は今も高く、放射性物質による健康被害も続く。放射線量は事故直後の30分の1程度に下がったが、被ばくが原因とみられる病気はいまだ多い。日本では、放射線を浴びると、がんになる確率が高くなるといわれているが、現地では、がんよりも、心臓病や脳梗塞、糖尿病、免疫不全になる人が大多数で、子どもの糖尿病も目立つという。

チェルノブイリで周辺住民に健康被害が出始めたのは事故から4、5年後。福島でも今は目立った影響はみられなくても、結果はほとんど一緒になると危惧する。チェルノブイリを例に取れば、原発から半径300kmの地域では、事故の約5年後から子供の甲状腺障害が急増した。そして10年後には、およそ10人に一人の割合で病気に罹ってしまった。さらに、そのうちの1割以上がガンを発症している。割合で言えば1000人のうち、15人くらいの子供が甲状腺ガンになってしまった。このチェルノブイリの「半径300km」を日本に当てはめれば、東京もスッポリと範囲内に収まってしまう。政府は「チェルノブイリとは違う」と言い続けているが、それは、いつもの「今が安全だと思わせられればそれでいい」という、無責任な見方に過ぎない。政府の発表する放射線量からして、果たして正しいのかどうか疑わしい。欧米の科学者の中には『福島はチェルノブイリの5倍くらいの放射性物質を出している』という見解もある。

チェルノブイリ原発事故は1986年4月26日に起きたが、2か月後の6月に英国で羊からセシウムが検出され、イタリアでは汚染したウサギ数万匹を処分している。8月にはトナカイからも検出されている。木の実や植物に付着したセシウムを動物が摂取し、食肉にしようとして検出されたということだ。直接的な被曝は半径30キロ圏立入禁止措置である程度封じられたとしても、2か月経って食物に取り込まれ、西ヨーロッパまで拡散したことになる。

セシウム137の半減期は30年、チェルノブイリ事故から2011年で25年だから、ようやく半減期に近づいたところだ。そのセシウムが食物連鎖をたどって動物に現れたのがチェルノブイリ事故から2か月後だったわけだ。5か月後の1986年9月にはフィリピンでオランダ製の粉ミルクからセシウムが検出された。5か月で加工食品に出てきた。9か月後の1987年1月、日本の厚生省がトルコ産ヘーゼルナッツから520~980ベクレルのセシウムを検出したと発表した。1986年のセシウム食品安全基準は、食物1キログラム当たり370ベクレルだった。つづけて、スパゲッティ、マカロニ、菓子、チーズなどから検出されている。輸入加工食品が出回り始め、東アジアへ到達したのである。チェルノブイリ事故後、約2年間にわたってこのように輸入食品からセシウムが検出され続けた。

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2012年4月 3日 (火)

高橋哲哉が語る 「犠牲のシステム 福島・沖縄」

辺野古浜通信より転載。
高橋哲哉が語る 「犠牲のシステム 福島・沖縄」
講演会と書籍のご案内です。

<<拡散希望 デス>>

気づきはじめている―
「54基の危険な原発が、なぜその地に造られ稼働しているのか?」という疑問の答えを…。

感じはじめている―
その答えはそのまま、「なぜ、国土の0.6%の面積の沖縄に在日米軍専用施設の74%が集中しているのか?」という疑問の答えとつながることを…。

気づき、感じはじめたことを、一人ひとりが、確かな自分の言葉に結び付ける。

それが、原発も米軍基地も必要としない未来を築く大きな力となる-
そんな思いを込めて、『犠牲のシステム 福島・沖縄』の著者・高橋 哲哉さんの講演会を開催します。ぜひご来場ください。

⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒
 高橋哲哉が語る
 「犠牲のシステム 福島・沖縄」
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

『福島』や新潟、福井などに54基(世界第3位)の原発
沖縄には 在日米軍基地74%の集中・・・
この事実が示すものはなんなのか。

福島で幼少年期を過ごした氏が、痛切な思いを込めて語る。

2012年4月7日(土)
18:45~(開場18:30)
ひと・まち交流館・京都 大会議室
河原町五条下る東側 地図はこちら
参加費:500円
主催:高橋哲哉さん講演会実行委員会
賛同団体:沖縄・辺野古への基地建設に反対し、普天間基地の撤去を求める京都行動(京都行動)
連絡先 090-2359-9278(「ぐるーぷチャンプル~」松本)

<高橋 哲哉(たかはし てつや)>
1956年福島県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。専攻は哲学。南山大学講師等を経て、東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『逆光のロゴス』『記憶のエチカ』『デリダ』『戦後責任論』『歴史/修正主義』『「心」と戦争』『証言のポリティクス』『〈物語〉の廃墟から』『反・哲学入門』『教育と国家』『靖国問題』『国家と犠牲』『状況への発言』など。最新刊に『犠牲のシステム 福島・沖縄』集英社新書)、『いのちと責任』(高史明氏との共著、大月書店)がある。

『犠牲のシステム 福島・沖縄』集英社新書(¥740+税)
経済成長も安全保障も「犠牲」の上に成り立っている。
『靖国問題』以来、6年ぶりの書き下ろし! 3・11が暴いた「戦後」の欺瞞
福島の原発事故は、原発推進政策に潜む「犠牲」のありかを暴露し、沖縄の普天間基地問題は、日米安保体制における「犠牲」のありかを示した。もはや誰も「知らなかった」とは言えない。沖縄も福島も、中央政治の大問題となり、「国民的」規模で可視化されたのだから-。経済成長や安全保障といった共同体全体の利益のために、誰かを「犠牲」にするシステムは正当化できるのか?福島第一原発事故で警戒区域となった富岡町などで幼少期を過ごした哲学者による、緊急書き下ろし。(同書ホームページより)

ご案内 <ひと・まち交流館 京都>
河原町五条下る東側 市バス「河原町正面」下車すぐ
京阪「清水五条」駅下車 徒歩8分
地下鉄烏丸線「五条」駅下車 徒歩10分
TEL:075ー354ー8711
案内:http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html

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素人政治家が原発の安全性を確認

原発技術の安全性はものすごく専門的だし、確立された安全対策はない。忙しく、その分野の素人である政治家が原発の安全性を確認することには無理がある。だが野田政権は、総理と枝野・細野・藤村ら関係3閣僚による会議を開き、関西電力大飯原発の再稼働に向けた「政治判断」を行おうとしている。専門家が判断を回避する中、原発では素人の首相らが安全性を確認し、「国が責任を負う」と言っても、どれだけの人が納得できるだろうか。安全委の班目春樹は、経済産業省原子力安全・保安院の審査手法はおおむね問題ないとする一方で、安全性の確認には1次評価だけでは不十分だと強調。より厳密な2次評価の速やかな実施を求めている。 … 「(再稼働の)安全性の確認を求められたとは思っていない」「安全宣言を出すつもりはない」とまで言い切った。大飯原発の1次評価には疑問の声が多い。周辺の活断層や津波の影響について再検討すべきだとの研究者の指摘もある。地元の同意は容易には得られまいが、このような状況でもし再稼働を容認するならば、国民の安全を守るという最も重要な役割を放棄するに等しい。

東京新聞:再稼働 尚早ムード 経産相「現時点で反対」
枝野幸男経済産業相は2日の参院予算委員会で、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働について「現時点では私も再稼働に反対だ」と表明した。野田佳彦首相と関係閣僚は3日に再稼働の是非を協議する。再稼働へ首相が前のめりの姿勢を示す中、枝野氏としては、世論や民主党内の反対論を背景に慎重な対処を求める考えだ。枝野氏は参院予算委で、原子力安全委員会などが行った安全評価(ストレステスト)の一次評価の審査結果について「今の段階で、私が内容に納得しているわけでもなく、国民に納得いただけると得心したわけではない」と述べ、内容を精査する必要があるとの考えを示した。「国民の納得」という言葉を使った背景には、各種世論調査で示される再稼働への厳しい視線がある。もともと、原発の専門家ではない首相らの再稼働判断をめぐっては「原子力ムラの判断を丸のみしかねない」と疑問視する声が強い。また再稼働に向けて、首相は「私も先頭に立たなければならない」と述べ、自ら地元の説得に乗り出す意向を表明している。ここで判断を急げば、世論の反発をさらに強め、政権運営が険しくなりかねないとの判断に傾きつつあるようだ。足元の民主党内の動向も影響している。政策調査会内の組織である原発事故収束対策プロジェクトチーム(PT)は再稼働判断を「時期尚早」とする提言をまとめた。菅直人前首相ら有志議員は「脱原発・ロードマップを考える会」を近く発足させる。消費税増税法案の国会提出に続き、再稼働の是非で再び党内が混乱する事態を招くのは避けたい思いも見え隠れする。民主党に加え、自民、公明、みんな、社民の各党議員が発起人を務める「原発ゼロの会」が先月末に発足するなど、こうした動きが他党にも広がっていることも考慮した。さらに神経をとがらせているのは、次期衆院選で「台風の目」となりそうな橋下徹大阪市長の動向だ。橋下氏は大飯原発の再稼働に反対を表明しており、藤村修官房長官は2日の記者会見で「大阪市は関電の大株主。意見を聞く必要はある」と述べ、配慮する意向を示した。▲

しんぶん赤旗:主張/大飯原発再稼働 政治判断での押し付けは暴挙
政府は近く野田佳彦首相と、官房長官、経済産業相、原発事故担当相の各大臣が協議し、定期点検で停止中の関西電力大飯(おおい)原発3、4号機について、再稼働を「政治判断」しようとしています。関電が実施した「ストレステスト」(耐性試験)の1次評価を、経済産業省の安全・保安院や原子力安全委員会が「妥当」と判断したのを受けたものです。「ストレステスト」の1次評価だけで「安全」と判断するのは何の根拠もありません。しかも「政治判断」で再稼働を決めるというのは、地元自治体や国民に再稼働を押し付けるまったくの暴挙です。

安全委も「安全」といわず
「ストレステスト」はもともと原発がどの程度の地震や津波に耐えられるか確かめるもので、とくに1次評価は深刻な炉心損傷を起こすまでの余裕がどの程度かを見るだけです。地震や津波への対策が十分かを調べる2次評価はまだ行われていません。「ストレステスト」の1次評価だけで安全と判断できないのは明らかです。東京電力福島原発の事故原因の究明が尽くされなければ、地震や津波がどの程度原発に影響を与えるかを見定めることさえ不可能です。原子力安全委員会は原発の安全審査や防災対策の見直しを進めていますが、それが決まるのもこれからです。それなのに「安全」だからと再稼働を決めるのは、文字通り、新たな「安全神話」を作るものでしかありません。関西電力の「ストレステスト」を審査した安全・保安院も安全委員会も、原発を推進してきた「原子力村」の一員です。しかもその安全委員会でさえ、保安院の評価方法は問題ないといっているだけで、大飯原発そのものが安全だといっていません。少なくとも2次評価までみなければ総合的に評価できないというのが結論です。さも“お墨付き”をえたように再稼働を決めるのは許されません。大飯原発の安全性について技術的に十分な根拠を示せないのに、関係閣僚が集まって「政治的」に判断しても、国民の納得など得られるはずはありません。与党の民主党内からさえ、「その分野の素人である政治家が原発の安全性を確認することには無理がある」との声が上がっています(「朝日」24日付)。根拠も整わないのに「政治判断」で再稼働を認めるなどというのは無謀のきわみです。原発は立地自治体と安全協定などを結んでいるため、再稼働には地元自治体との合意が不可欠です。政府は関係閣僚で政治判断したあと地元の同意を得るといいますが、まず政府で決めてからというのでは、それこそ地元の意向を無視して再稼働を押し付けることになりかねません。大飯原発では福井県内の自治体や滋賀県など周辺の自治体から反対の声が相次いでいます。こうした声を踏みにじる「政治判断」は許されません。

事故原因究明、撤退こそ
大飯原発の再稼働を押し付けるのではなく、いま政府がやるべきなのは福島原発事故の原因究明を徹底し、事故の収束と除染・賠償を急ぐとともに、原発からの撤退を決断し、原発に頼らないエネルギー政策を示すことです。根拠も示さず電力不足を言い立てて再稼働を急ぐのは、やみくもに原発を推進して大事故を引き起こした誤りを繰り返すだけです。▲

4月3日ゲンダイネット:野田は原発再稼動を決めている
枝野の反対は芝居
野田首相が急ぐのは、増税法案だけじゃない。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる動きが急なのである。2日の国会で枝野経産相が「私は再稼働に反対」と表明したが、今夜、3閣僚で協議。順調にいけば、4月中旬にストレステスト(耐性評価)合格第1号として稼働するというのだ。 「野田と枝野は、役割分担をしているだけ。産業界が再稼働をせっついてるんだから、野田が断れるわけがない。一方の枝野は東電を国有化して、後見人の仙谷に“料理”させたい思惑があるから、再稼働推進の姿勢は見せにくい。ちょっと慎重派を装っていますが、官邸が再稼働を決めれば、折れますよ」(官邸事情通) 野田が再稼働に前のめりなのは、増税法案を後押しする勢力が再稼働推進派であることが一番だが、もう一つの理由があるという。 「野田首相を焦らせているのは原油高。それにつられて物価がどんどん上がりかねない。そうなると、支持率はさらに下がるし、これからの国会で増税審議もやりづらい。原発再稼働で、原油高と電気料金値上げをなんとか食い止めたいのです」(全国紙政治部記者) アメリカのオバマ大統領が、ガソリン価格の上昇で支持率を急落させたのを見て、さらに焦り始めたらしい。自分を米大統領と比較するあたり、サルマネを通り越して、完全に自信過剰症に侵されている。▲

◇◆4閣僚に「再稼働の“政治判断”するな」の声を大至急届けよう!◆◇

        <STOP!大飯原発再稼働>

◆枝野幸男経産相 [国会](FAX)03-3591-2249 (TEL)03-3508-7448 
[大宮事務所] (FAX)048-648-9125  (TEL)048-648-9124
http://www.edano.gr.jp/inquiry/inquiry.html

◆細野豪志原発担当相 [国会](FAX)03-3508-3416 (TEL)03-3508-7116
[三島事務所](FAX)055-991-1270 (TEL)055-991-1269
[富士事務所](FAX)0545-55-5412 (TEL)0545-55-5411
http://goshi.org/contact/

◆野田佳彦首相 [国会](FAX)03-3508-3441 (TEL)03-3508-7141
[船橋事務所](FAX)047-496-1222 (TEL)047-496-1110
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

◆藤村修官房長官 [国会](FAX)03-3591-2608 (TEL)03-3508-7074
[大阪事務所](FAX)06-6337-4354 (TEL)06-6337-3694
http://www.o-fujimura.com/voice/

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2012年4月 2日 (月)

誰も知らない基地のこと Standing Army

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世界各国で起こっている米軍基地問題の真実を追究したドキュメンタリー。

5月に沖縄返還から40年を迎える。
日本の将来はこの問題とどう向き合うかにかかっている。
一国の存在意義を揺るがす重要課題でありながら、
国民全員がその実態を把握しているとは言い難い沖縄基地問題。

連日、国内のメディアを騒がせている普天間基地移設問題。
だが世界に目をやれば、基地問題は日本だけの問題ではない。
現在、世界の約40カ国に700箇所以上の米軍基地が存在する。
なぜ、戦後60年以上過ぎても基地をなくすことができないのか?

2007年にイタリアで起こった米軍基地拡大への反対運動をきっかけに、ビチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、普天間(沖縄)などで取材を敢行。基地の騒音や兵士が起こす事故などに悩まされる付近の住民や、専門家へのインタビューなどを通して、米軍基地問題の実態を明らかにしていく。

誰も知らない基地のこと -スタンディング・アーミー STANDING ARMY-

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2012年3月29日 (木)

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